2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

音楽で拡がる輪

« 2019年9月 | トップページ | 2019年11月 »

2019年10月

2019年10月29日 (火)

しなやかでシャープなドラミング 『戸上優子 一時帰国ライブ @Jazz FLASH (10/28)』

戸上優子 一時帰国ライブ @Jazz FLASH
戸上 優子 (ds)   山崎 麻里 (p) ノリ・ナラオカ (b)

 

74506620_10220446020601200_1129616973404

 

(写真 井上 健彦氏)

 

ニューヨーク在住のサックス奏者、山中 一毅さんのご紹介で、
同じくニューヨクに在住のドラマー、戸上 優子さんのライブにいってきました。
全員、日本人だけど、ニューヨク繋がりというメンバー。

 

予習に、去年リリースした彼女のリーダー作『Dawn』を聴きました。
スタイリッシュで、センスの良い作品と思い、楽しみにしておりました!

 

ライブは、斬新なアレンジのミュージシャン曲やスタンダードと、彼女の素敵なオリジナルを演奏。

 

1セット目のオープナーは、スタンダードで「The More I See You」
多くの歌手の歌のイメージととは、まったく、違った疾走感ある美しいコンテンポラリー・ジャズにしあがってました。
このメンバーでは、今日は初日とのことでしたが、皆さん流石な感じ。
この後、CDにも入っていたオリジナルで循環曲「Why Not」、次もオリジナルで「Got to Be There」。なんというか、、ポジティブな感じの曲で好き♪
ニューヨク繋がりで?バラッド「Central Park West」、ピアノのクリスタルな響きが美しく、ベースがボトムを支え、ドラムが彩る静かな会話。ベース・ソロも素敵♪
最後に、ショーターの曲で、はじけておしまい。

 

15分くらいの休憩で、2セット目がはじまりました。

 

2セット目、デューク・ピアソン曲、ビリー・ストレイホーン曲を演奏。
3曲目にセロニアス・モンクの「Evidence」をフリーで。場の緊張感たかまる。
オリジナル「Noctiluca」、同じくオリジナルの新曲を披露してくれました。

 

アンコールかな?と、思ったら、、
北海道や野沢美穂さん繋がりで、新潟のヴォーカリスト、ふくまこづえさんが1曲シットイン!
「Fly Me to the Moon」をクールに決めてくださいました〜♪

 

見た目通り?安定感ある頼りになるベースと、見た目を裏切るアグレッシブなピアノ。
ご本人は、お姿のように凛と澄んだ音で、しなやかでシャープな演奏でした!
ツアーは、まだまだ、続くそうです。盛況でありますように。

 

フラッシュでの打ち上げにも、よせてもらっちゃって、楽しかったです。
フラッシュのマスター、女将さん、いつもありがとうございます!

 

んじゃ、退散♪

2019年10月28日 (月)

名人芸と呼んじゃう! 『Play standards vol.1 』発売記念ライブ @ MONKS MOOD JAZZ CLUB (10/25)

『Play standards vol.1 』発売記念ライブ @ MONK'S MOOD JAZZ CLUB (10/25)
橋爪 亮督 (ts) 中村 真 (p)

74159227_1558873190916816_30211830022070

 

『Play standards vol.1 』をリリースした2人が、新潟に演奏に来てくれました!
打ち上げで呑みすぎ、土日は遊びほけ、、選曲や、曲順は、、忘れました。m(_ _)m

 

選曲は、基本的には、CDに収められている古いジャズ・スタンダードが中心です。
オープナーは、「You are my everything」で、はじまりました。
ちょっと、緊張してるかなぁ、と、思ったのですが、
曲の間の丁寧な曲の解説などのMCも挟み、演奏が進むにつれて、
2人の「名人芸」が遺憾なく発揮されていたと思います。
丁々発止、まさに、音楽での会話♪

 

CD収録曲の他に、皆んな大好き秋の曲「Autumn in New York」。
ちょっと私たちがイメージする曲想と違う「Stella by Starlight」、情感たっぷりの「Ev'ry Time We Say Goodbye」。

そして、暖かな気持ちのこもった「Happy Birthday」が、印象に残ってます。
え?そうでっす。私、誕生日だったんです。最高♪
アンコールは、明るく軽快に「I'll Be Seeing You」。

 

常に、即興と独自性を重視してきた2人ですが、
今回の演奏は、トリッキーなことや、ギミックなことはなし!
穏やかで、上品で、そして、知的な会話だったと思いまっす!
ピアニストの優しく穏やかな表情、サックス奏者のα波たっぷりの音色、、
私が普段思っている2人の姿からは、ちょっとかけ離れたリラクゼーションたっぷりな世界。

 

でも、そのゆったりした演奏の裏では、2人のコンピューターは超高速でフル回転していて、
「次はどちらの方向に行こうか」と、互いの音の情報から瞬時に選択肢を選んでいる状況だったようです。
まぁ、リスナーには、そういうことがわからないのが、プロフェッショナルですよね。
表からは見えない、わからない、彼らの動きが、あの素晴らしい空間を創り上げてます。

橋爪さんのベルの方向がまっすぐに、自分の方に向いていたせいもあって、とても気持ちよかったです。
2人の出す音が、いい具合に空間で溶け合って、素敵なサウンドでした。
至福の時間をありがとうございました!

