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音楽で拡がる輪

JAZZ(Grazie Italia )

2025年1月26日 (日)

原曲を損なわない三位一体の演奏 『Plays Standards vol.1, 2, 3  / Alessandro Galati Trio』

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年末に届いてしまったアルバム。
なんと、師走も真ん中すぎて、アレッサンドロ・ガラティのスタンダード集がリリースされた。
しかも、3枚 (vol.1 8曲、vol.2 8曲、vol.3 7曲)で、全23曲!!
 

以前から彼のピアノの音には、溶けかかった氷に光があたった時の美しい輝きがあると思ってましたので、
ガラティの審美眼に適ったスタンダード23曲を手元に置きたくなったのです…
 
レーベルのオーナーである寺島 靖国氏曰く
「テーマをいじらない。ねじ曲げない。それが私の言うスタンダード 演奏の大前提」
そして、
「ガラティのスタンダード・プレイは、主題旋律を外さず、作曲家が考えた「節」を尊重し、その通りに弾いている」
これが、1番の推しの理由のようです。
 


vol.1は、ゆっくりとしたバラッド仕立ての「 I’ll Close My Eyes」に始まり、緩急つけながら進み、終演は「How Deep Is the Ocean」。
「I Fall in Love Too Easily」で、胸が締め付けられます。
 

vol.2は、抒情的で美しい「Stella by Starlight」の三位一体の演奏ではじまり、この世の憂さを忘れるような「Body and Soul」で終演。
冒頭のベース・ソロの音色で、一層、ガラティのピアノの美音が際立つ「 I Remember Clifford」。
 

vol.3は、陶酔してしまいそうに繊細な「The Old Country」に始まり、終演は、静謐感に満ちた「Russian Lullaby」、終わりを嘆く心の声と共鳴しますよ。
叫ばないからこそ切なさが染み渡る「Never Let Me Go」。
 
 
原曲を損なわない三位一体の演奏を、現代ジャズ最高峰のエンジニアであるステファノ・アメリオの全面的協力のもとで収録。
その余韻までを見事に再現しており、それはもうため息も出ないくらい素晴らしい。
まるで…1枚1枚が、宝石箱のよう。 
 

下の選曲を見てください!
全部、聴きたくなってしまう名曲揃いですよね…
でも、彼のオリジナルも素敵な曲が多いので、次回はオリジナルも聴きたいですね。
 

『Plays Standards vol.1』
1. I’ll Close My Eyes
2. Blue Bossa
3. I Fall in Love Too Easily
4. You and the Night and the Music
5. In Love in Vain
6. But Not for Me
7. You Don’t Know What Love Is
8. How Deep Is the Ocean
 

『Plays Standards vol.2』
1. Stella by Starlight
2. All the Things You Are
3. I Remember Clifford
4. My Romance
5. Someone to Watch Over Me
6. Lament
7. Old Folks
8. Body and Soul
 

『Plays Standards vol.3』
1. The Old Country
2. Last Tango in Paris
3. I’ll Be Seeing You
4. My Old Flame
5. I’m Glad There Is You
6. Never Let Me Go
7. Russian Lullaby
 
 

Alessandro Galati (p) 
Ares Tavolazzi (b) 
Bernardo Guerra (ds)
 
 


今日のおまけは、ご本人のトピックにあった「Stella by Starlight」。
 
 
 

んじゃ、退散♪

2025年1月15日 (水)

優雅でメランコリー 『Aurora / Roberto Olzer Trio』

Aurora
 

年末に届いてしまった1枚。
 

イタリアのピアニストのロベルト・オルサーの澤野工房からの6枚目。
ソロ・ピアノの『Torre Del Lago』を除いて、全てが同じメンバー。
ロシア出身のベーシストのユーリ・ゴルベフ、オルサーと一緒のイタリア出身のドラマーのマウロ・ベッジオとの鉄壁の布陣。
 

