音楽の宝石箱! 『Becca Stevens & The Secret Trio』
唯一無二の感性を持つ、シンガー・ソングライター、ギタリスト、 ベッカ・スティーヴンス。
前回のイーラン・メーラーとのデュオ作『Pallet On Your Floor』で、歌唱力の高さを改めて知らしむことになり、 ヴォーカル・ファンを唸らせちゃったわけだが、、
新譜は、アルメニア人のウード奏者のアラ・ディンクジアン、 マケドニア人のクラリネット奏者のイスマイル・ルマノフスキ、 トルコ人のカーヌーン奏者タマル・ピナルバシによるトリオ、 シークレット・トリオとの共演。
う〜〜んと、ここで退いたら、もったいないっ。
試聴したら、伝統楽器を現代感覚でも弾きこなせる彼らとのコラボは想像以上に 素敵だった。
オープン曲と2曲目は、アルメニアの中世の詩人、ハペット・ クチャクの詩にスティーブンスとマイケル・ リーグが曲をつけたもの。
中世の街中を彷徨う女性が浮かび上がる抒情的なメロディ、演奏、 彼女の歌声が白昼夢のよう「Flow in My Tears」、私は、この1曲でメロメロです。。
一転、リズミカルなコーラスがハマっている「Bring It Back」。
しっとりと異空間に誘う「We Were Wrong」、微細に変化してどこか艶めかしい歌声。
米国のSSWポール・クレリの「California」、2009年の米国の曲とシークレット・トリオの演奏がぴったりくるアレンジで切なくなる。
ルマノフスキの曲でクラリネットが民族楽器のように響き奥行きがある「Eleven Roses 」、多重録音でブルガリアン・ヴォイスのようなコーラスが印象的
儚げな歌声とともにカーヌーンの超絶ぶりが聴けるピナルバシの曲「Lucian」。
リルケの詩にスティーブンスの曲を合わせた「Pathways」、まさに夢の中。
さまざまなことにインスパイアーされ彼女の頭の中に浮かびあった女性「Maria」、吟遊詩人からマリアの物語を聴くよう。
高音のヴォイスが薄くベールされたようなディンクジアンの曲「Lullaby for The Sun 」。
抽象的で哲学的な内容に惹かれたというマケドニアの現代の詩人ニコラ・マジノフの「The Eye 」、繊細でいて力強い。
終演は、ジェーン・タイソン・クレメント(Jane Tyson Clement)の詩を使った「For You The Night Is Still」、切ない気持ちが中東音楽の微分音と結びついて深く悲しい。
アタッカ・カルテットのチェロ奏者、ネイサン・シュラムがバック・ヴォーカルで参加している。彼は、スティーヴンスのパートナー、どうやら次作はアタッカ・カルテットとのコラボらしい。
やっぱり、ヴォーカル表現が多彩で豊かだなぁ、、そして、音楽のセンスが素晴らしいすぎるなぁ。。。と。
もともと彼女の中にあるフォーキーな感覚が、シークレット・トリオの中近東の微分音とぴったりハマった感じ。
彼女の高い音楽的好奇心から生まれた美しい音楽が詰まった宝石箱。
どの曲も柔らかな光を放っている!
1. Flow in My Tears
2. Bring It Back
3. We Were Wrong
4. California
5. Eleven Roses
6. Lucian
7. Pathways
8. Maria
9. Lullaby for The Sun
10. The Eye
11. For You The Night Is Still
Becca Stevens (vo, ukulele, Charango, ac-g)
The Secret Trio
Ara Dinkjian (oud)
Tamer Pina Pınarbaşı (kanun)
Ismail Lumanowski (cl)
Michael League (moog bass, Back ground vocals, ac-g)
Nathan Schram (Back ground vocals) #11
2. Bring It Back
3. We Were Wrong
4. California
5. Eleven Roses
6. Lucian
7. Pathways
8. Maria
9. Lullaby for The Sun
10. The Eye
11. For You The Night Is Still
Becca Stevens (vo, ukulele, Charango, ac-g)
The Secret Trio
Ara Dinkjian (oud)
Tamer Pina Pınarbaşı (kanun)
Ismail Lumanowski (cl)
Michael League (moog bass, Back ground vocals, ac-g)
Nathan Schram (Back ground vocals) #11
今日のおまけは、レーベルがあげていた「California」 のライブ・ヴァージョン。
んじゃ、退散♪
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