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音楽で拡がる輪

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2020年4月

2020年4月29日 (水)

『ジャズ批評 215号』がでました〜♪

『ジャズ批評 215号』がでました〜♪
215

 

特集は、NEWスタンダードを探せ!!
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『未来に残したい“NEWスタンダード”アンケート 』
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「あまり知られていない古いミュージカルや映画の楽曲、近年ジャズでよく取り上げられるロックやポップスの名曲、ジャズミュージシャンのオリジナルナンバーなど”未来のスタンダード”になり得る楽曲を紹介しようという企画」
アンケートに応募して、3曲選んでみました。
私の選考基準は、、
ライブで演奏されると嬉しいアーティスト曲。終演後に、ほんわか幸せ気分になれることも条件の一つ。
そして、歌詞はないのに、「鼻歌できる感」がキメてでしょうか。。

 

★「James」(Lyle Mays / Pat Metheny )★
『Offramp / Pat Metheny Group』
好きなカバーは、
『Straight Up / Bob James』

 

★「My Song」(Keith Jarrett)★
My Song / Keith Jarrett  
好きなカバーは、
『One Quiet Night / Pat Metheny

 

★「Lawns」(Carla Bley)★
Sextet / Carla Bley 
好きなカバーは、
『A Moment's Peace / John Scofield』

 

●●●●◎◎◎◎●●●●
    追悼 行方 均氏
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この3月13日に、鬼籍に入られた音楽プロデューサー・評論家の行方 均(なめかた ひとし)氏の追悼特集です。所縁のあった方々の、故人を偲ぶ言葉が並んでいます…。
私も『ブルーノート・ブック 』持ってます。
心より、ご冥福をお祈りいたします。

 

いつもの「新譜紹介」は、4枚。

 

「New Disc Pick Up」は、2枚。
長いお休み、、
どれだけ音楽や本と仲良くできるか。。。?
庭の手入れや、部屋の掃除、、不得意科目を無くしたいですねぇ。
んじゃ、退散♪

2020年4月26日 (日)

鋭い知性と豊かな情感を併せ持った 『Secrets Are The Best Stories / Kurt Elling (feat. Danilo Perez)』

Secrets_are_the_best_stories

 

グラミー「最優秀ジャズ・ボーカル・アルバム賞」の受賞のヴォーカリスト、カート・エリング。
華麗なスキャットを得意とし、抜群のテクニックを誇る王道実力派。
常に、挑戦し続ける彼は、ブランフォード・マルサリスやブラッド・メルドーとの共演もある現状に甘んじない勇者!

 

今回は、あのウェイン・ショーター・カルテットの現場の司令塔ともいえる、パナマ出身の天才ピアニスト、ダニーロ・ペレスとがっつり四つに組んだ作品。
有名アーティストの少しマイナーな曲を中心に選曲し、歌詞のない曲はエリング自身が作詞を手がけている。
曲によっては、詩人や作家など彼らの思い入れのある人物に捧げられてたりする。
また、人権、移民、気候変動といった重要な問題に対する彼ら強い政治的メッセージもある。

 

オープナーは、米国の詩人フランツ・ライトの「The Hawk」という詩に触発され、ジャコ・パストリアスの音楽をベースにした「The Fanfold Hawk」、エリングとベースのクラーク・サマーズとの親密なデュオで、始まる。
同じくジャコの曲をベースにし、シームレスで始まる「A Certain Continuum」、ピアノ、パーカッション、ドラム、が加わりスリリングに。甘さを排除したペレツのピアノ!
キューバのパーカンションと3人で進める「Stays」、ウェイン・ショーターの音楽にロバート・ピンスキーの詩を乗せた演奏は、ヴォーカリーズのようにも聴こえてくる。
ペレス作曲、エリング作詞の「Gratitude」は、ロバート・ブライへと書かれている。

 