オルサーのオリジナルが4曲、ゴルベフのオリジナルが3曲、エンニオ・モリコーネの曲などで全12曲。
 

オープナーは、イスラエルのポピュラーソング「After You Went Away」、憂を含んだメロディ、哀愁の唄歌い。
母国の巨匠モリコーネの「Saharan Dream」、美しいボーイングの響きに誘われゆったりとメロディを奏でる。
タイトル曲「Aurora」は、オルサーのオリジナル。
近年、太陽フレアの動きが活発で、低緯度の地域でもオーロラが観測されいるけれど、
イタリア人のオルサーにとっても、オーロラは特別のようですね。
降り注ぐような音のシャワー、ベースやドラムとの絡みも色彩感覚豊。
 

軽やかに踊るように、ゴルベフのオリジナル「A Minuet Mint」。
ソロ・アルバムのタイトルになった「Torre del Lago」、軽やかで瑞々しい。
タイトルはイタリアを代表する作曲家、ジャコモ・プッチーニが生涯の多くの年月を過ごしたトスカーナの地名。
 

哀愁と抒情溢れる、ゴルベフのオリジナル「Parisian Episode IX」。
フランスの作曲家でピアニストのフランシス・プーランクの「Piano Concerto」、リリカルで琉麗で魅惑的。
繊細な感情表現が秀逸なオルサーのオリジナル「Heimweh」。
梅林茂の「Yumeji's Theme」、竹久 夢二をテーマにした映画の挿入歌。
ボーイングの響きが、儚い夢の世界に誘う。
 

切なさが胸に押し寄せるゴルベフのオリジナル「Blue Eyes Blue」。
繊細なパーカッションで始まるオルサーのオリジナル「Corale」、短いけれど深淵な空間。
 

終演は、オランダ出身のジャズ・ピアニスト、マイク・デル・フェローの曲「A Little Waltz」。
チャーミングで優しいメロディ…まるで、オルサーたちのオリジナルのように輝いている。
 

全編で、優雅でメランコリー。
オルサーは、水滴が落ちるような澄んだ美しい音色。
詩集を読んでいるような美しい表現の詰まったアルバムでした。
 

ステファノ・アメリオの録音、私たちに1音1音が美しく届く。
 


1. After You Went Away
2. Saharan Dream
3. Aurora
4. A Minuet Mint
5. Torre del Lago
6. Parisian Episode IX
7. Piano Concerto
8. Heimweh
9. Yumeji's Theme
10. Blue Eyes Blue
11. Corale
12. A Little Waltz
 

Roberto Olzer (p)
Yuri Goloubev (b)
Mauro Beggio (ds)
 

今日は、ご本人たちがあげている丁度いい動画がみつけられませんでした。。
残念。
 

んじゃ、退散♪

2023年7月 5日 (水)

円熟した演奏とビッグ・バンドの高揚感 『Chet Remembered / Enrico Pieranunzi  Bert Joris  Frankfurt Radio Big Band』

 
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1979年にチェット・ベイカーと出会って以来、多くのコンサートやレコーディングで共演してきたピエラヌンツィ。
その年の暮れには、『Soft Journey』というアルバムをリリースしている。

大きな影響を受けたピエラヌンツィは、チェットのための曲を書いている。
このアルバムでも、『Soft Journey』から4曲を含む全9曲が彼のオリジナル。
そして、トランペッターでアレンジャーのバート・ヨリスによる鮮やかなビッグ・バンド・アレンジが施され、フランクフルト放送ビッグ・バンドとの共演で、より色彩のある演奏となっている。

ちなみに、、バート・ヨリスは、ピエラヌンツィの人気盤『Don't Forget The Poet』にも参加しているヴェテランの実力派でっす。
 
オープナーは、管楽器の魅力にあふれた導入部分がかっこいい「From E. to C.」。勇ましさだけでなく、途中からワルツ風になって優雅。
「Lost and Found」、スィンギーにピアノを弾くピエラヌンツィ、、そこからバンドの華やかさが加わって高揚感も満載。
「Chet」、内省的な美しい曲、ベース・ソロも印象的。
 
