北欧の名手、ヨン・クリステンセン(Jon Christensen)が、逝く…
2月12日、ライル・メイズの衝撃が広がっていたとき、Twitterで、「ノルウェーのドラマー、ヨン・クリステンセンが亡くなった!」という、誤情報が拡散されました。
そういう時には、検索をかけて、なるべく信憑性の高い記事を探すのですが、
この時は、発信源を特定できなかったにも関わらず、誤情報をRetweetしたばかりか、夕方にはブログに追悼記事を投稿してしまいました。
13日の朝、「亡くなったというのは、誤り。彼は事故で大怪我をし、予断は許されないものの徐々に回復している」と、指摘を受け、Tweetもブログの記事も削除。彼の回復を祈っていたのですが…
18日に、ノルウェーのECM系のミュージシャンたちが、彼の追悼をし始めたのです。
検索すると、地元のニュースにも取り上げられ、彼の亡くなったことが事実と確定されてしまいました。
現在、詳しい死因を取り上げている記事は見つからなかったのですが、兎に角、残念でしかたありません。
ノルウェーのオスロ生まれ、キャリアもオスロから始まった彼の功績の多くは、ECMに残されており、
キース・ジャレット、ヤン・ガルバレク、ボボ・ステンソン、ラルフ・タウナー、トーマス・スタンコ、チャールズ・ロイド、ヤコブ・ヤング、ヤコブ・ブロ、、、
凄いメンバー、凄い数、本当にECMの顔中の顔、まさにレジェンド・ドラマーですよね。
ECMじゃないけど、我がいとしのラーシュ・ダニエルソンも、初期の『Live at Visiones』『Far North』を始め、ACTレーベルでも何枚か彼にお世話になっています。
facebookで、ダニエルソンが追悼のコメントの中に、彼との初めてのお仕事の時のエピソードをあげていました。
ダニエルソンが、演奏する曲の楽譜を彼に配ったところ、、、
「私は、アガサ・クリスティしか読まないんだ」
と、すぐに言ったそうです。
でも、演奏は完璧だったそうです。
参加した、その全てのアルバムで繊細で澄んだ音で、音楽を彩ってくれた天才。
研ぎ澄まされたシンバル・ワークは、世界中のドラマーの憧れですよね。
そして、パーカションを取り入れた色彩感覚は、私たちがイメージする北欧のドラマーの原型といっても過言ではないのでしょうか。
キース・ジャレットのヨーロピアン・カルテットで聴いた彼のしなやかなドラムは、澄んだ空気、香り、風景、まだ見たことのない北欧のエッセンスを感じさせてくれましたよね。
どうか、安らかにお眠りください。
好きなアルバムが、たくさんありすぎて、、
ここは、私も大好き、そして、人気も高いヨーロピアン・カルテットの『My Song』を聴きながら合掌。
んじゃ、退散♪
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