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音楽で拡がる輪

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2020年5月

2020年5月31日 (日)

ダイナミクス溢れる展開が気持ちよい 『Sly / Reis Demuth Wiltgen』

Sly

 

 

ルクセンブルクの高校の同窓生だった3人。
ピアニストのミシェル・レイスとドラマーのポール・ウィルトゲンは、一時期は祖国を離れN Yで活動、現在は、2人とも祖国に帰国。
2人が祖国を離れている間も、ベーシストのマーク・デムスとの関係は続いていて、レコーディングやツアーを行っている。
でも、今回の4作目は同じ国にいるのですから、3人での時間がたっぷりあったと予想されますよね?
タイトルの「Sly」は、「ずる賢い」と、言う意味で、ルクセンブルクで皆んなが知っていて、愛されてる「ずる賢い狐、ルナール」に因んだもののようです♪

 

録音は、音の魔術師ステファノ・アメーリオで、彼の録音スタジオArtesuono Recording Studio。3人のオリジナル13曲。

 

 

オープナーは、ポールの曲で、短いリフを繰り返しながら変化していく「Snowdrop」。
ロック・テイストのドラムがかっこいい「No Storm Lasts Forever」、息のあった力強い演奏。
一転、しっとりと叙情性とストリーのある「If You Remember Me 」。
ポール作の「Fantastic Mr. Fox」、児童文学のロアルド・ダールの本のタイトルからとったのかな?
挑みかかるようなレイスの激しいピアノが聴ける。
躍動感、疾走感のある演奏「Silhouettes On The Kuranda」。
静かな暗闇を思わせる、ポール作「Viral 」。
ここから4曲レイスの曲が続く。
哀愁あるメロディ、流れるような演奏「Diary Of An Unfettered Mind」。
映画の一場面のような美しさ「Let Me Sing For You 」、流麗なピアノに高揚する心。
甘美なメロディ、情熱的な演奏「Venerdì Al Bacio」。
叙情豊かな演奏「Nanaimo」ベース・ソロにもうっとり…。
ポール作「The Last We Spoke」、繊細で緻密な3人の会話。
唯一のマーク曲「The Rebellion」、メロディアスに始まって、熱く熱くアヴァンギャルドに盛り上がる、6分弱。
終演は、朴訥としたメロディ、ゆったりした演奏で余韻を誘う、ポール作「Home Is Nearby」。

 

全部で55分ほどなので、1曲は3分〜5分くらいなので、次々と物語の場面が変わっていく感じ。
ダイナミクス溢れる展開が気持ちよく、圧倒的な3人の演奏力で、叙情的なメロディを繊細、緻密に聴かせま〜す♪

 

1. Snowdrop 
2. No Storm Lasts Forever 
3. If You Remember Me 
4. Fantastic Mr. Fox 
5. Silhouettes On The Kuranda 
6. Viral 
7. Diary Of An Unfettered Mind 
8. Let Me Sing For You 
9. Venerdì Al Bacio 
10. Nanaimo 
11. The Last We Spoke 
12. The Rebellion 
13. Home Is Nearby

 

Michel Reis (p)
Marc Demuth (b)
Paul Wiltgen (ds)

 

今日のおまけは、3人でのライブの様子。

 

 

また、来日してくれるといいですね。
しかし、コロナ禍前に録音したのに、「Viral」って、曲名!
先見の明でしょうか。。

 

んじゃ、退散♪

2020年5月27日 (水)

飾らず、真摯な姿が映る 『Piano Solo / Jun Furuya 古谷 淳』

Piano_solo_furuya

 

山梨在住で、幅広く活動する、ピアニスト、古谷淳。
バークリー音楽院卒業後、米国での活動を経て、山梨に帰郷し演奏活動を続けている。
ラジオで彼の音楽を聴き、気に入った、八戸の「Saule Branche Shinchõ」のオーナーの提案で実現したソロ・ピアノの録音。
場所は、あの南郷サマージャズフェスティバルでしられた「八戸南郷文化ホール」。

 

音楽家は、心のうちを音で表すもの。
だから、ソロの演奏はその人となりがはっきりと現れると思う。

 