 

足元の悪い中、お越しいただきまして、本当にありがとうございました。
心より、お礼を申し上げます。そして、マスター、お世話になりました。m(_ _)m

しかし、、お誕生日、サプライズ、嬉しかった〜。
1日中、凹むことが続いた日だったのですが、心に残る素敵な日となりました。

んじゃ、退散♪

2019年10月27日 (日)

『ジャズ批評 212号』がでました〜♪

特集は、「私のとっておきのジャズ・ヴォーカル』
ジャケットは、ニューヨークのため息ですね。

 

212

●●●●◎◎◎◎●●●●◎◎◎◎●●●●◎◎◎◎●●●●

『私のとっておきのジャズ・ヴォーカル』

●●●●◎◎◎◎●●●●◎◎◎◎●●●●◎◎◎◎●●●●

 

レジェンドから新進気鋭の若手まで、あなたが選ぶとっておきのジャズ・ヴォーカルはなんですか? 
と、いうことで、、私も5枚選んでみました。

 

Silent Passion / Meredith D'Ambrosio

 

Eeg – Fonnesbæk / Sinne Eeg

 

Lento / Youn Sun Nah

 

Live in Nyc / Gretchen Parlato

 

The Beautiful Day / Kurt Elling

 

私が、ジャズ・ヴォーカルに求めるものは、「癒し」と「共演者とのコール&レスポンス」です。
お好きなアルバムは、ございましたか?

 

 

いつもの「新譜紹介」は、

 

 

 

 

 

 

「New Disc Pick Up」は、3枚。

 

 

 

 

 

秋も深まり、音楽の秋真っ最中〜
食欲も、、、大変。。。

 

 

んじゃ、退散♪



2019年10月26日 (土)

もの想う秋冬にぴったり…『Play standards vol.1  / Ryosuke Hashizume  Makoto Nakamura』

Play_standards_vol1_20191024125601
本当は、新潟市でライブがある前に、ブログアップしたかった。
でも、聴き過ぎちゃったせいか、、ジャズ批評の「New Disc Pick Up」に推薦した後は、手が伸びなかったのね。
ライブの予習に聴いたのですが、やはり、、とても心地よいサウンドなので、ちょっと遅くなっちゃたけどブログアップです。
オリジナル中心の自身のバンドで活躍するサックス奏者、橋爪 亮督。
随分前に、ご自身のバンドを聴きました。最新作の『incomplete voices』も素敵です。基本、演奏曲はオリジナル。
アーティスト同士の学びの場を長年模索している孤高のピアニスト、中村 真。
少し前から、新潟ではトリオで頻繁に演奏しています。毎回、おでかけしている。
トリオでは、大村ドラマーのオリジナルを少しと、かなり抽象的な演奏のスタンダード、そして、即興で、次が予測できない瞬発的なやりとり、展開で遠くの景色を見せてくれる。
即興と独自性を重視してきた2人が、1920~30年代を中心とした古いスタンダードを蘇らせる。
テーマから発展し、一歩進んだ深い部分で語り合う2人の会話のトーンは似ている。
アルファ波満載の音色でおおらかなフレージングのサックス。
穏やかで言葉丁寧なピアノのフレージングは、小さな音も粒だち際立つ。
互いに呼応しあい和やかに進んでいく。
とても安心して身をまかせることができる。
味わい深く、豊富で知的なボキャブラリーで語り合う2人。
違和感や異物がないので、とてもリラックスして音の会話に身を任せることができる。
もの想う秋冬にぴったりなリラクゼーションたっぷりな1枚。
大きな空間でマイクをたてて、録音したということですが、
ステレオで聴くと部屋に自然な感じで音が再現されますよ。
1.The masquerade is over
2.You are my everything
3.What is this thing called love?
4.The night we called it a day
5.Liebeslied
6.The song is you
7.It never entered my mind
8.I concentrate on you
9.Last night when we were young
10.Blackberry winter
橋爪亮督 (ts)
中村真 (p)
今日のおまけは、動画がみつけられなかったので、、
ライブの感想は、、忘備録的にも、早く書きたいのですが、、
土日は、でかけてしまうので、、また、違う日に。。
んじゃ、退散♪

2019年10月22日 (火)

スケール感大きいっ!『Aaron Parks Little Big @丸の内コットンクラブ (10/21 1st)』

73346536_1554455181358617_80125443314643
Aaron Parks Little Big @丸の内コットンクラブ (10/21 1st)
Aaron Parks (p, key)  Greg Tuohey (el-g)  Jesse Murphy (el-b)  Tommy Crane (ds)
去年でたアルバム『Little Big』のメンバーでアーロン・パークスが来日だったので上京。メンバーは、ベースが違うけど、双頭の相方ギタリストのグレッグ・トゥーヒもドラムのトミー・クレーンも来るので、わくわくしながらおでかけ。
ライブは、当然?『Little Big 』の世界を再現、そして、新曲。1曲、ソロもありました。
オープナーは、「Small Planet」。
ミニマルなピアノのフレーズ、飛翔感あるギター、推進力のあるドラム、ボトムを支えるベース。
いきなり、目の前に広がるせかいは、別世界。

