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音楽で拡がる輪

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2020年6月

2020年6月28日 (日)

ピアノとギターの美意識が深く絡み合う 『Little Big II: Dreams of a Mechanical Man / Aaron Parks』

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出世作『Invisible Cinema』 で、マイク・モレノのギターと絡んだ美しいサウンドに痺れた米国の天才ピアニスト、アーロン・パークスの新譜でっす。
ECMデビューも果たし、エヴァンスの繊細さとハンコックの躍動感を併せ持つ、ピアニズムでもファンを増やしています。
2018年の 『Little Big』 は『Invisible Cinema』の路線上にあり、ロック・テイストの入ったエレキ・ギターとの双頭で、ロック、エレクトロニカなど様々なジャンルを縦横無尽に行き来するサウンドだったのですが、今回はその続編。
前作と同じメンバー、ギターのグレッグ・トゥーヒー、ベースのデビッド・ギンヤード、ドラムのトミー・クレインの鉄壁の布陣です。
この2年ほどは、彼らとツアーをこなし、ますます良いケミストリーを生み出してきているとの自身からのレコーディング。

 

オープナーは、ビートの効いたドラムに引っ張られるようにバンドの緊張感の増していく「Attention, Earthlings」。
ピアノとギターのやりとりが、モダンで知的な「Here」。
美しいテーマ、美しいハーモニー、美しいピアノ「Solace」、叙情的。いつも、宇宙のどこかを漂っている気分になる。
一転、キャッチーなテーマ「Friendo」、どんどん予期せぬ方向に。
各自が、自由に実験的に羽ばたいた「Is Anything Okay?」。
情感を揺さぶる暗いギターの演奏から、パークスのヴォイスが被さり、不思議な世界を覗く「The Shadow & The Self」。
ストイックなギターが饒舌に語る「The Storyteller」。
オーバーダヴしたパーカッションが、印象的な「Dreams of Mechanical Man」。
ロック・テイストの効いた「My Mistake」、叫ぶ歪んだギター。
チャイムやベル?で始まる瞑想的な導入「The Ongoing Pulse of Isness」、後半のバンド一体での高揚。高速モードに入った時のパークスのピアノは無敵ですね。
即興「Where Now?」、まさに「今どこ?」ハイレベルな宇宙的俊足レスポンスに唖然。
終演は、感動的な高まりを持った「Unknown」。

ピアノとギターを中心にメロディアスに即興を繰り広げるサウンド。
パークスは曲によって、ピアノ、エレピ、シンセと多様な鍵盤を操り、前作以上にSF度、異次元度、宇宙度がアップ。
二枚看板のふたりの美意識が深く絡み合うエモーショナルな演奏。


彼らは、地球に起こっている様々なことに危惧しており警戒音鳴らしてますね。
そして、病んだ心に少しでも彼らの音楽が届くことを願ってるのかな。

 


1. Attention, Earthlings
2. Here
3. Solace
4. Friendo
5. Is Anything Okay?
6. The Shadow & The Self
7. The Storyteller
8. Dreams of Mechanical Man
9. My Mistake
10. The Ongoing Pulse of Isness
11. Where Now?
12. Unknown

 

Aaron Parks (p, synth, wurlitzer, rhodes, celeste, vibraphone, glockenspiel, chimes, voice)
Greg Tuohey (g)
David Ginyard Jr (b)
Tommy Crane (ds, perc)

 

今日のおまけは、ご本人があげていた「Solace」。

 

 

大雨が災害をひきおこしませんように。

 

んじゃ、退散♪

 

2020年6月26日 (金)

『ジャズ批評 216号 ハービー・ハンコック生誕80周年 記念特別号』がでました〜♪

『ジャズ批評 216号』がでました〜♪
★ ハービー・ハンコック生誕80周年 記念特別号 ★
216

 

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『ハービー・ハンコック物語 高木信哉 著 』

 

