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音楽で拡がる輪

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2023年6月

2023年6月28日 (水)

エタ・ジェイムズの歌声が耳に残る…  映画「PARIS TAXI (パリ タクシー)」

 

Paristaxi


監督・脚本・プロデューサー
クリスチャン・カリオン
撮影監督
ピエール・コットロー
音楽
フィリップ・ロンビ

出演
マドレーヌ
リーヌ・ルノー
シャルル
ダニー・ブーン



無愛想なパリのタクシー運転手シャルル(ダニー・ブーン)が乗せたのは、終活に向かうマダム・マドレーヌ(リーヌ・ルノー)。
実は、彼は免停寸前で、人生も崖っぷち、、最愛の家族をどうやって守っていくかで精一杯の毎日。

彼は、彼女の回り道寄り道の依頼を渋々聞くのだが、最初はうわの空で聞いていた車中で語られる身の上話が壮絶すぎた。
優しくて人の良いシャルルは、次第に彼女の身の上話にのめり込んでいく。

一世一代の大恋愛で子どもをもうけたけれど、、その恋がやぶれた後、、
彼女は、再び恋をし、結婚…ところが、夫は暴力的だった…
支配的な夫から自分と子どもを守る為に、、、事件となり、彼女は捕まってしまう。

人生の悲劇はこれでは終わらない。

50年代、フランスでも女性の人権は薄っぺらなもの。
婚姻関係においても、男性優位で多少の暴力くらいでは、
女性からの離婚が認められなかったし、裁判になっても裁判長から陪審員まで男性。
女性の発言は非常に軽んじられていた。

そんな中での裁判で25年の禁固刑を命じられる。

刑務所に入れられるも、人権運動と模範囚だったおかげで13年ででてくるのだが。。

 

最愛の息子に自分が獄中にいたあいだのことを尋ねると


「僕は、、あのケレール家(夫の苗字)の人間なんだよ」


と、世間の目が辛かった心中を吐露する…
写真家となった子どもとは、心から打ち解けられぬまま、彼をベトナム戦争で亡くす。

そう夫へのリベンジは、簡単なことではなかったのだ。
最後、彼女の墓には「マドレーヌ・ケレール」と刻まれていた。
私的には、ここが悲しすぎて涙がでそうでしたよ。
裁判で、その名前で呼ばれることさえ拒否したマドレーヌ、、
でも、その名前を完全に捨てることは公的にはできなかった…。

ただ、車中での彼女は、自分の人生に後悔することなく、、堂々と話を進める。
そして、話の内容に共感し、感銘したシャルルと友人か家族のような絆が芽生える。

彼女も家族のような思いをもった彼に、彼の現在の1番の難題を解決する決心をした。
そう、基本的に切ない物語ですが、最後はやっぱりね、って、感じの大団円。
金は天下の回りものですね!

 
90年間の波瀾万丈の人生のマドレーヌ。
そう、人生はどう生きたっていいのだ。
自分の人生なのだから。

人生の修羅場をさりげなく語る、次々と現れる美しいパリの風景、心象に合う素敵な音楽。
特に、新しい恋が始まったときに流れたエタ・ジェイムズの「At Last」。
唯一無二の歌声が、胸に沁み入ります。だめだよ、その恋は!!

 

 
んじゃ、退散♪

2023年6月25日 (日)

瞬発力があってワクワクする演奏 『Pixel / Keigo Hirakawa Quintet』

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Keigo Hirakawa(平川 恵悟)は、オハイオ在住のピアニスト、コンポーザー、そして、工学博士。
このアルバムは、理系とジャズで、、アメリカにコネクションがある知人に教えていただきました。m(_ _)m

日本からレコーディングの為に渡米して、現地の奏者と一緒に演奏するのではなく、彼が現地で20年以上、米国でジャズ・ピアニストとして積み重ねてきたキャリアがなせたアルバム。
で、オハイオ在住ということなのだけど、新作はデトロイトの奏者中心。
この辺の音楽的な地域性とか関係とかはよくわからないのですが。。m(_ _)m



現代モダン・ベースの実力者ロバート・ハースト、デトロイト・ジャズフェスティバル・スペシャルバンドの一員で来日したマルチ奏者ラファエル・スタティン、引手数多のドラマーのアレックス・ホワイト、ケンタッキー出身でオリジナルを1曲提供しているギタリストのブランドン・スコット・コールマンとなかなかの強者揃い。
8曲中7曲が平川のオリジナル。