低音をぐっと効かせて「The Trickster」、歪んだ音に込められた美しさ。生の音と電気の音がいい塩梅に融合したサウンド。

美しいピアノ・ソロから始まった曲は、繊細で、天から音が降り注ぐようなピアノと、飛翔感があって端麗な美しさを持つギターのハーモニーが素敵。
ちなみに、2人とも、自分の弾いているフレーズを歌います。ギタリストとピアニストの間くらいにいたので、あっちからも、こっちからも、「歌声」が聞こえ、一緒に口パクしちゃましたね。
歪んだギター、キーボードや電子サウンドをめいっぱい遊ばせた「Professor Strangeweather」。
爽やかに草原をかけぬけるような美しいメロディが多く、時折見せる哀愁がたまらない。
2人で心を合わせるように世界を創り上げて行く。

曲が変わると、がらりと光景もかわるけど、全てに一本芯のとおった感じ。

スケール感も大きく、大きな空気が現れる。

1曲、後半に挟まったソロは、やっぱり、素晴らしかったですねぇ。

リリカルで、美ししく、躍動感もあって、聴き惚れました。

まるで、教会の中で聴いているような荘厳な感じすらしましたね。
終演は、尖ったギターとキーボードが対決姿勢でやりとりするアルバムのオープナーの「Kid」。

いや、これまぢ、かっこいいっす。各メンバーにもスポットがあたって、熱く痺れます。

大喝采、、なんだ、みんなもこういうの好きなんじゃん。笑
アンコールは、海の下をイメージした揺れ揺れソング「Aquarium」。

あまりに素敵で、うっとりしてしまい、、体と頭がゆれまくり。

 

トゥーヒの先鋭的でロックテイストも入ったギターがかっこいいよぉ。巧いよぉ。

パークスのピアノも相変わらずと繊細で知的、、そして、どこか神秘的な雰囲気。

そしてピアノの他に、キーボードも弾いて、エレクトロニカやロックのスパイスが効いた幻想的な世界を表現!

コンテンポラリー・ジャズのr領域も越えて面白さを十二分に楽しんできました!

終演後のサイン会は、パークスだけでしたが、あまり、人が並んでいないのでびっくり。

つうか、、並んでいるのに、女性連れの男性が、つかつかとパークスにちかより長い話でびっくり。。親しければ、何してもいいのかよ!

サインもらって帰ってきました。。。

72961316_1554455154691953_65735973451815
んじゃ、退散♪

2019年10月21日 (月)

心の目で見つめたい…『竹下 景子 朗読音楽劇 @ 秋葉区文化会館 (10/20)』

竹下 景子 朗読音楽劇
「あらしのよるに~ガブとメイ 思い出のあしあと」@ 新潟市秋葉区文化会館 (10/20)
原作:きむら ゆういち 朗読:竹下 景子
音楽:片野 真吾 朗読台本:遠藤 吉博
演奏:Raindrops  
三国 富美子 (vin) 伊藤 恵子 (p) 片野 真吾 (el-b)  本間 修治 (perc.)
 
Unknown
秋葉区の文化会館に、竹下景子氏の朗読音楽劇が来るというので行ってきた。
朗読、音楽、好きな組み合わせだもんね。
しかも、取り上げる作品が『あらしのよるに』ですよ。
泣きを覚悟で、休日の夕方に車でおでかけ。
 
『あらしのよるに』は、たまたま、凄い嵐の日に、真っ暗な小屋で一夜をすごした狼と山羊の物語。
2ひきは、喰う側、喰われる側という、永遠の宿敵同士!
の、、はずなのだが、、相手がだれだか分からないまま、たくさんのお喋りをした2匹には、友情が芽生えてしまった。
そこからはじまる悲喜劇こもごも。
「真の友情とは何か」を問いながら、誰の心にも住んでいる闇も浮き上がらせてくれる絵本。
 
竹下景子氏の朗読に、音楽や効果音がはまって、会場は息をのみながら展開に聞き入りました。
結末がわかっていても、ハラハラ、ドキドキさせ、最後は会場の多くに人の涙腺を崩壊させるプロフェッショナルな舞台。
朗読者本人の感情移入も激しく、途中から自らも涙をみせ、鼻水を拭く。
もしかすると、こういう姿には異論を唱える人もいるのかもしれませんが、
朗読そのものには最後まで支障もきたさず、声も張り詰めていてよくとおり、、流石だと思いました。
 
朗読の後の原作者きむらゆういち氏との対談でも、朗読するときのポイントをわかりやすく即興で?演じてくれて、すごいなぁ、と、感じました。
 
私を含め、多くの人が、見た目や既成概念で人を判断してしまいますが、
目で見えないものにこそ大切にしなくてはならないものがあということを改めて強く感じました…
でも、これって、、わかっていても 難しい…ですよねぇ。。
 