イギリスの作曲家、マルチ楽器奏者、ジャンゴ・ベイツの曲は、「Stages I,II,III」とあって、作詞はノルウェーのヴォーカリスト、シゼル・アンデルセン。エリングのクルーナーとしての実力と、ペレスの知的で冷んやりとしたフレージングで、息のあった静寂な世界。
その間に入るのが、アルト奏者の/ ミゲル・ゼノンと、ジョナサン・ブレイクが加わった彼のオリジナル「Beloved」。即興性が高く、各自のレベルの高さを強烈に感じる1曲。

 

国境の川で溺れて亡くなった移民の親子に捧げられた「Song of The Rio Grande」は、二人の抗議の声。ペレスの多様なリズムで感情が大きく増幅される…
キューバのSSWシルビオ・ロドリの「Rabo de Nube」は、スペイン語?で堂々と。
パーカッションも加わったヴィンス・メンドーサの「Esperanto」、ギタリストのシコ・ピニェイロがフィーチャーされカラフルで鮮やか。

 

終演は、「Epílogo」と、名付けられた非常に短いペレスの曲をソロ・ピアノで。
スケール感は大きくとも感情を抑えたクールな演奏が余韻を生む…

 

ペレスは、研究熱心で音楽に真摯に立ち向かう人。祖国パナマの歴史を「仮想映画風」に仕立てた一大スペクタルなCDも出してる、人としても大きな人。
4オクターブの声域を自在に操るエリングが、選んだ相手に間違いなし。

 

明るさやポップな部分は少ないけれど、2人の鋭い知性と豊かな情感を併せ持った演奏が詰まってます。
現代ジャズの最前線に立つジャズ・ヴォーカリストが真髄発揮でっす。

 

 

1.The Fanfold Hawk (for Franz Wright) 
2.A Certain Continuum 
3.Stays
4.Gratitude (for Robert Bly) 
5.Stage I 
6.Beloved (for Toni Morrison) 
7.Stages II,III 
8.Song of The Rio Grande (for Oscar and Valeria Martinez-Ramirez) 
9.Rabo de Nube 
10.Esperanto 
11.Epílogo 

 

Kurt Elling (vo)
Danilo Pérez (p , rhodes)

 

Clark Sommers (b)
Chico Pinheiro (g)
Miguel Zenón (as) #6
Johnathan Blake (ds) #2,6
Rogério Boccato (perc) #3,4,6,10
Román Díaz (perc) #2

 

今日のおまけは、ご本人があげていた、ペレスとのデュオの「Stages I」。

 

 

どうでしょ?
私的には絶賛なんですが。。

 

んじゃ、退散♪

2020年4月25日 (土)

汚れなき音風景 『Vibrant / Hitomi Nishiyama 西山 瞳』

Vibrant_20200421164501

 

最近は、「鋼鉄のジャズ女」としての顔が一般的に知られるようになったピアニストの西山 瞳さん。ヘヴィメタル・カヴァー・プロジェクトのNHORHM(三部作)が終了し、挑んだのはピアノ・ソロのアルバム。
前作のソロ作品『Crossing』が10作目であったとのことで、20作目となる新譜『Vibrant』も、ピアノ・ソロの作品に。全9曲オリジナル。
全国の流通開始は6月のようですが、ご本人からの通販で既に購入できま〜す。

 

オープナーは、一音一音を愛しむように奏でられる「Empathy」、いきなり、身を清められます。
哀愁を纏いつつ、流麗な演奏に、生き生きとした息遣いを感じるタイトル曲「Vibrant」。
叙情的でクラシカル、郷愁の香りの漂う「Recollection」。
内省的で静寂な演奏「Until The Quiet Comes」、時を操るような左手が印象的。
流れるような動き「To The North 」、胸の高まりを感じる。
仄かに甘さを感じる「Hand In Hand」、感情豊か優しい演奏…温かな気持ちに。
様々なイメージが膨らんでいく「Behind The Door」。
冷んやりした不穏な空気の中、次々と場面が展開していく「Snow Train」、ミステリアス。
終演は、昨今の情勢の中、多くの人の気持ちを代弁するような「I’m Missing You」。
胸の内を吐露するような…穏やかでいながら力強さも感じる美しい演奏。
この美しいメロディが風に乗って、大切な人に届きますように。