オープナーの「Pixel」から
平川がコールマンのバンドに所属していた時に作曲した平川のオリジナル曲。ハーストのベースソロから始まる冒険心に 満ちた曲。
「Far Above 」明るい曲調だけれど、テンション高くサックスがふりきれる。
「Home Somewhere」、力強く印象的なベース・ラインで、ギター、ピアノ、サックス、次々にソロを引き継いで創り出す11 歳まで育った東京の思い出はカラフル&エキサイティング。

「Origami Beetle」、幾何学的なモチーフを高速&ハイテンションで駆け抜ける、咆哮するサックスの長尺なソロ!!
そのスタティンがアンサンブルの中でフルート、バスクラリネットも吹く「Unmarked Path」、ギターが飛翔し、ピアノが踊る後ろでドラムがプッシュ。
トリオでスリリングに自在に動き回る「Yaw Pitch Roll」は、新曲だそう。

ギタリストがこのアルバムの為に作曲したオリジナル「Dreaming Out Loud」、ギターとバスクラがゆったりとノスタルジックな世界を創り出すアルバムのオアシス。
終演はチック・コリアをイメージしたという「Change of Plans」、アップ・テンポでテンションの高い演奏が続く、咆哮するサックス、駆け抜けるギター、琉麗なピアノ、タイトで美しい音を繰り出すドラム、そして、強力な安定感のベース、ハイレベルでスタイリッシュ。

強者たちにスリリングで瞬発力があってワクワクする演奏が続きます!
平川自身も、名だたるピアニストに師事しており、現代的センスに溢れ、アクティヴでで気概ある演奏。
緻密なアンサンブルを施しているけれど、それぞれの曲でソロが炸裂している、ストレート・アヘッドな演奏。

ギターが良い塩梅に絡むのがサウンド的に成功の秘訣か?

音楽にもジャズにもさまざまな流行、ジャンルなどがあるとおもうけれど、
一瞬に異世界・冒険の世界に連れて行ってくれる音楽は、いつだって、良い音楽なんだと思いました♪



1. Pixel
2. Far Above
3. Home Somewhere
4. Origami Beetle
5. Unmarked Path
6. Yaw Pitch Roll
7. Dreaming Awake
8. Change of Plans



Keigo Hirakawa (p)
Rafael Statin (sax, fl #5, b-cl #5,7)
Brandon Scott Coleman (g)
Robert Hurst (b)
Alex White (ds)



そう、ライナーを日本在住のドラマー、ジーン・ジャクソン氏が書いています。
難しいことはわからないのですが、米国では地域性というものの意識が重要なようです。
デトロイト・グルーヴって、感じなのでしょうか?



今日のおまけは、ご本人があげていた「Change of Plans」。



 

 
んじゃ、退散♪

2023年6月24日 (土)

『ジャズ批評 234号』がでました〜♪

 

234

 

特集は、ジャズで聴きたい、とっておきの一曲。



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「ジャズで聴きたい、とっておきの一曲」


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ジャズで聴きたい、とっておきの一曲。
そして、その曲の入ったお気に入りのアルバムの紹介。
まさに、十人十色! 面白かった〜♪



私もアンケートに参加しました。
今までのこういう企画に選ばなかった曲から、1曲選んでみました。
アルバムは、私の中では突出していると思っている2枚になりました。


「First Song (for Ruth)」

『People Time / Stan Getz  Kenny Barron 』

『Beyond the Missouri Sky (Short Stories)  / Charlie Haden & Pat Methen 』


理由と演奏への想いは、ぜひ本誌で。m(_ _)m

 


いつもの「新譜紹介」は4枚、「New Disc Pick Up」は2枚でした。



「新譜紹介」



『Moving Again '19→'23 / Akiko Toyama Trio 』



『Stormy Beauty / Nils Kugelmann』



『Your Requests / Laila Biali 』

 

『Pixel / Keigo Hirakawa Quintet』





「New Disc Pick Up」

『Try your wings / Peaceful Dreams (YUKI SAGA,HIROKO TAKADA)』



『A DRUM THING / ATZKO KOHASHI, TONY OVERWATER』




次号(235号)は、 「ヨーロピアン・スウィング」を特集します。

んじゃ、退散♪

2023年6月21日 (水)

夏色のサウンド 「ポロの音楽会Ⅲ (6/17) & ISSIMO JAZZ NIGHT 2023 (6/18)」

ポロの音楽会Ⅲ (6/17) & ISSIMO JAZZ NIGHT 2023 (6/18)