ピアノに向かって、鍵盤に手をおけば、自己と向かい合うことになる。
オープナーの「Quiet Place」は、山中の人知れず存在する静かな湖畔に映った姿をみるよう。
朝靄の残る森に静かに分け入るよう。
少しずつ、少しずつ変化しながら「Memories of You」、花の香り、色彩を感じる、メロディの優しさそのまま、、ほのかに甘い空気。
「Into the Woods」、森の奥へ奥へ、心の奥へ奥へと旅する旅人に。
「Northern Keys」、1音1音を慎重に、感情を抑えたひんやりした感触、
一転、流麗なフレーズが繰り返される「Days」、微妙な変化、さりげない転調と、まるで日常の出来事を観ているよう。
なんだろう?って、思っていたら、、あの音が散りばめられはじめた「Giant Steps」、ざ・ん・し〜ん!
「The World Tomorrow」、淡々と時を刻む左手、優美に語る右手、その向こうに見えるものは?
内なる問いかけのように、静かに淡々とすすむ「Medium」。
終演は、透明感ある音色、美しいタッチでゆったりと弾ききった「Prayer」、、自分に向けてのエールのようなしっかりした演奏と余韻。

 

人の気配もない森の奥に潜む湖の湖面に映ったピアニストの自身を眺めるよう。
飾らず、真摯な姿の奥に、深く広い世界が広がっている。

 

 

1. Quiet Place
2. Memories of You
3. Into the Woods
4. Northern Keys
5. Days
6. Giant Steps
7. The World Tomorrow
8. Medium
9. Prayer

 

Jun Furuya 古谷 淳 (p)

 

 

今日のおまけは、アルバム作成の発案者、協力者、Saule Branche Shinchoさんがあげていた「Days」。

 

 

このアルバムは、一般の音楽の通販サイトには売られていません。
古谷氏のライブで購入するか、青森の「Saule Branche Shincho」さんで購入するか、
Jun Furuya Musicのウェッブ・ショップでの購入だそうです。

 

そして、ジャケットは、似顔絵家「笑達」氏が、録音中に傍で書いたもの。
飾らぬ自然体のピアニストの演奏姿が素敵ですね。

 

んじゃ、退散♪

2020年5月23日 (土)

今日と明日『TOKYO JAZZ +plus LIVE STREAM』無料配信、20時スタート!!

 

★『TOKYO JAZZ +plus LIVE STREAM』@5月23日(土)24日(日)★

 

とにかく、豪華なメンバーをみてみて!
メンバーみてくださいよ。(HP)から、お借りしてきました!

 

Live_stream_0522

 

 

これだけのメンバーが勢揃いしすれば、きっと、きっと、気分はお祭りっ。

 

 

今日、明日の2日間、20時スタートですぜ!
太っ腹の無料配信です!

 

ええと、、
コロナ禍の影響で中止となってしまった今年の東京ジャズ。
私もチケットを買っていましたよ。
ホール聴きの予定だったのですよ!

 

でも、首都圏は、未だに緊急事態宣言の対象地区。
もう少し、「Stay Home」。

 

私の住んでいる新潟では、手洗い、マスク、ソーシャル・ディスタンスに気をつけながらも、
日常がかなり動き出してます。
先週の日曜日には、村上市にお墓参りに行き笹川流れまでドライブをし、夜は地元のイタリアンに行きました。

 

水曜日は、市内の中心の繁華街にある和食のお店にも行ってきました。
「Stay Home」は、もちろん、、とても有効なことだけど、
「Stay Safe」を考えながらも、開いているお店に、足を運ぶことも、
これからは、とも大事になってくるはず。

 

市内も、まだ、ライブ・ハウスでのライブはありません。
慎重に、世の中の動向を見極めている。
オンラインでは、毎日、把握できないくらい沢山のライブ配信がある。
ライブに行かずとも、好きな演奏家の演奏を聴き、ときには寄付をすることも可能。

 

でも、東京ジャズが、無料配信でジャズ・フェスを敢行してくれたのは、とても、嬉しかったな。。

 

タイムテーブルの事前発表はなく、オンデマンド配信も無しなんだって。
生配信を見逃さないようにしなくちゃ、、とにかく、楽しみですね。

 

んじゃ、退散♪

 

2020年5月21日 (木)

鋭い感性と、積み上げられた知性が同居する 『Talk, Vol.1 / Polyglot』

Talk_vol_1

 

 

