2022年6月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

音楽で拡がる輪

JAZZ(Grazie Italia )

2022年3月26日 (土)

ロマンチシズムと哀愁が溢れたビター・スィートな一枚 『European Walkabout / Alessandro Galati Trio』

European_walkabout_20220325173201
 
「第16回 ジャズオーディオ・ディスク大賞 2021」、『Skyness / Alessandro Galati Oslo Trio』で、インスト部門の金賞だったアレッサンドロ・ガラティ。
哀愁の名手アレッサンドロ・ガラティが、欧州の美旋律のトラッドを弾くなんて、、ちょう反則的にずるい気がするじゃありませんか。。。
トラッドといっても伝承曲ばかりではなく、その土地に広く深く伝わっている音楽、という感じでしょうか。
 
オープナーは、ガラティの故郷イタリアの曲「Love in Portofino」、18禁的に艶っぽい演奏、ピアノの煌めく音色に一気に心を持っていかれる。
「Verde Luna」、低音から高音まで鍵盤を動きメランコリックに物語を語る3人。
お馴染み「Dear Old Stockholm」、哀愁の旋律を軽快に奏で、アドリブも饒舌。
「Almeno tu nell'universo」、一音一音を丁寧に弾いた美しいバラッド、この間合いにため息が。。
「Last Night a Braw Wooer」、アイルランド民謡「Last May a Braw Wooer」のメランコリックな側面をだして、ゆったりと陰影のあるしっとりした演奏に。
ポルトガルのファド「Cancao do Mar」、シンプルなメロディからの抽象的な3人のやりとりが深淵。
「Danny Boy」は、アイルランド民謡「Londonderry Air」。この美しさをなんの衒いもなく弾いて感動を与えるって凄い、3人に拍手喝采。
スコットランドに起源を持つ民謡「The Water is Wide」、素朴なメロディを繊細に情感豊かに。
パレ・ダニエルソン(彼も『Time Being』で演奏している)に教えてもらったという「Liten Visa Till Karin」、澄んだ空気が広がる…スウェーデンは美メロの宝庫ですねぇ。
終演は、祖国のお気に入りの曲で「Parlami d'amore Mariu」、ロマンチシズムに溢れるメロディ、そして、三位一体で表現する軽やかさ。
 
ロマンチシズムと哀愁が溢れたビター・スィートな一枚。
ガラティはもちろん、ベースもドラマも最高なお仕事。
美しいメロディを豊富なアイディアで個性的に。
 
1. Love in Portofino
2. Verde Luna
3. Dear Old Stockholm
4. Almeno tu nell'universo
5. Last Night a Braw Wooer
6. Cancao do Mar
7. Danny Boy
8. The Water is Wide
9. Liten Visa Till Karin
10. Parlami d'amore Mariu
 
Alessandro Galati (p) 
Guido Zorn (b) 
Andrea Beninati (ds)
 
今日のおまけは、「Danny Boy」。
 
 
んじゃ、退散♪

2022年3月 6日 (日)

ファブリッツィオ・ボッソとハヴィエル・ジロットが参加 『Blu / Igor Caiazza』

Blu
 
今日の落ち穂拾いも、ジャズ批評226のマイ・ベスト・ジャズ・アルバムの特集からでっす。
ライターの草野信之氏が、ベスト3に選ばれていた、イタリアを代表するヴィブラフォン奏者、イゴール・カイアッツァの作品。
やっぱり、イタリアン・ハードバップの立役者の一人であるファブリッツィオ・ボッソが3曲に参加しているのが目玉ですかね。他にもハヴィエル・ジロットもソプラノ・サックスで4曲に参加していたりして、なかなか、面白そうですよね。
インスピレーションを与えるブルーからインスパイアされ作曲した8曲がならんでる。
 