ファビオ ボッタッツォ (g)   岡部 洋一 (perc)


日本人的な繊細さを持つギタリスト、ファビオさんと、、
ジャンルを超えたパーカッショニスト、岡部さん。。
お初の顔合わせなんだそうです。
いろいろとあって、、2人のデュオを、2日続けて聴いてきました。

 

★ ポロの音楽会 Ⅲ (6/17)  ★

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ポロは、「 pöllö 」が正解で、フィンランド語で「フクロウ」のこと。
柏崎市は海辺の街だけれど、ポロは曽根という森の中にあるオーナー夫婦の予約制の手作りカフェ。
緑多いこの季節の音楽会なので、森の住人になったような気分が味わえそう。
ここは、手作りのおやつとドリンクが美味しいので、そちらも楽しみ!

ポロのイベント頁に、岡部さんの紹介で、、

「スピード感あるフルボ ディな鬼グルーヴと、超人的に幅広い音楽対応力と、微笑ましいユーモアとペーソスで、人の心に火をつけるアーティスティックな打楽器奏者」

と、ありましたが、、ライブの印象はもうそのまんま!
音とリズムの達人、そして、音楽センスのかたまり!

サウンドを演出

オープナーは80年代の米国の人気ドラマ「刑事スタスキー&ハッチ」の「Richie's Funk Team」。
ファビオさんが、ギターをチョッパー・ベースみたいに弾いて、ファンキーにキメる。
岡部さんは、世界のさまざまな楽器を周りに置いて次から次に音をくり出す。
気がついたら、あっという間にノリノリの世界。
一転、ファビオさんオリジナル「春の気配」、美しいメロディと窓の外の緑がゆっくり溶け合って、至福の時間。
こんな感じで、曲は、ジャズ・ミュージシャンの曲だったり、ファビオさんのオリジナルだったり、、いつものファビオさんの曲の違う面が聴けたような気がする。
初めての演奏だそうだけれど、お互いの演奏を楽しんでいる感じもあって、、
とても、いい感じ♪

岡部さんは、カホンに座って、真ん前にジャンベとスルド、その両側にシンバル、、
スネア、ハイハットが基本で、その周りにさまざまな音がでるものが、、置いてあります。
楽器に囲まれてる状態。
ジャジーなグルーブだすときには、片手でステックでシングルストローク、片手でバスドラ代わりにカホンはたいで、グルーブつくったり…創意工夫だらけ〜
ファビオさんを乗っけて走っても最高時速が簡単にでちゃう感じ。
ファビオさんも いつもよりルーパー多様したりで、2人の作り出すサウンドは、ちょっと想像つかない面白さで斬新な感じでした。

そう、途中で岡部さんの楽器講座?もありました〜。
一番面白かったのは、最初の曲の演奏でも使っていた空のガスボンベで作ったウドゥに似た打楽器。お店のHPみたら、その名も「プロパ・ドゥ」。

あっという間に、終演曲ファビオさんの新曲「Caffeine」、少し、ダークでスリリング。
アンコールのご褒美は、パット・メセニーの「James」、トーキング・ドラム入りの「James」なんて、ここでしか聴けない!

ファビオさんのオリジナルをいっぱい岡部ヴァージョンで聴けた森の音楽会。
外が暗くなってくると、窓の緑に部屋の灯りが映り、異世界に通じるような感じ。

ポロは相変わらず、癒しの空間でした。
観客を心からもてなそうとする気持ちがあちこちに詰まってました。
そして、音楽家の2人は森の中の演奏を楽しんでましたね♪
空間の持ってる力も凄いです!


次の日は、新潟市内のおしゃれなイタリアンでのディナー付きライブ。
 
★ ISSIMO JAZZ NIGHT 2023 (6/18) ★
 
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今日は、ISSIMOさんの美味しい料理とワインのペアリングも!
乾杯のスプマンテに始まって、料理に合わせたワインがでてきます。


岡部さんの楽器セットは、少しだけ変わっていたようですが、基本的には昨日と同じ。
周りの沢山の楽器が出番を待っています。


今日もオープナーは、「刑事スタスキー&ハッチ」の「Richie's Funk Team」。
なんとなく、昨日より軽やかっていうか、、おしゃれっていうか。。都会的?
この曲、あのファンキーの権化?トム・スコットの曲だそうで、どうりで!って、感じ。
その後も昨日同様に、ファビオさんオリジナルやミュージシャン曲を演奏。
一瞬で周りが輝いた「Bright Size Life」、2人なのにまるでPMGの応援がついているよう。
あ、遠くに見えた灯りが段々近づいてくるような「My Favorite Things」素敵でしたね。