 

ファツィオリのグランド・ピアノに独り向かい合うシンプルな空間。
クリアな音から導き出される汚れなき音風景。
身が清められま〜す。

 

1.Empathy 
2.Vibrant 
3.Recollection 
4.Until The Quiet Comes 
5.To The North 
6.Hand In Hand 
7.Behind The Door 
8.Snow Train 
9.I’m Missing You 

 

Hitomi Nishiyama 西山 瞳 (p)

 

今日のおまけは、レーベルのあげていたプロモです。

 

 

ゴールデン・ウィークという言葉は、、今年はご法度ですね。
旅行好きな我が家も、お家でガーデニング、お家で読書、お家で映画、、
お家、お家でうんざりだけど、>お家に帰れず働いている人たちから比べれば、
素晴らしい休日、ゴールデン・ウィークということですわ。
社会を支えてくださっている方々に、心から感謝を申し上げます。m(_ _)m

 

んじゃ、退散♪

2020年4月19日 (日)

彼女の現在・過去・未来が見えてくる 『The Women Who Raised Me / Kandace Springs』

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米国ナッシュビル出身のキャンディス・スプリングス。
新譜の内容は、タイトルそのままで「今の自分をつくりあげた」と、彼女が語る、女性ヴォーカル曲のカヴァー・アルバム!
彼女が13、14歳のことから聴いてきた憧れのおねえさまたちをリスペクトしたアルバム。

ブルーノートの未来を担うとされる歌姫だけあって、曲によって参加する、>現代ジャズを牽引するアーティストが超豪華。クリスチャン・マクブライド、ノラ・ジョーンズ、デヴィッド・サンボーン、アヴィシャイ・コーエン、クリス・ポッター、エレーナ・ピンダーヒューズをフィーチャリング。
レコーディング・メンバーもギターにスティーヴ・カーデナス、ベースに、スコット・コリー、そして、ドラムはクラレンス・ペンといった、一流のメンバーが並んでますよ。

オープナの「Devil May Care」、クリスチャン・マクブライドのグルーヴィなベースから始まって、ハスキーにちょっとハスに構えた雰囲気は、ダイアナ・クラールにインスパイアされたもの。
何処か土の匂いのするノラ・ジョーンズのヴォーカルと歌い上げるのは「Angel Eyes」は、エラ・フィッツジェラルドの影を感じ重厚で粘り腰。
デヴィッド・サンボーンと共にエモーショナルにシャウトする「 I Put A Spell On You」、大きな魂のよりどころニーナ・シモンへの賛歌…感情を絞り出したような心の叫び。
アヴィシャイ・コーエンのトランペットが叙情的に響くシャーデーの「Pearls」、ミステリアスでスムージーなヴォーカルとベスト・マッチ、悲しみが胸に沈み込む。
一転、ポップで気だるくローリン・ヒルの「Ex-Factor」、フルート界の新鋭エレーナ・ピンダーヒューズが歌うようにストレートに感情表現。
ボニー・レイットの「I Can't Make You Love Me」、歌詞を丁寧に歌あげるキャンディス、寄り添うコーエンのトランペットが心地よい。
ジルベルトの気だるさに憧れるルイス・ボンファの名曲「Gentle Rain」、クリス・ポッターのオブリガードが官能的。
カーメン・マクレエが気品高く歌ったデューク・エリントンの「Solitude」、持ち前の表現力とクリポタのジェントル・テナーで味わい深く優雅に。
弾き語り「The Nearness Of You 」、ノラ・ジョーンズのようにシンプルに感情を伝えることを大切に…。
柔らかな声がこの美しいメロディにぴったりなダスティ・スプリングフィールドを偲びつつ「What Are You Doing The Rest Of Your Life 」、情熱的に。
少女の頃から、何度も繰り返して聴いたというロバータ・フラックの「Killing Me Softly With His Song」、感情表現のお見事なこと、さすがです。そして、エレーナのフルートが鮮やかな彩りを。
終演は、黒人差別への悲しみ怒りを歌い上げたビリー・ホリデイの「Strange Fruit」、陰惨な歌詞を噛みしめるように歌い上げるキャンディスは圧巻。

