哀愁と郷愁の塊、詩情豊かな世界 『Poetry / Adam Bałdych Quintet with Paolo Fresu』
ポーランドの天才ヴァイオリン奏者でコンポーザーのアダム・バウディヒが新譜をだしました。
バウディヒは、コロナ禍前に2年続けて新潟のジャズフラッシュでライブをしています。
2018年のヘルゲ・リエンとのデュオと2019年のクシュストフ・ディスのデュオ、リエンとのデュオの時には、ここでも弾いているルネッサンス・ヴァイオリンも聴かせてくれました。
2回とも、最前列、本当に目の前で聴いた演奏は、 コンテポラリー・ダンスを観ているようでしたよ。
今回は、彼のクインテットに、イタリアのベテラン・ トランペット奏者でコンポーザーのパオロ・フレスが、11曲中、 5曲にゲストで参加しているという私的には垂涎の作品。
クインテットになったり、カルテットになったり、デュオになったりと変化をつけてる。
10曲のバウディヒのオリジナルと、ビョークの「Hyperballad 」で、全11曲。
オープナーは、「Heart Beats」。冒頭、ヴァイオリンやベースのピチカートから始まり、次第に音が増えていき、フレスも加わり、哀愁と郷愁が漂う中の、後半の感情の盛り上がりも凄い。
美しく重なる音が胸にせまる「I Remember」、ドラムとベースの創り出すリズムに乗って、バウディヒのヴァイオリンが踊り舞い、テナーとフリューゲルも加わって爽快に走る。
管楽器がぬけカルテット演奏で、「Stars」。4人で息もぴったり、<次第に音数多くプログレのようにアグレッシヴになるドラムがかっこいい。それをバックに縦横無尽な展開のバウディヒ。
彼の息子の名前「Teodor」、フレスも加わったゆったりと情感豊かに重なるメンバーの意識、テオドールくんに幸あれ。
タイトル曲「Poetry」は、バウディヒのルネッサンス・ヴァイオリンとフレスのフリューゲルのデュオ。叙情豊かな2人が創り出す詩情豊かな世界。
クインテットでの演奏が3曲続く。
まずは、唯一のカバー曲、ビョークの「Hyperballad」、唯一無二のビョークの世界とは違うけど、これも深い純愛物語。
「Wish」、切ない願い、嘆きのようにも聴こえてくるエモーショナルなヴァイオリン。
敬虔な感情が湧き上がる「Psalmody」。
カルテットで「Birds」、ドラムの多彩な演奏で、繊細な動きと躍動感が。
ディスのピアノとバウディヒのヴァイオリンで、穏やかで優雅なひととき「Grace」。
終演は、フレスも加わって「Open Sky」、ドラムの活躍で大きな空間と躍動感、大空間を全員の活躍で彩っていく。
哀愁と郷愁の塊、詩情豊かな世界。
1. Heart Beats
2. I Remember
3. Stars
4. Teodor
5. Poetry
6. Hyperballad
7. Wish
8. Psalmody
9. Birds
10. Grace
11. Open Sky
2. I Remember
3. Stars
4. Teodor
5. Poetry
6. Hyperballad
7. Wish
8. Psalmody
9. Birds
10. Grace
11. Open Sky
Adam Baldych (vn, renaisance-vn)
Marek Konarski (ts)
Krzysztof Dys (p)
Michał Barański (b)
Dawid Fortuna (ds)
with
Paolo Fresu (tp, flh)
Marek Konarski (ts)
Krzysztof Dys (p)
Michał Barański (b)
Dawid Fortuna (ds)
with
Paolo Fresu (tp, flh)
今日のおまけは、ご本人があげていた「I Remember」の特別ヴァージョン。
彼の「ダンス」が観られますよ。
また、来日して、、新潟にもいらしてくださいね!
んじゃ、退散♪
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