もちろん、同じような楽器講座もあって、今回ウケていたのは「ビリンバウ」。
ブラジルの民族楽器。打弦楽器の一種。弓矢をバケタで叩き、共鳴器は中身をくり抜いたヒョウタン。音程の調節はペドラと呼ぶ石!! なんて、原始的…狙った音を出すのは難しそう。。
バーデン・パウエルの「Berimbau」は、この楽器のことなんですね。

そして、今回も「Caffeine」、アンコールは、パット・メセニーの「James」でした。
この日は、パンデイロがお供でした♪
 
市内のビルの8階にあるおしゃれなレストラン。
2人の演奏は、昨日より少し爽やかおしゃれ度がある感じ。
それでも、それも鼻につく感じではなく、節度ある寄り添い方。
 
生はお初の岡部さん、瞬時に沢山の楽器の中から、正解を送り出す。
技術と知識だけでなく、サウンドに対するセンスが素晴らしかった♪
ファビオさんのデュオは、いろいろと聴いているのですが、
さまざまな音との共演で爽やかだけど、ゴージャスな気分でした!
なんでしょうねぇ。。まるで、PMGが応援にきてるみたい。笑
 
美味しいお料理&ワインと、素晴らしい音楽にダブルで酔いしれました♪
 
2日間、楽しんじゃったなぁ。
夏色の音を纏ったサウンドを堪能!
ポロでは、ナチュラルでちょっと熱め、、
イッシモでは、おしゃれでちょっとクール、、
そんなサウンド気分にさせてくれた気がしま〜す。
また、機会があれば、、と、願っています。
 
 
んじゃ、退散♪

2023年6月18日 (日)

心に寄り添う密度の濃い時間 『Moving Again '19→'23 / Akiko Toyama (外山 安樹子)Trio』

 
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ジャズオーディオ・ディスク大賞のメロディ賞でお馴染みメロディ・メーカーのピアニスト、コンポーザー外山 安樹子。
2008年のレギュラー・トリオ結成以来、同じメンバーで活動を続けている。
金曜日には、新潟で発売ツアーライブを行なってくれました♪
 
新作は、トリオ結成15周年の記念作品で、「コロナ禍からの再出発」をテーマにした内容。
メロディ・メーカーが自信をもって送る心に寄り添うオリジナル曲9曲と、珠玉の名曲3曲で全12曲。
もちろん、いつものように、、ご本人が曲の説明をしたセルフ・ライナー付きです♪
 
 
オープナーは、おまじないのようなタイトル「イランカラプテ」。
北海道の先住民族アイヌに人たちの言葉で「こんにちは」、その裏の深い意味はライナーを読んでくださ〜い!笑
オープンマインドな爽やかなメロディを息のあったトリオでのっけから盛り上げますぅ。
コロナ禍の複雑な心境が込められた曲「 Back & Forth」、いったりきたり…真摯で少しシリアスな演奏。
「ATB」は、Air Turn Backの略だそうで…状況を頭に浮かべて物語いや、、演奏をたのしみましょ!手に汗握る展開♪
一転、ゆったりと「Awakening」、柔らかなメロディは優しい陽射しのよう、気持ちよさそうに歌うベース、応えるピアノ、エンディンに向かっての3人の演奏に胸が躍る…
 
 
映画サブリナでスティングがおしゃれ感満載で歌っていた「Moonlight」、軽快、軽やかにスイング、ドラム・ソロもカッコイイ、、あれっ?外山オリジナル??なんてね。
ロアルド・ダールの名作「チョコレート工場の秘密」の映画の中で、ウォンカ氏が歌う「Pure Imagination」。冒頭のワクワク感、そして、五拍子でいっそうにミステリアスで夢が広がる。
 
 
迫力あるベース・ソロから始まる「Écouter La Danse, Voir La Musique」、バレエ団とのコラボから生まれた即興要素の強い演奏。
これぞ外山オリジナル的なポジティヴな「まっすぐに」、ポップでジャジー、そして、疾走感満載。
「Dancing in the Water」、もとはクラゲたちのダンス…洗練されたひととき。
シャーリー・ホーンの「Here's to Life」、稀代な美しい曲をストレートに奏でる、ピアニスト、ベーシスト、、それを支え彩るドラムの心意気。
過去のメモ書きを膨らませて作曲しなおした「Blues Discovery」、7拍子のブルースは、大都会を大股で闊歩する女性のようにカッコイイっす。刺激され?フリーな展開も!皆大暴れ。
終演は、感情の機微を魅力的なメロディで表現した「This Must Be the Place」、優しい眼差しをもった演奏。
 
