叙情性と優雅さはそのまま、より高い芸術性を持つ 『Beamo / Mozdzer , Danielsson , Fresco』
ポーランドのピアニスト、レシェク・モジュジェルと、スウェーデンのベーシスト&チェリスト、ラーシュ・ダニエルソン、イスラエルのパーカッショニスト、ゾハル・フレスコのトリオは、私にとっては、とても特別な人たちです。
ラーシュ・ヤンソンからラーシュ・ダニエルソンのファンになり、彼のリーダー作も追っかけていたのですが、、
ある時、、このユニットの『The Time』というアルバムの存在をしり…泥沼がめちゃめちゃ悪化したのです。
2005年にリリースされていたのですが、当時は入手が難しく、やっと手に入れ投稿したのが2007年の1月。
そうなんだぁ、トリオ結成20周年なんだそうですよ!
2005年にリリースされていたのですが、当時は入手が難しく、やっと手に入れ投稿したのが2007年の1月。
そうなんだぁ、トリオ結成20周年なんだそうですよ!
その記念すべき作品の為に、モジュジェルは独自の調律をした3台のグランドピアノを使用。
1台は現代の基準であるA = 440 Hz、1台はA = 432 Hz、3台目は1オクターブを10の等音に分割するデカフォニック調律だそうです。
モジュジェル7曲、ダニエルソン2曲、2人の共作2曲、フレスコ1曲、カヴァー曲1曲で、全13曲。
オープナーは、モジュジェル曲「Ambio Bluette」、少し不気味でミステリアス。ダークな世界だけれど、不思議と美しい。
美しさと哀愁を兼ね備えた、ダニエルソン曲「Cattusella」。
タイトル曲でモジュジェル曲「Beamo」、ゾクゾクするような神秘的な美しさ。
モジュジェル曲「Kurtu」、緊張感ある空間。
フレスコの掛け声で始まる共作「Linkability」、アップテンポで即興性が高い。
3曲ももジュジェル曲が続く。
「Brim On」、クラシカルなピアノの響きにうっとり。
「Gilado」、様々な音風景が現れる疾走感ある演奏。
「Appropinquate」、超絶技巧な追いかけっこ。
共作「Decaphonesca」、不思議な響き同士の共演。
モジュジェル曲「Feu d'Or」、不安定でいて奥深く。
穏やかで柔らかなフレスコ曲「Jacob's Ladder」。
ダニエルソン曲「Eilat」、フレスコのヴォイスが創り出す幻想的な空間。
終演は、イギリスのバンドDepeche Mode のソング・ライター、マーティン・ゴアのヒット曲「Enjoy the Silence」。
胸の奥に届く音の数々。
やっぱり、いいなぁ。美しい!
叙情性と優雅さはそのまま、芸術性を高めている。
3人の技術の高さは素晴らしすぎます!
1. Ambio Bluette
2. Cattusella
3. Beamo
4. Kurtu
5. Linkability
6. Brim On
7. Gilado
8. Appropinquate
9. Decaphonesca
10. Feu d'Or
11. Jacob's Ladder
12. Eilat
13. Enjoy the Silence
ACTのホームページからコピペ。
Leszek Mozdzer
Fazioli piano (A = 440 Hz equal temperament)
Steinway piano (A = 432 Hz equal temperament)
Östlind & Almquist piano (A = 440 Hz decaphonic tuning)
Lars Danielsson
double bass, cello & viola da gamba
Zohar Fresco
frame drums, percussion & vocals
今日のおまけは、モジュジェルがあげていた「Eilat」。
んじゃ、退散♪
« ふんわりと心温まる 『Tomorrow We ll Figure Out the Rest / Silje Nergaard』 | トップページ | やぱり、買っちゃった… 『New Vienna / Keith Jarrett』 »
「JAZZ」カテゴリの記事
- 『ジャズ批評 246号』が、、でてました〜(2025.06.28)
- 叙情性と優雅さはそのまま、より高い芸術性を持つ 『Beamo / Mozdzer , Danielsson , Fresco』(2025.06.08)
- ビター・テイストで深遠な世界 『Homage / Joe Lovano with Marcin Wasilewski Trio』(2025.06.01)
- 心を彩る1枚 『Aperio / megumi』(2025.05.18)
- 『ジャズ批評 245号』がでました〜♪(2025.04.26)
コメント
« ふんわりと心温まる 『Tomorrow We ll Figure Out the Rest / Silje Nergaard』 | トップページ | やぱり、買っちゃった… 『New Vienna / Keith Jarrett』 »
私はそろそろモジュジェルのピアノ・トリオを聴きたいと思っていたときのアルバムで、真っ先に飛びつきました。
ダニエルソンの音楽センスも好きですので、このトリオは所謂純粋ジャズというところよりコンテンポラリーの世界ですが、やっぱり見逃せないですね。
いずれにしても、このモジュジェルのピアノの音の冷徹とも言っていい澄んだ硬い音は特別の世界を感じてきました。そしてここに又デカフォニック調律の世界という私には音楽の学問がない人間には難しい世界ですが・・・貴重なものと評価されるところに迫ってゆくというとこが凄いですね。そろそろアンナ・マリア・ヨペックとのデュオも聴きたいところです(笑)。
リンクよろしく御願いします(↓)
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2025/04/post-536c5a.html
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2025年6月 8日 (日) 18時41分
風呂井戸さま、コメントとリンクをありがとうございます。m(_ _)m
この3人の創り出す世界は、カテゴライズが難しいですよね。
昔は、なんでポーランド、なんでイスラエル、って思ったのですが、
この唯一無二の音世界の住人は彼らしかいませんね。
ショパンのお国のピアニストは、皆さん、ピアノそのものにも興味津々ですよね。
投稿: Suzuck | 2025年6月 9日 (月) 09時30分
Suzuckさん、こんばんわ。
20周年これは聴かなければデス。まずは試聴をとスマホにダウンロードしました。
「The Time」私も2007年の中頃に「Pasodoble」と一緒に入手しています。
なぜ入手したかは?覚えていませんが、ひょっとしたらSuzuckさんのご紹介を参考にしたのかもしれません(^^♪
投稿: 象乃花 | 2025年6月10日 (火) 20時36分
象乃花さま、コメントをありがとうございます。
>Pasodoble
これも、よかったですよね。
当時、ACTのジャケットが似たような2本線で、、
色違いであって、紛らわしかったです。
懐かしいですね。
サブスクなんて、思いもよらない時代でした。。
投稿: Suzuck | 2025年6月11日 (水) 07時13分