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音楽で拡がる輪

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2022年11月12日 (土)

テーマとメンバーの感性が深く反映された 『Ruins and Remains / Wolfert Brederode   Matangi Quartet   Joost Lijbaa』


Ruins_and_remains_20221112085001
 
 
1974年生まれのオランダ人のピアニスト、ヴォルフェルト・ブレデローデ。
新潟にも2度ほど来てくださって、至近距離(笑)で眺めました、今度はリーダーでいらしてね。
2007年に『Currents』で、ECMからリーダー・デビュー、トリオとカルテットでジャズをレコーディングしています。
今作の4作目は、ピアノ、弦楽四重奏、パーカッションのための組曲です。
第一次世界大戦終結 100周年を記念して、2018 年に彼が作曲したもの演奏。
プロジェクトの参加者たちは、ハーグの王立音楽院の学生時代からの友人たち。
マタンギ弦楽四重奏団は、彼の演劇音楽の公演でしばしば共演、クラシック、現代音楽、ジャズなど幅広く活躍する多才な弦楽四重奏団。
重鎮ドラマーのヨースト・ライバートは、2004年から彼とジャンルを超えた活動をしており、即興デュオも出している。
すでに、このメンバーで、2018年に公演していますが、そこから個人的な洞察を深め、アルバムのリリースへ。
 
 
オープナーは「Ruins II」、暗闇で時を刻む心臓の鼓動、透徹で内声的な美しいピアノ。
暗いストリングスの重なりと高揚「Swallow」、抑制された「Remains」、開放感ある「Cloudless」、断ち切られれたメロディが再び広がる。
 
荒涼として寂寥感溢れる、タイトル曲「Ruins and Remains」。
重たくのしかかる「Ka」、弦楽器とピアノ、パーカッションの重なりに気持ちが高揚していく「Ruins I」。
ストリングスとピアノ、そして、パーカッションの重なりが絶妙な「Duhra」。
暗く混沌とした「Ruins III」、弦楽四重奏だけの演奏が良いアクセントになっている「Retrouvailles」、互いの演奏から発展していく「Nothing for Granted」、パーカッションとピアノのクリスタルな世界「Dissolve」。
重厚なストリングスの世界「March」、終演は、再び時を刻むような心臓の鼓動、ピアノとパーカッションが美しい「Ruins IV」。
 
 
互いのことや演奏の主旨をよく理解しているメンバーの感性が反映された深淵な世界。
2018年の公演以来温め広げ…沈思黙考した作品。
全体に漂う寂寥感と荒涼とした雰囲気は、凄技です。。
 
1. Ruins II
2. Swallow
3. Remains
4. Cloudless
5. Ruins and Remains
6. Ka
7. Ruins I
8. Duhra
9. Ruins III
10. Retrouvailles
11. Nothing for Granted
12. Dissolve
13. March
14. Ruins IV

Wolfert Brederode (p)  

Matangi Quartet   
Maria-Paula Majoor (vin)   
Daniel Torrico Menacho (vin)   
Karsten Kleijer   (vla)
Arno van der Vuurst   (vlc) 

Joost Lijbaart  (ds,  perc)
 
ええと、サイトによって「Ruins II」と「Ruins I」の順番が、逆になっているところがあるのですが、ECMのホーム頁もCDの記載も1曲目のタイトルは「Ruins II」なのでそれでいきました。。
 
今日のおまけは、ご本人があげていた「Swallow」。
 
 
んじゃ、退散♪
 



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JAZZ」カテゴリの記事

コメント

Suzuckさん,こんにちは。

このアルバムは素晴らしいですねぇ。今年の年末のベスト作候補に出会うことができた気がします。まさに絶品です。

もとのコンセプトを拡大,あるいは翻案してここでの音楽に仕立て上げたプロデューサーとしてのManfred Eicherにはつくづくまいります。

ということで,当方記事のURLを貼り付けさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2022/11/post-920bc6.html

閣下、リンクをありがとうございます。
返事が遅くなって、すみません。m(_ _)m

ストリングスやパーカッションが、ピアノに単なる厚みをつけるだけの存在でなく、
3者で絶妙なバランスで素晴らしいですよね!
そして、ブレデローデのピアノの美しさも絶品でした♪

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