世界的視野で活動しているドラマー、タブラ奏者、コンポーザーの大村 亘。
様々な光景を浮かび上がらせる才能豊かな人。
前作、デイビー・ムーニーと双頭のアルバム『Benign Strangers』は、ブルックリンで活躍する気鋭のコンテポラリージャズの奏者たちとのアルバムでした。

 

今回は、ニュージーランドの若手気鋭のピアニスト、スティーブ・バリーと、全身全霊でベースを弾く落合 康介とのトリオ「Polyglot」に、トランペッターの石川 広行が3曲に参加。バリー5曲、大村2曲、落合1曲、全8曲、全てオリジナル。

 

オープナーは、バリー作「Nagoya」。低音の響きががとても知的でスケール感の大きな演奏。
ピアノの向こうのベースとドラムの動きに隙がなく、1曲目から心を持っていかれる9分超え。
大村作「825」、大村さんの誕生日は8月29日だし、、この数字はなんだろうなぁ、と、思いつつ、3人のソロに聴き惚れた…
バリー作「A.S.P.」、ドラムのソロが大きくフィーチャーされ、トランペットが躍り出る。
4人の力が結集している即興演奏、いわゆる熱いとは、、ちょっと違う緊張感の高さが面白い。
バリー作「Paul」、音数もテンションも抑えめ、ゆったりしたトランペットの音色の美しいこと。
ハービー・ニコルスぽいセロニアス・モンク風?ピアノのフレーズに思わずニヤリとしてしまう、落合作「Nicholstrophy 」は、個性的な音の響き。
バリー作「Plato」、優雅で聡明な雰囲気に満ちたベース、ピアノのソロが心落ち着く。
大村作「SZ」、ノリノリでトリオのソロ回し、後半のドラムフィーチャーの軽快作。
終演は、バリー作「Komorebi」、日本語の「木漏れ日」、タブラの音色で不思議な音空間に。
木漏れ日のきらきら感あるピアノと、時の流れのようなトランペットが時々交差しながら音をちりばめていく。。

 

3人の緻密で息の合った斬新な演奏。
そこにトランペットが入って、、より自由に創造豊かな音楽に。
鋭い感性と積み上げられた知性がいい塩梅に同居する1枚。

 

 

1.Nagoya
2.825
3.A.S.P.
4.Paul
5.Nicholstrophy 
6.Plato
7.SZ
8.Komorebi 

 

Steve Barry (p)
Kosuke Ochiai 落合 康介 (b)
Ko Omura 大村 亘 (ds , tabla)
Hiroyuki Ishikawa 石川 広行 (tp) #3,4,8

 

今日のおまけは、ピアニストご本人があげていた「SZ」。
残念ながら、トランペットの入った映像がみつかりませんでした。。

 

 

んじゃ、退散♪

2020年5月19日 (火)

ジョシュア、メルドー、マクブライド、ブレイドの26年ぶりのカルテット!

★『RoundAgain / Joshua Redman Brad Mehldau Christian McBride  Brian Blade』★

 

Roundagain

サックス奏者の雄、ジョシュア・レッドマンが仕掛けたアルバムは、1994年の『MoodSwing』以来約26年!振りとなるスーパー・カルテット。
当時から、すでにスターだった4人だけど、それぞれの楽器で「神」の存在となった彼らの再結成は心躍りますよね!

 

26年前の結成時からジョシュアは、「このバンドの活動は長く続かない」と思っていたようですね。そう、既に全員が引く手数多のカリスマ的存在だったから。
それから、全員が最前線で忙しかったわけですね。。

 

しかし、長いブランクを感じさせない渾身の1曲がネットにあがってますね
アルバムにも収録される「Right Back Round Again」のライブ版で腰抜かしましょ〜♪

 

 

7月10日が楽しみですね♪

 

んじゃ、退散♪

2020年5月17日 (日)

人生は、まさに即興の連続…『Solo Extemporization / Makoto Nakamura 中村 真 』

Solo_extemporization

 

大阪出身、即興の質に拘り続けるピアニスト、中村 真。
2019年の銀座王子ホールでのピアノ・ソロの「露玉もゆら」コンサートから前半のスタンダード演奏から3曲と後半の即興演奏を録音したアルバム。

 

「露玉もゆら」とは、ご本人のライナー・ノーツによれば、

 