オープナーからボッソのふくよかなトランペットの音色と哀愁に魅せられる「L'attesa」。
クールな中に、メロディアスなヴィブラフォンの音色が優しく、耳に心地よい。
「Naissances」、ジロットの情感たっぷりのソプラノ・サックスが歌いまくり、ギターも情熱的に後を追う。
穏やかに美しい「Blu」、爽やかなヴィブラフォンの音色、少し熱のあるメロディカの重なり、はっきりした感情を投げかけるソプラノ・サックス。
「My Quiet Place」、心静まる優しいヴィブラフォンの音色からサックスとドラムの居心地のよい参加。
レギュラー・カルテットでの「Long Spring」、心地よいハーペジーの音色、歌声も入ってリラックス気分満載♪
「La Ragazza Di Montedidio」、ブラシの音も爽やかに、涼やかなヴィブラフォンの音色、ハーペジーを奏でるジャコモ・ルッジが歌ってるんですね。
オーボエ、弦楽器も加わり、ボッソも絡む『Tema di una buonanotte』、優しく優しく夢の世界。
終演は、ボッソとジロットの2管でアップテンポで駆け抜ける「Un brindisi all'amicizia」。
フロント2人のコール&レスポンス、高速のやりとりはスリリングで超かっこいい!
情熱には情熱を、高速には高速を、ユニゾンもきまって拍手♪
 
優しくメロディアスばヴィブラフォン、そして、リラクゼーション満載。
ボッソとジロットが、曲にぴったりハマる演奏で盛り上げま〜す。

1. L'attesa
2 .Naissances
3. Blu
4. My Quiet Place
5. Long Spring
6. La Ragazza Di Montedidio
7. Tema di una buonanotte
8. Un brindisi all'amicizia

Igor Caiazza (vib)
Giacomo Riggi (harpeiji, melodica, el-p)
Gabriele Evangelista (b)
Amedeo Ariano (ds)

Fabrizio Bosso (tp) #1,7,8
Javier Girotto (ss) #2,3,4,8

Carlo Fimiani (g) #2
Fabien Thouand (ob) #7
Marlene Prodigo (vn) #7
Valentina Del Re (vn) #7
Livia de Romanis (vc) # 7
 
今日のおまけはご本人があげていた「 L'attesa」。
 
 
プーチンの愚行で、気持ちがバタバタしていたら、お雛祭りが過ぎちゃいましたよ。怒
ちょっと寂しいので、週末はちらし寿司でもつくろうかと。。。。
 
んじゃ、退散♪

2022年3月 2日 (水)

クラウディオ・フィリッピーニ参加 『Happy End / Lorenzo Tucci』

Happy_end
 
今日の落ち穂拾いは、ジャズ批評226号のマイ・ベスト・ジャズ・アルバムの特集から気になったものを。
MOONKSの小山智和氏が、ベスト2に選出されていた、イタリアン・ハードバップの立役者の一人であるドラマー、ロレンツォ・トゥッチの新作。
なんと、あの人気ピアニスト、クラウディオ・フィリッピーニをフィーチャーしたピアノ・トリオ作。
ベーシストは、イタリアの俊英、ヤコポ・フェラッツァ。わぁ〜気になるぅ!
アルバムは、トゥッチの故郷であるアブルッツォへのオマージュが込められており、1曲を除いて全て彼のオリジナル。
 
オープナーは、柔らかな陽射しのような温かで優しいメロディを持つ「Tutto」。
透明感あるピアノが太陽の光のようにキラキラと輝く。
「Afrodolce」、回想的なピアノのイントロから鮮やかなスティック捌きの3人で息のあった演奏に。
ベースをフィーチャーした「Grow」、透明感あるピアノ。
親しみやすいメロディ、リリカルでロマンチックな演奏「Kenzia」。
アクセントの強い「Andra Bene」、ゆっくりだけど力強い演奏。
多彩なドラミングが楽しい、まさにハッピーな「Happy End」口笛が楽しそ。
アブルッツォにちなんだ「Lu Piante de le Foje」、長閑にゆったりと歌い上げる。
 