ピアノ・ソロはもちろん、ベース、ドラムのソロも聴きごたえある。
メンバーとの阿吽の呼吸でのスリリングなやりとりからの躍動と飛翔。
メロディからの抒情で胸に押し寄せる高揚感もあり、足掛け4年の成果の集大成とも言える内容。
メロディアスで心に寄り添う密度の濃い時間でした♪
結成15周年!おめでとうございます!!
 
1. イランカラプテ 
2. Back & Forth 
3. ATB 
4. Awakening 
5. Moonlight 
6. Pure Imagination 
7. Écouter La Danse, Voir La Musique 
8. まっすぐに 
9. Dancing in the Water 
10. Here's to Life 
11. Blues Discovery 
12. This Must Be the Place 

外山 安樹子 (p)
関口 宗之 (b) 
秋葉 正樹 (ds)
 
今日のおまけは、ご本人があげていた新作の視聴動画。
 
 
んじゃ、退散♪

2023年6月17日 (土)

観客の声援と盛り上がりで奏者と一体になった夜 『外山安樹子トリオ結成15周年記念アルバム発売ライブ!@ Jazz FLASH (6/16)』

『外山安樹子トリオ結成15周年記念アルバム発売ライブ!@ Jazz FLASH (6/16)』


外山 安樹子 (p)   関口 宗之 (b)    秋葉 正樹 (ds)


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結成15周年記念にあたる『Moving Again '19→'23』の発売ツアー。
新潟のジャズフラッシュは、今回も満員御礼でございました!
新旧の外山トリオのファンが押しかけて、一挙一動に注目。笑


ほぼ定刻、オープニングのおまじないみたいなタイトル曲「イランカラプテ」から息のあったトリオ演奏で、観客を一気に引き込みます。
ちょっとシリアス、光と影が行き来する「Back & Forth」。ミニマルなフレーズからどんどんと空想が広がる」「ATB」、迫力のドラムs・ソロは何を意味する!
ここまで、オリジナルで新譜の曲順、すべて、彼女の日常のできごとからできた曲で、心の襞に触れるメロディに酔い、観客とトリオも、観客同士も一体感ましましです。
最前列にドラマーの方々が陣取ったおかげで、各人のソロやトリオの演奏でタイミングよく歓声と拍手がわき場内がばっちり盛り上がる。


シャーリー・ホーンの珠玉のバラッド「Here's to Life」、心深く沈み込む感じのゆったりした演奏。メロディを奏でる奥で、ベースの低音がより心に重しをつける、その2人の空間を少し彩る感じのドラムの音。いいもの聴かせていただきました。。
ムーディーな「Moonlight」が、軽快にスィングして熱く疾走感ある演奏に!


20分ほどの休憩中は、新譜のサイン会などもあって、わきあいあい。


2セットめは、彼女の脳内物語から生まれた「This Must Be the Place」、ボーイングの響きも効果的で、短い映画を観るような気分に。高速に疾走する演奏での一体感もすごいけど、感情を共有して3人で盛り上げていく阿吽の呼吸も素晴らしい!
バレエ団とのコラボ曲、チャレンジャーな「Écouter La Danse, Voir La Musique」、最低限の決め事の中で大迫力のインタープレイ。なんつうか、、この演奏でどんな踊りなんだろう、、って、かなりコラボ企画に興味でましたよ。
ロアルド・ダールの「チョコレート工場の秘密」の映画にでてくる「Pure Imagination」、ファンタジーの作品を5拍子で夢をひろげた演奏。わくわくしましたよ。
「Awakening 」穏やかで、、まるで柔らかな陽射しを浴びているよう。3人も演奏の喜びを噛み締めているように、心から歌い上げる。
最後の曲は、一枚のメモ書きから生まれた「Blues Discovery」、7拍子のブルースに生まれ変わって、、その意外な感じからベースのフリーな展開、そこからのトリオの大暴れ、メロディアスな曲の中のゴツゴツ感は素敵なアクセント。