葉っぱにつく朝露の水滴同士がころころと転がり、ぶつかり合う音。それは音として感知出来ないかもしれない。しかし確実に存在するであろう微かな音。ピアノのほんの微かな音の違いや変化まで聴かせたい、そういう想いで2011年から綴ってきたコンサートシリーズ「露玉もゆら」。

 

優しく穏やかに奏でる「My One and Only Love 」からはじまる。
少しずつ、折りたたまれていた想像の翼が広がっていく。
世の中の喧騒を忘れ、心安らぐ世界への誘い。小さな一音で演奏は終わる。
拍手の後に「Blue in Green」、孤独な音色でメロディが奏でられる。
同時期に、トリオで録音した『RUBY』でも演奏している。
今回、同時発売した昔のピアノ・ソロのアルバムにも入っている、もちろん、全部違う演奏、、愛想曲なんでしょうね。
どんどんと力強さが増していき、開放的でダイナミックな演奏が続き、最後の一音の余韻が残る。
再び、拍手のあとに「The Song is You」、冒頭から冒険にでる。
解き放され、縦横無尽に野原を駆け回るごとく、次から次にインスピレーションが湧き上がってくる明快な演奏が続き大拍手。
会場内の観客と一体となっている様子が窺える。

 

終演は、コンサートの後半に演奏した30分超えの即興演奏「Solo Extemporization」。
大河のはじまりの一滴のような1音から始まり、ゆっくりとフレーズが繋がっていく。
彼の内側での呼応ではじまり、時空を超えた壮大な空間を巻き込んでいく。
まるで宇宙創生の物語のようであり、人類史のようであり、彼の赤裸々な告白のよう。
自発的、創造的、かつ自由自在にシーンを演じてる。
さまざまな音が散りばめられ、美しいけれど毒婦のような怪しさをももった柔軟なピアノ。
中盤過ぎくらいの漆黒の闇を連想させる狂気な感じが好きですよ。
最終章に向かい強く激しくピアノを連打し、緊張感みなぎる演奏を一撃で終演に。

 

人生は、まさに即興の連続…今を即興で生きている。
そんな当たり前のことを思いださせてくれる時間。
自己との対話とは、よく言い表したものですよね。

 

1. My One and Only Love 
2. Blue in Green 
3. The Song is You
4. Solo Extemporization 

 

Makoto Nakamura 中村 真 (p)

 

今日のおまけは、ご本人があげていた「Solo Extemporization」。

 

 

同時発売の2005年のピアノ・ソロの再発2舞組もおすすめ。

 

★SOLO PIANO vol.2 Standards / vol.3 紡がれた印象★

 

Solo_vol2_vol3

 

vol.2 Standards

 

1. Waltz In Adventure 
2. Autumn Leaves
3. In A Sentimental Mood 
4. Corcovado
5. All The Things You Are 
6. Up Jumped Spring 
7. I Thought About You 
8. Con Alma
9. The Days Of Wine And Roses 

 

vol.3 紡がれた印象

 

1. Spring Can Really Hang You Up The Most
2. That Sunday That Summer
3. A Contrast Of The Two D Majors
4. 風湖
5. The First Water
6. Blue In Green
7. くまさんのワルツ
8. Improvisation~Erotic Blue
9. 夏の思い出
10. Improvisation~ Bluespotted Mudhopper
11. Improvisation~Erotic Blue

 

今日は、知人のお墓参りにいく予定です。
五月晴れの日に、自ら天国に登ってしまいました。
 
んじゃ、退散♪

 

2020年5月13日 (水)

アーロン・パークス、『Little Big』の続編もカッコよすぎ!

★ Little Big II: Dreams of a Mechanical Man / Aaron Parks ★


 


Little_big_ii


 


『Little Big』の続編がリリースされた。
すでに、各種サブスクなどで音源が聴けちゃいます。


日本では、日本盤CDの発売が六月末なので、輸入盤CDにしてみましたが、、
到着は、5月末か6月頭のようです。。なので、聴いちゃったもん。。


 


アーロン・パークスとグレッグ・トゥーヒーの二枚看板、大活躍!



って、感じですか?


 


Apple Musicをはりつけておきますね。


 



 


 


飲食店の自粛的テイクアウトがはやりですが、、


新潟の状況では、、お店をあけているところには、、


できるだけ足を運んであげたいと思う今日この頃。。がんばれ私!


