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音楽で拡がる輪

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2020年2月29日 (土)

心奪われる、大スペクタル作! 『From This Place /  Pat Metheny』

From_this_place_20200229082501

 

デビューより、50年近い時を経て尚、挑戦と進化を続けている米国のギタリスト&コンポーザー、パット・メセニー。
待望の新譜は、『Kin (←→)』以来、約6年ぶりのスタジオ録音盤。
完璧主義にメセニーの新譜、、その制作過程からして、素人的には気が遠くなる。

 

 

まず、長い年月を一緒にサウンドを創造してきたスーパー・ドラマー、アントニオ・サンチェスをはじめ、ベーシストのリンダ・オー、キーボード奏者のグウィリム・シムコックといった非凡で多才な朋友とのレギューラー・バンドでの演奏を新曲で録音したのが2016年暮れ。
そこに至るまでには、その半年前くらいから始めたこの新しいバンドでのコミュニュケーションをライブを通じて鉄壁なものにしてきた。
そして、この演奏を核とし、名アレンジャー、アラン・ブロードベントとギル・ゴールドスタインを招聘し、ジョエル・マクニーリー率いるハリウッド・スタジオ交響楽団とコラボしオーケストレーションを重ねたのが2017年暮れ。しかし、ギル・ゴールドスタインって、名前がでるだけでワクワクしますよね。
その上、さらに、曲にぴったりとはまる3人のゲストを迎えさらにエモーショナルに仕上げていき、2019年にアルバムのオープナーである「America Undefined」の公開とともにリリースをアナウンス!
フォローしているpatweek.comさんの記事で首を長くして楽しみにしていました!

 

 

でも、リリース日にはCDが届かず、全曲公開となったサブスクでなんども繰り返して聴いていた。
3連休のおしまいに、CDが届いてびっくり。なんと、総時間76分超え!
余りにも、演奏、楽曲、曲から曲への流れがよく、一時間を大幅に超えてる作品とはまったく気がついてなかったのですよ。笑

 

 

オープナーは、一番最初に公開になった「America Undefined」。
ストーリーを強く感じるドラマチックな13分超え。
シムコックのピアノの切れ味の良さが素晴らしい。鋭く畳み掛けるようなフレーズ!
メセニーのギターはもちろん、リンダ・オーのベース、サンチェスのドラムとバンド・サウンドが登り詰め、オーケストレーションが重なって壮大なスケール感に。終演部分での様々な音の効果音が緊張感と不安を掘りおこす。
「Wide and Far」、サンチェスのサウンドを膨らませるドラムがご機嫌。これでもかとメセニーのギターを堪能できる1曲。今回は、凝ったサウンド作りが話題になっているけど、やっぱり、彼のギターの弾きまくりを聴くことは超幸せ。
疾走感があって、メロディアスで、最高!!
興奮した気持ちを鎮めてくれるように、静かで優しい「You Are」。
サティのような時の流れの中で、美しギターとベースが印象的、、それぞれが次第に溶け合って、迎える興奮マックス、そして、鎮静。
ベースの太く力強い演奏から始まって、ギター・シンセとオケにうっとりする「Same River」。縦横無尽に音の世界を飛翔するメセニーにPMGの面影をみる人は多いですよね。
複雑で難解な演奏を難なくこなすメンバー、彼らにかかれば軽快な明るい音楽「Pathmaker」、気がつけばサンチェスの大活躍。
美しいピアノとオケから始まる「The Past in Us」。ギターと一緒に鳴り響いたのは、グレゴア・マレのエモーショナルなハーモニカ。胸がキュンとする。
この感傷的な気持ちにさせるハーモニカは、誰もが亡きトゥーツ・シールマンスを思い出すはず。マレは、本当に素晴らしいアーティスト。
泣きそうな気分は、「Everything Explained」のスリリングなメセニーとサンチェスの演奏で一気に吹き飛ぶ。絶対、一緒になって、エア・ギターしちゃいますね。気分はアゲアゲ!シムコックも緊張感あるフレーズを紡ぐ!
高揚した気分にふんわり入ってくるタイトル曲「From This Place」。自然体のミシェル・ンデゲオチェロのヴォーカルが慈愛に満ちている。>心の靄を晴らします。少し、暗い歌詞なのですが、クリスマス・ソングに認定してもいいわ。メセニーのギターも叙情豊かに響く。
ルート66へのオマージュ「Sixty-Six」、リンダ・オーのベース・ソロを始め、演奏が移りゆく車窓のような、メセニー流センチメンタル・ジャーニー。
終演は、既に歌詞もあるというオケが抜群に甘美な「Love May Take Awhile」。
甘く切ないギターも素敵すぎる。まさに、幕が閉じるイメージ。

