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音楽で拡がる輪

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2022年2月20日 (日)

次々と浮かぶ光景、余白が美しいインティメイトな空間 『魚返 明未 & 井上 銘 / 魚返 明未 & 井上 銘』

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日本のジャズ・シーンを牽引する若手ふたりのデュオ。
 
東京芸大音楽学部作曲科を卒業、ジャズ、現代音楽、映画音楽の作曲や編曲などを行い、アグレッシブな演奏で注目を集める気鋭のピアニスト、魚返 明未。井上 銘カルテットのピアニストでもあります。
中村 恵介クインテットで聴いた時は、何かが憑依したようなキレッキレの演奏でした。
『はしごを抱きしめる』にサインしてもらった♪
 
かたや高校生でのメジャー・デビュー後に、フルスカラシップ生としてバークリー音楽大学に留学、ニューヨーク滞在を経て帰国、ボーダレスな活動ので人気のギター・ヒーロー、井上 銘。
ブルーノート東京で、カート・ローゼンウィンケルを迎えたライブでも、素晴らしかった♪
 
で、共に1991年生まれの二人は、高校時代から共演を重ねる朋友。
と、いっても、インタビューを読むと、二人にデュオの演奏を勧めたのは、東京の高田にあった「ホットハウス」というジャズ・ライヴハウスの亡くなったママさんだったようです、流石ですね。
魚返のオリジナルを8曲と、井上のオリジナル「.丘の彼方」で、全9曲。
 
オープナーは、「きこえない波」。ピアノとギターが一体化し、優しく心に響く。
二人のデュオの為に、最初に書き下ろしたという「サイクリングロード」、明るくクリアの音、インティメイトな雰囲気、風景が流れるように場面がどんどん変わっていく。
主従の交代もスムースで、ひとりの人間から二つの音色が奏でられているような高揚感「もず」。
ゆったりと移ろいいく雲でも眺めるような叙情あるメロディが沁みる、「かなしい青空」。
 
唯一の井上オリジナル、「丘の彼方」。「自分の曲だけがずっと続くアルバムだと僕ばかりがしゃべっているような感じで居心地が悪い」とのことで、魚返のリクエストで入れたオリジナル。爽やかな空気、青春ドラマを観ているように、、演奏する楽しさを一緒に味わう。
寂しさを湛えた美しメロディ、「隔たり」。踊り出したくなるような楽しさ、ストーリー性を強く感じる「Herbie Westerman」。
空間が伸び縮みする感覚「縮む」、タイムトラベラーになった気分。
終演は、「静かな影」。心地よい揺らぎは、そっと揺れ動く心模様のよう。
 
緊張と弛緩を繰り返しながら、時にハートウォーム、時にスリリングに、次々と光景の浮かぶインティメイトな空間。
裏に表に、絶頂時の一体感は、ひとりの人間から二つの音色が奏でられているような半端ない高揚感。
余白が美しい名実ともに次世代の二つ星の渾身の作。

 


1. きこえない波
2. サイクリングロード
3. もず
4. かなしい青空
5. 丘の彼方
6. 隔たり
7. Herbie Westerman
8. 縮む
9. 静かな影
 
魚返 明未 (p)
井上 銘 (g)
 
 
今日のおまけは、「サイクリングロード」。
 
 
 
んじゃ、退散♪

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