 


んじゃ、退散♪

2020年5月10日 (日)

感謝を捧げたい…とても深い作品 『Atomic Bass / Giuseppe Bassi』

Atomic_bass

  

ジュゼッペ・バッシは、イタリアのベーシスト、作曲家。イタリア国内だけでなく、世界各国で名だたるアーティストと共演。リーダー作始め、多くの作品で演奏する、イタリア・ジャズの重要人物の1人。
 

  

ピアニスト&ヴォーカルに栗林 すみれ、スペイン生まれ 、アルゼンチン 育ちのマルチ ・リー ド奏者、ハビエル・ジロット、イタリアのドラマー、ジョヴァンニ・スカーシャマッキアが参加。
ジャーナリストのアントニオ・モスカテッロ氏が、曲にインスパイアされた詩と朗読など、、他にもゲストがいる。

  

オープナーは、「Lei e'」、バッシの曲、ジロットのケーナが素朴な味わい、そこに重なる栗林のヴォイス、じんわり温か。
疾走感ある栗林の「Forest and an Elf」、躍動感あるソプラノサックスとピアノ後ろの力強いベース。
詩の朗読が入る「Cattiva Lullaby」は、バッシの愛猫の曲とか、、温かな音色のベース奏でられるソロ、メロディをピアノ、サックスと引き継ぎ穏やかな時間。
ヴォイスとベースがユニゾンで始まる「2 de Abril」は、ジロットの哀愁曲、艶やかでどこか妖艶な雰囲気が素敵。
栗林の独唱ではじまる「Kojo No Tsuki 荒城の月」、ケーナの音色も郷愁を誘う。感情の高まりを経て、福島で独り暮らしをしている佐々木さんのハーモニカの音色が寂びしさを誘う。
栗林の曲「Halu」は、アコーディオンがゲストで参加、ゆったりした曲調ながら、バッシの高速超絶ソロをはじめメンバーの丁々発止が繰り広げられる。
ピアノ弾き語りはじまる栗林の「Children's Mind」、野原を遊びまわるようなメンバーの遊び心ある演奏が楽しい。
「Dark Wave」、あの大きな津波の事でしょう。人の心に盛り上がる恐怖のことでしょう。
激しい不安の中に詩が重く響く。。
シームレスに続く「Ombre nel buio」、叙情的なメロディ、情感ある演奏。
「Odaka」、湧き上がる感情の発露。
朗読とベース・ソロで始まる「The Loneliness of Godzilla」、哀愁とファンキーが同居。スカーシャマッキアのドラミングが演奏をプッシュ♪
ボーングで始まるドラマチックな「Odaka」の別ヴァージョン。
終演の別ヴァージョン「Lei e' 」は、朗読が添えられて。。強く想いをこめて。。

  

力強く正確なピッチで情感豊かに歌い上げるベースを中心に、才能溢れるメンバーたちが、詩情的なメロディで、芸術性高く彼らの想いを描きだす。
「アトミック・ベース」の背景を知らずとも、その演奏に引き込まれるはず。

  

 日本人、地球人としての大事な事に気づかしてもらう、大変意味深い作品。彼に感謝の気持ちを伝えたい。
「傷ついた人たちに温もり」をありがとうございます。

  

1.Lei e'
2.Forest and an Elf
3.Cattiva Lullaby
4.2 de Abril
5.Kojo No Tsuki
6.Halu
7.Children's Mind
8.Dark Wave
9.Ombre nel buio
10.Odaka
11.The Loneliness of Godzilla
12.Odaka (Alternative Version)
13.Lei e' (Alternative version)

  

Giuseppe Bassi (b)
Sumire Kuribayashi (p , vo)
Javier Girotto (ss, quena)
Giovanni Scasciamacchia (ds)
Antonio Moscatello (poetry, reading)
Vince Abbracciante (acco) #6
Hsueh Ju Wu (b) #12
Sasaki Seimei ( harmonica) #5

  

今日のおまけは、「Lei e'」

  

  

  

★ 「アトミック・ベース」★

  

自然や人間の苦しみを癒すための音楽を創り出したいとのジュゼッペ・バッシの想いから生まれたプロジェクト。
メンバーには、彼が2018年のイタリアでの公演で一聴惚れした日本のピアニスト、栗林 すみれがいる。
 彼女によると、東日本大震災で放射能により立ち入り禁止区域に指定された南相馬市小高区の人達の境遇に関心を抱き、

 