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中止になった東京ジャズでは、現在と過去を聴かせる2つのバンド編成だったハービー・ハンコック。
めちゃ、良いチケットを買ったのですが、コロナ禍で中止になってしまいました。
80歳にして、常に新しい音への挑戦を続けているハンコックの特集号です。

 

で、今回の目玉はこれでしょう!
1章から44章にわたって、ハンコックの音楽史的生い立ちが綴られています。
その時々のミュージシャン、作成したアルバム、などのお話がとても興味深いです!
ファンならずとも、必読。

 

他にも、ハンコックとウェイン・ショーターのインタビューや、ハンコック年表、、
私が選ぶハンコック5選などなど、、まるまる1冊がハンコック特集です。

 

ぜひ、お見逃しなく♪

 

「新譜紹介」は、4枚。
目玉は、マルチンかとおもったんですが、一番のお気に入りはパークスのアルバム。
前作からつづけて活動しているだけあるなぁ。。って、思いました。

 

 

 

 

 

「New Disc Pick Up」は、4枚でした。
好きなピアニストの方々が、こぞって?ピアノ・ソロのアルバムをだしてます。
当たり前ですが、全然違うので面白いですね。

 

 

 

 

 

 

 

自粛期間中に、ライブの配信システムというのが進みましたね。
でも、私は家にいるとなかなか集中して音楽だけを聴いていられない状況が多くて。。
でも、絶対に行けないライブのチケットを買って、、時間があるときに聴く。。って、都合はいいですが。。
まぁ、応援という意味で買うという感じですか。。

 

いろいろと、思うところはありますが、、このままだと、また、感染者数は増えそうですよね。
そうなると、仕方ないのかもしれませんね。でも、これがスタンダードってちょっと嫌だなぁ。。

 

んじゃ、退散♪

2020年6月24日 (水)

懐の深さ半端な〜い「Tony Suggs Trio (6/23) @ Jazz FLASH」 

Tony Suggs Trio (6/23) @ Jazz FLASH 
Tony Suggs (p)古木 佳祐(b)大村 亘(ds)

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長い間、カウント・ベイシー・オーケストラのピアニストを務め、ロイ・ハーグローヴのRHファクターにも参加していた、ピアニスト、トニー・サッグス。
手、大きいなぁ、、って、思ってましたが、あとで聞いたら「ドからドを超えてソ」まで、届いちゃうらしい。
力強いタッチ、大きな音で自信満々でガンガン攻める、めちゃピアノの巧い人でした。
グイグイ来るグルーブ感も半端ないし、その懐の深さも半端ない感じ。
緻密でヒリヒリとするような痺れ感とは違う、大らかでハッピーな揺れが会場の空気とともに伝わってくる。

俺の波に乗ってこいっ!って、感じ。

徹頭徹尾責めの体制のベースも、一音でガンガン空間を広げていくドラムも、聴きごたえたっぷり。
大波を逃す事なく、ガテン系ガッツある受け応えで、より大きな波に!
やっぱり、この人たちは、何やっても巧いんだなぁ、って、大盛り上がりでした。

特に、2セット目の「Amazing Grace」から「Caravan」の流れは、音の魔力に酔いしれました。
自然と体が動いて、踊り出したくなりましたよ。めちゃ楽しい一夜でした。
ミュージシャンの皆さん、ありがとうございました。m(_ _)m

やっぱり、生音が良い!生音、最高!!

マスク、少人数予約制はもちろん、入店時体温チェック、アルコール消毒、換気と出来る限りのコロナ対策をしての開催。
でも、人数絞ってるのでジャズ好きな沢山の人に聴いていただけなくて、ちょっとだけ残念でした。。
フラッシュのマスター、女将さん、、
そして、こういう時にもかかわらず勇気を持っていらしてくださったお客さま、、
本当にありがとうございました!