 

 

共演を重ねた阿吽のカルテットの演奏に、>新鮮さやスケール感を求めオーケストレーションを加え、ピンポイントで彩るゲストを迎えた彼の理想郷の音風景。
もちろん、ギタリストとしての演奏も乞うご期待ですよ!!
パット・メセニーの音楽人生の現在の集大成ともいえる豪華盤、心を奪われ続ける大スペクタル。

 

 

やっぱり、幾つになっても彼の心の核の部分には、大切な故郷ミズーリーの風景があるのですね。
常に、前に前にと進みながらも、どこか既視感を覚える楽曲の数々や、サウンド創りに、、そんなことも思いました。
人の心の根っこにある部分は変えられないものですもん。
そして、当然、リリース直前の朋友ライル・メイズの訃報を予測はしてなかったと思うのですが、心の何処かに、もう彼と一緒に新しい音楽を創っていくことができないとの思いもあったのかな。。等と、、様々な想いを馳せ巡らせた一週間。。

 

 

1. America Undefined
2. Wide and Far
3. You Are
4. Same River
5. Pathmaker
6. The Past in Us
7. Everything Explained
8. From This Place
9. Sixty-Six
10. Love May Take Awhile

 

Pat Metheny (g, key)
Gwilym Simcock (p)
 Linda May Han Oh (b, vo)
Antonio Sanchez (ds) 

 

Meshell Ndegeocello (vo)
Gregoire Maret (hca)
Luis Conte (perc.)

 

The Hollywood Studio Symphony Orchestra
Conducted by Joel McNeely 
今日のおまけは、ご本人があげてた「From This Place」。癒されて〜♪

 

 

でで、、かなり、興奮した私は、、何を血迷ったか、、2枚組のLPも頼んでしまいました…
ま、そういうことは、、年に1度くらいなので、、気にはしないことにしています。笑
こっちも、早く来いっ!!
それをもって、ジャズ・フラッシュにでかけるぞぉ。笑
んじゃ、退散♪

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コメント

いや~、このアルバムはすごかったです。
もうジャンル分けはできなくて、パット・メセニーの壮大な音楽としか言い表せなくて、私の方はアルバムコメントがグダグダになってしまいました。でもそういう時ほど内容がいいので、至福の視聴時間でした。

当方のブログアドレスは以下の通りです。

https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2020/02/post-21de11.html

本当に、パット・メセニーの世界としか言いようがありませんね。
個人的には、クリポタさまが抜擢されているUnity Bandも大すきなんですが、
これは、メセニーにしか作成できないアルバムですね。

興奮して、、ついつい、お財布の紐が緩みました。笑

トラバをありがとうございました。m(_ _)m

Suzuckさん,こんばんは。新潟の件ではお世話になりました(謎)。

このアルバム,無茶苦茶時間も予算も掛かっているって感じですが,やはり私にとってはこのオーケストレーションがキモでした。はまり過ぎです。もちろん,土台となっている音楽の質が高いのはもちろんなのですが,Gil GoldsteinとAlan Broadbentは実にいい仕事をしたと思います。

実に優れたアルバムを聞かせてもらったという感覚をおぼえたのが嬉しかったです。

ということで,当方記事のURLを貼り付けさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2020/02/post-436b10.html

閣下、新潟の奥深さをちょびっと味わってもらえてよかったです。
来週の土曜日は、我が家もいくのですよ。。緊張!

膨大な予算と、果てしのない時間の使い方。。
さすがだと、思いました。
レコード、やっぱり、よかったですよ。
でも、見開きでなくてびっくりだった。。インパルスに慣れすぎてるか。

はやく、騒ぎが収まって、ツアーに来てくれるといいなぁ。

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