レナード・コーエンのファンと、そうでない人にも響く 『Here It Is: A Tribute to Leonard Cohen / Various Artists』
2016年に亡くなったカナダのシンガー・ソングラターであるレナード・コーエンのトリュビュート・アルバムがでました。
レナード・コーエンの友人でレコーディングのプロデューサーのラリー・クラインのプロデュース。
ノラ・ジョーンズ、ピーター・ガブリエル、グレゴリー・ポーター、サラ・マクラクラン、ルシアーナ・ソウザ、ジェイムス・テイラー、イギー・ポップ、メイヴィス・ステイプルズ、デヴィッド・グレイ、ナサニエル・レイトリフという10人の名だたるシンガーが参加。
それぞれ、コーエンの曲を1曲づつ歌いあげ、イマニュエル・ウィルキンスとビル・フリゼールのインスト曲も2曲も含め、全てがコーエンの曲。
そして、ジャズのベーシストとしてジャリアを初めたクラインの選んだバック・バンド。
ギタリストのビル・フリゼール、サックス奏者のイマニュエル・ウィルキンス、ピアニストのケヴィン・ヘイズ、ベーシストのスコット・コリー、ドラマーのネイト・スミス、スティール・ギターのグレッグ・リース、オルガンのラリー・ゴールディングスという落とし所!
十人十色ではあるがバンドが、全曲で一緒なので、全体に統一感がもたらされている!
選曲は、クラインがこの人にはこの曲を、と、決めていたものもあれば、
シンガーの方からこの曲を歌いたい、と、持ちかけられたものあるとのこと。
結果、コーエンのキャリアの中から幅広く選曲されることに。
結果、コーエンのキャリアの中から幅広く選曲されることに。
オープナーのノラ・ジョーンズが歌う「Steer Your Way」から、彼女の魅力とコーエンの曲の魅力に引き込まれる。ピーター・ガブリエルが歌うタイトル曲「Here It Is」もドッキリするほど胸に刺さる。
グレゴリー・ポーターは、温かな「Suzanne」を、サラ・マクラクランは、意外とサラリと「Hallelujah 」。
ウィルキンスのアルト・サックスでコーエンの哲学的な世界を表現した「Avalanche」。
ルシアーナ・ソウザが穏やかに歌い上げる「Hey, That's No Way to Say Goodbye 」、アルトのオブリガードが優しい。ギターの響きに余韻がのころジェイムス・テイラーが歌う「Coming Back to You」、ラップのようなイギー・ポップの「You Want It Darker」、深く心に届くメイヴィス・ステイプルズが歌う「If It Be Your Will 」、夢の中にいるようなデヴィッド・グレイの歌う「Seems So Long Ago, Nancy 」、ナサニエル・レイトリフが歌う「Famous Blue Raincoat 」、心が震える。。
終演は、フリゼールの開放感あるギターに気持ちがが解放される「Bird on The Wire」。
コーエンのファンの人に、そして、ファンでない人にも、深淵な世界が堪能できる。
1. Steer Your Way / Norah Jones
2. Here It Is / Peter Gabriel
3. Suzanne / Gregory Porter
4. Hallelujah / Sarah McLachlan
5. Avalanche / Immanuel Wilkins *
6. Hey, That's No Way to Say Goodbye / Luciana Souza
7. Coming Back to You / James Taylor
8. You Want It Darker / Iggy Pop
9. If It Be Your Will / Mavis Staples
10. Seems So Long Ago, Nancy / David Gray
11. Famous Blue Raincoat / Nathaniel Rateliff
12. Bird on The Wire / Bill Frisell *
Bill Frisell (g)
Immanuel Wilkins (as)
Kevin Hays (p, org)
Scott Colley (b)
Nate Smith (ds)
Gregory Leisz (pedal steel guitar)
Larry Goldings (hammond organ)
今日のおまけは、ノラ・ジョーンズがあげていた「Steer Your Way 」。
んじゃ、退散♪
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コメント
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Suzuck様におかれても、なかなか評価が良かったようですね。
多くの者を集めてのトリビュート・アルバムが企画倒れでなく、一つの流れとして聴けたところが良かったですね。
そして私の感想としては、男性軍もかなりコーエン節を意識しての歌いまわしで頑張っていたと思いますが、女性軍はちゃんと自分の個性を発揮しつつ歌い上げていたのに感心しました。私は女性軍に軍配ですね(笑い)。特にMavis Staplesが良かったです。
ただ、残念なのは Jennifer Warnesが加わっていなかったことですね。
取り敢えず、リンクよろしくお願いします。↓
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2022/11/post-9fef92.html
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2022年11月22日 (火) 17時43分
Suzuckさん,こんばんは。
私はSuzuckさんのおっしゃるこのアルバムの「統一感」を一貫性と評しましたが,それが実に見事で,これは完全にプロダクションの勝利だと思いました。Larry Kleinのプロデュースのもと,参加したミュージシャンがそれぞれのやり方でリスペクトを表現するのが感じられて,素晴らしい作品だと思いました。私の中では今年のベスト作候補の一枚となっております。
ということで,当方記事のURLを貼り付けさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2022/10/post-e65e87.html
投稿: 中年音楽狂 | 2022年11月22日 (火) 18時08分
風呂井戸さま!!
返事が遅くてすみません。m(_ _)m
>トリビュート・アルバムが企画倒れでなく
本当にそうですよね。
自己満足系が多いですものね。
軍配、、私は控えておきましょう。。笑
リンクもありがとうございました。m(_ _)m
投稿: Suzuck | 2022年11月25日 (金) 18時07分
閣下!返事が遅くてすみません。
>参加したミュージシャンがそれぞれのやり方でリスペクトを表現するのが感じられて,素晴らしい作品
そこですよねぇ。
たんに歌が巧いって、ことだけでは、ここまで素晴らしい作品にはならなかったとおもいます。
リンクもありがとうございました。m(_ _)m
投稿: Suzuck | 2022年11月25日 (金) 18時09分