終演は、繊細さと豪快さが同居するドラムを堪能「Pandaguru」。
 
多彩なドラミングと、ロマンティシズム溢れるピアノで、叙情満載の王道欧州ジャズ・ピアノ路線、真っ只中。
小山智和氏、ありがとうございました。m(_ _)m
 
 

1. Tutto
2. Afrodolce
3. Grow
4. Kenzia
5. Andra Bene
6. Happy End
7. Lu Piante de le Foje
8. Pandaguru

Lorenzo Tucci (ds)
Claudio Filippini (p)
Jacopo Ferrazza (b)
 

今日のおまけは、ご本人のトピックスから「Tutto」。
 
 
 
年末、、12月の発売でしたか。。
 
んじゃ、退散♪



2022年2月23日 (水)

期待通りの哀愁と郷愁 『Tango Macondo / Paolo Fresu』

Tango_macondo
 
精力的に音楽活動を続けるイタリアのトランペッター&フリューゲル奏者、コンポーザーのパオロ・フレス。
新作は、ピアニストでもあるイタリアの世界的バンドネオン奏者ダニエーレ・ディ・ボナヴェントゥラと、アコーディオン奏者のピエールパオロ・ワッカとの演奏。
フレスが、バンドネオンやアコーディオンと組んで悪かろうはずがありませぬ。。
そして、ゲストとして、イタリアのヴォーカリスト、マリカ・アヤン、トスカ、エリサの3人が参加。
 
 
オープナーは、マリカ・アヤンが感情の発露をみせる「Alguien Le Dice al Tango 」、ピアソラ曲をボナヴェントゥラが郷愁いっぱいに演奏。フレスのミュート・トランペットが沁み渡る。
リズムにのった「Il venditore di metafore」、多重録音でスリリングな「Movimento andino」。
牧歌的な雰囲気「Dumburudù / Dillu 」、ピアノと一緒にすすむ「Macondo」。
トスカとフレスが想いを歌い上げる「El Día Que Me Quieras」。
粛々と「Lenta preghiera」。後半でフレスの躍動的なピアノが聴ける「Ballu Tzoppu / Skamoiada」。
丁寧に丁寧に「Il sogno delle case di specchio 」。エリサの力強い歌声「Volver 」。
終演は、長閑な空間が続く「Tema di matoforu e anzelina 」。
 
そして、ボーナス・トラック「Stagioni」、明るい陽射しを感じる午後。
 

フレスのトランペットもフリューゲルも良く歌います。
そして、バンドネオン、アコーディオンとこれまた郷愁を誘います。
3人の個性的なヴォーカルがそれぞれいい味。
哀愁、郷愁に満ちています。


1. Alguien Le Dice al Tango
2. Il venditore di metafore
3. Movimento andino
4. Dumburudù / Dillu
5. Macondo
6. El Día Que Me Quieras
7. Lenta preghiera
8. Ballu Tzoppu / Skamoiada
9. Il sogno delle case di specchio
10. Volver
11. Tema di matoforu e anzelina
12. Stagioni (Bonus track)




Paolo Fresu (tp, flh, effects, p #Skamoiada)
Daniele di Bonaventura (bandoneon, effects, p)
Pierpaolo Vacca (acc, effects)

Malika Ayane (vo) #1
Tosca (vo) #6
Elisa (vo) #10  

今日のおまけは、フレスがあげていた「Alguien Le Dice al Tango

」。





んじゃ、退散♪

2021年10月17日 (日)

夜の中で…  『Notturno / Roberto Olzer Trio with Strings 』

Notturno
 
 
この秋は、「秋のピアノ・トリオ祭り」、、みたいな、ことになっていますよね。汗
 
澤野工房さんからは、メロウなイタリアのピアニスト、ロベルト・オルサーが、10曲中5曲にストリングスのはいったアルバムを出しました。
タイトルはイタリア語で「夜想曲」、夜からインスパイアされた作品集のようです。
澤野工房では、鉄板のメンバー、ベースはユーリ・ゴルベフ、ドラムはマウロ・ベッジオ。
 