日本版のヴォーナス・トラックには、「Lush Life」「You've Got a Friend」が入ってますね。
サブスクで聴いてみたのですが、他の曲のように、それぞれサラ・ボーン、キャロル・キングへの想いがつまった感じです。

彼女の血となり肉となった音楽から、彼女の「現在・過去・未来」見えてくる作品。

1.Devil May Care
2.Angel Eyes
3.I Put A Spell On You
4.Pearls
5.Ex-Factor
6.I Can't Make You Love Me
7.Gentle Rain
8.Solitude
9.The Nearness Of You
10.What Are You Doing The Rest Of Your Life
11.Killing Me Softly With This Song
12.Strange Fruit

Kandace Springs (vo , p , key)
Steve Cardenas (g)
Scott Colley (b)
Clarence Penn (ds)

参加ゲスト
Christian McBride (b)
Norah Jones (vo)
David Sanborn (as)
Avishai Cohen (tp)
Elena Pinderhughes (fl)
Chris Potter (ts)

今日のおまけは、ご本人があげていた「Pearls」。

「緊急事態宣言」対象地域を全国に拡大しましたね。
旅行や外食は難しくなったけど、、
我が家は、おうちにいてはできないお仕事なので、基本的には今までどおりです。。。

んじゃ、退散♪



2020年4月16日 (木)

コニッツまでも鬼籍に… 『Toot Sweet / Lee Konitz  Michel Petrucciani』

Lee_konitz

 

米国のコロナ感染者、死者は増える一方で、ジャズ界でもコロナ感染での訃報も少なからずとも入ってくるようになってしまいましたね。
トランペッターのウォレス・ルーニー、マルサリス兄弟の父親、エリス・マルサリス、ジョン・ピザレリの父親、バッキー・ピザレリ、音楽プロデューサーのハル・ウィルナー…
そして、今朝は、ワンアンドオンリーとしか言いようのないレジェンド・アルト奏者、リー・コニッツの訃報が入ってきてしまいました。

 

米国イリノイ州シカゴ生まれ、享年92歳だそうです。レニー・トリスターノに師事し、アンビエントでクールな独特なスタイルで、長い演奏歴でも晩年も活躍したレジェンド。
メルドーが参加した『Live at Birdland』、ヤコブ・ブロの『BALLADEERING』などは、若い世代の人にも人気があるのではないのかしら。

 

若くもないので、、春うららの暖かな日に、懐かしんで聴いたのがこのアルバム、代表作、、とうのからは外れるとおもいますけど。

 

Toot_sweet

 

フランスのOwlレーベルから1982年にリリースされた、リー・コニッツとミッシェル・ペトルチアーニのデュオ・アルバム。

 

オープナーは、若干19歳のペトルチアーの、緊張感の中にも、堂々とした演奏が頼もしい「I Hear a Rhapsod」。
2曲めでは自身のオリジナルをソロで演奏もしていて、コニッツの信頼度もうかがい知ることができる。
華麗、流麗なピアノを相手に、少しハスキーな音色でアブストラクトでいぶし銀に光るサックス・フレーズの連続。特に「Round About Midnight」、「Lover Man」は、15分越えの即興の応酬。続く、コニッツのオリジナル「Ode」は、彼のソロ。
終演は、饒舌な掛け合いが聴ける二人名義の「Lovelee」。

