あくなき探求心 『Sphere / Bobo Stenson Trio』
スウェーデンのピアノの巨匠、ボボ・ステンソン。
前作『Contra La Indecision』より、6年ぶりの新作です!
メンバーは、朋友のベーシスト、アンデルシュ・ヨルミン、 2008年の『Cantando』より一緒のドラマー、ヨン・ フェルト。
オープナーは、ピート・ハインの詩から創られた「You shall plant a tree」。丁寧なフレーズ、静かに交わす仲間との会話。ピアノとベースのアブストラクトなやりとり、それを色付けるドラム。
ヨルミン作「Unquestioned answer - Charles Ives in memoriam」、即興から即興へと続く暗く抽象的実験的な時間。
深淵を覗き込むような、スウェーデンの作曲家スヴェン・エリック・ベックの「Spring」。
ボーイングの音が不安を煽るヨルミン作「Kingdom of coldness」、流麗で透明感あるピアノ演奏の美しいこと。。
再びスヴェン・エリック・ベック作「Communion psalm」、大きなスペースで穏やかで濃い会話。
爽やかにスウィングする「The red flower」。
ノルウェーのピアニスト、アルフレッド・ヤンソン作「Ky and beautiful madame Ky」、各人が独立していながら一体化。
フィンランドの国民的作曲家シベリウス作「Valsette op. 40-1」、前衛的、実験的、幻想的。
終演は、オープニングと同じ「You shall plant a tree」、一回り。。
ボボ・ステンソンのクリアで柔らかなタッチに合わせてインタープレイを繰り広げる3人。
あくなき探求心、既成の音楽はやらないという信念の塊。
お歳をめしても、創造力の翼は力強く羽ばたいています♪
1. You shall plant a tree
2. Unquestioned answer - Charles Ives in memoriam
3. Spring
4. Kingdom of coldness
5. Communion psalm
6. The red flower
7. Ky and beautiful madame Ky
8. Valsette op. 40-1
9. You shall plant a tree (var.)
2. Unquestioned answer - Charles Ives in memoriam
3. Spring
4. Kingdom of coldness
5. Communion psalm
6. The red flower
7. Ky and beautiful madame Ky
8. Valsette op. 40-1
9. You shall plant a tree (var.)
Bobo Stenson (p)
Anders Jormin (double bass)
Jon Falt (ds)
んじゃ、退散♪
« 前作と同じセッションから生まれた 『The Layers / Julian Lage』 | トップページ | ブラジル出身の2人の天才ギタリストのデュオがでる♪ »
「JAZZ(Far North )」カテゴリの記事
- あらためて思う私の大切な人たち 「スウェーデン・オールスターズ (6/17) @ Cotton Club (6/17)」(2023.05.21)
- エレガントなギター・トリオ 『Eventually / Jacob Young』(2023.05.14)
- 『While We Wait For A Brand New Day 』リリースツアー Oddgeir Berg Trio @ jazz Flash (4/13)(2023.04.16)
- ヤコブ・ヤングのECM4作目はギター・トリオ(2023.04.19)
- 穏やかで希望という光に暖められる 『Be Am / Bugge Wesseltoft』(2023.04.09)
コメント
« 前作と同じセッションから生まれた 『The Layers / Julian Lage』 | トップページ | ブラジル出身の2人の天才ギタリストのデュオがでる♪ »
80歳になろうとしているBobo Stenson のピアノトリオ作品。住んだことはないのですが、こんな世界を聴かされると、少なくとも四季を味わう一年ぐらいは住んでみたいと思うスカンジナビアの世界を想像しています。
このところ私も聴きこんで心を休めています。中身の検討が進まず感想すらまともに書けないでいます。「過剰な演奏なしに崇高なピアノ・トリオの作品」との評価がありますが、間違いないそんな世界を構築していますね。
聴く者にとって決して難しさも感じないところが凄いです。
stefano Amerioの録音ですが、珍しく3者が中央に寄っていて左右の広がりよりは奥行で状況を描いている録音ですね。これも意識してやったことですかね。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2023年3月26日 (日) 18時51分
風呂井戸さま、私もしばらくこのアルバムを続けて聴いていました。
心にも耳にも優しい感じだったので。
>「過剰な演奏なしに崇高なピアノ・トリオの作品」
これ、すごいですね。
その通りだと思います。
ステファノ・アメリオ氏ですからねぇ・・。
狙った音風景になっていると思う方が自然じゃないですか。。
投稿: Suzuck | 2023年3月27日 (月) 08時44分
Suzuckさん,こんにちは。
このトリオも固定されて結構長いので,こっちが期待するレベルは確実にクリアしてくれると思っていますが,今回も期待通りでした。いかにもこの人たちらしい演奏ですが,若干アブストラクトな感覚が強いかなって気もしました。
それでもこういう音は彼ら,あるいはECMにしか出せないよなぁなんて思ってしまいますね。
ということで,当方記事のURLを貼り付けさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2023/03/post-1b566f.html
投稿: 中年音楽狂 | 2023年3月29日 (水) 17時45分
閣下、リンクをありがとうございます。m(_ _)m
この方からは冷たい北欧の空気が流れ込んで来る感じがありますよね。
本当に、ECMだからこそのアーティストなんだと思います。
私が、彼のトリオの演奏を日本で聴いたのは2016年でした。
お歳から考えたら、まだまだ、来日可能だとおもうんですけど。。
ぜひ、もう一度、お聴きしたいものです。
投稿: Suzuck | 2023年3月30日 (木) 17時38分