オルサーのオリジナル5曲、ゴルベフ1曲、ショパンやメンデルスゾーンなどクラシックの曲も含めて、全10曲。録音とマスタリングは、ステファノ・アメリオ。
 
オープナーから思いっきり哀愁溢れ、情緒たっぷりなオルサー曲「 Images 」。
リリカルなピアノ、繊細に変化していく感情の機微を見事に拾い上げるベースとドラム。
感情の高まりを美しく表現したショパンの「Étude, Op. 10 No. 6」。
冒頭からストリングスの音色で引き込むメンデルスゾーンの「Andante con moto, from ʻItalianʼ Symphony 」、身の置き所がないくらい心を揺さぶられる、ベース・ソロが素晴らしい。
一転、リズミカルに始まった「My Funny Valentine 」は、メリハリと躍動感があり、部分的につかっているストリングスも効果的。
新世紀エヴァンゲリオンから綾波レイのテーマ「Rei I, from Neon Genesis Evangelion 」、ストリングスがしっとりと絡みつき、浮遊感あるメロディと相まってミステリアス。
ゴルベフ曲「Milano Rain」、濡れた石畳が浮かび上がるようなエレガントさ。
タイトル曲でオルサーのオリジナル「Notturno」、冒頭、銀河の中に投げ出されたような美しい音の数々、星々の間を漂うような感覚、ストリングスが入ってふと我に帰る。どこまでも、細やかに、優しく柔らかく。
ストリングが情感を誘うオルサー曲「Eveline」、アイルランドのジェイムズ・ジョイスの「ダブリンの市民」からエヴリンを想って。
オルサー曲「Touchdown」、少しサスペンス・タッチでスリリングに、流麗なピアノ、色彩豊かなドラム・ソロ。
終演は、ヘンリー・パーセルのオペラより「Dido's Lament, from ʻDido and Aeneasʼ」。重厚なベースのソロに導かれはじまる哀歌。死と暗闇の重さ、深遠なる心の闇。
 
「with Strings」と、ありますが、全編に使われているわけではなく、
要所要所に、感情の起伏を増幅するような感じで入っています。
基本は、この哀愁とロマンチシズムを持ったトリオの、繊細な感覚の美しい演奏。
夜にぴったりな落ち着いたアメリオの音色で、
オルサーたちの思い描く夜のひとコマひとコマを堪能してくださいね。
 
 
1. Images 
2. Étude, Op. 10 No. 6 
3. Andante con moto, from ʻItalianʼ Symphony 
4. My Funny Valentine 
5. Rei I, from Neon Genesis Evangelion 
6. Milano Rain 
7. Notturno 
8. Eveline 
9. Touchdown 
10. Dido's Lament, from ʻDido and Aeneasʼ

Roberto Olzer (p)
Yuri Goloubev (b)
Mauro Beggio (ds)

Strings  #03, 04, 05, 07, 08 
 Leonarddo Giovine (vin)
 Lucia Zazzaro (vla)
 Antonio Merici (vc)
 
今日のおまけは、ご本人があげていた「Notturno 」。
 
 
 
 
んじゃ、退散♪
 

2021年10月 9日 (土)

極北の空気も感じられる 『Skyness / Alessandro Galati Oslo Trio』

Skyness


 

『Cold Sand』をリリースする直前の2017年の1月の録音だそうですよ。

なぜに、リリースされなかったか、、それは、分かりませんが、、

 

宣伝文には、

「澤野工房がリリースを躊躇してしまった最高傑作にして熟成させていた未発表作品。」

と、あります。

そして、その音源を今年になって、澤野社長が寺島レコードに持ち込みリリースに至ったとのこと。

きっと、、私たちが知らなくても良い「大人の事情」があるのでしょう。。

 

ガラティのさまの新譜であれば聴いてみたいのが、ファン心。

そして、ヤン・エリック・コングスハウグをエンジニアに迎えレインボー・スタジオで録音、マスタリングは、ステファノ・アメリオ!!

