ガブリエル・カヴァッサ巧いっ! 『Where Are We / Joshua Redman』
世界のトップ・プレイヤーに上り詰め、常に動向が話題となるアメリカのサックス奏者のジョシュア・レッドマン。
名門ブルーノート移籍第1作目は、サラ・ヴォーン国際ジャズ・ヴォーカル・コンクールで2019年に優勝した若き天才ガブリエル・カヴァッサをフィーチャーした自身初めてのヴォーカル・プロジェクト!
なんと、13曲中(日本版は14曲)9曲に参加している。
そして、ピアノにアーロン・パークス、ベースにジョー・サンダース、ドラムはブライアン・ブレイド、これだけでもジャズ・ファン垂涎の盤。
ここに、ゲストとしてニコラス・ペイトン、カート・ローゼンウィンケル、ピーター・バーンスタイン、ジョエル・ロスと、どこまでも豪華な布陣。
サックスのカデンツァで始まるオープナーは、「After Minneapolis (face toward mo[u]rning)。
ミネアポリスで起きたジョージ・フロイド殺害事件をテーマにした曲、カヴァッサの静かな語りかけと、熱くテンションの高いサックスのやりとり。
カート・ローゼンウィンケルの舞い上がるギターから始まる「Streets of Philadelphia」、少し気だるいヴォーカルとギターとサックスで織りなすフィラデフィア讃歌。
「Chicago Blues」、スファイン・スティヴンスの「Chicago」に、ジミー・ラッシングが歌ったブルース「Goin' To Chicago」の歌詞を埋め込んだアレンジ。気だるいムードとサックスがハマる。
カルテット演奏の「Baltimore」。
「By The Time I get to Phoenix」、美しピアノに導かれヴォーカルが入り、心に語りかける。
「Do You Know What It Means to Miss New Orleans?」、過去の名演ビリー・ホリデイとルイ・アームストロングにあわせるように、ニコラス・ペイトンが参加、めちゃクール。
ピータ・バーンスタイン参加「Manhattan」、インスト・クインテット。
「My Heart in San Francisco (Holiday)」、あの「想い出のサンフランシスコ」とセロニアス・モンクの「San Francisco Holiday」を合体?させたハイブリッドな演奏。
「That’s New England」、この曲もチャールズ・アイブスの組曲「ニュー・イングランドの三つの場所」とジョシュアの「That’s New England」が組み合わさった秀作。ヴォーカルとサックスのやりとりが美しい。。
ジョシュアがカデンツァでイントロを吹き、シームレスにサックスとヴォーカルのデュオ「Stars Fell on Alabama」、そして、インストのカルテットで「Alabama」、荘厳な雰囲気、祈りにも似た深淵な演奏。
終演は、「Where Are You?」、軽やかに爽やかに。
ボーナス・トラックは、明るい陽射しを感じる「Bright Mississippi」。
現代ジャズの雄が集結したジョシュアらしいコンセプト・アルバム。
この凄いメンバーの演奏を、もう少し取り上げて欲しかったかなぁ。。
ジョシュアのサックスの巧さももちろんだけれど、、
難解な曲や曲調もものともしないガブリエル・カヴァッサの変幻自在さは凄い!
ちょっと、気だるそうで少しハスキーな声も好き♪
難解な曲や曲調もものともしないガブリエル・カヴァッサの変幻自在さは凄い!
ちょっと、気だるそうで少しハスキーな声も好き♪
1. After Minneapolis (face toward mo[u]rning)
2. Streets of Philadelphia
3. Chicago Blues
4. Baltimore
5. By The Time I get to Phoenix
6. Do You Know What It Means to Miss New Orleans?
7. Manhattan
8. My Heart in San Francisco (Holiday)
9. That’s New England
10. Alabama (Intro)
11. Stars Fell on Alabama
12. Alabama
13. Where Are You?
日本版ボーナス・トラック
14. Bright Mississippi
Joshua Redman (sax)
Gabrielle Cavassa (vo)
Aaron Parks (p)
Joe Sanders (b)
Brian Blade (ds)
Guests
Nicholas Payton (tp)
Kurt Rosenwinkel (g)
Peter Bernstein (g)
Joel Ross (vib)
今日のおまけは、ジョシュアのトピックスにあった「Where Are You?」。
んじゃ、退散♪
« 信越より愛を込めて 「中島 仁 Trio with Ove Ingemarsson @ Jazz FLASH (9/16)」 | トップページ | 11月にグレゴリー・ポーターが、初のクリスマス・アルバムを出す! »
「JAZZ(Born In The U.S.A. )」カテゴリの記事
- 孤高を感じる、仄暗く冷んやりした空気…捨て曲なし! 『Moondial / Pat Metheny』(2024.09.01)
- 自由に飛翔するスリリングな白熱の演奏が満載! 『Celebration, Volume 1 / Wayne Shorter』(2024.08.24)
- アーロン・パークスの新譜がブルーノート・レコードからでる!(2024.08.17)
- 超満員の客席を熱く揺さぶる 「Kurt Rosenwinkel's The Next Step Band @ 丸の内 Cotton Club (7/29 1st)」(2024.07.31)
- それぞれの持ち味を堪能できる 『Together / Eric Alexander & Mike LeDonne』(2024.07.28)
« 信越より愛を込めて 「中島 仁 Trio with Ove Ingemarsson @ Jazz FLASH (9/16)」 | トップページ | 11月にグレゴリー・ポーターが、初のクリスマス・アルバムを出す! »
コメント