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音楽で拡がる輪

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2020年11月14日 (土)

歓喜にわくブタペストの夜…『Budapest Concert / Keith Jarrett』

 
Budapest_concert
 

 

 

ジャズ・ピアノのレジェンド、天才キース・ジャレットが、2018年に起こった2度の脳卒中の後遺症から復帰の見通がたっていないとのことだった。
 
「コップを握ることが、今後の左手のリハビリの重要な課題」、この切ない事実を公にした。
彼の年齢を考えると、、今後、ステージでピアノを弾くことはとても難しいといことがよくわかる。
この同じ時代を生きてきた偉大な奏者には、多くの人が感動と勇気をもらったはず。
未発表の音源が沢山ありそうだけど、彼と前回リリースされた『Munich 2016』と同じ時のソロ・ツアーのブタペストの音源がリリースされた。
 
全編、即興演奏のお手本のような演奏が並ぶ。
人間の持つ様々な感情(喜怒哀楽)に結びつく音が、細胞に潜り込んで刺激を与える凄さ。
 
全てが、公演のセット・リストのままではないと思うが、1枚目のCDには、コンサートの前半部分が収められたのだと思う。
少し、重たく、不協和音てきな音もおおく、強い緊張感を感じる。
嵐の前の厚く黒い雲の下にいるような不安感…観客も巻き込んだこの張り詰めた空気は、ステージの孤高の奏者に対する畏敬の念すら感じる。
緊張のあまりか、素晴らしい演奏にもかかわらず拍手も恐る恐る?
でも、演奏内容に大差はないけれど、1枚目の最後の演奏では、「口笛」も聞こえ、歓声のような拍手に変わっていた。
 
2枚目のCDになると、重たくのしかかっていた黒い雲がすぅっと消えている。
瑞々しい音、聴きやすいメロディが並ぶ。
しっとりした美メロもあれば、ラグタイムで元気に闊歩したり、声高らかにブルーズを歌い、と自分にある様々な感情を一瞬一瞬で表現していく。
その美しさに癒され、アブストラクトな演奏に惑わされ、もう、我々の感情は彼の思うがまま。演奏中に!!歓声すら飛ぶ。
 
湧き上がる歓声のあとに、アンコールを2曲。
陰影深く「 It’s A Lonesome Old Town」、しっとりと憂を含んだ「Answer Me」。
 
この夜、コンサート会場は歓喜にわいたことは間違いないでしょう。
 
 
ディスク1
1. Part I
2. Part II 
3. Part III
4 Part IV
 
ディスク2
1. Part V
2. Part VI
3. Part VII
4. Part VIII
5. Part IX
6. Part X
7. Part XI
8. Part XII - Blues
9. It’s A Lonesome Old Town
10. Answer Me
 
Keith Jarrett (p)
 
今日のおまけは、ご本人があげていた「Part VII」。
 
 
ずっと、ずっと長い間、、私たちに感動を与え続けてくれたキース・ジャレット。
彼の残りの人生が出来る限り幸せでありますように。
 
 
んじゃ、退散♪

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JAZZ」カテゴリの記事

コメント

Suzuckさん,こんばんは。

Keithの病気に関しては残念なことではありますが,彼のこれまでの業績は素晴らしいものでしたし,十分にやり切ったと言ってもよいように思います。とにもかくにも今後は快復に努めて欲しいとしか言いようがありません。

ここでの音楽は,近年のKeithのライブのパターンを踏襲したものだと思いますが,私の記事にも書いた通り,前作のミュンヘンのライブよりは聞きやすいものだったと感じました。私としては,彼のライブに接することができたことを改めて記憶として大事にしたいと思います。

ということで,当方記事のURLを貼り付けさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2020/11/post-9f990d.html

閣下、、あまり楽観的なこともいえませんよねぇ。

でも、彼の業績は多くの人が認めるものだとおもいます。
少しでも、改善することを願っています。

閣下の仰るように、2枚目のようなアルバムを多くのファンは望んでいるのだとおもいます。
が、ここにいくには、、彼と観衆の「儀式」があるのだとおもいますよ。

URLもありがとうございます。m(_ _)m

ここまで素晴らしい演奏を残してくれたので、病気のニュースにかなりやられてしまって、意気消沈しています。ニュースがあってから、彼関連のアルバムを多くかけてました。でも、やっぱりこのアルバムはいいなあ、と改めて感じました。なぜか重い前半の方が個人的には好きです。彼の復活を、可能性は低くても見守っていきたいと思います。

当方のブログアドレスは以下の通りです。

https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2020/11/post-c67122.html

910さま、好き嫌いはあっても、どちらも素晴らしい演奏でしたね。

こうやって、キーボードを叩いている時は、淡々としていられるのですが、
言葉に出して喋ると胸がつまりますよ。
この先の進化した姿を見届けたかった気持ちを、
そのまま、見守っていく方向でいたいとおもいます。

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