 

で、何故に、二日酔いか、、それは秘密。爆
そう、、全く、秘密のできごとではありませんね。

んじゃ、退散♪

2020年6月21日 (日)

銀河の片隅で独りの時間を愉しむ… 『Adagios / 瀧川青河 (Haruka Takigawa)』

Adagios

 

自粛期間中に、友だちが勧めてくれたアルバム。
確かに、ネットに置いてあった曲を聴いたら、、全編が穏やかで好み。
5月のミュージシャン支援のバンドキャンプの日に買いました。
彼女の楽器が、6弦のエレベとういうのも、いいじゃないです。
おまけに、一度、新潟のジャズ・ストリートで、躍動感あるベース・プレイを聴いているのですもの。
名前を見て、すぐにわからない私って、最低ですけど。笑

 

演奏は、「人間的な音楽団 」を名乗るトリオ。
作曲は、瀧川 青河さんが全部担当、、と、いうか、自身の貯め込んだ曲をアルバムにしたかった!って、感じですか。

 

ドラマチックに幕をあけを告げる「序曲」。
組曲の「Adagios」7曲は、基本的にはゆったりと3つの楽器がリラックスした音を奏でてる。でも、結構とスリリングにドラマチックに動くものも。
ライナー・ノーツは、お師匠さんの佐藤 ハチ 恭彦 氏の文章、その隣に曲の番号のふられた7枚の絵も載っている。ご本人の曲のイメージなのかなぁ。小さいの絵なので、ちょっと、イメージが重ならなかったりするけど、それって人それぞれなので、仕方ないですよね。
クラシックの技法で書かれた緻密な曲たちは、ベース・ラインが対位法的に浮かび上がってくるように計算されてる、と、師匠の指摘があり、クラシカルな雰囲気を醸し出している知的な心安らぐサウンド。
いわゆる丁々発止とは違うけど、3人の息の合った、感情のあった演奏で高揚する。
3つの楽器が、上手く働いている。

 

後半の小作品集は、より情景が浮かぶメロディで、各楽器の叙情性が一層際立つ。
「気のせい」のような、ウィットにとんだ実験的なものも面白いが、やっぱり、叙情的な曲が心に残りますね。
終演の「思慕 」の余韻がいいなぁ…おかげで、すぐに「序曲」からリピート。笑

 

銀河の片隅で独りの時間を愉しむために聴くのはどうでしょ。

 

 

1. 序曲 

 

組曲「Adagios」
2. 第1番
3. 第2番
4. 第3番
5. 第4番
6. 第5番
7. 第6番
8. 第7番

 

小作品集
09. 天窓 (Piano,Guitar,Bassのための主題)
10. とある夜景
11. 気のせい
12. あてのない逍遥
13. 思慕 

 

演奏:人間的な音楽団 
瀧川 青河 (Haruka Takigawa)  (el-b)
尾崎 琢也 (Takuya Ozaki) (p)
堀江 洋賀 (Hiroyoshi Horie) (el-g)

 

今日のおまけは、ご本人があげていた視聴版?

 

 

ライブが戻ってきましたね。
配信という新しい手法もふえて、音に溺れそうな日々。。

 

んじゃ、退散♪

2020年6月20日 (土)

一度聞いたら、クセになる独自のサウンド・スケープ 『GoGo Penguin / GoGo Penguin』

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UK、マンチェスター発の新世代ピアノ・トリオ、ゴーゴー・ペンギンのブルーノート3作目♪
 

 

最新エレクトロニクスを使用しながらも、バンドメンバーの3人がアコースティック楽器で超絶技巧の演奏をする意表を突くスタイルに、ますます磨きが掛かっている!
ジグゾー・パズルのピースを、なんの迷いなくピタっ、ピタっと嵌め込んでいくような爽快感。この快感はたまらない。
 

 

今回は、作曲や録音に時間をかけることができたようで、全曲にでメンバーの人生観が反映されたオリジナル。アルバム・タイトルにバンド名を記して、その自信のほどが窺える。
 

 

