亡くなっていることが嘘のような生き生きした内容 『September Night / Tomasz Stanko Quartet』
2018年の7月29日に、享年76歳で鬼籍に入ったポーランドを代表するトランペッター、トーマス・スタンコ。
彼が晩年大切にしていた同じポーランド出身のマルチン・ボシレフスキのトリオとのカルテットでのライブ録音です。
なんと、『Suspended Night』がリリースされた2004年のライブ!
この年は、ヨーロッパで大々的にツアーを行った重要な年。
すでにこのカルテットでアルバムもリリースしており、ミュンヘンでの演奏も素晴らしい予感しかない…
オープナーは、「Hermento’s Mood」、内省的で個性的なスタンコのトランペット炸裂。
抒情と哀愁の「Song for Sarah」、スタンコのトランペットとピアノ・トリオのコントラストが美しくうっとりとしてしまう…
ベース・ソロから始まる「Euforia」、スタンコのスリリングな雄叫びにメンバーが追走。
ゆったりと静かに気持ちを高揚させていく「Elegant Piece」。
「Kaetano」、朗々としたトランペットのソロから始まり、軽快に感情を高まらせていく。
歌心あるトランペット・ソロに心を奪われる「Celina」、ピアノ・トリオも躍動感あって美しい。
終演は「Theatrical」、最後まで緊張感の途切れることなく、個性豊かで美しい。
カリスマのみせる美学が満載。
スリリングで緊張感があり、胸を打つ。
亡くなっていることが嘘のような生き生きした内容
20年前のライブとは思えないほど、リアルな充実感がありました…。
20年前のライブとは思えないほど、リアルな充実感がありました…。
1. Hermento’s Mood
2. Song for Sarah
3. Euforia
4. Elegant Piece
5. Kaetano
6. Celina
7. Theatrical
Tomasz Stanko (tp)
Marcin Wasilewski (p)
Slawomir Kurkiewicz (b)
Michal Miskiewicz (ds)
今日のおまけは、ご本人のトピックにあった「Song for Sarah」。
んじゃ、退散♪
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コメント
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これは聞いてました、マルチン・ボシレフスキが好きで、シンプル・アコースティック・トリオを聞く際に出たばかりのを手に入れて。聞きいってしまい部屋のエアコンを思わず確認しました。谷川俊太郎がマイルス寒いよでしたか、 トーマス COOLですね。
緊張感と躍動感と静寂のバランス感覚がおっしゃる通り良いですね
投稿: pikapika | 2024年7月 6日 (土) 12時33分
Suzuck様にも好評のようですね ^^
私は勿論トーマス・スタンコを評価しますが、私は其れにもましてシンプル・アコーステイック・トリオのマルチン・ボシレフスキのファンとして聴き逃すことが出来ないアルバムで、しかもスタンコのトランペットをむしろ盛り上げている彼らの演奏に万歳でした。2001年でしたか、Komedaの"ローズ・マリーの赤ちゃん"以来彼らのトリオものには惚れ込んでいるんですが、ここにスタンコのカルテットものが出てくるとは思っても居なかったのでよろこんでいる処です。
まあ、あまりラッパものは好きでないのですが、スタンコのダークな哀感あるところは歓迎ですね。
リンクさせてください ↓
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2024/07/post-4a685d.html
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2024年7月 7日 (日) 20時40分
pikapikaさま、コメントをありがとうございます。m(_ _)m
シンプル・アコースティック・トリオ、って、名前、、ストレートすぎて、、
最初は某日本のレーベルのまわし者かと思ってしまいました。
世界に羽ばたいてよかったですよね。
トーマス・スタンコ、個性的過ぎて、、昔はイマイチだと思っていたんですよ。
昔の私を叱ってあげたい。。汗
投稿: Suzuck | 2024年7月 8日 (月) 08時52分
風呂井戸さま、コメントとリンクをありがとうございざいます。m(_ _)m
『Komeda』、一世を風靡しましたよね。
皆さん、現物を手に入れて満足されていたにではないでしょうか?
私も、、まさか、、今、、
このTomasz Stanko Quartetの新譜が聴けるとは予想もしていなかったので、、
大喜びです。
私は、トランペットも哀愁を感じて好きですよ。
投稿: Suzuck | 2024年7月 8日 (月) 08時59分
Suzuckさん,おはようございます。
いやぁ,これは素晴らしい音源でしたよねぇ。20年も寝かしてはいかんだろうと思いましたが,師弟と言ってよいStankoとWasileuskiトリオですが,この緊密度がたまりません。どこから聞いても魅力的な音源でした。Tomasz Stankoの七回忌に彼を偲ぶには最適のアルバムでした。
ということで,当方記事のリンクを貼り付けさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2024/06/post-7d6d81.html
投稿: 中年音楽狂 | 2024年7月 9日 (火) 07時33分
閣下、コメントとリンクをありがとうございます。m(_ _)m
>20年も寝かしてはいかんだろうと思いました
ですよね。
なんでだ?って、思ったのですが、まぁ。お蔵入りより良いですが。
トーマス・スタンコが、本当に本当に彼らを気に入っていたんだなぁ。。
と、少し、しんみりいたしましたが。
ECMのお蔵には、、こんなんが山積みなんでしょうか。
投稿: Suzuck | 2024年7月 9日 (火) 18時00分