やっと、きたぁ。
イタリアのピアニストのエンリコ・ピエラヌンツィとギタリストのベボ・フェラによる敬愛するビル・エヴァンスに捧げた作品。
基本、2人のデュオだけれど、2曲でフランスのベテランベーシスト、ディエゴ・インベルトが参加。
オープナーは、「Dreams and the Morning」、タイトルそのまま穏やかな朝の光を思わせるピエラヌンツィのオリジナル。
エヴァンスの透明感が漂う中、互いの呼吸を確かめ合うように進む。
エヴァンスが妻ヘレンに捧げた「Song for Helen」、インベルトのベースが加わり、ベースの温かな音色、ギターの柔らかな響きで優雅でありつつ親密感も。
静かな余韻と繊細なハーモニーの移ろいが美しい「Passing Shadows」はピエラヌンツィの曲。
ギターの音色の豊かさが際立つフェラの曲「Incanto」、地中海の風が吹く。
「Il giardino di Anne」、花咲く庭園のように穏やかでエレガント、ピアノとギターの音色が自然に溶け合う。
エヴァンスの名曲「Very Early」、あのちょっとクセのある美しいメロディ…ここでは静かな対話に。
余白を生かしつつも一体感を強く感じる「Twoliness」。
「Siren's Lounge」、アルバムの中で最も長く、自由度の高い即興が素晴らしくどこか神秘的。
エヴァンスの愛想曲でもあったミッシェル・ルグランの「Once Upon a Summertime」。
哀愁に満ちたバラッドは珠玉のトラック。
フェラの曲でインベルト参加の「Calling Enrico」、まさに音楽での会話。
終演曲でタイトル曲「Evanscape」、ピエラヌンツィの曲で「Evans」と「Landscape」を掛け合わせた造語…エヴァンスの精神世界を表現。
静かに深い余韻を残して幕を閉じる。
エヴァンスの精神世界に深く分け入りながらも、彼の音楽の再現というより、彼の美意識やハーモニーの感覚から広がる音風景を2人の視点で描くことに成功!
ピエラヌンツィは、エヴァンスから多大な影響を受けているが、イタリア人ならではの豊かな歌心や地中海的な明るさも持ち、フェラのギターも技巧を誇示せず、柔らかなトーンと豊かな倍音でピアノの響きを包み込み、陰影を加えながら音楽を立体的にしていく。
何よりも好印象なのは、2人の対話の自然さ。
互いの呼吸を感じ取りながら、一つの旋律を受け渡し、沈黙さえも音楽の一部として共有。
イタリア人らしい人間味やロマンティシズムを感じる中、知性と感情の均衡が絶妙な珠玉のデュオ作品。
1. Dreams and the Morning
2. Song for Helen
3. Passing Shadows
4.I ncanto
5. Il giardino di Anne
6. Very Early
7. Twoliness
8. Siren's Lounge
9. Once Upon a Summertime
10. Calling Enrico
11. Evanscape
Enrico Pieranunzi (p)
Bebo Ferra (g)
Diego Imbert (b) #2, 10
今日のおまけは、レーベルがあげていた「Dreams and the Morning 」。
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