またしてもチャンレンジャー! 『Side Eye NYC V1.1V / Pat Methhny』
前作『Road To the Sun』は譜面を書いて、それを他のギタリストに演奏させるという、、つまり、自分は演奏をしないことを前提とした前代未聞なアルバムでした。
でも、どこを切っても「パット・メセニー」な素晴らしい楽曲、演奏でした!
メセニーさまは、バックでかき鳴らす程度での参加と、、
最後に1曲、エストニア作曲家、アルヴォ・ペルトの「 Fur Alina」を、自身で」42弦のピカソ・ギター用にアレンジし、ご本人が演奏。別世界に誘ってくれましたよね。
新譜は、彼の新しい試み、「SIDE EYE プロジェクト」によるアルバム。
彼がプ高く評価する新進気鋭の若手アーティストと、過去の楽曲の新曲を演奏するという試み。
したがって、メンバーはその都度入れ替わるようなのだが、、今、彼の心を捉えて放さないのは、ピアノ、シンセ、 ハモンドオルガンなどを、周りに並べ、左右の手が完全に別人格のように自在に動く、鍵盤奏者、ジェイムス・フランシーズのようだ。
そこに、とびきりのドラマーを入れる、、この路線でしばらく行くような気配。
今回は、ロイ・ヘインズの孫、マーカス・ギルモア!
二人とも、赤子の頃から、、パット・メセニーを聴いて育った世代。
彼らとともに、メセニーは新しいオリジナル曲、既存曲、アイドル、オーネットの曲を演奏
日本版では、ボーナス・トラックとして「The Bat」を収録。
前置きが長くなった。汗
オープナーは、オーケストリオンも使って、3人のサウンドとは思えぬ壮大感と、メセニーらしいメロディアスで疾走感あるギターが堪能できる「 It Starts When We Disappear」。
びっくりするのは、最後に歓声があがる、、この緻密で複雑なサウンドをライブで演奏していること!
名曲「Better Days Ahead」が、ゆったり進む。
ブルージーで、これぞオルガン・トリオみたいな「Timeline」。
ワクワク感がとまらない「Bright Size Life」、フランシーズのジャコパスのベースに負けない左手の躍動感!そして、無限に飛翔する右手。やんやですね。
8ビートがビシバシ決まったアメリカン・ロックな「Lodger」、畝りも太い。
なんとも言えないふんわりとしたやるせなさを漂わせながら、、超絶演奏が続く「Sirabhorn」。
メセニーのアイドル、オーネット・コールマンの「Turnaround」、3人の即興的掛け合いが凄い、ピアノの後ろに聴こえるカッティングにびっくり。
「Zenith Blue」、またまた、オーケストリオン登場、ギター・シンセ、、シンセ、、??なんだか、サウンドの完成度から3人で行ったライブとは思えない大きなサウンドに。
そして、ボーナス・トラック「The Bat」では、ギタリスト、パット・メセニーを存分に楽しめる。
あぁ。。興奮した。。
2019年の一月に「Side Eye」で来日したときは、ドラムはネイト・スミスだったけど、マーカス・ギルモアの柔軟さ的確さも素晴らしかったです。
で、相変わらず、フランシーズは、バケモノですわ。。メセニーさまのワクワクの源ですね。
そして、67歳の最強のギタリストは、その創造力とテクニックで圧巻させてくれます。
いくつになっても、チャンレンジャー!
1. It Starts When We Disappear
2. Better Days Ahead
3. Timeline
4. Bright Size Life
5. Lodger
6. Sirabhorn
7. Turnaround
8. Zenith Blue
ボーナストラック
9. The Bat
Pat Metheny (g, guitar bass, orcchestrionic)
James Francies (org, p, syn)
Marcus Gilmore (ds)
今日のおまけは、ご本人があげていた「Timeline」。
来日ツアーは来年くらいなのだろうか。。
私は、、行けるのだろうか。。
んじゃ、退散♪
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コメント
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Suzuckさん,こんばんは。
このアルバムを聴いて,慌ててBSで放送された演奏のビデオを見直しましたが,やっぱりレベル高いですよねぇ。Pat MethenyがJames Franciesに相当の信頼を寄せているのは間違いないですが,ドラマーの変化によって,随分音楽も変わるのかもしれません。
日本にNate Smithと来たときは"All the Things You Are"とかもやっていましたが,多分今後はこのアルバムのスタイルでやるんでしょうね。来年以降の再来日を期待しましょう。その時はPAはちゃんとやってねと思いますが(笑)。
ということで,当方記事のURLを貼り付けさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2021/09/post-74242d.html
投稿: 中年音楽狂 | 2021年9月24日 (金) 18時08分
閣下、リンクをありがとうございます。m(_ _)m
メセニーさまは、常に自身を鍛えてらっしゃるので、、
若手も忖度なくガンガン来ますよねぇ。
それに、本気で応えるメセニーさまも素敵です。
嬉しそうですよね。
次回も凄いライブを目の前で聴けることを祈ってます!
投稿: Suzuck | 2021年9月26日 (日) 11時16分
おはようございます。
ベテランでこれだけ有名になっても若手といろいろ演奏しているところは、やはりチャレンジャーですね。それでいてパットのギターの音はちゃんとパットになっているところがすごいというか。
個人的にはおおむねオルガントリオとして聴いてましたけど、James Franciesのいろいろなピアノやキーボードでの八面六臂の活躍ぶりにも驚かされました。
当方のブログアドレスは下記の通りです。
https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2021/09/post-e29522.html
投稿: 910 | 2021年9月27日 (月) 08時42分
910さま、リンクをありがとうございます。
そうなんですよねぇ。
どんな時にも、パット・メセニーの音がでています。
ジェイムス・フランシーズは、凄い才能の持ち主ですね。
今後が楽しみです!
投稿: Suzuck | 2021年9月27日 (月) 17時11分