限りなく透明でアンビエント 『Bayou / Thomas Strønen Ayumi Tanaka Marthe Lea』
3人連名、ノルウェー在住のミュージシャン達によるアンビエントなサウンド。
ドラマーで作曲家のトーマス・ストレーネンは、日本では知名度は少ないけど、北欧の音楽シーンでは引く手数多。ECMでは、リーダー作を含め7作に参加。
今作は、2018年のストレーネンのアルバム『Lucas』に参加していたノルウェー在住の日本人ピアニスト田中 鮎美と、クラリネット奏者・ヴォーカリスト・パーカッショニストのマルテ・リーとのトリオ。
3人は、オスロの王立音楽アカデミーで、一緒に学んだ仲間。今回は、学生の時から切磋琢磨してきたトリオで満を持してのECMデビュー。
オープナーは、ノルウェーの古いトラッドでタイトル曲「Bayou 」。ドラムとピアノの静間か誘いからリーの歌が厳かに入る。どこまでも透明で心に沁み通る。
パーカッションとドラムから入る「Pasha」、ピアノ音、残響音?どこまでも静かな音と音の掛け合い。
暗い水中にいるようなピアノの誘い「Duryea」、クラリネットの響きと反応すると少し熱く。
水中を漂うような美しいピアノが印象的な「Nahla」。
「Varsha」は、深い淵から聴こえてくるようなクラリネットの響きが心に残る。
深い深い谷で交わすトロルの会話みたいな「Eyre」。
遠くへ遠くへ連れ去れそうになる「Dwyn」、深遠なる心の奥を覗き込むむ自分。
「Bayou II」、「Bayou」の別ヴァージョン、ほぼアカペラ。
「Como」、物悲しく3人の楽器の響きが重なる。
終演は、「Chantara」、抑えられた音が響きあって、器から水がこぼれ落ちるような緊張感。
全てにおいて、自然発生する流れを重要視した即興音楽。
少ない音数で、限りなく透明でアンビエントなコンテンポラリー・サウンド。
メロディは、ほぼ出てこなくても美しいサウンドでした…
1.Bayou
2.Pasha
3.Duryea
4.Nahla
5.Varsha
6.Eyre
7.Dwyn
8.Bayou II
9.Como
10.Chantara
Thomas Strønen (ds,perc)
Ayumi Tanaka (p)
Marthe Lea (cl,vo,perc)
今日のおまけはは、ご本人があげていた「Varsha」。
んじゃ、退散♪
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