「全てを失くしてもまた一からその土地で生きようとする彼らの強さは何処から来るのかを知りたい、そして、その方々の為に演奏したい」

 

と、2019年に、アトミック・ベース・カルテットのツアーで来日した際に、小高の家々を訪ね、ベースを弾き、小高の人達とひとときを過ごしたとのこと。
その体験が、このアルバムに繋がっている。

  

  

んじゃ、退散♪

2020年5月 9日 (土)

マルチン・ボシレフスキ・トリオが新譜を出す♪

『Arctic Riff / Marcin Wasilewski Trio with Joe Lovano 』

 

Arctic_riff

 

 

5月の終わりに、ECMから新譜を出すようですね。
なんと、今回はアメリカのレジェンド、サックス奏者のジョー・ロヴァーノとの共演です。
amazon musicでは、2曲が公開になってるのですが、Apple Musicでは、一曲だけですよね?
オープナーの「Glimmer Of Hope」での、マルチンのピアノの透明感ある美しさにいきなりやられますっ!
「Vashkar」少しダークで温かみのあるロヴァーノのサックスと透明感あふれるマルチンのピアノが、有機的にからまって、、
徐々にアブストラクトになり、熱くなる様に、高揚し、アルバムに期待してしまいますよね!

 

とりあえず、ご本人たちがYouTubeにあげていた「Vashkar」をつけておきま〜す。

 

 

2曲視聴できる、amazon musicも貼り付けておきますね。

 

 

んじゃ、退散♪

 

2020年5月 6日 (水)

心の故郷を呼び起こす 『Americana / Grégoire Maret』

Americana_20200429112901

 

スイス出身のグレゴア・マレ、誰もが認める亡きトゥーツ・シールマンスの後継者。パット・メセニーの『From This Place』で深遠な演奏が、話題になったハーモニカ奏者。メロウで温かな落ち着いた音色で様々メロディを奏でます。
ハーレムに生まれた母親のもと育ったので、欧州とアメリカの二つの文化を常に意識していたとのこと。
新譜は、ニューヨークで出会って意気投合したフランス出身のピアニスト、ロメイン・コリンとアメリカの音楽を探るプロジェクトに着手することに。
そこで、その権威者のひとりであり米国生まれ、米国育ちのギタリスト、ビル・フリゼールに声をかけ、アメリカの情景を描き上げることに。
数曲で、ドラマー&パーカッションのクラレンス・ペンが彩りを与えています。

 

オープナーは、イギリスのバンド、ダイアー・ストレイツの「Brothers in Arms」。
ゆったりと、、遠くを見つめる演奏に、郷愁が溢れ出る。
フリゼールのギターとバンジョーの多重録音が効いている「Small Town」、素朴なメロディにジンとくる。
小さな窓から見える雨降りの景色が浮かんでくる「Rain, Rain」もフリゼールの曲。
コリンの「San Luis Obispo」は、優しくハッピーに。
物語が見えてくるような、感情の起伏をもった「Back Home」はマレの曲。
ジミー・ウェッブの「Wichita Lineman」、フリゼールとマレの重なりが哀愁の極み。
マレの「The Sail」、大きな空間、飛翔感、マレとコリンの未来への希望を感じる。
ボン・イヴェールの「Re: Stacks」、エレクトロニクスの音響的な響、フリゼールのカッティング、多重録音で自然に重なる空間。
終演は、コリンとマレの連名になっている「Still」、エレクトロニクスの響が「次」への誘いのよう。

 

ゆっくりとしたテンポで語られる、ブルース、カントリー、ブルーグラス、ゴスペル…アメリカのルーツ音楽が混じり合い、アメリカの原風景を強く感じ、オープナーから郷愁が溢れ出し、琴線に触れまくる音風景が続く。
マレのハーモニカの響きには、敬虔な祈りにも似た深みがあり、胸が自然と熱くなる。3人が創造した牧歌的なアメリカの物語。
クラリス・ペンは、ドラムというより、パーカッション的な参加のしかたで、曲を彩り空間を埋めていました。それは、居ることを気がつかないくらい自然で、流石としか言いようがありません。

 

不思議なのは、アメリカの原風景を描いた作品だけど、日本人の私にもハートど真ん中を直撃の郷愁を感じます。
誰もが持っている、心の故郷を呼び起こす、と、いうことかなぁ。。

 

 