オープナーは、ゴー・ゴー・ペンギン・ワールドへの入り口、「1_#」。
一気に彼らの世界に引き込む「Atomised」、その疾走感。
万華鏡の煌めきをもつ空間で演奏しているような「Signal In The Noise」。
ドラムの鼓動を感じる「Open」、上昇気流に巻き込まれているよう。
「F Maj Pixie」、Pixieは、イギリス南西部に語り継がれる妖精。悪戯好きの妖精に助けられて?、大きな広がりのある不思議な世界。
西アフリカの弦楽器コラの名前をタイトルにした「Kora」。弦楽器ならベースが活躍?いや、そういう発想は、我々凡人の発想。ピアノ弦を工夫した印象的な音の世界。
収束力を感じる「Totem」。
ベースの残響感が、バラッドの世界に誘う「Embers」。
洗練された音のループが美しい「To The Nth」。
終演は、ゴー・ゴー・ペンギンが奏でる「Don't Go」。静かに降る雨音を聞くような鎮静作用があって、高揚した心にいい塩梅。
 

 

ジャズ、エレクトロニカ、ロック、クラシックなど幅広い音楽の影響を感じる緻密で、無限ループに巻き込まれたような美しいサウンド。
洗練された演奏で美しいサウンドを展開。一度聞いたら、クセになる独自のサウンド・スケープ。
 

 

1.1_#
2.Atomised
3.Signal In The Noise
4.Open
5.F Maj Pixie
6.Kora
7.Totem
8.Embers
9.To The Nth
10.Don't Go
 

 

Chris Illingworth (p)
Nick Blacka (b)
Rob Turner (ds)
 

 

今日のおまけは、ご本人たちがあげていた「F Maj Pixie」。
 

 

 

 

いろいろと、解除されましたね。。
でも、自分のスタンスをきちんと守ることが一番ですよね。
 

 

んじゃ、退散♪

2020年6月14日 (日)

繋がって生きていきましょ。 『Pick Me Up Off The Floor / Norah Jones』

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アメリカのルーツ音楽を様々とりいれたスタイルで、ジャズのカテゴリーに収まりきらない音楽でのピアノ弾き語りが魅力的なノラ・ジーョンズ。ピアニスト、コンポーザーとしても活躍。

 

大ヒット作『Come away with me』は、グラミー賞8部門で受賞。
元々ジャズという名前で括れない彼女だが、ウェイン・ショータが参加した『Day Breaks』以来、最近は比較的ジャズの近くに。

 

「去年は、これまでで一番クリエイティヴな気分だった」
と語り、作詞、作曲は全部彼女自身、プロデュースも11曲中9曲を担当し、他2曲は、ウィルコのジェフ・トゥイーディがプロデュース、共演(*の曲)。
リリース前に、二人が共演している動画がでてて、
「わぉ、いい感じだなぁ」と、おもってました♪

 

しかも、演奏の中心となったのは、彼女が信頼をよせているブライアン・ブレイド。
他にも、ジョン・パティトゥッチ、ネイト・スミスなど錚々たる名前が、曲ごとにクレジットされている!

 

オープナーは、チェロとヴィオラがフィーチャーされた「How I Weep」。
ストリングのアレンジであまり重たくならずに、淡々とした時間。
ブレイド、パティトゥッチのエレベ、エレキなどで、ちょっとレイドバック感がかっこいい「Flame Twin」。
バックにヴォーカルが入った「Hurts To Be Alone」では、彼女はピアノ意外にもエレピ、ハモンドなども弾く。
メロディアスで、スティール・ギターが効果的、情感たっぷりな「Heartbroken, Day After」。
トランペットとサックスが入って、きっぱりと「Say No More」。
彼女もドラムを演奏している?(クレジットされてるんですよ)「This Life」。
こういうカントリー調の歌の粋な事「To Live」、あ、ネイト・スミスみっけ。
ジェフ・トゥイーディのギターがいい感じ、「 I’m Alive」、好き。笑
彼は、エレキ、アコギ、エレベで活躍、前向きな感じがとても好き。笑
ヴォーカルとヴァイオリンが美しく重層的な「Were You Watching?」。
バラッド調で淡々と語る「Stumble On My Way」、スティール・ギターに癒される。
終演は、再びトゥイーディとデュオ共演「Heaven Above」、彼女の弾くチェレステがより、静かに穏やかな心を導く。

