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音楽で拡がる輪

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2020年5月21日 (木)

鋭い感性と、積み上げられた知性が同居する 『Talk, Vol.1 / Polyglot』

Talk_vol_1

 

 

世界的視野で活動しているドラマー、タブラ奏者、コンポーザーの大村 亘。
様々な光景を浮かび上がらせる才能豊かな人。
前作、デイビー・ムーニーと双頭のアルバム『Benign Strangers』は、ブルックリンで活躍する気鋭のコンテポラリージャズの奏者たちとのアルバムでした。

 

今回は、ニュージーランドの若手気鋭のピアニスト、スティーブ・バリーと、全身全霊でベースを弾く落合 康介とのトリオ「Polyglot」に、トランペッターの石川 広行が3曲に参加。バリー5曲、大村2曲、落合1曲、全8曲、全てオリジナル。

 

オープナーは、バリー作「Nagoya」。低音の響きががとても知的でスケール感の大きな演奏。
ピアノの向こうのベースとドラムの動きに隙がなく、1曲目から心を持っていかれる9分超え。
大村作「825」、大村さんの誕生日は8月29日だし、、この数字はなんだろうなぁ、と、思いつつ、3人のソロに聴き惚れた…
バリー作「A.S.P.」、ドラムのソロが大きくフィーチャーされ、トランペットが躍り出る。
4人の力が結集している即興演奏、いわゆる熱いとは、、ちょっと違う緊張感の高さが面白い。
バリー作「Paul」、音数もテンションも抑えめ、ゆったりしたトランペットの音色の美しいこと。
ハービー・ニコルスぽいセロニアス・モンク風?ピアノのフレーズに思わずニヤリとしてしまう、落合作「Nicholstrophy 」は、個性的な音の響き。
バリー作「Plato」、優雅で聡明な雰囲気に満ちたベース、ピアノのソロが心落ち着く。
大村作「SZ」、ノリノリでトリオのソロ回し、後半のドラムフィーチャーの軽快作。
終演は、バリー作「Komorebi」、日本語の「木漏れ日」、タブラの音色で不思議な音空間に。
木漏れ日のきらきら感あるピアノと、時の流れのようなトランペットが時々交差しながら音をちりばめていく。。

 

3人の緻密で息の合った斬新な演奏。
そこにトランペットが入って、、より自由に創造豊かな音楽に。
鋭い感性と積み上げられた知性がいい塩梅に同居する1枚。

 

 

1.Nagoya
2.825
3.A.S.P.
4.Paul
5.Nicholstrophy 
6.Plato
7.SZ
8.Komorebi 

 

Steve Barry (p)
Kosuke Ochiai 落合 康介 (b)
Ko Omura 大村 亘 (ds , tabla)
Hiroyuki Ishikawa 石川 広行 (tp) #3,4,8

 

今日のおまけは、ピアニストご本人があげていた「SZ」。
残念ながら、トランペットの入った映像がみつかりませんでした。。

 

 

んじゃ、退散♪

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コメント

suzuck様コンバンワ。大村亘氏の前作、『Benign Strangers』の記事を拝見したら、なんとピアノがグレン・ザレスキーなんですね!
そして何より、これまた大いなる発見となったのは、ピアノのスティーブ・バリー。全然知らなかったのですが、youtubeでのいくつかの動画やitunes(「elements」と「Hach」というクラシックの現代音楽に近いアルバムが聴けます)を聴いて、これまた凄い逸材が登場したんだと嬉しくなりました。岐阜にも昨年の秋、大村トリオで来てたんですね。知らなかった。行きたかった。スティーブ・バリーは、ザレスキーのアプローチに近いピアニストで、好きなタイプなピアニストです。これから注目したいです。いつも貴重な情報ありがとうございます。

zawinulさまのお好きなグレン・ザレスキーがピアノでした。
仰る通り、素晴らしいピアニストですね。

このトリオは、クラウドファンディングでアルバムやツアーの資金を集めていたんですよ。
コロナ禍になってしまい、ツアーは延期?中止になってしまいました。
きっと、ツアーがあれば岐阜も行ったとおもいますよ。
そうそう、このアルバム、1日で録ったそうです。集中力素晴らしいですね。

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