遠い世界へ誘う… 『佐藤 浩一ピアノ・ソロ@イワイ・ピアノ・スタジオ(12/8)』
浩一ピアノ・ソロ@イワイ・ピアノ・スタジオ(12/8)
佐藤 浩一 (p)
2年?ぶり3回めの佐藤 浩一さんの新潟市でのピアノ・ソロのライブ。
ピアノをヤマハのS3にグレードアップしたばかりの、イワイ・ピアノ・スタジオです!
ライブは、演奏者だけでなく、楽器、場所、観客、オーナーなど様々な要因で、できあがると思うのですが、この超プライベートな空間で美音が響く、ソロの演奏は格別ですよ。
新しいピアノは、高音部もキンキンせずに、コクがあって、円やかな音でした。
落ち着いた音色、イワイ・スタジオに来て6日め。。
この日は、照明をピアノ周辺にあて、それ以外は暗めの設定。
佐藤 浩一さんは、回を重ねる毎に、次元がグレードアップしている。
オープナーは、「Draw」。少しずつ変化をつけたミニマルフレーズの繰り返しが美しい。
力強く低音を鳴らし、美しく繊細なタッチで右手が踊る。
続けて「Draw Ⅱ」、1曲めより、もっと早い繰り返し、倍音や残響音からより弾いた音以上の音が聴こえてくる。それは、とても遠く、、ずっと彼方の深淵な淵の向こうから。物凄く心を掻き乱された。
胸をキュンとさせる異国情緒あるメロディを持った「May Song」。優しい音にうっとり、癒される、救われる。そして、天から星のかけらがこぼれ落ちてくるように美しいピアノのタッチ。
映画音楽のようにストーリー性のあるオリジナル「Transience」。小さなスタジオに居ることを忘れて、、遠く見知らぬ場所に飛ばされる。
大胆に左手が蠢く「タイトル失念」。力強いメッセージを、どんどん投げかけてくる。そこからの七変化の「All The Things You Are」、時折タップ音も入ってお腹のそこに響く。
鳴り響く低音、そこからのオリジナル「13夜の月?」。途切れることなく、衒うことなく溢れでる気持ちが鍵盤を走る。
1セット目の最後は、徹夜明けの7時と7拍がかかった「7in the Midnight」。なんだか、東欧の民族音楽みたいに思えた「7in the Midnight」。左手の音が大胆で、両手がほとんど鍵盤の左側で踊って、凄みがありました〜。
休憩タイム!
2セット目は、大好きなアルバム『Melancholy of a Journey』からオリジナル「The Railway Station」、「The Railway Station 2」を続けて。
変則セクステットのアルバムの核となる曲をソロで演奏。アンサンブル重視の作品の曲を、ピアノで思いっきり歌い空間が大きく広がる演奏。
敬愛するサックス奏者、橋爪亮督さんのピカソのギターの絵からインスパイアされた曲を情感豊かに。
オリジナル「Closing Waltz」、微妙に変化してくマイナーなミニマルなフレーズが絶妙な雰囲気。叙情豊かに、どこか切なく、深く心に響く。
低音を強く効かせながら、力強く迫り来る新曲で「タイトル未定」。重なり合う音に翻弄される。
この後、1曲、写真タイム!笑
セロニアス・モンクの「Blue Monk」をコードを変えて演奏。そうしたら、なんと、「Santa Claus Is Coming to Town」のメロディが現れて、ご本人もびっくり。笑 そして、あちこちで、写真の嵐。
オリジナルで「Monochrome」、左手の低い和音が時の流れのように感じ、ゆっくりと心の奥に入り込んでくる。
終演はオリジナルで「Long Winter and Hazy Moon」。物語性を感じさせ、ドラマのワンシーンのような情景が浮かび上がる。メロディの持つ叙情だけでなく、演奏で気持ちを高揚させる!
アンコールは、マンシーニの「Two For the Road」。
様々な感情の織り込まれたドラマチックな演奏となりました。。
自己としっかり向き合った演奏は、私にも直接に問いかけてくるようで、気持ちを大きく揺さぶって圧巻でした!
何曲か、ピアノのとの一体感が半端なく、ピアノの化身って感じだった〜!
左手の音が大胆で、繊細な右手とのバランスが絶妙。
新しいピアノも素晴らしく、小さな音から大きな音まで綺麗に響いて鳴っていました。
全員を幽玄の佐藤浩一の世界へ誘ってくれました。
小さなスタジオから、遠い世界へ飛ばされました
浩一さん!美子さん!本当にありがとうございました。
んじゃ、退散♪
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こんばんわ。佐藤浩一さん。知りませんでした。Melancholy of a Journey、早速i-tunesでダウンロードしました。一曲目の「The Railway Station」。とても良いん感じのテンポに体が揺れる。まるで良質なロードムービーの映画を見ている様な浮遊感のある淡々とした音の風景。素晴らしい。この曲パート4まであるんですね。
またもや、ありがとうございます。
投稿: bleyasa | 2019年12月11日 (水) 21時47分
bleyasaさま、、
『Melancholy of a Journey』は、素敵なアルバムですよね。
リリースされた時に、1度だけ完全メンバーのライブを聴きました。
皆さん、素晴らしかったのですが、美しいハーモニーにうっとりですしたよ。
「ロードムービー」良い例えですね!
投稿: Suzuck | 2019年12月12日 (木) 15時16分