 

 

各曲のタイトルから感じられるように、とても個人的な体験を通して生まれた曲たちだけど、
私たちに、力と勇気を与えてくれるアルバム。
親しみやすいメロディで、癒しの歌声で、強い想いがこもってる。
皆んなで、繋がって生きていきましょ。

 

1. How I Weep
2. Flame Twin
3. Hurts To Be Alone
4. Heartbroken, Day After
5. Say No More
6. This Life
7. To Live
8. I’m Alive *
9. Were You Watching?
10. Stumble On My Way
11. Heaven Above *

 

日本盤は、ボーナストラックが2曲
12. Street Stranger
13. Tryin‘ To Keep It Together

 

Norah Jones ( vo, p, etc.)

 

久しぶりに、日本盤を買えばよかったなぁ、、って、後悔しちゃいました。(ケチっちゃった)
今日のおまけは、ご本人があげていた「 I’m Alive」。

 

 

梅雨のせいかしら?
なんだか、肌寒いですよねぇ??

 

んじゃ、退散♪

2020年6月11日 (木)

現在・過去・未来が歌で1つに繋がる 「ダニー・ボーイ」島田 虎之介 作 コミック

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一年くらい前だろうか??
待ち合わせしてた友だちが、席に座るなり、、
「これ、読んで読んで。○○さんに、絶対、読んでもらいたい」
と、渡してくれたコミック本、「ダニー・ボーイ」。

 

私の趣味趣向を把握している友だちのお勧めは外せない侮れない。
家に持ち帰ると、あっというまに読んじゃって、、
「すげぇ、好み。よかった、よかった、、」で、、返却。
ところが、先日あたりから、このコミックが無性に読み返したくなってしまったのですよ。
本を貸してくれた友だちは、去年の末に都内に引っ越してしまっていたので、、
購入しましたよ。(中古ですけど)

 

物語は、ずば抜けて歌の巧い男性の一生。
一人の女性が、彼との1曲の歌の想い出ともに、彼を回想していく話が9話。
あまり、詳しい背景とかは語られず、小説でいうところの行間のような間が味わい深い。
読み手があれこれと想像できる空間が存在する、そこがいい。
9話の話から、気がつけば歌で、彼の現在・過去・未来が繋がっていく。

 

主人公は、ブロード・ウェイで絶賛された、、
デューク・エリントンの「極東組曲」をベースにしたミュージカルの主役。
東洋人で、初めてトニー賞にノミネートされた「伊藤幸男(いとうさちお)」。
ハイカラさんで、その歌の巧さと純真さで、関わりをもった人(ここでは女性)を幸せな気分にする。
そして、彼女たちには、その幸福感とともに彼の想い出が残る。

 

「ラッキー・マン」と自らの名前を紹介するも、めちゃくちゃラッキーな人生だったわけじゃない。
歌を、音楽を、愛して、ずば抜けた歌唱力を持ちつつも歴史にその名は残さず。。。
でも、関わりを持った女性とのエピソードがどれも胸キュン。
そして、ラストで思わず涙がでそうになるのです。

 

ただ、それだけなのですが、、どなたかにも読んでいただきたくて。笑
巻きぞえにしたくて。笑
あぁ、誰か読んで、私と語り合ってくださいませ。笑

 

今日は、1話めのタイトル曲「Come Sunday」をマヘリア・ジャクソンで。

 

 

そして、おまけは、本作にでてきたエリントンのアルバムで、
『The Far East Suite / Duke Ellington and His Famous Orchestra』。

 

 

んじゃ、退散♪

2020年6月 6日 (土)

