抽象的な個性を感じる音風景 『Isabela / Oded Tzur』
イスラエル出身でNYCで活躍するテナー・サックス奏者、オデッド・ツール。
ECMでの前作『Here Be Dragons』と同じメンバーで2作目をリリース!
メンバーは、ピアノのニタイ・ハーシュコヴィッツ、ベースのペトロス・クランパニス、ドラマーのジョナサン・ブレイク。
彼のオリジナル4曲、35分に凝縮された音風景。
オープナーは、ふくよかな音色で誘う「 Invocations 」、ゆったりとしていながら、高揚感を盛り立てる。 ブレイクのマレットが効果的。
「Noam」、魅惑的なメロディ、 振り切れんばかりのツールのサックス・ブロウ、 躊躇いなく追随するメンバー。
複雑なテンポながら、フォーク感満載の「The Lion Turtle」、優雅なフルート演奏を聴くような心地よさ。
タイトル・トラック「Isabela」、 落ち着いたトーンで美しいメロディを優雅に奏でるサックスと寄り 添うピアノ。静寂からの、急速でシビアなフレージングと、そのレンジの広いこと。
終演は、「Love Song For The Rainy Season」、踊るように鍵盤を動きまわるピアノ、ブレイクの激しく自信に満ちたドラム・ワーク、高速フレージングで振り切れんばかりのツール嗚咽。
叙情豊かで、優しい音風景ですが、前作よりツール自身が、爆発する方向の演奏が多く、当然、他3人も反応。静と動のはっきりした音風景がひろがってる。
もともと、ツールの音色は、アタック感が弱くヴィブラートの少ない、ふくよかな音色。
とにかく、自由な即興につながってる、抽象的な個性を感じる音風景。
1. Invocations
2. Noam
3. The Lion Turtle
4. Isabela
5. Love Song For The Rainy Season
Oded Tzur (ts)
Nitai Hershkovits (p)
Petros Klampanis (b)
Johnathan Blake (ds)
んじゃ、退散♪
柔らかな印象なので、緩い感じの音楽に聴こえそうなんだけど、かなりアグレッシヴな展開が多く含まれてる。
ダイナミクスの端から端までを使って、気持ちよさそうなツール。
この作品は、インドの旋律構造のシステムであるラーガの概念を利用して作曲するプ ロジェクト。ジャズとラーガのハイブリッドな試み…だそうなんですが、、
残念ながら、私にはラーガが理解できていません。汗
とにかく、自由な即興につながってる、抽象的な個性を感じる音風景。
1. Invocations
2. Noam
3. The Lion Turtle
4. Isabela
5. Love Song For The Rainy Season
Oded Tzur (ts)
Nitai Hershkovits (p)
Petros Klampanis (b)
Johnathan Blake (ds)
今日のおまけは、ご本人があげていた「The Lion Turtle」。
んじゃ、退散♪
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