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音楽で拡がる輪

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2022年4月10日 (日)

垣根なく自由に即興、魂を揺さぶる 『無伴奏ベース組曲 Prelude to Isfahan / 吉野 弘志』

 
Prelude_to_isfahan
 
明田川 荘之氏、坂田 明氏、板橋 文夫氏、塩谷 哲氏、 山下 洋輔氏、等の錚々たる方々と演奏を重ねてきた、ベテランのベーシストの吉野 弘志。
私は、新潟のジャズ・フラッシュで大村 亘トリオとしていらしたときに聞き惚れました。
本作は、2年以上前から取り組んできた2枚目のベース・ソロのアルバムを、みずから主宰するレーベル「nbaba Record」からリリースです。
モンゴル、トルコ、タジキスタン、アメリカの民謡、スタンダード、オリジナルなどで全12曲。各曲、自らの解説がついています!
 
オープナーは、デューク・エリントンの『極東組曲』にある「Isfahan」にインスパイアされてできた「Prelude to Isfahan」。小細工なしのこれぞベース!という音に魅了される。
オーネット・コールマンとチャーリー・ヘイデンのアルバムで知られた「Mary Hartman, Mary Hartman」。優しく心響く、抒情的な演奏にうっとり。
オーネット・コールマンのオリジナル「Round Trip」、アップ・テンポで快活、独りコールマン♪
モンゴルの民謡「牧歌」は、ボーイングで…その響きはまるで彼の地の民族楽器、草原に朗々と響き渡る。
一転、目まぐるしく場面が展開していく、トルコの民族舞踊の曲「Rumeli Kalsilama」。
スタンダード「Where are You ?」は、気を衒わずにストレートな感情で。
「All The Things You are」、詩のように美しいメロディ、複雑な恋心を表現か…。
ボーイングで奏でられる「花よ なぜ紅い」は、タジスキタンの切ない恋の歌…魂が揺さぶられる5分弱。
チュニジアの作曲家の曲で「Samai Maya」、アップ・テンポで難なく進むが、複雑な拍子でできた難曲のようだ。フラッシュのライブの時にも、そうゆうことに動揺せず眈々とベースを弾く姿がカッコよかった!
セロニアス・モンクのバラッド「Ask Me Now」、不思議美しいメロディは、不滅ですよね。
チリの詩人パブロ・ネルータの詩にインスパイアされてできたオリジナル「半分の月」。ボーイングで広がる幽玄な世界。
終演はアメリカ民謡「Shenandoah」、アイルランドの民謡のようなメロディを訥々と奏で郷愁を誘う。
 
 
アコースティック・ベースを自らの民族楽器としてとらえている吉野 弘志。
その彼が、生一本で、ベースを鳴らす渾身の演奏。
その魂を揺さぶる音で、即興演奏を続ける。
既成の音楽のフォームをとりはらい、自らを開放し、なんの垣根もなく自由に即興する姿に、心の深淵を知る孤高をみる。
 
 
北見 明子氏のコラージュ作品を使ったアートワークも大変素敵です。
ジャケットだけでなくて、あちこちに北見ワールド満載♪


1. Prelude to Isfahan
2. Mary Hartman, Mary Hartman
3. Round Trip
4. 牧歌
5. Rumeli Kalsilama
6. Where are You ?
7. All The Things You are
8. 花よ なぜ紅い
9. Samai Maya
10. Ask Me Now
11. 半分の月 (la mitad de la luna)
12. Shenandoah
 

吉野 弘志 (b)
 
 
今日のおまけは、ご本人があげていたプロモーション映像。
 
 
 
 
 
 
 
んじゃ、退散♪
 



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