会場は、涙でいっぱいの人であふれてましたよ。
大人になっても。感動で泣けることは素晴らしい、と、思った日曜日の午後でした!
そして、、
「もっともっと、素直になろうぜ! 心の目で相手をみつめようよぜ!」
と、思ったわけですね。
 
んじゃ、退散♪

2019年10月20日 (日)

心赴くままに…『Painting Music / Carsten Dahl Trinity』

Painting_music
 
デンマークを代表するピアニスト、カーステン・ダール。
スィンギーな演奏で人気を博し、日本盤もでています。
彼の支持者の多くが、この時期の信者が多いのではないでしょうか?
しかし、この10年くらい前から、彼の演奏に変化がでてきます。
 
私が強くそれを感じたのは、2013年にリリースされた『Dreamchild』というピアノ・ソロのアルバム。
幻想的、抽象的な演奏が続くアルバムです。なんと、彼は心の病を発症し、長い間苦しんでいたそです。
で、心の内を演奏に表現するようになったよう。
 
今回は、ACTレーベルからのリリースです。
って、、あれ?初めてだったけ??
 
今回は、スタンダード、ポピュラー・ソング、フォーク・ソング、3人名義の2曲で全10曲。
メンバーは、2017年にリリースした『Experience』のリズム隊です。
オープナーは、澄んだ美しさを持つダールのピアノが際立「Sailing With No Wind」。哀愁漂うメロディが印象的、心の赴くままの抽象的な演奏。
アグレッシヴなやりとりと、ダールの「歌声」が響きまくる「All The Things You Are」。ドラムとのバースのやりとりもバッチリ♪
夢の中を彷徨うような「Somewhere Over The Rainbow」、クリアなタッチが光る。
デンマークのフォークソング「Jeg gik mig ud en sommerdag」。ベースの低音、ドラムの金属音、そして、クリスタルなピアノが哀愁と陰を語る。
3人名義の「Bluesy In Different Ways」、心の声の湧き上がるままに3人で演奏。
丁々発止にやりとり「Solar」、遠く遠く遠くにマイルスの影、、アップテンポでかなり崩した迫力ある演奏。
空間を大きくゆったりとった「Be My Love」は、ひたすら美しい。ベースのソロ、ドラムの刻み、、アレンジ、どこまでも美しく綺麗。
高速のテーマに始まって叙情を排した「You And The Night And The Music」、それぞれの超絶技巧のみせどころ。
リリカルで、深い霧に吸い込まれるような「Blue In Green」。
終演は、バラバラになって、パラパラと落ちてくるような斬新な「Autumn Leaves 」。
 
スタンダードなどが多いせいもあって、抽象度はそれほど高くない。
個性を殺さず、自分たちの気持ちに素直に、、等身大の演奏が詰まっているかな〜。
涙もろいお年頃としては、「Blue In Green」で、、しっとり終わりたかった気もするなぁ……
 
1. Sailing With No Wind 
2. All The Things You Are 
3. Somewhere Over The Rainbow 
4. Jeg gik mig ud en sommerdag 
5. Bluesy In Different Ways 
6. Solar 
7. Be My Love 
8. You And The Night And The Music
9. Blue In Green
10. Autumn Leaves 
 
Carsten Dahl (p)
Nils Bo Davidsen (b)
Stefan Pasborg (ds)
 
今日のおまけは、レーベルのプロモーション動画。
 
 
めっきり、寒くなりましたね。
一気に冬って、、ずるくない??
 
んじゃ、退散♪

2019年10月19日 (土)

創造とはエゴだ! 『死ぬほど愛した Miles Davis @ Bar Hallelujah (10/18) 新潟市古町』

『死ぬほど愛した Miles Davis @ Bar Hallelujah (10/18)』
  - 写真家・内藤忠行氏 トークライブ -
 
74645266_1908069679338374_14479038871754
(写真 有村 隆史氏)

 
王国帽子店の主催のトークイベントに行ってきました。
Miles Davis を拘って撮った『I loved him madly』を出版された写真家、内藤忠行氏のトークライブ。
内藤氏は、とにかく「誰とも違う彼のスタイル、そして、そのスタイルを常に更新し続ける姿」を、めちゃくちゃカッコいいと思い、どんどん、マイルスに惹かれていったようです。
 
イヴェントをした部屋には、飾られた写真は、、マイルスと内藤氏の親密な関係から生まれた作品。マイルスの内なる世界を投影してるのだと思った。
「写真は、目に見えないものを撮らなくては」
この言葉は、カッコいいですよね。
購入した写真集の表紙を飾る写真は、まさに、ジャズの最先端を走るマイルスの「悲しみと不安感」が写り込んでいると彼は信じ、私も感じました。
 
Img_0465
 
内藤氏の写真集より、拡大!
とてもインパクトのある写真ばかり。エピソードも胸に迫るものばかりで感銘をうけました。
努力と熱意、そして、ワンチャンスを逃さない、それが、写真家には絶対必要なのだと思うのですが、
それだけでななく、対象物への「愛情」が絶対に必要だと思った。
 