フリーから優雅でリリカルな演奏まで変幻自在 『Arctic Riff / Marcin Wasilewski Trio with Joe Lovano 』

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ポーランドの人気ピアノ・トリオ、マルチン・ボシレフスキ・トリオ。
まさにクリスタルのような美しい音色、タッチでECMから次々とアルバムを出しています。
前回の『Live』は、私の2018年のベスト1、翌年、早々にトリオで来日したコットン・クラブのライブも感動的、握手もサインももらって帰って聴きました。
高校生から一緒に活躍している3人の阿吽は、まさに三位一体。

 

今回は、米国のレジェンド、サックス奏者、ジョー・ロバーノとのカルテットです。
去年は、叙情派若手ピアニスト、ジョヴァンニ・グイディを起用した、エンリコ・ラヴァと双頭の『Roma』で、気概ある演奏でしたね。
でも、彼のECMの作品では、10年以上前にでた『Mostly Coltrane』が好き♪

 

今回も、その相性はどうなんだろう、、って、思いつつ、
先に披露されていた「Vashkar」では、思いの外、互いにぴったり寄りそっていて期待でわくわくでっす。

 

オープナーは、何度聴いてもうっとりする、マルチンのピアノの導入が美しい「Glimmer of Hope」。
その優しい調べに導かれ、包み込むような温かさを備えたロバーノのサックス。
何もかもが、「Glimmer of Hope」のタイトルそのもの。
このアルバム唯一のカヴァー曲、多くの演奏者に愛されてきたカーラ・ブレイの「Vashkar」。
マルチンの内面に切り込むような切れ味の良いピアノとベース、ドラムとの呼応、そして、ソフトな音色でも重厚な演奏のロバーノ。
4人連名の即興演奏の1曲目「Cadenza」、9分超えの氷水系、青い火花が飛び散る緊張感ある演奏。
エレガントでメロディアスな、マルチン曲「Fading Sorrow」、情感あふれるサックスの響き、流麗なピアノのソロ、歌心たっぷりなベースのソロ、すべてを繊細に彩るドラム。
即興演奏の2曲目「Arco」、タイトルが暗示するようにベースのアルコから始まり、現代的、実験的な音のやりとり。
即興演奏の3曲目「Stray Cat Walk」、スムース&ソローな夜のサックスの流れをドラムとベースが後押し。
一転、アップテンポでメンバー全員が躍動する「L'Amour Fou」、ロバーノの鋭い雄叫びも聴こえ、ソロ回しもあって高揚感いっぱい。
即興演奏4曲目「A Glimpse」、抽象的で余談ならぬ展開が続く。
2つ目のカーラの「Vashkar」、1つ目よりロヴァーノのサックスがフィーチャーされ、雰囲気もガラリと変わったヴァージョン。
唯一のロヴァーノ曲「On The Other Side」、4人で様々な組み合わせで抽象的なフリー演奏、新たに生まれた新しい絆を確認しあうような緊密な時間。
終演は、スタンダードのような美しいバラッド「Old Hat」、叙情豊かな4人の演奏が心に染みる。

 

やっぱり、マルチンのピアノに耳が奪われる、期待を裏切らないピアノの響き。
そして、阿吽の呼吸で出されるベースとドラムの音の美意識につくづくと感心。
今回のポイント、剛と軟を使い分けるロヴァーノとの特別な対話の時間。
背筋が凍る極北の空気のようなフリーの演奏から、リリカルでエレガントな演奏まで、変幻自在。

1.Glimmer of Hope
2.Vashkar
3.Cadenza
4.Fading Sorrow
5.Arco
6.Stray Cat Walk
7.L'Amour Fou
8.A Glimpse
9.Vashkar (別ヴァージョン)
10.On The Other Side
11.Old Hat

 

Joe Lovano (ts)
Marcin Wasilewski (p) 
Slawomir Kurkiewicz (b)
Michal Miskiewicz (ds)

 

今日のおまけは、レーベルがあげていた「Glimmer Of Hope」。

 

 

 

 

んじゃ、退散♪

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