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音楽で拡がる輪

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2020年5月 6日 (水)

心の故郷を呼び起こす 『Americana / Grégoire Maret』

Americana_20200429112901

 

スイス出身のグレゴア・マレ、誰もが認める亡きトゥーツ・シールマンスの後継者。パット・メセニーの『From This Place』で深遠な演奏が、話題になったハーモニカ奏者。メロウで温かな落ち着いた音色で様々メロディを奏でます。
ハーレムに生まれた母親のもと育ったので、欧州とアメリカの二つの文化を常に意識していたとのこと。
新譜は、ニューヨークで出会って意気投合したフランス出身のピアニスト、ロメイン・コリンとアメリカの音楽を探るプロジェクトに着手することに。
そこで、その権威者のひとりであり米国生まれ、米国育ちのギタリスト、ビル・フリゼールに声をかけ、アメリカの情景を描き上げることに。
数曲で、ドラマー&パーカッションのクラレンス・ペンが彩りを与えています。

 

オープナーは、イギリスのバンド、ダイアー・ストレイツの「Brothers in Arms」。
ゆったりと、、遠くを見つめる演奏に、郷愁が溢れ出る。
フリゼールのギターとバンジョーの多重録音が効いている「Small Town」、素朴なメロディにジンとくる。
小さな窓から見える雨降りの景色が浮かんでくる「Rain, Rain」もフリゼールの曲。
コリンの「San Luis Obispo」は、優しくハッピーに。
物語が見えてくるような、感情の起伏をもった「Back Home」はマレの曲。
ジミー・ウェッブの「Wichita Lineman」、フリゼールとマレの重なりが哀愁の極み。
マレの「The Sail」、大きな空間、飛翔感、マレとコリンの未来への希望を感じる。
ボン・イヴェールの「Re: Stacks」、エレクトロニクスの音響的な響、フリゼールのカッティング、多重録音で自然に重なる空間。
終演は、コリンとマレの連名になっている「Still」、エレクトロニクスの響が「次」への誘いのよう。

 

ゆっくりとしたテンポで語られる、ブルース、カントリー、ブルーグラス、ゴスペル…アメリカのルーツ音楽が混じり合い、アメリカの原風景を強く感じ、オープナーから郷愁が溢れ出し、琴線に触れまくる音風景が続く。
マレのハーモニカの響きには、敬虔な祈りにも似た深みがあり、胸が自然と熱くなる。3人が創造した牧歌的なアメリカの物語。
クラリス・ペンは、ドラムというより、パーカッション的な参加のしかたで、曲を彩り空間を埋めていました。それは、居ることを気がつかないくらい自然で、流石としか言いようがありません。

 

不思議なのは、アメリカの原風景を描いた作品だけど、日本人の私にもハートど真ん中を直撃の郷愁を感じます。
誰もが持っている、心の故郷を呼び起こす、と、いうことかなぁ。。

 

 

1.Brothers in Arms
2.Small Town
3.Rain, Rain
4.San Luis Obispo
5.Back Home
6.Wichita Lineman
7.The Sail
8.Re: Stacks
9.Still 

 

Grégoire Maret (harmonica)
Romain Collin (p, Moog Taurus, pump organ ,additional effects)
Bill Frisell (el-g, aco-g , banjo)
Clarence Penn (ds)

 

今日のおまけは、レーベルがあげていた「Re: Stacks」。

 

 

「緊急事態宣言」の延長によって、世の中は先の見えない長いお休み状態。
我が家も外出を極力控えて、、こんなに、家にいるのは、ん10年ぶり!!
で、、ついつい、、ネット通販してしまいますですねぇ。汗
とりあえず、明日からお仕事がはじまります。。

 

んじゃ、退散♪

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