 

チャールス・ロイド以上に、彼の才能を確信していたのかもしれませんね。
新人類ペトルチアーにが、コニッツの新たな魅力を表現することにも貢献している1枚。
どうか、安らかにお眠りください。m(_ _)m

 

1. I Hear a Rhapsody
2. To Erlinda
3. Round About Midnight 
4. Lover Man 
5. Ode
6. Lovelee 

 

Lee Konitz (as)
Michel Petrucciani (p)

 

今日のおまけは、Apple Musicで『Toot Sweet 』

 

 

んじゃ、退散♪

2020年4月15日 (水)

呆れるほど凄い80歳! 『8: Kindred Spirits / Charles Lloyd』

8

チャールス・ロイド翁の新譜は、去年来日した去年来日ライブをしたKindred Spiritsとのメンバーとのライブ盤。
去年聴いた時は、凄腕の上昇気流真っ只中の若者たちに引けを取らずに、フリーからバラッドまで自由奔放だった。
なので、予約で買いましたよ。

2018年3月15日に、ホームタウンのサンタ・バーバラで行った80歳のバースデイ記念ライヴから。約2年前の音源ですね。
私が購入したのは、CDとDVDと写真集がセットになった、、ちょっと豪華なブックレット形式。

オープナーの「Dream Weaver」、スピリチュアルな衣を纏つつ、独特のふわふわ感炸裂。
他のプロジェクトでも一緒のリズム隊の働きはもとより、ピアノもギターも常に攻めの体制、独自のアプローチが素晴らしい。翁のフリーキーな演奏に拍車がかかる。
なんと、20分超え、全員の集中力の高さにも脱帽、いきなり、お手上げ状態っす。
「Requiem」、内面に秘めた激しさが吹き出るような翁のプレイに刺激されるような、クールな熱さを持った演奏が続く。
メキシコのフォークソング「La Llorona」。冒頭から神秘的、感涙もののピアノのソロが続き、、ギターとテーマを重ねるあたりは高揚感マックス、その気持ちを全部背負ってクライマックス的に翁の登場。最高だぜ。
終演は、冒頭から翁のフリー、即興的な要素が高い「Part 5, Ruminations」、翁の真骨頂発揮。ギターの鋭い切り込みが光る、ピアノの難易度の高さ、長尺で高速流暢な演奏を後押し続けるドラムとベースのソロも凄すぎるっ!そして、幻想的な雰囲気に誘う翁のオンリー・ワンの反則プレイ。

いやぁ。最高。
独り独りが、リーダーを勤められる若手の寵児たちとのコラボレーション最高。
翁もメンバーもリスペクトし合いながら、互いにインスパイアされてるのがよくわかる。
この時翁80歳、信じられない集中力と創造力っす。

DVDは、演奏中の表情などが見えてそれはそれで、、こんな時なのでいいかもしれないけど。。
どうも、他のヴァージョンだとゲストの入った2ndの様子が観れるようです。
が〜〜ん。。。それみたい。

CD)
1.Dream Weaver [Live]
2.Requiem [Live]
3.La Llorona [Live]
4.Part 5, Ruminations [Live]

DVD
1.Intro 1 
2.Dream Weaver
3.Requiem [Live]
4.La Llorona
5.Part 5, Ruminations
6.Credits

Charles Lloyd (ts) 
Gerald Clayton (p) 
Julian Lage (g) 
Reuben Rogers (b) 
Eric Harland (ds)

*私のセットでは、以下の2人のゲストが演奏する場面は含まれてません…
Booker T. Jones (org)    Don Was (b)

今日のおまけは、レーベルがあげてた「Requiem (Live)」。

どうか、どうか、、翁たちが新型コロナに無縁でありつづけますように!