ここから、チェットとの共演盤に入っていた曲が3曲続く。
まずは、ワルツ曲「Soft Journey」、ふくよかに鳴り響くヨリスのトランペットが気持ち良さそう。
ふんわりと儚げな「Fairy Flowers」、ゆったり幽玄な世界。
一転、躍動感にあふれた「Night Bird」、優美で迫力あるビッグ・バンドの世界。
「Echoes」、力強いベース・ソロと流麗華麗なピアノ・ソロ。
再び共演盤から「Brown Cat Dance」、チェットも好きだったブルーズナンバー、粋なビッグ・バンド・アレンジで。
終演は、「The Real You 」、ピエラヌンツィとヨリスの円熟の演奏で。

2人の円熟した演奏はもちろん、ビッグ・バンドの一糸乱れぬ演奏が高揚感をそそる。
 

1. From E. to C. 
2. Lost and Found 
3. Chet 
4. Soft Journey 
5. Fairy Flowers 
6. Night Bird 
7. Echoes 
8. Brown Cat Dance 
9. The Real You 
 
Enrico Pieranunzi (p)
Bert Joris (tp)
 
Frankfurt Radio Big Band 


今日のおまけは、ピエラヌンツィご本人があげていた「Chet 」。
 
 
んじゃ、退散♪

2023年5月31日 (水)

エンリコ・ピエラヌンツィが、チェット・ベイカーのトリュビュート作をリリース♪

 
イタリアの至宝ピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィが、ベルギーのヴェテラン・トランペッター、バート・ヨリスとコラボ、
フランクフルト放送ビッグ・バンドを伴ってチェット・ベイカーへのオマージュが込められた作品を6月上旬にリリース。
 
★ Chet Remembered / Enrico Pieranunzi  Bert Joris  Frankfurt Radio Big Band ★
 
Chet-remembered
 
1979年にチェット・ベイカーと出会って以来、多くのコンサートやレコーディングで共演してきたピエラヌンツィ。
大きな影響を受け生み出されたピエラヌンツィのチェットのための曲を、バート・ヨリスによる鮮やかなビッグ・バンド・アレンジで演奏されているそうです。
バート・ヨリスは、ピエラヌンツィの人気盤『Don't Forget The Poet』にも参加しているヴェテランの実力派。
選曲を考えると、、やっぱり、聴いてみたくなってしまいますよね。
 
 
1. From E. to C. 
2. Lost and Found 
3. Chet 
4. Soft Journey 
5. Fairy Flowers 
6. Night Bird 
7. Echoes 
8. Brown Cat Dance 
9. The Real You 
 
Enrico Pieranunzi (p)
Bert Joris (tp)
 
Frankfurt Radio Big Band 
 
んじゃ、退散♪



2023年1月18日 (水)

マラネッロ市と坂祝町の友好10周年ライブが素晴らしい! 「Paolo Fresu & Flavio Manzoni Live」

 
イタリア文化会館-大阪の方に、イタリアの至宝、トランペッター&フリューゲル奏者のパオロ・フレスとピアニストのフラヴィオ・マンゾーニの素敵なデュオをご紹介いただきました!
 
Fresu_manzoni
 
(イタリア文化会館-大阪のサイトからお借りいたしました。m(_ _)m
岐阜県の坂祝町と、エミリア・ロマーニャ州モデナ県のマラネッロ市の友好都市提携10周年の記念のお祝いライブです♪
マラネッロ市は、ブーツの上の方にある市で、あのフェラーリ社の本拠地!!
フェラーリ博物館のあるところで、家人の次に行きたいリストに入ってます♪
そして、フラヴィオ・マンゾーニは、現在、フェラーリのデザインを担当する自動車デザイナー!!!
なんという、、スーパー二足の草鞋。。。。
2人は、サルデーニャ島出身、同郷ですね。
 