1.Brothers in Arms
2.Small Town
3.Rain, Rain
4.San Luis Obispo
5.Back Home
6.Wichita Lineman
7.The Sail
8.Re: Stacks
9.Still 

 

Grégoire Maret (harmonica)
Romain Collin (p, Moog Taurus, pump organ ,additional effects)
Bill Frisell (el-g, aco-g , banjo)
Clarence Penn (ds)

 

今日のおまけは、レーベルがあげていた「Re: Stacks」。

 

 

「緊急事態宣言」の延長によって、世の中は先の見えない長いお休み状態。
我が家も外出を極力控えて、、こんなに、家にいるのは、ん10年ぶり!!
で、、ついつい、、ネット通販してしまいますですねぇ。汗
とりあえず、明日からお仕事がはじまります。。

 

んじゃ、退散♪

2020年5月 5日 (火)

GoGo Penguinの新譜が、でるんだって〜♪

『GoGo Penguin / GoGo Penguin』

 

Gogo_penguin

 

新世代ピアノ・トリオ、ゴーゴー・ペンギンのブルーノート3枚目のアルバムがリリースされますよ〜♪

 

エレクトロニクスを多用したサウンドのようなんだけど、アコーステティックの楽器で演奏する「アコースティック・エロトロニクス」って、不思議なスタイルで大人気っす。
超絶極まりないのだけど、なかなか美しい独自のサウンドです。
今回は、自分たちのバンドの名前をタイトルにした、渾身の一作のようでっす!

 

今日のおまけは、新譜からの1曲「Atomised」。
どうやら、メンバーのお気に入りのようで、彼らのHPに張り付いてました。
のっけから、ゴーゴー・ペンギン!って、感じ。笑

 

 

baikinnmannさま、情報をどうもありがとうございました。m(_ _)m

 

「緊急事態宣言」は、延長となりましたが、、
明日で、我が家の連休はおしまい。
7日からは、通常通りお仕事です。
皆さんは、、どんな感じでしょうねぇ。。?

 

んじゃ、退散♪

2020年5月 4日 (月)

宇宙のファンタジー♪ 『It Is What It Is / Thundercat』

It_is_what_it-_is

 

超絶ベーシストで、ヴォーカリスト、コンポーザー、音楽プロデューサーのステファン・ブルーナーのサンダーキャット名義のソロ・アルバム。
ご本人は、最近、グッとスリムになって、独特のオシャレ度アップ、<サウンドはメロウ&メランコリック感増しましっす。

 

豪華ゲストと歌いあげる曲の数々。
オープナーから、妖しく美しいファルセットを操り、コズミックな宇宙を漂う美しいサウンド。
シームレスに次々とつながっていく曲、、まるで、SFのファンタジー映画でも観ているよう。
時折、懐かしい気分になるのは、過去の音楽を呼び起こすからだろうか。
16曲で、40分弱、電子万華鏡でも眺めるようカラフルで微細な世界。

 

見えないウィルスに怯え、日々を戸惑う我々の、ダンサンブルなストレス・バスター。
極上メロウ&メランコリックで宇宙を行き交うファンタジーなサウンドに酔いしれて〜。

 

日本版には、マイケル・マクドナルドが参加してる「Bye For Now」が追加。
歌詞対訳とジャズ評論家 柳樂 光隆氏のサンダーキャットの今が詳細にわかる解説書が入ってま〜す。

 

1. Lost In Space / Great Scott / 22-26
2. Innerstellar Love 
3. I Love Louis Cole (feat. Louis Cole)
4. Black Qualls (feat. Steve Lacy, Steve Arrington, & Childish Gambino)
5. Miguel's Happy Dance
6. How Sway 
7. Funny Thing
8. Overseas (feat. Zack Fox)
9. Dragonball Durag
10. How I Feel
11. King Of The Hill
12. Unrequited Love
13. Fair Chance (feat. Ty Dolla $ign & Lil B)
14. Existential Dread
15. It Is What It Is
16. Bye For Now (feat. Michael McDonald) *Japanese Bonus Track

 

 

今日のおまけは、ご本人があげていた「Fair Chance (feat. Ty Dolla $ign & Lil B)」。

 

 

 

 

ええとですねぇ、、我が家では、おうちバーのBGMとかでっす。

 

んじゃ、退散♪

2020年5月 3日 (日)