しかも、「Oslo Trio」とあり、ベーシストが、私の好きなベーシストの一人、あのマッツ・アイレットセンではありませんか。。

ポチりましたよぉ♪

 

彼のオリジナルが7曲、即興が2曲、ジョン・レノンの1曲で全10曲。

 

オープナーは、美しくも緊張感を持つ「Rob as Pier」、哀愁あるメロディを3人で紡ぎあげていく。

柔らかで丸みのあるピアノの音で、余韻を大切にした演奏、ベースのソロも叙情的。

暗く少し重めな雰囲気の「In My Boots」、抽象的で大きな空間を持つ「 Balle Molle」。

2つある即興演奏のひとつ「Flight Scene #1」、タイトル「飛行」は自由に飛翔する3人のイメージからのよう。力強いベース・ソロから始まって、それぞれが即発されながら音の響きを確認しあっている感じ。

「Raw Food」、アルコやシンバル音が繊細に重なり合う中、とても内省的な演奏。

それぞれの音の響きと即答力を最大限に大切に、2つ目の即興「Flight scene #2」。

悲壮的なムードを大きく感じる「Entropy」、ベースとドラムの創造力を強く感じる。

昔から好きだったというジョン・レノンの「Jealous Guy」、冒頭はピアノで柔らかなにメロディを奏でる。叙情豊かなベース・ソロが、、また、泣ける。

終演はタイトル曲「Skyness」、彼が考えた新造語だそうです。北に向かう飛行機の中、空との一体感から生まれた言葉のよう。ノルウェーに広がる凍える広大な大地。そこから生まれる虚無感、、音楽家の彼はそれを音楽として残したかったのだとおもいます。

 

彼のピアノの音は、溶けかかった氷のような、、透明で濡れた美しさがあると思うのですが、、

本当に、その一音一音の余韻までを綺麗に再現しているので、ドキドキしちゃいます。

アイレットセンのベースは、重すぎず軽すぎず、理想的。

ドラムのヴィナッチャも、繊細且つ大胆な音選び。

3人で、ガラティの目指す、「ひとつひとつの音が響き合うことの結果が創り出すサウンド」を創り出してます♪

 

ガラティの叙情はそのまま、極北の空気も感じられる1枚。



1. Rob as Pier
2. Silky Sin
3. In My Boots
4. Balle Molle
5. Flight Scene #1
6. Raw Food
7. Flight scene #2
8. Entropy
9. Jealous Guy
10. Skyness

Alessandro Galati  (p)
Mats Eilertsen  (b)
Paolo Vinaccia  (ds)

 

今日は、ちょうど良い音源がみつかりませんでした。m(_ _)m

 

パオロ・ヴィナッチャは、イタリア出身でオスロに住んでいたドラマーです。

この録音の2年半後、2019年の7月に65歳で鬼籍に入っています。

このアルバムの立役者の一人である、録音エンジニアのヤン・エリック・コングスハウグも、2019年の11月に鬼籍に入っています。

もう少し、早く、リリースできたらよかったですね。

 

謹んで、ご冥福をお祈りいたします。

 

んじゃ、退散♪

2021年8月22日 (日)

モリコーネに捧げた 「Morricone Stories /  Stefano Di Battista」

Morricone_stories


 

イタリア出身のベテラン・サックス奏者ステファノ・ディ・パティスタの新作は、2020年7月に鬼籍に入った祖国イタリアの映画音楽の巨匠、エンニオ・モリコーネへのトリビュート作品。
誰もが知る有名曲から、世界発演奏の未発表曲「Flora」を含む知られざる名曲まで全13曲。

