心を浄化させる美しさ 『Bells on Sand / Gerald Clayton』
父と叔父が有名なジャズメンという一家に生まれ、 伝統的スタイルと深い絆があるジェラルド・クレイトン。
とても理知的で美しいピアノを弾く、グルーヴ・マスター。
すっごく、おしゃれというか、 洗練された感覚の持ち主だと感じている。
とても理知的で美しいピアノを弾く、グルーヴ・マスター。
すっごく、おしゃれというか、
リーダー・バンドで来たときよりも、その2年後くらいにチャールス・ロイド Kindred Spiritsで来た時のほうがインパクトが強かった。。
1曲でレジェンド、 チャールズ・ロイドをゲストに迎え、ベースは父ジョン・クレイトン、 ドラムに朋友ジャスティン・ブラウン、そしてミステリアスなヴォーカル、マロも参加。
時間の持つインパクトや抽象性といったテーマを探求した作品。
彼のオリジナル5曲、カタロニアの作曲家フェデリコ・モンポウの曲、叔父ジェフクレイトンの曲、スタンダードで全10曲。
ボーイングの響きが悠久的、ゆったりと美しい「Water’s Edge」。寄せては返す波をみるようで、時間を忘れる。
ベースとデュオで フェデリコ・モンポウの「Elegia」 、物悲しい響き、短く儚く、散る桜をみるよう。
もう一曲、フェデリコ・モンポウでポルトガル出身のシンガーソングライター、マロの歌が沁み入る「Damunt de tu Només les Flors」。
ピアノのソロで、硬質で抽象的な「My Ideal 1」。
ヴィブラフォンやローズの響きが重なり涼やかでスペイシーな「That Roy」。
ピアノの重たさが重なる音の軽さで浮遊感ある「Rip」。
幽玄な響きを声にのせて語るように歌い上げるマロとのデュオ「Just a Dream 」。
ピアノのソロで、柔らかで優しい「My Ideal 2」。
チャールス・ロイドとのデュオで「Peace Invocation」、ロイドの幽玄な響きと曲調がぴったり、クレイトンとの絡み具合も美しく白眉。
終演は、叔父ジョン・クレイトンの「This Is Music Where You’re Going My Friends」、とてもエレガントなピアノのソロで。
クレイトンの洗練された音楽が、めいっぱい詰まった秀作。
嫌なことばかりの今、心を浄化させる音楽です。期待を軽々と超えた作品。
ゲストのヴォーカル、マロのハスキーな歌声と、ロイドの心意気が最高です。
1. Water’s Edge feat. John Clayton & Justin Brown
2. Elegia feat. John Clayton
3. Damunt de tu Només les Flors feat. MARO, John Clayton & Justin Brown
4. My Ideal 1
5. That Roy feat. Justin Brown
6. Rip feat. Justin Brown
7. Just a Dream feat. MARO
8. My Ideal 2
9. Peace Invocation feat. Charles Lloyd
10. This Is Music Where You’re Going My Friends
Gerald Clayton (p, or,rhodes, vib)
Charles Lloyd (ts) #9
John Clayton (b)
Justin Brown (ds)
MARO (vo) #3, 7
2. Elegia feat. John Clayton
3. Damunt de tu Només les Flors feat. MARO, John Clayton & Justin Brown
4. My Ideal 1
5. That Roy feat. Justin Brown
6. Rip feat. Justin Brown
7. Just a Dream feat. MARO
8. My Ideal 2
9. Peace Invocation feat. Charles Lloyd
10. This Is Music Where You’re Going My Friends
Gerald Clayton (p, or,rhodes, vib)
Charles Lloyd (ts) #9
John Clayton (b)
Justin Brown (ds)
MARO (vo) #3, 7
今日のおまけは、ご本人があげていた「Peace Invocation」。
んじゃ、退散♪
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コメント
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Suzuckさん,こんにちは。
このアルバムはなかなか魅力的な響きを持っていましたね。私はストリーミングでしか聞いておりませんが,何と言ってもこのアルバムの白眉はCharles Lloydとのデュオでしたね。
保有欲を高めるところまではいきませんが,この1曲だけでもこのアルバムは価値があったと思いました。
ということで,当方記事のURLを貼り付けさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2022/04/post-7bef19.html
投稿: 中年音楽狂 | 2022年4月16日 (土) 12時02分
閣下、こんばんは。
重たいことの多い毎日なので、これはかなりお役にたちました。
現実逃避ともいいますが。。
ロイドさまとのデュオは、白眉だったとおもいます。
アルバムの中で一番時間も割いているし。。って、
ロイドさまにソロを短くしろとか言えるヤツはいないとおもうけど。。
あと、私はヴォーカルのマロもとても気に入りました!
全体に彼のセンスの良さを感じられる作品だと思いました。
リンクをありがとうございます♪
投稿: Suzuck | 2022年4月16日 (土) 18時21分