「常に安全圏にいることを拒否し、常に変化を望み続けたマイルスの凡人では貴重な瞬間を、少しでも垣間見れてよかった。
そして、内藤氏にも同じ気概が読みとれ、「絶対、人と同じ写真は撮らない」という気持ちが常にあって、写真家としてすでに成功者であるのに、常にいろいろ写真に興味もちました!
雲、骸骨、珈琲滲み。。もう、ジャズのレジェンドを撮り続けた人とは思えない発想。
「マイルスと花見がしたかった」、ってことで、「マイルス桜」、、とか。
というか、そういう人だったから、マイルスも彼とのセッション(撮影)が楽しかったと思う。
彼の勲章は、マイルスに「You are crazy !」と言われながら、デコピンされたこと。
もう、すごいエピソードばかり。
ちなみに、去年だしたこの時の写真集のタイトル『I loved him madly』は、マイルスがデューク・エリントンに捧げた「He Loved Him Madly」をもじったそうです。
 
芸術は、「普遍性」をネジ込めれば、永遠に残って行く。
この言葉もかっこよかった〜。
そして、最近の作品「骸骨と椿」、官能的で美しかったなあ。
タイトルは、マイルスに「あなたにとって創造とは?」と質問した答えだそうです。
凡人の私には、わかるような、、わからないような、、、。。汗
 
とても、素敵なトークライブでした!
 
どんな分野でも、安全圏で胡座をかいちゃダメってことですよね。
でも、実際に自分がそういう状況になったときに、それを全て捨てて次の創造の世界に行けるだろうか?
マイルスが鬼籍に入って20年以上にもなるなんて、、信じられないですよね。
「生誕100年には、ニューヨークで個展をしたい」と、仰っていた。
ぜひ、観に行きたいですよね。
 
そして、会場は、初めて行った古町の「Bar Hallelujah」。
古町は、沈滞ムードで閉店の店も相次ぐのだけど、、こういう素敵なお店もあるんだ!
って、思いました。
たくさんのジンが置いてあって、今度はジンの飲み比べをしてみたい!
マイナスにばかり、目をむけて突っついてないで、そういうお店を応援しなくちゃね。
 
写真集かって、ジャズフラッシュに移動! 超近い!!
ラフロイグのソーダ割りを呑みながら、内藤氏の写真が表紙のスイングジャーナルの話でもりあがりました。
で、午前様。。
 
んじゃ、退散♪

2019年10月14日 (月)

10月25日(金)『Play standards vol.1 / 橋爪 亮督 中村 真』発売記念ライブ新潟市で開催!

『Play standards vol.1 』発売記念ライブ 10月25日(金) @ MONK'S MOOD JAZZ CLUB

橋爪 亮督 (ts) 中村 真 (p)

 

Play_standards_vol1

 

オリジナル中心の自身のバンドで活躍する橋爪 亮督サックス奏者、初新潟市!

デュオの相手は、孤高のピアニスト中村 真。

即興と独自性を重視してきた2人が、1920~30年代を中心とした古いスタンダードを蘇らせる。

メロディを大切にしながらも、即興部分も濃密で素敵です。

難解さは、まったくなく、ひたすら穏やかで知的で上品な会話が続きます。

リラクゼーションたっぷりなライブになること間違いなし。

「JazzTokyo」の多田 雅範氏のレビューをご覧いただければ幸いです。m(_ _)m

 

開場 19:00      開演 19:30

 

チャージ 3,500円 

学生(学生証必要)

18歳以上 2,000円 

18歳未満 1,000円

*別途、飲食代をお願いします。

 

MONK'S MOOD JAZZ CLUB

新潟市中央区2 米山2丁目2−5 ING BUILDING 2F

025-278-3972

 

よろしくお願いします。m(_ _)m

 

んじゃ、退散♪

成熟した演奏 『Blue World / John Coltrane』

Blue_world
 
2018年に、ジョン・コルトレーンの未発表アルバム『Both Dirctions At Once: The Lost Album』が発掘され、めちゃ大喜びした私。
CDの他にご法度のLPも買ってしまった…。
と、なんと、再び不穏な噂が、、黄金カルテットの全盛期の未発表スタジオ盤がリリースされるというのだ。
「はっ?」ですよねぇ。。
 
コルトレーンの熱心なファンだった映画監督が、自分の映画(『Le chat dans le sac (英題:The Cat in the Bag)』)の音楽用に、新しい録音をコルトレーンに頼んだのだそうだ。
それがこのアルバムで、1964年の6月24日、あのヴァン・ゲルダー・スタジオでの録音。
以下の8トラックが、その全てのよう。監督が、曲のリストをみせ、そこからトレーンが、演奏可能なものを選んだよう。
実際に、映画の中でそれらの演奏は使われたのだが、実際にこの映画を観た人たちの多くは、トレーン自体も知らない人が多かったようだし、知っていても既存のアルバムから使われたものだと思っていたよう。で、音源が埋もれてしまった、って、感じ。
最終的には、熱心なトレーンの研究家 藤岡 靖洋氏の努力で、ここに陽の目をみることになったわけですね。
 