んじゃ、退散♪

2020年4月12日 (日)

癒されて…ポジティブな気持ちに! 『Nameless Piano / Sumire Kuribayashi (栗林 すみれ)』

Nameless_piano

 

故 行方 均氏が「100パーセントのロマンティシズム」と、表現したピアニスト、栗林 すみれさん。
ジュゼッペ・バッシ、金澤 英明という超絶なベーシストと新潟県にいらしている。
小さな可愛ぃピアニストは、ピアノを弾き始めると、圧倒的な存在感を示した。
優しさ、温かさ、そして、強さを秘めたピアノの音で、聴衆の視線を一気に釘付けにした。
リーダ5作目は、ファン待望のソロ・ピアノ作品ということで、楽しみにしてました。
今年は、好きなピアニストの方々が、ソロのアルバムをじゃんじゃん出すんですわ。。
マスタリングは、ステファノ・アメリオ、澄んだ音色や繊細なタッチが蘇り、瑞々しい空間が広がってます。
オリジナル1曲と即興2曲、お気に入りのマーティスト曲やオペラ、ミュージカルなどから全10曲。

 

オープナーは、オリジナルでタイトル曲「Nameless Piano」。
優しいメロディ、柔らかなタッチ、澄んだ歌声、、様々なことが浄化されていく演奏。
オランダのギタリスト、ジェシ・ヴァン・ルーラーの「Cow Daisy」、牧歌的で親しみやすいメロディを流麗なタッチで。
スウェーデンのピアニスト、エスビョルン・スヴェンソンのバラッド「Believe, Beleft, Below」、シンプルなメロディを、、一音一音込めたシングルノートでゆっくりゆっくり、でも、力強く。。かすかに聴こえる歌声は天使?
イタリアのジョヴァンニ・パイジエッロが作曲したオペラのなかのアリア「Nel Col Più Non Mi Sento」、しっとりと詩情豊かに歌い上げる。
温かで春うららかな気持ちになる、スタンダード「I'll Be Seeing You」。

 

東山魁夷の「彩林 (1949)」を観ながらの即興「Improvisation "Colored Woods"」、絵画より、インスパイアされて心に広がる風景を表現するべく、秋の色彩をまとった生命力豊かなドラマチックな演奏。
「Improvisation "Piangere"」、感情が溢れだすよう、抒情的でスリリングな場面もあり、心を揺さぶられる。

 

イタリアのドラマー、ジョ ヴァンニ・スカーシャマッキアの「Ship」、インティメイトでほんのりとスウィート。
スタンダード「A Lovely Way To Spend An Evening」、可愛らしくエレガントでロマンティックなひととき。
終演は、ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の名曲「Edelweiss」、超スローなテンポで、美しいシングルノートの演奏、思いっきり、、思う存分、、ロマンティシズムに浸って…。

 

選曲、、素敵だなぁ。
メロディを大切に、噛みしめるように丁寧に音を紡いでいく世界。
殺伐とした心を癒してくれる1枚です。そして、ポジティブな気持ちに!

 

1.Nameless Piano
2.Cow Daisy
3.Believe, Beleft, Below
4.Nel col più non mi sento
5.I'll Be Seeing You
6.Improvisation "Colored Woods"(inspired by Kaii Higashiyama)
7.Improvisation "Piangere8.Ship
9.A Lovely Way To Spend An Evening
10.Edelweiss

 

Sumire Kuribayashi 栗林 すみれ (p , voice)

 

今日のおまけは、レーベルがあげていたトレーラー。

 

 

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東山魁夷の「彩林 (1949)」

 

んじゃ、退散♪

想像超えのかっこよさっ! 『Avishai Cohen Big Vicious』

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イスラエル出身のトランペッター、アヴィシャイ・コーエンの最新作は、ECMらしい音数を抑えた音風景が広がっていたヨナタン・アヴィシャイとのデュオ『Playing the Room』とは、一転し、ドラムが2台、ギター二本(一人はベースも弾く)、トランペットの5人編成のバンドで、イスラエルの仲間との時代を反映した超カッコいい作品。