ご紹介いただいたイヴェントのサイトはこちら
 
 
★ Paolo Fresu & Flavio Manzoni Live ★
 
ライブの前後には、マラネッロ市長と坂祝町町長の友好を祝したご挨拶があります。
そして、約40分のライブは、ピアノ・ソロ2曲(4,6)を含む7曲を演奏。
フレスは、ミュート・トランペットとフリューゲルを持ち替えながらの哀愁たっぷりの演奏。
マンゾーニは、フレスのレギュラー・バンドのピアニスト、ロベルト・チペッリに従事したことがあるだけあって、フレスとも息もぴったりなデュオが続きます。
そして、最後の曲は、キース・ジャレットが東京のライブでアンコールで弾いた曲、ここでフレスの持ち味満載
ミュート・トランペット、フリューゲル、、時折、楽器を叩きクラップ音を入れ、エフェクターも使いながらの彼ならではの独自の世界。
素晴らしいわぁ。。演奏者の表情も息遣いもよくわかる素敵なライブでした♪
 
1. Always and Forever
2. Staircase
3.  It's in The Game
4. Carnegie 8 
5. Prism 
6. The Good America 
7. Tokyo Encore 

 
Paolo Fresu ( tp, flh)
Flavio Manzoni (p)
 
今日は、おまけでなくて、、全部、お観せできます!
 
 
いかがでしたか?
んじゃ、退散♪



2022年3月26日 (土)

ロマンチシズムと哀愁が溢れたビター・スィートな一枚 『European Walkabout / Alessandro Galati Trio』

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「第16回 ジャズオーディオ・ディスク大賞 2021」、『Skyness / Alessandro Galati Oslo Trio』で、インスト部門の金賞だったアレッサンドロ・ガラティ。
哀愁の名手アレッサンドロ・ガラティが、欧州の美旋律のトラッドを弾くなんて、、ちょう反則的にずるい気がするじゃありませんか。。。
トラッドといっても伝承曲ばかりではなく、その土地に広く深く伝わっている音楽、という感じでしょうか。
 
オープナーは、ガラティの故郷イタリアの曲「Love in Portofino」、18禁的に艶っぽい演奏、ピアノの煌めく音色に一気に心を持っていかれる。
「Verde Luna」、低音から高音まで鍵盤を動きメランコリックに物語を語る3人。
お馴染み「Dear Old Stockholm」、哀愁の旋律を軽快に奏で、アドリブも饒舌。
「Almeno tu nell'universo」、一音一音を丁寧に弾いた美しいバラッド、この間合いにため息が。。
「Last Night a Braw Wooer」、アイルランド民謡「Last May a Braw Wooer」のメランコリックな側面をだして、ゆったりと陰影のあるしっとりした演奏に。
ポルトガルのファド「Cancao do Mar」、シンプルなメロディからの抽象的な3人のやりとりが深淵。
「Danny Boy」は、アイルランド民謡「Londonderry Air」。この美しさをなんの衒いもなく弾いて感動を与えるって凄い、3人に拍手喝采。
スコットランドに起源を持つ民謡「The Water is Wide」、素朴なメロディを繊細に情感豊かに。
パレ・ダニエルソン(彼も『Time Being』で演奏している)に教えてもらったという「Liten Visa Till Karin」、澄んだ空気が広がる…スウェーデンは美メロの宝庫ですねぇ。
終演は、祖国のお気に入りの曲で「Parlami d'amore Mariu」、ロマンチシズムに溢れるメロディ、そして、三位一体で表現する軽やかさ。
 
ロマンチシズムと哀愁が溢れたビター・スィートな一枚。
ガラティはもちろん、ベースもドラマも最高なお仕事。
美しいメロディを豊富なアイディアで個性的に。
 
1. Love in Portofino
2. Verde Luna
3. Dear Old Stockholm
4. Almeno tu nell'universo
5. Last Night a Braw Wooer
6. Cancao do Mar
7. Danny Boy
8. The Water is Wide
9. Liten Visa Till Karin
10. Parlami d'amore Mariu
 
Alessandro Galati (p) 
Guido Zorn (b) 
Andrea Beninati (ds)
 
今日のおまけは、「Danny Boy」。
 
 
んじゃ、退散♪

2022年3月 6日 (日)