オープナーは、あの悲哀に満ちたバラッド「Naima」。
ぎゅっとひきしまったトレーンのテナーが聴こえた瞬間、「トレーンだなぁ」と、ほほが緩み至福のときが訪れてしまう。笑
あとは、難しいことは考えす、この美しいバラッドのトレーンたちの演奏に身を任せる。
「Bessie's Blues」を彷彿させる「Village Blues」。トレーンのブルースは軽快でモダンですよね。
タイトル曲「Blue World」、ギャリソンの低いベース音から始まった端正な演奏は、トレーンのアウトでワクワク感が数倍ます。
この後、「Village Blues」が2テイク続く。
そこを、乗り切ると(笑)「Like Sonny」が、始まる。昔の演奏より懐が深い感じ。
然程、テンポが速いわけではないが、スリリング。
アルバムで一番長尺な「Traneing In」。
長いベース・ソロの後は、マッコイのお洒落で軽快なソロ、お待ちかねのトレーンのソロは、飛翔感ある2分強。
終演は、再び「Naima」。厳かにはじまって、厳かに終わる。
 
いい意味で肩の力が抜けた成熟した演奏。
「Naima」がテイク2、「Village Blues」がテイク3、全8トラックで36分ほど…。
「それって、どうなの!」
って、思う私だったのですが、音に触れてしまえば、、
「発見されてよかったね」
と、思ってしまう私です。笑
 
カナダの白人の監督に請われて、映画音楽として録音した演奏。
絶頂期の自信に満ちた演奏と言ってよいでしょうねぇ。
1964年といえば、『Crescent』と『A Love Surpreme』の、トレーンのターニングポイント的な2枚がリリースされた年。
この音源は、『Crescent』寄り、深遠な眼差しと胸が高まる熱い想いが伝わってきます。
ほとんどの曲が、この演奏より5年以上前に録音されたものばかり。
そういう意味で、止まることを知らなかったトレーンたちの軌跡の中での大切な1枚。
まぁ、、願わくば、暴れまくるエルビンを聴きたかった……。
って、映画の音源にはならんかったですね。
感謝!
 
でも、今回はLPは買わないと思います。多分…ね…。
 
1. Naima (Take 1)
2. Village Blues (Take 2)
3. Blue World
4. Village Blues (Take 1)
5. Village Blues (Take 3)
6. Like Sonny
7. Traneing In
8. Naima (Take 2)
 
John Coltrane (ts)
McCoy Tyner (p)
Jimmy Garrison (b)
Elvin Jones (ds)
 
今日のおまけは、オフィシャル・プロモーション動画。
 
 
皆さんの地域は、台風の被害はどうでしたか?
被害にあわれた方々に、謹んでお見舞いを申し上げます。
 
んじゃ、退散♪

2019年10月13日 (日)

台風19号並みの衝撃! 『Good Hope / Crosscurrents Trio』

Good_hope
 
今回の台風19号並みの衝撃の1枚が、リリースされましたねぇ。
タブラ奏者、ザキール・フセイン、超絶ベーシスト、デイブ・ホランド、最強無敵のサックス奏者、クリス・ポッターの3人の超人によるCrosscurrents Trioのトリオお初のアルバム『Good Hope』。
世界的に有名なタブラ奏者、U-zhaanのお師匠さんであるフセイン。
彼の研究プロジェクトから始まったユニット、ポイントは「インド音楽」ということで、かなり奥深く、興味深い。3人とも越境はもちろん、変拍子と即興の神の域の人たち。
3人のオリジナルで全8曲。クリポタさまが1・5・7、ホランド閣下が3・6・8、フセイン師匠が2・4。
 
オープナーは、クリポタさまの「Ziandi 」。エキゾチックなメロディを坦々と吹き続けるサックス。その周りを踊るように音を敷き詰めるタブラ、歌いまくるホランド閣下。
1曲めから、先制パンチって感じで、先行きに釘付け。
様々なタブラの音によって、ホランド閣下とも、クリポタさまとも一体感をもって進む「J Bhai 」。高速になってからの3人の演奏に燃え上がるのみ。
フセイン師匠は、1人で、多重録音もしてないのではないかと思うのですが、複雑なアンサンブルでも聴いているような不思議な気持ちに。クリポタさまは、ソプラノ・サックスで切り込んでます。そして、この難解な曲・複雑な状況でも苦もなく弾きこなすホランド閣下、おそるべし。
ホランド閣下の歌心炸裂、クリポタさまの美しい即興、哀愁あるメロディ、このアルバムのオアシス的な「Suvarna」。
クリポタさまの明るくおおらかでスケールの大きな演奏が聴ける「Island Feeling」。
ダークでエキゾチックな雰囲気、ゆったりした始まりからの3人の丁々発止が面白い「Bedouin Trail 」。
タイトル曲「Good Hope」、ベースとタブラのリズムにのってダイナミックに吹きまくるクリポタさま! もう、最高♪
終演は、ソプラノ・サックスでキャッチーなメロディを奏でるクリポタさま、ホランド閣下のソロも表現力豊かに歌う。最後の最後まで、3人のエキゾチックな旅。
 
越境も即興もなんのその。変拍子なんて、お茶の子さいさい♪
メンバーやそのコンセプトからは、、信じられないくらい溢れ出るメロディに驚き。
そして、タブラのしなやかなグルーヴが癖になります。
 
 
1. Ziandi 
2. J Bhai 
3. Lucky Seven 
4. Suvarna 
5. Island Feeling 
6. Bedouin Trail 
7. Good Hope 
8. Mazad 
 
Dave Holland (b)
Zakir Hussain (tabla)
Chris Potter (ts, ss) 
 
今日のおまけは、先発して上がっていた「Good Hope」。
 
 
台風、過ぎ去ったけど被害は甚大ですね。
どなたさまも、お気をつけて!
 