 

オープナー「Honey Fountain」から、トランペットが朗々と歌いまくる。その空間を自在に操るギター2本と的確に音を埋め込んでいくドラムが2台。
これが、、エレクトロニカ、アンビエント、サイケデリック、そして、ロック、プログレ、ポップス、などなど、ジャンル超えもいいところ、もう、びっくり!
3曲めのエイトビートで疾走する「King Kutner」なんて、めちゃロック。
意表をついたベートベンの「Moonlight Sonata(月光)」の浮遊感のある荘厳さ美しさ。
宇宙との交信のような「Fractals」。
そして、このバンドを端的に表している気がするマッシヴ・アタックの「Teardrop 」、アンビエントなアレンジで、コーエンのトランペットがリード・ヴォーカルのように浮遊。
ポップで色彩豊かな「The Things You Tell Me」、メロディの優しさに泣ける…
その後も、終演「Intent 」まで幻想的なサウンドが続く。

 

サウンドは実に多様で、音楽性をうまく表現できないのだけれど、
アンビエント、浮遊感、気だるさ、暗さ、内省的なんて、言葉が浮かぶ。
孤高感漂うトランペットを真ん中に置いて、現代的な手法を使いこなし、グルーヴばっちりの幻想的な空間に仕上げてる。
ダンサンブルでダークでもある、想像超えのかっこよさで脱帽でっす。

 

1.Honey Fountain 
2.Hidden Chamber 
3.King Kutner 
4.Moonlight Sonata 
5.Fractals 
6.Teardrop 
7.The Things You Tell Me 
8.This Time It’s Different 
9.Teno Neno
10.The Cow & The Calf 
11.Intent 
Avishai Cohen (tp, effects, synthesizer) 
Uzi Ramirez (g) 
Yonathan Albalak (g, b) 
Aviv Cohen (ds) 
Ziv Ravitz (ds, live sampling)

 

今日のおまけは、レーベルがあげていた「Teardrop」。

 

 

んじゃ、退散♪

2020年4月11日 (土)

酸いも甘いも噛み分けて…『譚歌 [tanka] / 金澤 英明   石井 彰』

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言わずもがな、日本ジャズ界の重鎮のお二人。
去年の暮れにリリースしたアルバムは、『譚歌[tanka] 』と名付けられたデュオのアルバム。
「譚歌」は、バラッドのことだそうです。
1曲ずつオリジナル曲を提供し、あとは譚歌としてふさわしい曲が並びます。
黒地に蓮の花が一輪うかぶジャケット、すでに異空間に誘いますね。

3月に新発田のバードで、二人のライブを聴いたのです。
目の前で演奏する二人からは、オーラというかエネルギー?パッションがいっぱいでてて、
演奏家の人たちは、演奏しないと、、このエネルギーやパッションはどうなってしまうんだろう?
って、昨今の状況から、とても心配になりました。
演奏こそが、彼らの人生そのものですよね。