ファブリッツィオ・ボッソとハヴィエル・ジロットが参加 『Blu / Igor Caiazza』

Blu
 
今日の落ち穂拾いも、ジャズ批評226のマイ・ベスト・ジャズ・アルバムの特集からでっす。
ライターの草野信之氏が、ベスト3に選ばれていた、イタリアを代表するヴィブラフォン奏者、イゴール・カイアッツァの作品。
やっぱり、イタリアン・ハードバップの立役者の一人であるファブリッツィオ・ボッソが3曲に参加しているのが目玉ですかね。他にもハヴィエル・ジロットもソプラノ・サックスで4曲に参加していたりして、なかなか、面白そうですよね。
インスピレーションを与えるブルーからインスパイアされ作曲した8曲がならんでる。
 
オープナーからボッソのふくよかなトランペットの音色と哀愁に魅せられる「L'attesa」。
クールな中に、メロディアスなヴィブラフォンの音色が優しく、耳に心地よい。
「Naissances」、ジロットの情感たっぷりのソプラノ・サックスが歌いまくり、ギターも情熱的に後を追う。
穏やかに美しい「Blu」、爽やかなヴィブラフォンの音色、少し熱のあるメロディカの重なり、はっきりした感情を投げかけるソプラノ・サックス。
「My Quiet Place」、心静まる優しいヴィブラフォンの音色からサックスとドラムの居心地のよい参加。
レギュラー・カルテットでの「Long Spring」、心地よいハーペジーの音色、歌声も入ってリラックス気分満載♪
「La Ragazza Di Montedidio」、ブラシの音も爽やかに、涼やかなヴィブラフォンの音色、ハーペジーを奏でるジャコモ・ルッジが歌ってるんですね。
オーボエ、弦楽器も加わり、ボッソも絡む『Tema di una buonanotte』、優しく優しく夢の世界。
終演は、ボッソとジロットの2管でアップテンポで駆け抜ける「Un brindisi all'amicizia」。
フロント2人のコール&レスポンス、高速のやりとりはスリリングで超かっこいい!
情熱には情熱を、高速には高速を、ユニゾンもきまって拍手♪
 
優しくメロディアスばヴィブラフォン、そして、リラクゼーション満載。
ボッソとジロットが、曲にぴったりハマる演奏で盛り上げま〜す。

1. L'attesa
2 .Naissances
3. Blu
4. My Quiet Place
5. Long Spring
6. La Ragazza Di Montedidio
7. Tema di una buonanotte
8. Un brindisi all'amicizia

Igor Caiazza (vib)
Giacomo Riggi (harpeiji, melodica, el-p)
Gabriele Evangelista (b)
Amedeo Ariano (ds)

Fabrizio Bosso (tp) #1,7,8
Javier Girotto (ss) #2,3,4,8

Carlo Fimiani (g) #2
Fabien Thouand (ob) #7
Marlene Prodigo (vn) #7
Valentina Del Re (vn) #7
Livia de Romanis (vc) # 7
 
今日のおまけはご本人があげていた「 L'attesa」。
 
 
プーチンの愚行で、気持ちがバタバタしていたら、お雛祭りが過ぎちゃいましたよ。怒
ちょっと寂しいので、週末はちらし寿司でもつくろうかと。。。。
 
んじゃ、退散♪

2022年3月 2日 (水)

クラウディオ・フィリッピーニ参加 『Happy End / Lorenzo Tucci』

Happy_end
 
今日の落ち穂拾いは、ジャズ批評226号のマイ・ベスト・ジャズ・アルバムの特集から気になったものを。
MOONKSの小山智和氏が、ベスト2に選出されていた、イタリアン・ハードバップの立役者の一人であるドラマー、ロレンツォ・トゥッチの新作。
なんと、あの人気ピアニスト、クラウディオ・フィリッピーニをフィーチャーしたピアノ・トリオ作。
ベーシストは、イタリアの俊英、ヤコポ・フェラッツァ。わぁ〜気になるぅ!
アルバムは、トゥッチの故郷であるアブルッツォへのオマージュが込められており、1曲を除いて全て彼のオリジナル。
 
