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音楽で拡がる輪

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2024年6月22日 (土)

繊細な感性で創り上げた多彩な世界 『Beyond This Place / Kenny Barron』

Beyond_this_place
 


メインストリームのジャズ・シーンで、ずっと第一線で活躍を続けてきた正統派。
生ける伝説、米国のフィラデルフィア生まれのピアニスト、ケニー・バロン。
今年、81歳になった彼の新作は、ソロ演奏だった前作『The Source』から一転しクインテット。
同郷のアルト・サックス奏者のイマニュエル・ウィルキンズ、ヴィブラフォン奏者のスティーヴ・ネルソン、ベーシストの北川 潔、ドラマーのジョナサン・ブレイクという超実力者と組んだ作品。
 

オープナーの「The Nearness of You」から名盤の予感。
冒頭、ゆったりとしたアルトとのデュオは胸に沁みる、絶品。
若干26歳とは思えない音の間(はざま)を意識した演奏に大器を感じる。
と、思えば「Scratch」では、高速フレージングでフリーも辞さず、メンバーを昂揚させる。
「Innocence」、アルト・ヴィヴラフォン・ピアノのユニゾン、各自のソロに気持ちが舞い上がる。
「Blues on Stratford Road」はブレイクの作品、リズム・パターンを変化させ現代的でクール。後半のベース・ソロも素晴らしい。
「Tragic Magic」、ストレート・アヘッドな曲…ちょっと笑えるくらい、、メンバーがイキイキしている。

タイトル曲「Beyond This Place」、ポジティブな曲想で柔らかで穏やかな演奏。
お馴染み「Softly As in a Morning Sunrise」、なんと、、ブレイクのドラムとのソロ。
このアルバムでは、バロンは少し控えめな感じでフロントの2人をフィーチャリングした演奏が多いけれど、ここではアグレッシブなドラムと高速で熱い演奏を。
「Sunset」、ネルソンのクーリッシュな音色は理知的な雰囲気に。
終演は、セロニアス・モンクの「We See」、アルトとのデュオで。
54歳の歳の差なんて、、なのその、、いやぁ、、手放しで楽しい!お見事としか言いようがありませんね♪

 
曲によって編成を変えながら、バンドのアンサンブル、メンバーのテクニックの素晴らしさはもちろん、バロンのピアノの歌心、遊び心に溢れた演奏が続きますね。
繊細な感性で創り上げた多彩な世界。

 

1. The Nearness of You
2. Scratch
3. Innocence
4. Blues on Stratford Road
5. Tragic Magic
6. Beyond This Place
7. Softly As in a Morning Sunrise
8. Sunset
9. We See
 

Kenny Barron (p)
Jonathan Blake (ds)
Kiyoshi Kitagawa (b)
Steve Nelson (vib)
Immanuel Wilkins (as)
 

今日のおまけは、ご本人のトピックにあった「The Nearness of You」。
 
 

んじゃ、退散♪

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JAZZ(Born In The U.S.A. )」カテゴリの記事

コメント

若い頃 Scrachを聞いて端正な癖のない音が好きでした、その後ヘイデン氏とのを最近よく聞いてたので5月このアルバムはびっくりするほどバンドアンサンブルが良くて最近のおきにいりです。北川さんはじめメンバーの音が好みです。なんかJAZZ、いいです。

これまた気になるアルバムですね。
81歳で精力的に若手と共演凄い!まさにレジェンドですね。
早速スマホにダウンロードしました。
一曲目の出だしで、これは良い!って感じです。
有用情報ありがとうございました^_^

pikapikaさま、コメントをありがとうございました。m(_ _)m

ファンでしたのですね。
チャーリー・ヘイデンとのデュオは素敵すぎますよね。
このアルバムも、JAZZっていいなぁ、、って、思える作品ですよね。

baikinnmannさま、コメントをありがとうございます。

イマニュエル・ウィルキンズの高速フレーズに定評ありますが、、
こんなゆったり歌心もあるとは、見直しました。
それもこれも、リーダーの采配でしょうか。。?

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