ヤられたッ! 『Islands / Alboran Trio』
ブログを始めて間も無い頃、ブログ仲間に推薦されて、すぐに恋に落ちたアルバムがある。
それが、このトリオのデビュー作『Meltemi』。
2006年リリースだけど、ブログにあげたのは2007だった。
この後、同じACTレーベルから1枚リリースし、ながらく音信不通だったのだが、、、
チェックの甘い私は、年末になって、ドラムが変わったAlboran Trioが、自主出版でアルバムをだしたのを某ジャズ批評の選考で知ったのだった。。汗
しかも、金賞とってしまった。。あぁ、、クリスマス・シーズンだったしねぇ。。(ぼやき)
気がついた頃には、手に入りにくくなってしまっていて、今頃、聴いているわけです。汗
録音は、ステファノ・アメリオ、各楽器の音が輪郭が綺麗に撮れていて、臨場感がありますよね。
ピアノとベースのユニゾンから始まる「Les Voix S’En Vont」。叙情的な中にも明るさがある。
パーカッションの音に遠くアフリカを感じる「Human」。
ブラシで引き締まる「Canto Quantico」。
「Earth Breath」疾走感あるパーカッション、空を泳ぐピアノ、ベース。
哀愁浮遊系「Puerto Natales」。
3人の強い個性が綺麗にまとまった「Multiple Frames」。
少しダークでアヴァンギャルドな「In Un Altrove」、これ、かっこいいです。
どうなんでしょ、Alboran Trioのイメージとは少し違うのかもしれませんが、こういう曲でそれぞれのレベルの高さがよくわかる気がします。
「Frug」、スティック音も素晴らしい。ドラマーのフェルディナンド・ファラオは、欧州のドラマーらしくドラムとパーカッションの両刀使いなのですが、どの曲でも創造力豊かな素晴らしい叩きっぷり。そして、歪ませたアルコが入って先鋭的。
ベース・ソロから始まる「L'origine E’La Meta」は、叙情的トリオ演奏。
どこか東洋的な調を感じる「Due Passi Nel Mare」、日本で人気があるわけですよねぇ。
ピアノとベースの掛け合いがお見事「Triodiversity」。
抽象的な美しさ「Essential Is No Longer Visible」。ミステリアスで疾走感ある「Willywaw」。
終演は、不思議な雰囲気を持った「Arriva Entre Los Picos 」、3人の個性全開、白眉。
久しぶりに聴いたのですが、やっぱり、日本人の感性にあった情緒を持ってる気がします。
特に、ピアノが。。リリカル&叙情的で片付けられそうなのですが、
かなり芯の強い個性的なトリオかと…ヤられた。。
1. Les Voix S’En Vont
2. Human
3. Canto Quantico
4. Earth Breath
5. Puerto Natales
6. Multiple Frames
7. In Un Altrove
8. Frug
9. L'origine E’La Meta
10. Due Passi Nel Mare
11. Triodiversity
12. Essential Is No Longer Visible
13. Willywaw
14. Arriva Entre Los Picos
Paolo Paliaga (p)
Dino Contenti (b)
Ferdinando Farao (ds)
今日のおまけは、ご本人たちがあげていたオープナーの「Les Voix S’En Vont」。
んじゃ、退散♪
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コメント
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Suzuckさん、こんにちは。
早速ですが、このところスマホにも入れずっと聴いています。
2ndから10年以上経って新作は出ないだろうと諦めてというか、忘れ去っていましたが、期待通りの良作を出してくれました。
後、おっしゃるように入手困難のようですね。(コロナの影響もありそう?)
自身は幸い12月初めに入手できていましたが、相変わらず未聴盤がたまって聴くのが今頃になってしまいました。
いつも未聴盤に迫られていますが、チックのAKOUSTIC BAND『LIVE』、エンリコさんのReal You、コープランドの John、それから『絵のない絵本 / 旅する音楽トリオ』なども・・
それで、しばらく注文ストップしようと思っていましたが、まとめ買いセールの誘惑に負け本日またVijay Iyer の新作など注文(汗)
今、福岡も大変なことになってきて飲み会や遊びにも行けないし、他に「浪費」しないので良いかと開き直っています(笑)
投稿: baikinnmann | 2021年4月25日 (日) 14時34分
Suzuckさんが・・"やられた"と無条件降伏というアルバムはそうはないと思いますが、私も彼らのALBORANという名前がスペインとモロッコの間の島と言うが、その島が目に浮かぶ一つの世界を持った演奏に、圧倒されました。
トリオそのものの特徴を生かした抒情性にとどまらず、アフリカン・リズム感まで演じてしまう多様性に見事と言いたいです。そしてアメリオの録音とミックス・・・やっぱり名手ですね、曲の内容と演奏を生かした技術はさすがです。
「ジャズ批評」誌の特賞としては、外すことも多い中で久々のヒットですね。アルバムは演奏と録音が両立して初めて名盤と私は思ってます。
TBさせてください ↓
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2021/04/post-427f3d.html
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2021年4月26日 (月) 12時53分
baikinnmannさま、こんばんは。
そう、、ACTから2作目はわりとすぐにでたんのですが、、
そのあと、音信不通でしたよねぇ。
私も、未聴盤というか、、ブログにアップしていないものが、、たまってます。
どうしよ。
baikinnmannさま絶賛の『Bright October 14th / Yuta Omino Trio』も手に入れたんですよ。
と、、、3月の京都もあきらめたのですが、、ゴールデンウィークも福井にいけなくなりました。
どうぞ、くれぐれもお気をつけてください。
投稿: Suzuck | 2021年4月27日 (火) 19時25分
風呂井戸さま、、私、惚れっぽいので、、
よく、、ヤられた状態になってますよ。笑
このトリオは、技術的にも素晴らしいですよね。
私も、大先生たちと意見の食い違うことが多いのですが。。
これは、うんうん、と、解説を読みました。
リンク、ありがとうございます。
投稿: Suzuck | 2021年4月27日 (火) 19時28分