心地よさと臨場感があふれる52分間 『My Palette/ 外山 安樹子』
新潟を第2の故郷と語ってくれるピアニスト、外山 安樹子さん。
なんと、キャリア初のソロ・ピアノのアルバムを出しました。(初めてだったんだぁ!)
トリオやデュオで8枚のアルバムをだしながらも、ソロ・ピアノは共演者がいないと孤独な時間と思っていた彼女。
この度は、古巣のレーベルの代表から背中を押され、初挑戦。
ライナーに、
「今更ながら、ソロピアノは、一人ではない、ピアノと一緒、ピアノとの対話」
と、書かれていて、自身の曲を3曲含む全14曲のピアノとの旅路。
オープナーは、ドラマの幕開けを知らせるように始まるケニー・ ホイラーの「Kayak」。躍動感と流動的な演奏で、 一気に気持ちが解放される。
ふんわりと浮かんだ気持ちを優しく抱きしめてくれるような「Resting in the Shadow」、ラーシュ・ヤンソンのメロディを愛しむように柔らかに。
穏やかな高揚感に、さらに幸せ気分を注入するのは、アルド・ロマーノの「Dreams and Waters」。
ジャズ・ピアニストを目指すキッカケとなったチック・コリアの名曲「500 Miles High」、流麗で力強い演奏は、アルバムのアクセントに。
ラフマニノフの「交響曲第2番第3楽章」 のメロディをモチーフとしたドン・セベスキーの「Bittersweet / You Can’t Go Home Again」、浪漫と詩情あふれる演奏。
名曲の美メロに負けない美しい旋律をもつオリジナル「Nostalgia」。頭の中に様々な思いが流れる心に寄り添う演奏。
右手と左手が楽しい会話をしているような、スタンダード「If I Should Lose You」。
ここから4曲日本の童謡が続く。
メロディの美しさを再確認する「早春賦」、疾走感のある「我は海の子」、美しい光景が広がる「紅葉」、可愛らしいアレンジで洗練された演奏「雪やこんこ」。
幼い頃から聴いてきた曲たちのメロディの力強さに負けないアレンジと演奏。
米国のロック・バンドのジャーニーのヒット曲「Open Arms」、元々素敵なメロディですが自身のオリジナル「May Journey」とかけて美しくドラマチックに変身。
終演に向かってオリジナルを2曲。
「Calm Days」、人生の穏やかな日を願って、柔らかくそして、美しく。
とてもモダンで抒情を感じる「Before Dawn」、夜明け前は深い…。
素敵なメロディを創る人は、素敵なメロディを沢山知っている、って、ことですよね!
いろいろな曲が入っているのですが、どの曲も外山安樹子の音印のついた演奏で、
違和感なくスムースに流れていく。
まるで、リクエストに応えて、我が家で弾いてくれているような心地よさ満載。
親しみやすさと臨場感があふれる52分間、すっかり、ピアノとお友だちになったのですね♪
1. Kayak
2. Resting in the Shadow
3. Dreams and Waters
4. 500 Miles High
5. Bittersweet / You Can’t Go Home Again
6. Nostalgia
7. If I Should Lose You
8. 早春賦
9. 我は海の子
10. 紅葉
11. 雪やこんこ
12. Open Arms
13. Calm Days
14. Before Dawn
2. Resting in the Shadow
3. Dreams and Waters
4. 500 Miles High
5. Bittersweet / You Can’t Go Home Again
6. Nostalgia
7. If I Should Lose You
8. 早春賦
9. 我は海の子
10. 紅葉
11. 雪やこんこ
12. Open Arms
13. Calm Days
14. Before Dawn
外山安樹子 (p)
今日のおまけは、ご本人があげていたアルバムの視聴音源。
んじゃ、退散♪
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