オープナーは、太く温かなベースがメロディを奏でるブルー・ミッチェルの「Missing You」。
ゆったりとピアノが歩みを合わせます。ベースの言葉にピアノが共感して頷いているよう。
深く沈んだピアノと音がいきなり心にしみる…イヴァン・リンスのバラッド「Maos De Afeto」。
リリカルなピアノ、訥々と語るベース、演奏に耳を奪われていると、途中からベースがボーイングで厚く重なってくる。もう、切なく切なく、身のおきどころがなくなりそう…。
ベーシストのオリジナル「闇と炎」。真っ暗な空間で「ぽっ」と火がつき、炎がゆらめく感じ。
え?そのままじゃないかって?聴いてみれば、わかりますって。
「Inter Play」は、そのままインター・プレイを楽しむ二人、って、ことではないでしょうか?
他の演奏と違って、ちょっとゴツゴツした男気プレイ。
冒頭から不安の雲が押し寄せる「アルフォンシーナと海」、荒れる冬の日本海のように感情の波が幾度も押し寄せてくる。
コール・ポーターの「Every Time We Say Goodbye」、揺れ動く感情と自然な転調がシンクロして盛り上がってしまいますね。
チェットとポール・ブレイで有名な「Diane」、躍動感いっぱい、このアルバムで一番明るく演奏でした
ピアニストのオリジナル「EterNally」、深遠な面持ちのロマンチックな曲、二人とも溢れ出る気持ちを音にして紡ぐ。
ベース・ソロからはじまる坂本龍一の「Tango」、タンゴといっても、教授が「Tango」に触発された雰囲気を曲にしたそうで、二人の静かなやりとりのなかに秘められた情熱が素敵。
終演は、多くのアーティストを虜にしたサミー・フェインの「Something I Dreamed Last Night」。 最後を締めくくるようなピアノとベースの情感たっぷりな会話。

温かで力強いベースと、美しく繊細なピアノ、互いに寄り添いあい、会話も余韻も素敵。
酸いも甘いも噛み分けた、大人のバラッド集。

1.Missing You
2.Mȃos De Afeto
3.闇と炎
4.Inter Play
5.Alfonsina y el Mar
6.Every Time We Say Goodbye
7.Diane
8.EterNally
9.Tango
10.Something I Dreamed Last Night

石井 彰 (p) 
金澤 英明 (b)

今日のおまけ、、ちょうど良いおまけがみつけられませんでした、、
2011年の二人の演奏をどうぞ。

んじゃ、退散♪

2020年4月 7日 (火)

洒脱な語り口のヴォーカルとピアノ… 『The Cole Porter Songbook / Chiara Pancaldi & Alessandro Galati』

The_cole_porter_songbook

イタリアの静寂で叙情派の人気ピアニスト、アレッサンドロ・ガラティ。
同じくイタリアのチャーミングで透明感ある歌声が人気のキアラ・パンカルディ。
2人が共通して敬意を表するコール・ポーターの作品集が、2人が大好きな寺島氏の寺島レコードから♪

オープナーは、スキャットで大きな空間をのびのび飛翔する「Easy To Love」。
ガラティは、繊細な感覚で彼女をサポート。それは、インティメイトな雰囲気。
冒頭のシングルノートのピアノの一音、一音が心に響く「Just One of Those Things」、キアラも1語1語に感情を込めて歌い上げ、スキャットへ繋げる。
うっとりとするような語りかけ「Night and Day」、アップテンポになってから2人の息のあった演奏もいい感じ。
気品高く、詩の朗読のような「So in Love」、2人の表現力の豊かさにうっとり。
ガラティのピアノが情熱的に弾ける「All of You」も寸劇をみているよう。
ちょっとだけ妖艶な雰囲気「My Heart Belongs to Daddy」、ガラティとの絡みも聴きもの。
躍動感あるスキャットでピアノとスキップ「It's De-Lovely」。
ダイナミックに堂々と歌い上げる「Let's Do It」。
終演は、しっとりと語り合う「Dream Dancing」、ハートウォーミングな温もりを残し…おしまい。

しっとりと透明感に溢れ、表情も豊かなハートフルなヴォーカル。
そして、サポート役に徹しながらも、繊細で過不足ない吟醸味あるピアノ。
2人の軽妙洒脱でインティメイトな会話が素敵な1枚。

1.Easy To Love
2.Just One of Those Things
3.Night and Day
4.So in Love
5.All of You
6.My Heart Belongs to Daddy
7.It's De-Lovely
8.Let's Do It
9.Dream Dancing
Chiara Pancaldi (vo)
Alessandro Galati (p)

今日のおまけは、ちょうど良い動画が見つけられませんでした。。残念。

んじゃ、退散♪

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