フランスの若手有望ピアニスト、フレッド・ナルディン、ベースは、ダニエーレ・ソレンティーノ、ドラムはフランスのベテラン・ドラマー、アンドレ・チェッカレリ。

バティスタは、フランスを中心に活動しているようで、仏伊混合チームですね。

 

オープナーは、映画 "What have you done to Solange?" から「Cosa avete fatto a Solange」、透明感のあるバティスタのサックスがメロディアスに踊り出す。

続いて "Fear over the City"からスリリングに「Peur sur la ville 」。

美しいピアノの演奏に誘われて切なく哀愁を纏った「La cosa buffa」、同タイトルの映画から。

同タイトルの映画から「Veruschka」、流麗なサックスのフレージング、流れるようなピアノのフレージング、息のあったピアノ・トリオのサポートを得て生き生きと泳ぐバティスタ。

"Once Upon a Time in America"から「Deborah's Theme 」、朗々と噴き上げる演奏、すぅ〜と、胸に染み込む。

 

スリリングにアップテンポに駆け抜ける「Metti, una sera a cena」も同タイトルの映画から。

"1900"から「Apertura della caccia 」、抒情豊かな爽やかな風が吹き抜ける。

秘めた情熱を吹き上げる"The Great Silence"からの「Il grande silenzio」での陰りある演奏。

世界初の演奏となる未発表曲「Flora」の伸びやかで美しいこと。。


スリリングでミステリアスな"Sunday Woman"からの「La donna della domenica」、シャープなピアノが◎。


"The Mission"からは、ソプラノでエモーショナルに「Gabriel's Oboe」。

終演は、同タイトルの映画から「The Good, the Bad and the Ugly」、情感込めて力強く。

 


 

ワンホーンのシンプルな編成で、透明感のあるサウンドが繰り広げられます。

モリコーネの映画音楽が中心で、難解なことはあまりしていないのですが、

モリコーネの音楽をジャズとして彩っていました。肩の凝らないサウンド。



1. Cosa avete fatto a Solange (from ""What have you done to Solange?"")
2. Peur sur la ville (from ""Fear over the City"")
3. La cosa buffa
4. Veruschka
5. Deborah's Theme (from ""Once Upon a Time in America"")
6. Metti, una sera a cena
7. Apertura della caccia (from ""1900"")
8. Il grande silenzio (from ""The Great Silence"")
9. Flora
10. La donna della domenica (from ""Sunday Woman"")
11. Gabriel's Oboe (from ""The Mission"")
12. The Good, the Bad and the Ugly

Stefano Di Battista ( as, ss )
Fred Nardin (p)
Daniele Sorrentino (b)
Andre Ceccarelli (ds)

 

 

今日のおまけは、ご本人があげていた「Deborah's Theme」。

 


 

んじゃ、退散♪



2021年8月 4日 (水)

ちょっと妖しくビターなテイスト 『Indaco Hanami /  Trio Kàla  ( Rita Marcotulli, Ares Tavolazzi, Alfredo Golino)』

Indaco_hanami
イタリアのベテラン・ピアニスト、リタ・マルコチュリの新譜。
「 Trio Kàla 」と名付けられたピアノ・トリオのメンバーは、ベーシストのアレス・タヴォラッツィと、イタリアのドラマーのアルフレード・ゴリノ、、全員が、ベテランの精鋭揃い。
オープナーは、叙情的に始まる「Indaco」、プログレッシブな激しさをみせ、冒頭から一筋縄ではいかない。

