どうぞ、安らかに… 『Live / Chick Corea Akoustic Band with John Patitucci & Dave Weckl』
今年の2月9日に鬼籍にはいった、巨匠、チック・ コリアの追悼の意を込めて、自分の棚からこぼれていたこのアルバムを買いました。
チック・コリアが、ジョン・パティトゥッチとデイヴ・ ウェックルを自分のバンドに呼んだのは、1985年、 彼のエレクトリック・バンドの結成のためでした。
ご存知のように人気を博したこのバンドで、しばらく活動した後、 コリアはアコースティックに移行します。(エレクトリック・ バンドは、解散したわけではありません。)
アコースティック・バンドでも、ジョン・ パティトゥッチとデイヴ・ウェックルと組み、 大きな成果と評価も得ました。
このアルバムは、なんと約20年ぶりのアコースティック・ バンドとしての録音。
20年ぶりのツアーの幕開けコンサート(2018年1月13日) を録音したもので、2枚組です。
1セット目のオープナーは、光り輝く「Morning Sprite」、憂いを含んだ「Japanese Waltz」、次々と入れ替わるソロが、それぞれ素晴らしい。
リレーでテーマを繋ぐ「That Old Feeling」に古さを感じさせない。
ご存知「 In a Sentimental Mood 」、冒頭から続くコリアのピアノ・ソロの表現力豊かなこと…。
スペインの光景が背後に浮かぶ「Rhumba Flamenco」ダイナミックな空間。
「Summer Night」、超絶なベース・ソロからはじまる、 綺麗なワルツには光が満ちている。
1枚目の終演は、「Humpty Dumpty 」、切れ味よくユニゾンがきまってる。
2セット目の2セット目のオープナーは、「On Green Dolphin Street」、軽快、溌剌、丁々発止。
アルコで始まる「Eternal Child 」、深遠なる演奏。緻密に計算された「You and the Night and the Music」。
モンクの幻影が観える「Monk's Mood」。かなりフリー度が増した「Humpty Dumpty」をもう一度。
そして、この日の締めは「You're Everything 」。音域広く難曲の一つを、私生活のパートナーでもあるゲイル・モラン・コリアが参加。伸びやかな歌声で、スキャットで、バンドと対話。会場を沸かせて終演。
ほぼ3年前のコンサート。
一人一人の超絶はもちろん、全てにおいての阿吽の呼吸が凄すぎる。
まさに、神の領域…この素晴らしい仕上がりから考えると、、
3人の誰もが、再び、 時を経て演奏をするつもりだったとおもいます。
重ね重ね、残念としか言いようがありません。
CD1
1. Morning Sprite
2. Japanese Waltz
3. That Old Feeling
4. In a Sentimental Mood
5. Rhumba Flamenco
6. Summer Night
7. Humpty Dumpty (set 1 )
CD2
1. On Green Dolphin Street
2. Eternal Child
3. You and the Night and the Music
4. Monk's Mood
5. Humpty Dumpty (set 2)
6. You're Everything
Chick Corea (p)
John Patitucci (b)
Dave Weckl (ds)
Gayle Moran Corea (vo) CD2#6
今日のおまけは、ご本人があげていた別のライブ会場での「 Humpty Dumpty 」。
長い間、私たちに豊かな時間をありがとうございました。
素晴らしい演奏や曲はもちろんですが、 いたずらっこのような好奇心旺盛な瞳の輝きを永遠にわすれられな いとおもいます。
心より、ご冥福をお祈りいたします。
んじゃ、退散♪
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