テーマとメンバーの感性が深く反映された 『Ruins and Remains / Wolfert Brederode Matangi Quartet Joost Lijbaa』
1974年生まれのオランダ人のピアニスト、ヴォルフェルト・ ブレデローデ。
新潟にも2度ほど来てくださって、至近距離(笑)で眺めました、今度はリーダーでいらしてね。
2007年に『Currents』で、ECMからリーダー・ デビュー、 トリオとカルテットでジャズをレコーディングしています。
今作の4作目は、ピアノ、弦楽四重奏、 パーカッションのための組曲です。
第一次世界大戦終結 100周年を記念して、2018 年に彼が作曲したもの演奏。
プロジェクトの参加者たちは、 ハーグの王立音楽院の学生時代からの友人たち。
マタンギ弦楽四重奏団は、彼の演劇音楽の公演でしばしば共演、 クラシック、現代音楽、 ジャズなど幅広く活躍する多才な弦楽四重奏団。
重鎮ドラマーのヨースト・ライバートは、 2004年から彼とジャンルを超えた活動をしており、 即興デュオも出している。
すでに、このメンバーで、2018年に公演していますが、そこから個人的な洞察を深め、アルバムのリリースへ。
オープナーは「Ruins II」、暗闇で時を刻む心臓の鼓動、 透徹で内声的な美しいピアノ。
暗いストリングスの重なりと高揚「Swallow」、 抑制された「Remains」、開放感ある「 Cloudless」、断ち切られれたメロディが再び広がる。
荒涼として寂寥感溢れる、タイトル曲「Ruins and Remains」。
重たくのしかかる「Ka」、弦楽器とピアノ、パーカッションの重なりに気持ちが高揚していく「Ruins I」。
ストリングスとピアノ、そして、パーカッションの重なりが絶妙な「Duhra」。
暗く混沌とした「Ruins III」、弦楽四重奏だけの演奏が良いアクセントになっている「Retrouvailles」、互いの演奏から発展していく「Nothing for Granted」、パーカッションとピアノのクリスタルな世界「Dissolve」。
重厚なストリングスの世界「March」、終演は、再び時を刻むような心臓の鼓動、ピアノとパーカッションが美しい「Ruins IV」。
互いのことや演奏の主旨をよく理解しているメンバーの感性が反映された深淵な世界。
2018年の公演以来温め広げ…沈思黙考した作品。
全体に漂う寂寥感と荒涼とした雰囲気は、凄技です。。
1. Ruins II
2. Swallow
3. Remains
4. Cloudless
5. Ruins and Remains
6. Ka
7. Ruins I
8. Duhra
9. Ruins III
10. Retrouvailles
11. Nothing for Granted
12. Dissolve
13. March
14. Ruins IV
Wolfert Brederode (p)
2. Swallow
3. Remains
4. Cloudless
5. Ruins and Remains
6. Ka
7. Ruins I
8. Duhra
9. Ruins III
10. Retrouvailles
11. Nothing for Granted
12. Dissolve
13. March
14. Ruins IV
Wolfert Brederode (p)
Matangi Quartet
Maria-Paula Majoor (vin)
Daniel Torrico Menacho (vin)
Karsten Kleijer (vla)
Arno van der Vuurst (vlc)
Joost Lijbaart (ds, perc)
ええと、サイトによって「Ruins II」と「Ruins I」の順番が、逆になっているところがあるのですが、 ECMのホーム頁もCDの記載も1曲目のタイトルは「Ruins II」なのでそれでいきました。。
今日のおまけは、ご本人があげていた「Swallow」。
んじゃ、退散♪
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コメント
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Suzuckさん,こんにちは。
このアルバムは素晴らしいですねぇ。今年の年末のベスト作候補に出会うことができた気がします。まさに絶品です。
もとのコンセプトを拡大,あるいは翻案してここでの音楽に仕立て上げたプロデューサーとしてのManfred Eicherにはつくづくまいります。
ということで,当方記事のURLを貼り付けさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2022/11/post-920bc6.html
投稿: 中年音楽狂 | 2022年11月12日 (土) 16時29分
閣下、リンクをありがとうございます。
返事が遅くなって、すみません。m(_ _)m
ストリングスやパーカッションが、ピアノに単なる厚みをつけるだけの存在でなく、
3者で絶妙なバランスで素晴らしいですよね!
そして、ブレデローデのピアノの美しさも絶品でした♪
投稿: Suzuck | 2022年11月14日 (月) 08時37分