仄暗さと美しさを持った「Bobo's Code」。
シリアスなドラム・ソロから始まるレノン・マッカートニーの「Lady Madonna」、ファンクなアレンジ、弾けるビートが斬新。
イタリアのシンガー・ソングライター、ピーノ・ダニエレの「Napule È」、リリカルなピアノ、トリオはグルーヴィな演奏。
アメリカのシンガー・ソングライター、ランディ・ニューマンの「 I Think It's Going To Rain」、ゆったりとしっとりと。
3人の名義の「Dialogues」、個性のはっきりした対話が続く。
再び、ピーノ・ダニエレの曲「Quando」、ビターなサウンドでミステリアス。
ドラムのアルフレード・ゴリノはナポリ出身のようなので、同じナポリ出身のピーノ・ダニエレに思い入れがあるのでしょうか。。
繊細さとダイナミックな躍動感が同居する「Cose Da Dire」、ノリノリですね。

終演は、イタリアを代表する音楽家、ニノ・ロータの「Romeo And Juliet」、透明でリリカルで美しいピアノ・ソロで始まり、トリオで心象風景を投影する。

難解すぎず、凡庸でなく、欧州叙情派だなぁ、、と、しみじみ。
ちょっと、妖しいビターなところが好き。。
1. Indaco 
2. Bobo's Code 
3. Lady Madonna 
4. Napule È 
5. I Think It's Going To Rain 
6. Dialogues 
7. Quando 
8. Cose Da Dire 
9. Romeo And Juliet 

Rita Marcotulli (p)
Ares Tavolazzi (b)
Alfredo Golino (ds)
今日のおまけは、ドラマーがあげていた「Quando」。
全国的に猛暑ですねぇ。
新潟も猛猛暑でございます。。
んじゃ、退散♪

2021年7月11日 (日)

誰かを笑顔に 『Una Notte Di Coprifuoco / Roberto Olzer  / Max De Aloe』

Una_notte_di_coprifuoco
 
イタリアのピアニスト、ロベルト・オルサー、日本でも人気のピアニストですよね。
新作は、同じイタリアのクロマティック・ハーモニカ奏者、マックス・デ・アロエのデュオ作。
コロナ禍にオルサーの自宅で録音されたそうで、500枚限定で手書きのシリアルナンバー入り。もちろん、サインも入っている。
ジャケットも一枚一枚違うそうで、私のは白地に爽やかな黄色で線が塗り重ねられている。
 二人のオリジナル4曲と、スタンダードやミュージシャン曲などで全10曲。
 
オープナーは、タイトルトラック、アロエの「 Una notte di coprifuoco」、透明感のあるピアノに誘われてハーモニカが歌う、哀愁を纏いながら、サラリとくどくならずに。
パット・メセニーの『Secret Story』から「Always and forever」、これがハーモニカとピアノにもぴったりくる。
ハーモニカをアコーディオンに持ちかえて、ビルフリの「Strange Meeting」、静寂な不思議な響き。
優しい穏やかな音風景「The nearness of you」。アリエル・ラミレスの「Alfonsina y el mar」、胸に沁みる美しさ。
フランスの作曲家、ガブリエル・フォーレの「Pavane, op. 50 」、淡々と。
オルサー曲「A ballad」、穏やかで柔らかな中に、希望の見えるような素敵な演奏。
フランシス・プーランクの「Andante, from Piano Concerto 」ゆったりゆっくり。
オルサーの「Epilogo」、ミステリアスな仄暗い時間がすぎていく、オルサーの「Epilogo」。
終演は、アコーディオンに持ち替えたアロエの「Ore giorni mesi」、二つの鍵盤が哀愁を奏でる…。
 
穏やかで優しい時間でした。
このアルバムには、それぞれ違ったメッセージが入っています。
私には、下のお手紙が入ってました。
このアルバムを聴いて、笑顔になってくれる人がたくさんいますように。
 
1. Una notte di coprifuoco 
2. Always and forever
3. Strange Meeting 
4. The nearness of you 
5. Alfonsina y el mar 
6. Pavane, op. 50 
7. A ballad 
8. Andante, from Piano Concerto 
9. Epilogo 
10. Ore giorni mesi 
 