アンコールは、ソロでラーシュ・ヤンソンの「Resting in the Shadow」、メロディを愛しむように柔らかに…柔らかに。そこからのオリジナル「May Journey」。
キラキラ感を纏いながら、前向き、ポジティヴなトリオの演奏に会場大盛り上がり。
そう、新曲もいいけど、大好きな昔の曲も聴きたいものね。
と、ここで終わらず、再びアンコールの拍手。
新曲「まっすぐに」、ポップだけどジャジー、三位一体になって大団円にむけてまっすぐな演奏、終演。



新譜に入っている名曲を中心に、2セットがあっという間でした。。
皆さん、新譜もご購入♪ これで、家内安全、、家に帰っても大丈夫!笑


ピアノ・ソロはもちろん、ベース、ドラムのソロも聴きごたえあって盛り上がる。
メンバーとの阿吽の呼吸でのスリリングなやりとりも魅力。
メロディから込み上げる抒情…胸に押し寄せる高揚感、満足度が高いです。
そして、演奏、いつもブラッシュアップされてて、、頭が下がります。


で、何がすごいって、、オリジナルを演奏した時の会場の反応がすごいですよね。
最高の観客の皆さんとご一緒できて嬉しかったです!



トリオの皆さん、本当にありがとうござました。この後も、ツアーの盛況を願っています。
いろいろとご配慮をいただいたフラッシュのマスター&あっこ女将、、
いつも、ありがとうございます。m(_ _)m


そして、古町の居酒屋せんさんで打ち上げ、こちらは、お客さまからのご推薦の居酒屋さん。
遅くまで、ありがとうございました。m(_ _)m


さて、ここまで、、ながなが書きましたが、、もう少しおつきあいください。m(_ _)m


えっと、今回の私的ツボは秋葉さん。
ライブ以外では、基本ドラえもんののび太風なマイペースなお方。
そのお方が、フラッシュの新しいドラムにかなり強烈な食いつき方。
どうやら、型はご自身のものと同じらしいのですが?フラッシュの方が状態が良いんだそうです。
リハ前から、その話になるとのび太ではなく、コナンになって「良い」って、力強く断言。
リハでは、マスターとシンバル・トークで、鬼。
一枚一枚シンバル見定めて、型番みて、ちょい鳴らして、すぐにパキパキとご意見。
シンバル知識半端ねぇ。。しかも、個体ひとつひとつをバシバシ切る。


いや、プロってこわいなぁ。。って、まぢ思いました。
知識と音に対する繊細な感覚、、これがあってのあの演奏なんですね。
と、いまさら風貌に騙されていた自分はかわいいなぁ、、と、思う次第。笑


 


んじゃ、退散♪


 

2023年6月14日 (水)

名曲を新感覚で歌い上げる♪  『Your Requests / Laila Biali』

 
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カナダ生まれのピアニスト、ヴォーカリストのライラ・ビアリ、ACTレーベルより約3年ぶりのアルバムをリリース。
新作は、ファンからのリクエストから選んだ名曲の数々を、彼女らしくかなりユニークにアレンジし、多彩ゲストも参加の豪華盤。
リクエストということもあって、10年ぶりにジャズ・スタンダードに戻り、アメリカン・ソングブックからの名曲をカバー。
 
オープナーは、サックスがファンキーに踊り疾走感あふれる「Bye Bye Blackbird」。
一転、情感たっぷりに歌い上げる「Blame It on My Youth」。
アナット・コーエンがクラリネットで参加した「But Not for Me」は、サンバアレンジでパーカションも参加。
現代ジャズ・ヴォーカルの帝王カート・エリングとビアリの歌声に魅了される「My Funny Valentine」。
ソプラノ・サックスを絡ませたエミリー=クレア・バーロウとデュオが迫力ある「My Favorite Things」。
「Corcovado」を歌うビアリに完璧な空間を創り出すハーモニカの名手グレゴア・マレ。
テナー・サックス、ヴィブラフォンとケティ・ジョージのスキャットがハマった「Pennies from Heaven」。
流麗なピアノにも耳を奪われる「Autumn Leaves」、ソプラノ・サックスも活躍。
「The Nearness of You」は、ベースとのデュオ。改めて思う高い歌唱力。
終演は、かなりリハモされた「All The Things You Are」、スリリングなインスト勝負。
 
日本盤のボーナストラック「Come Rain or Come Shine」。
口笛の入った「Come Rain or Come Shine 」、物語を語るように変化にとんでる。
 
