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音楽で拡がる輪

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2020年6月 6日 (土)

フリーから優雅でリリカルな演奏まで変幻自在 『Arctic Riff / Marcin Wasilewski Trio with Joe Lovano 』

Arctic_riff_20200605173701

 

 

ポーランドの人気ピアノ・トリオ、マルチン・ボシレフスキ・トリオ。
まさにクリスタルのような美しい音色、タッチでECMから次々とアルバムを出しています。
前回の『Live』は、私の2018年のベスト1、翌年、早々にトリオで来日したコットン・クラブのライブも感動的、握手もサインももらって帰って聴きました。
高校生から一緒に活躍している3人の阿吽は、まさに三位一体。

 

今回は、米国のレジェンド、サックス奏者、ジョー・ロバーノとのカルテットです。
去年は、叙情派若手ピアニスト、ジョヴァンニ・グイディを起用した、エンリコ・ラヴァと双頭の『Roma』で、気概ある演奏でしたね。
でも、彼のECMの作品では、10年以上前にでた『Mostly Coltrane』が好き♪

 

今回も、その相性はどうなんだろう、、って、思いつつ、
先に披露されていた「Vashkar」では、思いの外、互いにぴったり寄りそっていて期待でわくわくでっす。

 

オープナーは、何度聴いてもうっとりする、マルチンのピアノの導入が美しい「Glimmer of Hope」。
その優しい調べに導かれ、包み込むような温かさを備えたロバーノのサックス。
何もかもが、「Glimmer of Hope」のタイトルそのもの。
このアルバム唯一のカヴァー曲、多くの演奏者に愛されてきたカーラ・ブレイの「Vashkar」。
マルチンの内面に切り込むような切れ味の良いピアノとベース、ドラムとの呼応、そして、ソフトな音色でも重厚な演奏のロバーノ。
4人連名の即興演奏の1曲目「Cadenza」、9分超えの氷水系、青い火花が飛び散る緊張感ある演奏。
エレガントでメロディアスな、マルチン曲「Fading Sorrow」、情感あふれるサックスの響き、流麗なピアノのソロ、歌心たっぷりなベースのソロ、すべてを繊細に彩るドラム。
即興演奏の2曲目「Arco」、タイトルが暗示するようにベースのアルコから始まり、現代的、実験的な音のやりとり。
即興演奏の3曲目「Stray Cat Walk」、スムース&ソローな夜のサックスの流れをドラムとベースが後押し。
一転、アップテンポでメンバー全員が躍動する「L'Amour Fou」、ロバーノの鋭い雄叫びも聴こえ、ソロ回しもあって高揚感いっぱい。
即興演奏4曲目「A Glimpse」、抽象的で余談ならぬ展開が続く。
2つ目のカーラの「Vashkar」、1つ目よりロヴァーノのサックスがフィーチャーされ、雰囲気もガラリと変わったヴァージョン。
唯一のロヴァーノ曲「On The Other Side」、4人で様々な組み合わせで抽象的なフリー演奏、新たに生まれた新しい絆を確認しあうような緊密な時間。
終演は、スタンダードのような美しいバラッド「Old Hat」、叙情豊かな4人の演奏が心に染みる。

 

やっぱり、マルチンのピアノに耳が奪われる、期待を裏切らないピアノの響き。
そして、阿吽の呼吸で出されるベースとドラムの音の美意識につくづくと感心。
今回のポイント、剛と軟を使い分けるロヴァーノとの特別な対話の時間。
背筋が凍る極北の空気のようなフリーの演奏から、リリカルでエレガントな演奏まで、変幻自在。

1.Glimmer of Hope
2.Vashkar
3.Cadenza
4.Fading Sorrow
5.Arco
6.Stray Cat Walk
7.L'Amour Fou
8.A Glimpse
9.Vashkar (別ヴァージョン)
10.On The Other Side
11.Old Hat

 

Joe Lovano (ts)
Marcin Wasilewski (p) 
Slawomir Kurkiewicz (b)
Michal Miskiewicz (ds)

 

今日のおまけは、レーベルがあげていた「Glimmer Of Hope」。

 

 

 

 

んじゃ、退散♪

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JAZZ」カテゴリの記事

コメント

Suzuckさんも好評価ですね。
私は95/100捧げました。 ^^)

(TB)よろしくお願いします
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2020/06/post-70d063.html

風呂井戸さま、高評価ですね。
シンプル・アコースティック・トリオを名乗っていた時から、、
随分とたちますが、3人で切磋琢磨して音楽の道をまっしぐらですね。

トラバ、ありがとうございます!

Suzuckさん,こんばんは。

今回も非常にいいアルバムだったと思ってはいるものの,集団即興はどうなのよって思っている私です(多分同じですよね)。なので,これを彼らの最高傑作とは思いませんし,一つの通過点だと思えばいいかなって考えています。

しかし,押さえるべきツボは押さえていますし,彼らの音楽は常に注目していく必要があるという評価には揺るぎはないと思います。

ということで,当方記事のURLを貼り付けさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2020/06/post-5ad559.html

ついでながら,"Mostly Coltrane"はいいアルバムでした。あれとかジョンアバとの"Within a Song"での貢献もあって,Joe LovanoはEicherからの評価が高まって,リーダー作まで出してしまったって感じでしょうかね。

閣下、、
仰ることはよくわかっているんですが、、
求めているものって思うと微妙なんですが、、
彼らがこちらの方向に突き進むとも思えないので、、
このくらいだったら、おっけです。

「Within a Song」もいいですよねぇ。
「Wise One」なんかもやちゃってるし。笑

トラバをありがとうございました。

SUZUCKさんコンバンワ!予告編に次いで、本編にもコメントさせてもらいます。まだitinesでは2曲しか聴けませんので、SUZUCKさんが「極北の空気のようなフリー演奏」と形容される曲群は聴けていません(早く聴きたい!)。
ただ、冒頭の曲だけでも、マルチンはロバーノとの対話ができて本当に幸せそう、気持ち良さそう。多分、ロバーノに対するリスペクトと憧れがあると感じます。それが伝わってきます。私もトラバよろしくお願いします。
https://zawinul.hatenablog.com/entry/2020/06/04/224720

zawinulさま、早く全編が聴けるといいですね。

ポーランドとアメリカで「極北」って、ちょっと、ボキャブラリがなさすぎた結果なんですが、、
この暗さひんやり感は、この言葉しか浮かばなくて。。
冒頭の2曲とは、まったく違う感じがしますので、まぁ、、早くご自身で確かめて欲しいとおもいます。

トラバ、ありがとうございます!

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