 

Max De Aloe (chromatic harmonica, accordion)
Roberto Olzer (p) 
 
今日のおまけは、たぶん、マックス・デ・アロエがあげたと思われる「Una notte di coprifuoco 」。
 
 
これが、私のアルバムに入っていたお手紙。
 
Letter
 
 
「今日、誰かの笑顔の理由になってください ❤️」
 
って、感じらしいです。
頑張ります。笑
 
んじゃ、退散♪



2021年4月25日 (日)

ヤられたッ! 『Islands / Alboran Trio』

Islands
 
 
ブログを始めて間も無い頃、ブログ仲間に推薦されて、すぐに恋に落ちたアルバムがある。
それが、このトリオのデビュー作『Meltemi』
2006年リリースだけど、ブログにあげたのは2007だった。
この後、同じACTレーベルから1枚リリースし、ながらく音信不通だったのだが、、、
チェックの甘い私は、年末になって、ドラムが変わったAlboran Trioが、自主出版でアルバムをだしたのを某ジャズ批評の選考で知ったのだった。。汗
しかも、金賞とってしまった。。あぁ、、クリスマス・シーズンだったしねぇ。。(ぼやき)
 
気がついた頃には、手に入りにくくなってしまっていて、今頃、聴いているわけです。汗
録音は、ステファノ・アメリオ、各楽器の音が輪郭が綺麗に撮れていて、臨場感がありますよね。
 
ピアノとベースのユニゾンから始まる「Les Voix S’En Vont」。叙情的な中にも明るさがある。
パーカッションの音に遠くアフリカを感じる「Human」。
ブラシで引き締まる「Canto Quantico」。
「Earth Breath」疾走感あるパーカッション、空を泳ぐピアノ、ベース。
哀愁浮遊系「Puerto Natales」。
3人の強い個性が綺麗にまとまった「Multiple Frames」。
少しダークでアヴァンギャルドな「In Un Altrove」、これ、かっこいいです。
どうなんでしょ、Alboran Trioのイメージとは少し違うのかもしれませんが、こういう曲でそれぞれのレベルの高さがよくわかる気がします。
「Frug」、スティック音も素晴らしい。ドラマーのフェルディナンド・ファラオは、欧州のドラマーらしくドラムとパーカッションの両刀使いなのですが、どの曲でも創造力豊かな素晴らしい叩きっぷり。そして、歪ませたアルコが入って先鋭的。
ベース・ソロから始まる「L'origine E’La Meta」は、叙情的トリオ演奏。
どこか東洋的な調を感じる「Due Passi Nel Mare」、日本で人気があるわけですよねぇ。
ピアノとベースの掛け合いがお見事「Triodiversity」。
抽象的な美しさ「Essential Is No Longer Visible」。ミステリアスで疾走感ある「Willywaw」。
終演は、不思議な雰囲気を持った「Arriva Entre Los Picos 」、3人の個性全開、白眉。
 
 
久しぶりに聴いたのですが、やっぱり、日本人の感性にあった情緒を持ってる気がします。
特に、ピアノが。。リリカル&叙情的で片付けられそうなのですが、
かなり芯の強い個性的なトリオかと…ヤられた。。
 
 
1. Les Voix S’En Vont
2. Human
3. Canto Quantico
4. Earth Breath
5. Puerto Natales
6. Multiple Frames
7. In Un Altrove
8. Frug
9. L'origine E’La Meta
10. Due Passi Nel Mare
11. Triodiversity
12. Essential Is No Longer Visible
13. Willywaw
14. Arriva Entre Los Picos 
 
Paolo Paliaga (p)
Dino Contenti (b)
Ferdinando Farao (ds)
 
今日のおまけは、ご本人たちがあげていたオープナーの「Les Voix S’En Vont」。
 
 
んじゃ、退散♪

より以前の記事一覧

無料ブログはココログ