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音楽で拡がる輪

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2021年4月17日 (土)

前トリオからイメージ一新 『Uneasy / Vijay Iyer 』

Uneasy_20210417084801
 
音楽を通して思索の旅を続ける、米国のヴィジェイ・アイヤー。
ECM7作目は、ピアノ・トリオというシンプルな構成。
ピアノ・トリオは、ACT時代の『Break Stuff』以来らしいので、6年ぶり?
この時のトリオのメンバーでは、来日しており、ACT時代にもアルバムだしている長い付き合い。
ベースがステファン・クランプ、ドラムがマーカス・ギルモアで、かなり、精通し理解しあったトリオだったとおもう。
 
でも、今回、メンバー一新。
前々作の3管セクステット『Far From Over』で、洗練かつアクティヴなドラム・ワークで、大きな存在感のあったタイショーン・ソーリー。
そして、パット・メセニーも惚れ込む、強靭でしなやかな女性ベーシスト、リンダ・オー。
 
この20年来演奏してきた曲も含めて彼のオリジナル曲が8曲とコール・ポーターの 「Night And Day」、ジュリ・アレンの 「Drummer Song」で、全10曲。
 
オープナーの「Children of Flint」、「Combat Breathing」と、流麗なアイヤーのピアノとグルーヴィーな2人との演奏に驚く。ソーリーのプッシュに押されるようにテンションあげるピアノ。
 
モダンで華やかな「Night and Day」は、軽快で心躍る。
マイク・ラッドとの共作「Touba」は、エネルギッシュ。
ミニマル・フレーズが美しいジュリ・アレンの「Drummer's Song」、次第にヒートアップ。
 
オリジナルに戻って、どこか不安定な心もちになる「Augury」。
息がしっかりあったリズミカルな「Configurations」。高速フレーズの音の粒立ちが素晴らしい。
タイトル曲「Uneasy」、2011年にダンス・カンパニーのプロジェクトのために創った曲。10年たって、このタイトルはより深い意味合いを持つものとなって私たちに襲いかかってくる。
警告音のようにも聞こえるアイヤーの反復フレーズ、ヒートアップ後の静けさ、最後は希望の光か。
流麗な中にグルーブを感じる「Retrofit」。
終演は、気持ちが非常に昂ぶる「Entrustment 」。
 
 
神業的演奏と反応、知的高揚感がある。
プロジェクト・リーダーとしても素晴らしい能力を発揮してきたアイヤーですが、
今回はジャズ・ピアニストとしてのアイヤーの実力の高さをストレートに感じました。
基本的には、リズムありきの姿勢は変わってないのだとおもいますが、打楽器的なフレーズが柔らかくなって、叙情に訴える部分が多かった気がする。
その肝は、リンダ・オーですかねぇ。。
 
 
1.Children of Flint
2.Combat Breathing
3.Night and Day
4.Touba
5.Drummer's Song
6.Augury,
7.Configurations
8.Uneasy
9.Retrofit
10.Entrustment 
 
Vijay Iyer (p)
Linda May Han Oh (b)
Tyshawn Sorey (ds)
 
今日のおまけは、ご本人があげていた「Children of Flint 」。
 
 
閣下も仰っていたのですが、いわゆるECMぽくない内容だとおもいます。
それだけ、アイヤーは信頼と期待があるのでしょうかねぇ。
 
んじゃ、退散♪

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コメント

メンバー一新で臨んだピアノトリオ、今回も良かったでした。プロデューサーがアイヤーとアイヒャーの連名なので、サウンド面でも、かなり彼に期待をかけているんじゃないかと思います。離れた場所で録音しているからと思ったのですが、コロナ禍以前の録音年月なんですよねえ。
私は逆に、乾いたサウンド、と勝手に言ってますが、たぶんアイヒャーのミキシングが入って、派手な割にはECMっぽいようなイメージを感じましたです。

当方のリンク先は以下の通りです。

https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2021/04/post-7d5b8e.html

910さま

なるほど、、乾いたサウンドですか。
音数は多いし、ハイテンションですけど、
ECMのサウンドって言われると、確かにそうなのかもしれませんね。

ありがとうございました。

Suzuckさん,こんにちは。リンクありがとうございました。

メンバー・チェンジによる影響もサウンドの若干の変化には感じますが,おっしゃる通り,Linda May Han Ohの及ぼしたものってのは多少なりともあると思えました。いずれにしても,Vijay Iyerのやる音楽のレベルってのは実に高いと思わせますし,今回も非常に楽しめました。本当に何でもできる人ですよね。

ということで,当方記事のURLを貼り付けさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2021/04/post-970317.html

閣下、リンクをありがとうございました。m(_ _)m

アイヤーて、激高いレベルですよねぇ。。
毎回、感心しちゃいます。
そして、リンダ・オーって、、羊の皮を被った狼だよなぁ。。
って、思ってしまいました。笑

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