んじゃ、退散♪

2019年10月12日 (土)

緊張感の連続! 『Roma / Enrico Rava / Joe Lovano』

Roma
 
1960年代から演奏を続けるイタリア・ジャズ界の重鎮トラペッター、エンリコ・ラヴァ。
1975年『The Pilgrim and the Stars』がECMデビュー。
片や、ルーツがシチリアだというニューヨークで活躍する重鎮サックス奏者、ジョー・ロヴァーノ。初リーダー作は、今年リリースされた『Trio Tapes』
 
そんな2人が双頭バンドのローマでのライブ。
ご本人たちは、以前から意識?はしていたとのことだが、私的にまさかの共演にびっくり!
大物2人の共演とあって、バンド・メンバーも、新進気鋭の若手が集まり、超豪華版。
現在、ラヴァのバンドのピアニストであり、ECMで躍進する叙情派若手ピアニスト、ジョヴァンニ・グイディ。現代ジャズ界で八面六臂の活躍の天才ドラマー、ジェラルド・クリーヴァー。そして、ブラック・アメリカンの伝統を濃く受け継ぐ怒涛の勢いのベーシスト、デズロン・ダグラスと若き才能が並ぶ……!
 
オープナーは、ラヴァのダークなオリジナル「Interiors」。ロヴァーノに重なるように始まるラヴァ。気だるく哀愁をしのばせながらも難解な曲をそれぞれのソロも交えながら、山超え谷超え、アクロバティックに、おしまい部分が洗練されていておしゃれ。
続く「Secrets」もラヴァのオリジナル、冒頭から彼の絶好調の演奏が続き、ドラムが炸裂。ロヴァーノも雄叫びを。
シームレスに始まるロヴァーノも「Fort Worth」。前半のユニゾン、中盤からのベースとドラムのタイトなリズムにのってのロヴァーノの快進撃、ラヴァの怪演と最後まで緊張感が続く。
次曲もロヴァーノ曲、斬新でドラマチックなドラム・ワークがかっこ良い「Divine Timing」。抽象的でフリーの世界を跨いでいる感じ。ダークでクール。
終演は、メドレーで18分超え。ベース・ソロで始まるロヴァーノのオリジナル「Drum Song」にはじまり、ジョン・コルトレーンの「Spritual」、そして、スタンダード「Over the Rainbow」。
ダグラスの力強いベース・ソロに始まり、クリーヴァーが創り出す緊張感の中、ハンガリーの民族楽器を使ったロヴァーノとラヴァの熱さ、グイディの端麗なソロと聴きどころ満載。混沌でモーダルな「Spritual」。清い水の流れのような美しいグイディのソロからの「Over the Rainbow」。ひたすら、ひたすら美しい。こういう流れは、彼のソロのライブの時にもあったので、巨匠たちも一目置いているのでしょう…静かにソロのまま終演。
 
リーダー2人のオリジナルを中心に、かなりの緊張感ある演奏。
若手メンバーの好演も後押しし、互いの美意識を共有、そして、スリリングな即興のを展開!
話題の若手の凄腕を聴くチャンスですね。
 
1.Interiors
2.Secrets
3.Fort Worth
4.Divine Timing
5.Drum Song / Spritual / Over the Rainbow
 
Enrico Rava (flgh) 
Joe Lovano (ts , tarogato)
Giovanni Guidi (p)
Dezron Douglas (b)
Gerald Cleaver (ds)
 
今日のおまけは、ご本人があげていた「Interiors」
 
 
台風、、、どうやら、上陸確定。
どうか、皆さま、お気をつけて!
 
んじゃ、退散♪

2019年10月10日 (木)

自由度の高い、親密な空間 『Playing The Room / Avishai Cohen / Yonathan Avishai』

Playing_the_room
 
トランぺッターのアヴィシャイ・コーエンとピアニストのヨナタン・アヴィシャイの2人は、テル・アヴィヴ出身で、学生時代から共演を続けてきたソウル・メイト。
2人とも、ECMからリーダー作を出している。そんな2人が、デュオのアルバムをリリース。
それぞれのオリジナルが1曲ずつ、2人の好きなミュージシャンたちの曲が6曲とイスラエルの子守唄で全9曲。
 
