想いが重なり合う 『Resonance / Chick Corea & Makoto Ozone』
今年の早春に、鬼籍に入ったピアノの巨匠、チック・ コリアの新譜がでました。
2016年に、30年以上の親交がある日本のピアニスト、小曽根 真とのデュオ・ツアーをした時の、厳選盤です。
コリアは、すでに選曲までおこなっており、 今年の秋にも来日の予定でした。
2枚のディスクに、3箇所での名手たち名演が記録されてます。
それそれのディスクには「JOURNEY1,2」 と記されており、聴く前からジンとしてしまいました。
レーベルのインフォによれば、右チャンネルがチック・コリア、 左チャンネルが小曽根 真。
拍手で始まるCD1、冒頭2人のMC。そこから決めごとなしの、 双子のように以心伝心のふたりのやりとりで、 不思議の国へ迷い込む。
ちょうメリハリ利かせた演奏で、小曽根オリジナル「Snap Shot」。
複雑な絡み合いでも哀愁ただようコリアのオリジナル「 Spanish Song」。
スタンダード「Someone to Watch over Me」、はるか上空にながれる天の川のような流麗で美しく、 そして、自由自在な演奏。
ハイレベルなピアノ練習曲みたいなコリアのオリジナル「 Children’s Song No.20」、隠れん坊のような、、追いかけっこのような、 2台のピアノの追随。
5曲中、1〜4曲まで福岡シンフォニーホールのCD 2 。
まずは、自由度の高いインプロビゼーションが続く。 甘さはまったくなく、抽象的で少しビターだけど、 難解というかんじでもなく、ただただ、 二人の魂の呼応に聴きいるばかり。
「Fukuoka Blues」と名付けられたパート2も、 阿吽でぴたりと重なる演奏の連続。
2人の名前からタイトルをつけた「Koto Rea」、2人のピアノ人生が浮かび上がる。
バルトークの「ミクロコスモス」より7つの小品から「No.123 Short Canon and Its Inversio」、クラシックの世界との交流も積極的に行なってきた2人ならではの選曲、演奏。
終演は、コリアの「Fantasy for 2 Pianos」、開放的で、フレンドリーで、魂の解き放たれた超絶な演奏17分超え、嵐のような拍手。
タイトルそのまま、まさに共鳴し合う魂。
その想いは重なり合う演奏の連続!
CD 1 – JOURNEY 1
1. Introduction
2. Improvisation
3. Snap Shot
4. Spanish Song
5. Someone to Watch over Me
6. Children’s Song No.20
CD 2 – JOURNEY 2
1. Improvisation II Part 1
2. Improvisation II Part 2 “Fukuoka Blues”
3. Koto Rea
4. No.123 Short Canon and Its Inversion (Seven pieces from Mikrokosmos )
5. Fantasy for 2 Pianos
Chick Corea (p) right
Makoto Ozone (p) left 小曽根 真
2016年5月19日 東京 サントリーホール CD1 #3,4
2016年5月22日 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール CD1 #1,2,5,6, CD2 #5
2016年5月29日 福岡シンフォニーホール CD2 #1,2,3,4
今日は、ご本人たちのあげているちょうどいい音源がみつかりませんでした。m(_ _)m
キース・ジャレットが脳梗塞の後遺症を打ち明けた時と同様に、、
もう、こんな凄いピアニストの演奏を聴くことができないのだ、と、思うと切なくなるのでありました。
人は必ず死ぬのだけれど、それで終わらせたくない気持ちのモヤモヤは必ずありますよね。
んじゃ、退散♪
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