 
聴き馴染みのある名曲をカバーしいるけれど、各曲相当一筋縄ではいかない。
既存曲を新感覚で聴いてもらうことが彼女の願い♪
 

1. Bye Bye Blackbird
2. Blame It on My Youth 
3. But Not for Me (feat. Anat Cohen)
4. My Funny Valentine (feat. Kurt Elling)
5. My Favorite Things (feat. Emilie-Claire Barlow)
6. Corcovado (Quiet Night of Quiet Stars) (feat. Grégoire Maret)
7. Pennies from Heaven (feat. Caity Gyorgy)
8. Autumn Leaves (English lyrics by Johnny Mercer)
9. The Nearness of You 
10. All The Things You Are 

日本盤ボーナス・トラック
11. Come Rain or Come Shine 

Laila Biali (vo, p, fender rhodes, glockenspiel, whistling)
George Koller (b) 
Larnell Lewis (ds) #1,2,4,5,7,8,10
Kelly Jefferson (ts #1,2,4,7,10,11, ss #5,8)
Ben Wittman (ds #3,6,11, perc #1,2,5,6,7)

guest
Kurt Elling (vo) #4
Emilie-Claire Barlow (vo) #5
Caity Gyorgy (vo) #7
Anat Cohen (cl) #3
Grégoire Maret (hmc) #6
Michael Davidson (vib) #7
Maninho Costa (perc) #3
 
今日のおまけは、ご本人があげていた「Bye Bye Blackbird」。
 
 
んじゃ、退散♪
 

2023年6月 7日 (水)

グルーヴ炸裂!! 「ERIKA MATSUO Japan Tour 2023 SPRING--Here And Now-- @ Jazz FLASH (6/4)」

ERIKA MATSUO Japan Tour 2023 SPRING--Here And Now-- @ Jazz FLASH
ERIKA (vo) マルセロ 木村(g, vo)

 

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昨年の3年ぶりのJapan Tourは、実家のある群馬に用事があって涙を飲んだのでした。。
2021年にでたアルバム『Here And Now ~今ここに』のツアーです。
で、今回のお相手は、ブラジル生まれのギタリスト、マルセロ木村さん。
ブラジル音楽もお得なエリカさんとのデュオは、本格的というか、、本物だった。。ブラジリアン・グルーヴ炸裂!!

軽やかにサンバから始まって、マルセロさんもヴォーカルをとって、息もぴったり。
ジョビンの「Brigas nunca mais」、ギター・ソロも最高。
ミルトン・ナシメントの「Travessia」、噛み締めるようにしっとり…久しぶりに生で聴いたけど泣けたわ…
自身のオリジナル「Here And Now」、歌詞は彼女が尊敬するMonday満ちる氏。今を生きていく自分への応援歌でもある。伸びやかなな声がぴったりとハマる、ギターのグルーヴも素晴らしい!

マルセロ・タイム!
ブラジルのバイヨン地方のリズムをとりいれた曲、高速で楽器的なヴォーカルの絡みを入れて独りギターも情熱的に炸裂、ヤンヤですよぉ!

お父さまの電話からできた「Home」、しっとり、情感こめて歌い上げる、そして、ギターの音色も優しい。前後のお父さまとのエピソードを語ったMCが爆笑もの。彼女のギャップがたまりません。
デヴィッド・ギルモアのアレンジの「Spain」、後半の高速部分、疾走感たまりませんねぇ。


休憩

2ndは、スタンダード「I Thought about You」から。シーラー・ジョーダンに師事したエリカさんは、スタンダードではスキャットで楽器とやりとり、かっこいいのです。
しみじみと歌い上げるジョニ・ミッチェルの「River」、次回はクリスマス・アルバムの予定というMCにテンションが上がる私。。爆
ジャヴァンの曲は、マルセロさんもヴォーカルを。男女のヴォーカルとブラジリアン・ギターと口笛で、ジャズ・フラッシュはブラジルにワープ!

マルセロ・タイム!
彼のオリジナルで、アマゾンの原住民の人たちに想いを馳せた「Aviso」、ブラジルの豊かな自然と真摯な気持ちを音風景にした、美しさを高揚感のある演奏。
この曲の入ってる『Vida』をお買い上げしましたです。

この時、会場は異様に高揚して、涙が込み上げているひと多かった。
エリカさんも涙ぐんでて、可愛い人だと改めて思いましたよ。

ジョニ・ミッチェル「Both Sides Now」、胸を打つ感情の起伏。
アーニー・ワッツのヴォーかリーズだって、歌唱力で難なくこなす。
一転、荒井由美の「ひこうき雲」、会場がシンとする…。

ここから、お父さまに止められているという定番のあの歌も含めて(爆)トリプル・アンコールでしたよ!!