「#好きな曲を言って4人指名していくリレー」が、きましたです♪

「#好きな曲を言って4人指名していくリレー」

 

新潟市内で古本屋さんブック・オーレを営んでいるキムリンさんのパートナーmayuさんからの、嬉しいご指名だったのですが、、
他の人に回す、、勇気がないので、、

 

自分で4曲選びましたぁ。笑

 

ギタリスト本人が歌ってる曲、とういう、縛りをつけてみましたよ。
mayuさん、、ちゃんと繋げなくて、、ごめんね。m(_ _)m

 

 

★「Little Wing」  Jimi Hendrix★

 

 

 

 

 

★「Gravity」 John Mayer★

 

 

 

 

 

 

★「While My Guitar Gently Weeps」 George Harrison★

 

 

 

 

 

★「Heart of Gold」 Neil Young★

 

 

 

 

 

脈絡ないですよねぇ。。。
で、、「Little Wing」は、酔っ払うと、、YouTube地獄に落ちる困った曲です。。

 

 

やっと、連休になって、ちょっと、ホッとしてますです。
お休みできないお仕事の方々、、本当にご苦労さまです。m(_ _)m

 

んじゃ、退散♪

2020年5月 2日 (土)

想像力豊かに弾きまくる皇帝! 『Angels Around / Kurt Rosenwinkel Trio』

Angels_around

 

現代ギターの帝王、カート・ローゼンウィンケルの新譜は、ギター・トリオで、スタンダード集!
と、言ってもジョビンの曲やジャズ・ミュージシャン曲、カートとベースのダリオ・リーダが1曲ずつ。
2009年の『Reflections 』の時のような、いわゆるジャズ・スタンダードとは、、ちょっと違いますね。
メンバーは、イタリアの天才ベーシスト、ダリオ・デイッダ、NYで活躍するドラマー、グレッグ・ハッチンソン。

 

聴く前から、ワクワクがとまりませんぜ。

 

オープナーは、セロニアス・モンクの「Ugly Beauty」
自由自在にフレーズを繰り出し、宇宙を駆け抜けるような浮遊感。
美しすぎて、いきなり、心鷲掴み。
ポール・チャンバースの「Ease It」、高速難解フレージングをバシバシ繰り出すカート、負けず劣らずの凄腕ベース・ソロで対抗のダリオ、二人に瞬時に反応するグレッグ。
チャーリー・ミンガスの「Self Portrait in Three Colors」、超絶ベース・ソロ、超絶ギター・ソロ、超絶でも2人とも歌いまくって素敵な雰囲気。
カートのオリジナル「Simple #2」は、冒頭から高速畝るギターが気持ちいい。が、、なぜにタイトルがSimple…。つくづくと凄さを感じる10分近い渾身の演奏。
ジョー・ヘンダーソンの「Punjab」、キメキメの部分のギターとベースの重なりがかっこいい!
不思議なムードで始まった、ビル・エヴァンスの「Time Remembered」。ミステリアスで魅力的。色彩感覚が美しい♪
タイトル曲、ダリオのオリジナル「Angels Around」、グレッグのロック・テイストのドラムにおされて、カートの早弾きが加速、ダリオのベースもノリノリ。

 

と、日本版ボーナス・トラック。
転調大好きカルロス・ジョビンの美しい「Passarim」、メロウで心地よい中に、超絶が盛りだくさんで終演。

 

ベースのダリオが双頭に匹敵するくらい素晴らしい!凄い!!
ドラムのグレッグは一見オーソドックスだけど、どんな場面にも対応、流石っす。
で、皇帝、、ジャズの大先輩へのリスペクトはもちろん、ジャンルを超えて様々な音楽などの影がいい具合にまぜこぜ。
やっぱり、想像力豊かに弾きまくる皇帝は、最高でっす。

 

 

1.Ugly Beauty
2.Ease It
3.Self Portrait in Three Colors
4.Simple #2
5.Punjab
6.Time Remembered 
7.Angels Around
日本版
8.Passarim  - bonus track

 

Kurt Rosenwinkel (g)
Dario Deidda (b)
Greg Hutchinson (ds)

 

今日のおまけは、レーベルがあげていた「Ugly Beauty」。

 

 

どうなんでしょ。
連休?は、半分すぎたのかなぁ・・・。。??
我が家は、もう半日!がんばると、連休なのです。

 

んじゃ、退散♪

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