オープナーは、柔らかな陽射しのような温かで優しいメロディを持つ「Tutto」。
透明感あるピアノが太陽の光のようにキラキラと輝く。
「Afrodolce」、回想的なピアノのイントロから鮮やかなスティック捌きの3人で息のあった演奏に。
ベースをフィーチャーした「Grow」、透明感あるピアノ。
親しみやすいメロディ、リリカルでロマンチックな演奏「Kenzia」。
アクセントの強い「Andra Bene」、ゆっくりだけど力強い演奏。
多彩なドラミングが楽しい、まさにハッピーな「Happy End」口笛が楽しそ。
アブルッツォにちなんだ「Lu Piante de le Foje」、長閑にゆったりと歌い上げる。
 
終演は、繊細さと豪快さが同居するドラムを堪能「Pandaguru」。
 
多彩なドラミングと、ロマンティシズム溢れるピアノで、叙情満載の王道欧州ジャズ・ピアノ路線、真っ只中。
小山智和氏、ありがとうございました。m(_ _)m
 
 

1. Tutto
2. Afrodolce
3. Grow
4. Kenzia
5. Andra Bene
6. Happy End
7. Lu Piante de le Foje
8. Pandaguru

Lorenzo Tucci (ds)
Claudio Filippini (p)
Jacopo Ferrazza (b)
 

今日のおまけは、ご本人のトピックスから「Tutto」。
 
 
 
年末、、12月の発売でしたか。。
 
んじゃ、退散♪



2022年2月23日 (水)

期待通りの哀愁と郷愁 『Tango Macondo / Paolo Fresu』

Tango_macondo
 
精力的に音楽活動を続けるイタリアのトランペッター&フリューゲル奏者、コンポーザーのパオロ・フレス。
新作は、ピアニストでもあるイタリアの世界的バンドネオン奏者ダニエーレ・ディ・ボナヴェントゥラと、アコーディオン奏者のピエールパオロ・ワッカとの演奏。
フレスが、バンドネオンやアコーディオンと組んで悪かろうはずがありませぬ。。
そして、ゲストとして、イタリアのヴォーカリスト、マリカ・アヤン、トスカ、エリサの3人が参加。
 
 
オープナーは、マリカ・アヤンが感情の発露をみせる「Alguien Le Dice al Tango 」、ピアソラ曲をボナヴェントゥラが郷愁いっぱいに演奏。フレスのミュート・トランペットが沁み渡る。
リズムにのった「Il venditore di metafore」、多重録音でスリリングな「Movimento andino」。
牧歌的な雰囲気「Dumburudù / Dillu 」、ピアノと一緒にすすむ「Macondo」。
トスカとフレスが想いを歌い上げる「El Día Que Me Quieras」。
粛々と「Lenta preghiera」。後半でフレスの躍動的なピアノが聴ける「Ballu Tzoppu / Skamoiada」。
丁寧に丁寧に「Il sogno delle case di specchio 」。エリサの力強い歌声「Volver 」。
終演は、長閑な空間が続く「Tema di matoforu e anzelina 」。
 
そして、ボーナス・トラック「Stagioni」、明るい陽射しを感じる午後。
 

フレスのトランペットもフリューゲルも良く歌います。
そして、バンドネオン、アコーディオンとこれまた郷愁を誘います。
3人の個性的なヴォーカルがそれぞれいい味。
哀愁、郷愁に満ちています。


1. Alguien Le Dice al Tango
2. Il venditore di metafore
3. Movimento andino
4. Dumburudù / Dillu
5. Macondo
6. El Día Que Me Quieras
7. Lenta preghiera
8. Ballu Tzoppu / Skamoiada
9. Il sogno delle case di specchio
10. Volver
11. Tema di matoforu e anzelina
12. Stagioni (Bonus track)




Paolo Fresu (tp, flh, effects, p #Skamoiada)
Daniele di Bonaventura (bandoneon, effects, p)
Pierpaolo Vacca (acc, effects)

