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2022年4月 9日 (土)

今まで以上に繊細な動きで、思慮深い演奏 『Opening / Tord Gustavsen』

 
Opening_20220409085401
 
 
2003年の『Changing Places』以来、リリシズムあふれる旋律で、わたしたちを魅了してきたトルド・グスタフセン。
 
4年ぶりのアルバムは、『Changing Places』からのドラマー、ヤール・ヴェスペスタと、>新加入のノルウェーの実力派ベーシスト、スタイナー・ラクネスとのトリオ作。
ラクネスは、とてもテクニシャンで、歌心が満載のベーシストです。当然、リズムをキープするだけでなくて、真ん中の立ち位置も大好きな人だと思います。
でも、周囲への反応も的確で素早い!
グスタフセンのオリジナル10曲のほかに、ノルウェーの作曲家の曲を2曲で全12曲。
 
 
オープナー「The Circle」から、自在なベース・ラインと繊細なスティック・ワークが、透明感あるピアノとぴったりとはまり、幽玄な世界に誘う。
抽象的で即興重視の実験的な響きを感じる「Findings / Visa fran Rattvik」。
タイトル曲「Opening」、静かに静かに始まって、少しずつ変化し、音が重なり、次第に幕が開き、心が開放されていく。3人のだすさまざまな音色が柔らかい。
「The Longing」、グスタフセン特有の何処か懐かしさを秘めたメロディ、ベースとピアノで織りなす美しくロマンチックな世界に、ドラムが色彩をたす。
ゆったりとピアノがメロディを奏で、澄んだシンバル音が空気をふるわす「Shepherd Song」、後半はベースも積極的に絡んで動きのある演奏に。
「Helensburgh Tango」、エレクトロニクスを効果的につかった、メランコリックな曲、とても深いところに連れていかれる。
3人で小さなきっかけで繊細に変化しながら作り上げる「Re-Opening」、思慮深くお互いに反応。
透明で硬質な世界を広げていく「Findings II」。
「Stream」、ゆったりとした空間でインタープレイを繰り広げ、郷愁、そしてリリシズムあふれる世界を楽しめる。
「Ritual」、エレクトロニクスを使い、実験的な響きを重視した抽象的な演奏。
終演に向かっての2曲は、ノルウェーの作曲家の曲。
「Floytelat / The Flute」、厳粛な雰囲気の中、少し重く暗い雰囲気、口笛のような音はミステリアス。
「Varsterk,min sjel」、「強くなれ、私の魂よ」というタイトルのようですね。
朴訥でメランコリックなメロディ、静かなる感情の発露。胸が締め付けられる思い。
開放感があり、ゆったりとしたインプロヴィゼーションと、美しいメロディ。
繊細でリリカルな表現が満載、思慮深くとても自由な即興を重視。
3人のピッタリと息の合った異次元の演奏は、今回も聴き逃せません。
私は、ラクネスの参加は大成功だと思います♪
 
1. The Circle
2. Findings / Visa fran Rattvik
3. Opening
4. The Longing
5. Shepherd Song
6. Helensburgh Tango
7. Re-Opening
8. Findings II
9. Stream
10. Ritual
11. Floytelat / The Flute
12. Varsterk,min sjel
Tord Gustavsen (p, electronics)
Steinar Raknes (b, electronics)
Jarle Vespestad (ds)
 
 
今日のおまけは、ご本人のトピックにあがっていた「Stream」。
 
 
 
 
皆さんのところは、桜は咲きましたか?
我が家の桜は、今年もちっとも花がつきません。。。
 
んじゃ、退散♪

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JAZZ(Far North )」カテゴリの記事

コメント

Suzuckさん,こんばんは。

Tord Gustavsenは極めて信頼できるミュージシャンと思っていますので,今回も期待して聴きました。そして期待は裏切られることはありませんでした。

"Longing"とかはメロディ・ラインがくっきりしていたと思いますが,基本的に実に静謐な音楽に今回もはまってしまいました。私はこの人の音楽(特に前作とか)に,Brad Mehldauとはまた別の宗教的な響きを感じてしまいます。

敬虔と言うよりも静かに祈りたくなる,そんな感じの音楽でした。まぁ,勝手な思い込みですが(爆)。

ということで,当方記事のURLを貼り付けさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2022/04/post-d03e09.html

閣下、トリオで来日してほしいですよね。

「敬虔と言うよりも静かに祈りたくなる」
そうですよねぇ。私もそう思います。

繊細な表現が満載で、思慮深く、とても自由な即興を重視してるとおもいます。
息の合った演奏を目の前で聴きたいなぁ。。

リンクをありがとうございます。m(_ _)m

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