私に誠実に、そして、他者を尊重する 映画「TOVE トーベ」
映画「TOVE トーベ」
監督
ザイダ・バリルート
配役
トーベ・ヤンソン アルマ・ポウスティ
ヴィヴィカ・バンドラーク リスタ・コソネン
アトス・ヴィルタネン シャンティ・ルネイ
ムーミン・トロールの生みの親、フィンランドのトーベ・ヤンソンの若き日の物語。
著名な彫刻家で、非常に厳格で現実主義の父親、保守的な美術界…若く自身の理想に燃えていたヤンソンは、自由を渇望する思いをムーミンの物語に織り込んでいく。
そこに、重要な出逢いがある。
舞台演出家のヴィヴィカ・ バンドラーとの恋。
ヴィヴィカ・ バンドラーは恋多き女性、トーベは彼女一筋。
でも、ヴィヴィカのヤンソンへの想いはとても強く、嘘偽りもないのも事実。
傷つき、身を焦がしながらもヴィヴィカへの想いを断ち切れないトーベ。
そして、そんな全てを知りながら、離婚をしてまでもトーベを愛するアトス。
当時、フィンランドでは、同性愛は精神疾患として指定 されており、また、犯罪でもあった!
最大で懲役2年の実刑が課されるということが1971年まで続いていた。
また、彼女はヘルシンキ生まれのスウェーデン語系フィンランド人。
執筆はすべてスウェーデン語で書いている、生まれ持ってのマイノリティ。
波乱も経て、彼女のしっかりとした意志のもとで、やがて収束に向かう。
赤裸々で複雑な背景の中、人間として、芸術家として、自分に正直に生き抜いた彼女の人 生を知ることができ、感動した。
実は、11月の初めに、シネ・ウインドで最前列で、この映画を観たのです。
でも、なぜか、ここまでひっぱってしまった…。
でも、なぜか、ここまでひっぱってしまった…。
先日、新聞を読んでいたら(我が家は紙の新聞をとってます♪)、翻訳家の森下圭子氏の言葉に、「これだ!」って、思ったのですよ。
彼女は、フィンランドで25年以上過ごして、ここにムーミンの世界があると実感する毎日だそうです。
そして、ムーミンの根本は、
「私が私に誠実であること」
「他者を尊重すること」
だと、言い切ってました。御意!!
まさに、この映画では、トーベのその生き方がはっきりと描かれていて、感動したのでした。
どちらか一方だけでは、ダメなんですね。
この二つは背中合わせにくっついていなければならないんです。
トーベは、そのことをムーミンの物語に、書き込んでいるのです。
ムーミン・ファンの皆さん、ぜひ、ご覧になってくださいね。
んじゃ、退散♪
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