Malika Ayane (vo) #1
Tosca (vo) #6
Elisa (vo) #10  

今日のおまけは、フレスがあげていた「Alguien Le Dice al Tango

」。





んじゃ、退散♪

2021年10月17日 (日)

夜の中で…  『Notturno / Roberto Olzer Trio with Strings 』

Notturno
 
 
この秋は、「秋のピアノ・トリオ祭り」、、みたいな、ことになっていますよね。汗
 
澤野工房さんからは、メロウなイタリアのピアニスト、ロベルト・オルサーが、10曲中5曲にストリングスのはいったアルバムを出しました。
タイトルはイタリア語で「夜想曲」、夜からインスパイアされた作品集のようです。
澤野工房では、鉄板のメンバー、ベースはユーリ・ゴルベフ、ドラムはマウロ・ベッジオ。
 
オルサーのオリジナル5曲、ゴルベフ1曲、ショパンやメンデルスゾーンなどクラシックの曲も含めて、全10曲。録音とマスタリングは、ステファノ・アメリオ。
 
オープナーから思いっきり哀愁溢れ、情緒たっぷりなオルサー曲「 Images 」。
リリカルなピアノ、繊細に変化していく感情の機微を見事に拾い上げるベースとドラム。
感情の高まりを美しく表現したショパンの「Étude, Op. 10 No. 6」。
冒頭からストリングスの音色で引き込むメンデルスゾーンの「Andante con moto, from ʻItalianʼ Symphony 」、身の置き所がないくらい心を揺さぶられる、ベース・ソロが素晴らしい。
一転、リズミカルに始まった「My Funny Valentine 」は、メリハリと躍動感があり、部分的につかっているストリングスも効果的。
新世紀エヴァンゲリオンから綾波レイのテーマ「Rei I, from Neon Genesis Evangelion 」、ストリングスがしっとりと絡みつき、浮遊感あるメロディと相まってミステリアス。
ゴルベフ曲「Milano Rain」、濡れた石畳が浮かび上がるようなエレガントさ。
タイトル曲でオルサーのオリジナル「Notturno」、冒頭、銀河の中に投げ出されたような美しい音の数々、星々の間を漂うような感覚、ストリングスが入ってふと我に帰る。どこまでも、細やかに、優しく柔らかく。
ストリングが情感を誘うオルサー曲「Eveline」、アイルランドのジェイムズ・ジョイスの「ダブリンの市民」からエヴリンを想って。
オルサー曲「Touchdown」、少しサスペンス・タッチでスリリングに、流麗なピアノ、色彩豊かなドラム・ソロ。
終演は、ヘンリー・パーセルのオペラより「Dido's Lament, from ʻDido and Aeneasʼ」。重厚なベースのソロに導かれはじまる哀歌。死と暗闇の重さ、深遠なる心の闇。
 
「with Strings」と、ありますが、全編に使われているわけではなく、
要所要所に、感情の起伏を増幅するような感じで入っています。
基本は、この哀愁とロマンチシズムを持ったトリオの、繊細な感覚の美しい演奏。
夜にぴったりな落ち着いたアメリオの音色で、
オルサーたちの思い描く夜のひとコマひとコマを堪能してくださいね。
 
 
1. Images 
2. Étude, Op. 10 No. 6 
3. Andante con moto, from ʻItalianʼ Symphony 
4. My Funny Valentine 
5. Rei I, from Neon Genesis Evangelion 
6. Milano Rain 
7. Notturno 
8. Eveline 
9. Touchdown 
10. Dido's Lament, from ʻDido and Aeneasʼ

Roberto Olzer (p)
Yuri Goloubev (b)
Mauro Beggio (ds)

Strings  #03, 04, 05, 07, 08 
 Leonarddo Giovine (vin)
 Lucia Zazzaro (vla)
 Antonio Merici (vc)
 
今日のおまけは、ご本人があげていた「Notturno 」。
 
 
 
 
んじゃ、退散♪
 

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