お客さんを巻き込んで盛り上がる「Skindo-le-le」、オリジナルで常連さんからリクエストあった「花鳥風月」、歓喜極まった「いのちの歌」。

会場は大盛り上がり♪


マニアックでいてエンタメ要素もバッチリで、めちゃくちゃ楽しい時間でした。
マルセロさんのブラジリアンギターのテクニック必聴ですね。
ギターも歌も故郷に想いを馳せたオリジナルも最高!

そして、エリカさん!あの伸びやかな歌声で、スタンダードはスキャットで聴かせ、オリジナルの抒情豊かな世界…多才で老若男女(笑)を魅了。 
ニューヨーク在住20年以上でも、変わらぬ感性のぬみずみずしさ…素敵です。

2人とも演奏は凄いのに、MCは抱腹絶倒なんですよ。最高な一夜でした。
強力なサポーターのナオミさんに、お誘いも頂き 打ち上げにもちゃっかり参加!
町内の溝掃除の日で 5時半起きの老体に鞭打って万代吾郎でも 楽しませていただきました!
皆さん、本当にありがとうございました♪

どうやら エリカさんはクリスマス・アルバムを計画中のようです♪
クリスマス・アルバムのコレクターとしても楽しみすぎます!!

んじゃ、退散♪

2023年6月 4日 (日)

叡智の結集のような音風景! 「山中 一毅 & 古谷 淳 DUO TOUR 2023 @ jazz Flash (5/30)」

山中 一毅 & 古谷 淳 DUO TOUR 2023 @ jazz Flash (5/30)
山中 一毅 (as) 古谷 淳 (p)
 
Kazuki_yamanaka_20230603154101


先週の火曜日にジャズ・フラッシュにライブに行ってきました。
諸事情で、ブログ・アップが遅くなりましたが、とても、感動的な演奏でした。

サックス奏者の山中 一毅さんは、今までに新潟で3回聴いたことがあるのですが、
3回ともピアノ・トリオとのカルテットでした。
インスピレーションを大切に、仲間と瞬時に交わす演奏の数々は、即興主体で、アヴァンギャルド、エッヂの効いた超タイトなサウンドで、高揚感満載。
今回は、知的で情熱を秘めたピアニスト、古谷 淳さんとのデュオとのことで、とても楽しみにしておりました!

1stせっとのオープナーは、「My Old Kentucky Home」美しくノスタルジックな光景で時間がゆっくり過ぎていく、山中オリジナル「Inner Space」無限に広がる空間での知的な問いかけ、会話。
スタンダード「Skylark」、のびのび自在、そして、ドラマチック。
セロニアス・モンクの「We See」、カラっとした明るさで、即興の応酬。
セットの終演曲は、古谷オリジナル「Mother, Son and the Holy Ghost」、厳かな響きをもつ曲で、ピアノの力強さ、サックスの響きに柔らかさと温もりが印象的。
 
休憩!
 
2ndは、古谷オリジナル「Secret」から。流麗で情熱的なピアノ、丁寧にメロディを奏でるサックス、抒情豊かな世界。
山中オリジナル「Hanaikada(花筏)」、導入部のピアノのスピリチュアルな騒めき、日本情緒を感じるメロディ、日本的陰影の色濃い精神世界。
雄叫びもでるアヴァンギャルドでテンション高いジョー・>ヘンダーソンの「Inner Urge」。
一転、カウントとともに、ピアノのシングルノートで始まった山中オリジナル「Humanity (ご本人に教えていただきました)」。
終演曲は、山中オリジナル「Small Happening」、メリハリはっきりした楽しい演奏。
喝采〜からのアンコールはスタンダードで「The Song is You 」ピアノとサックスで描き出す色彩豊かな音風景。

一音一音に拘り、小さな音でも全身を使って音を出す山中さんの姿が印象的。
2人とも、内がわから湧き上がってくる、さまざまな感情を音に乗せて、自在に表現する真摯な姿に心奪われました!
伝統的な道筋をしっかり捉えての、現代的な感覚。叡智の結集のような音風景。
ピアノにもサックスにも、心を揺さぶられ、2人のオリジナルも素晴らしかった。

諸事情で、ちょっとライブから遠ざかっていたのですが、参加できて嬉しかったです♪
 
んじゃ、退散♪

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