一瞬、スタンダードでも始まったかのようなメロディ「The Opening」は、コーエン曲。1音1音を確かめ合うようなゆったりしたテンポ、穏やかな演奏。ヨナタンのピアノは大変美しい。
単音を鳴らし続けるピアノ、音の階段を確かめるようなトランペットで、始まる「Two Lines」は、ヨナタン曲。後半、2人のラインは、絡まりながらおしまいに。
 
朗々とはるか彼方を見つめるトランペットのソロで始まる、ジョン・コルトレーンの「Crescent」神秘的なメロディと深淵な演奏に。
デューク・エリントンの「Azalea」のヨナタンの演奏は、型の縛られず才能を感じる。
アブドゥーラ・イブラヒムの「Kofifi Blue」は、会話のテンポも軽快で、まさに丁々発止。
オーネット・コールマンの「Dee Dee」、ちょっとユーモアも交えた明るい楽しいやりとり、付かず離れず。
ミルト・ジャクソンの「Ralph's New Blues」、呼応しあう2人の親密な演奏。
スティービー・ワンダーの「Sir Duke」、万華鏡の中をのぞいたようなヨナタンのソロが、次第に可愛いテーマを弾き始める、遠くで重なるトランペットの響き。ヨナタンのピアノにイスラエルのルーツをみる。
終演は、イスラエルの子守唄「Shir Eres」。この曲を教えたくて、このアルバムを創ったのではないか?と、思うほど、素敵な曲。どこまでも、穏やかに穏やかに、平和を願うように。
 
そこはには、ECMらしい音数を抑えた音風景が広がっている。
演奏そのものは、思ったよりイスラエル色は薄く、2人のインティメートな関係が全面的に打ち出された穏やかな感情のやり取りが聴ける。
朗々と響くトランペットの音色と、美しく凛としたピアノの音色が、ぴたりとはまって心に沁み込む。
終演のイスラエルの子守唄が、あまりに美しくヘビロテ必須!
 
 
1.The Opening
2.Two Lines
3.Crescent
4.Azalea
5.Kofifi Blue
6.Dee Dee
7.Ralph's New Blues
8.Sir Duke
9.Shir Eres (Lullaby)
 
 
Avishai Cohen (tp)
Yonathan Avishai (p)
 
 
今日のおまけは、レーベルのトレーラー。
イスラエルの子守唄「Shir Eres」が聴けますよ。
 
 
台風が近づいてますよね。
どの地区にも、、被害がないといいですよね。
 
んじゃ、退散♪

2019年10月 6日 (日)

重厚で気品ある 『Ballades / Ahmad Jamal』

Ballades

御大アーマッド・ジャマル、1930年生まれの米国のレジェンド・ピアニストがキャリア初となるピアノ・ソロのアルバムがリリースされています。彼の70年近い長いキャリアの中でもピアノ・ソロの演奏はレア。ましてや、アルバムをリリースするのは初めてだそうです。10曲中3曲では、朋友のベーシストのジェイムズ・キャマックとのデュオ演奏を聴かせてくれます。それも、アクセント的にいい感じ。自身のオリジナル3曲を含んだバラッド集、スタンダードに混じって、彼のトレードマークの「Marseille」と「Poinciana」の2曲が入っているのも嬉しい。

 オープナーは、デュオの「Marseille」。デュオ、、というより、孤高の極みを聴くようなソロの演奏に近いゆったりした演奏で、冒頭からジャマルの強い意思を感じる。即興曲らしい「Because I Love You」は、自分語りを聴くような朗々とした演奏。可愛らしさと力強さが同居する「I Should Care」。名曲「Poinciana」、あたらためてメロディの持つ永遠さを感じながら、流麗なピアノのソロを堪能。エレガントで大胆な鍵盤使い「Land of Dreams 」。ドラマチックで華麗な「What’s New」。インティメントな雰囲気のデュオで軽快に「So Rare」。彼のオリジナル「Whisperings」陰影深く深遠な響き。ソロで「Spring is Here」を弾いた後に、ベースが加わりエヴァンスの「Your Story」へとメドレー。そこからの「Emily」は、強い思惑がありそうですよね。スケールの大きな演奏で終演。

力強いタッチで、ブロック・コードを多用し、シングル・ノートで空間を埋めるような独特な組み合わせ。陰影ある奥深い表現は唯一無二の世界。メロディの持つ叙情に流されず、自分自身をしっかり持った演奏の数々。重厚で気品ある自信に満ちた演奏に脱帽でっす!

1. Marseille

2. Because I Love You

3. I Should Ca

4. Poincian

5. Land of Dreams

6. What’s New

7. So Rare

8. Whispering

9. Spring is Here / Your Stor

10. Emily

 

Ahmad Jamal (p)

James Cammack (b) #1,7, 9

 

今日のおまけは、ご本人があげていた「Poinciana」。

 

 

んじゃ、退散♪

2019年10月 5日 (土)

キャッチーな曲も魅力の超絶トリオ 『Oddgeir Berg Trio @ JAZZ Flash (10/4)』

Oddgeir Berg Trio @ JAZZ Flash (10/4)
 
Oddgeir Berg (p) Karl-Joakim Wisloff (b) Lars Berntsen  (ds)
 
71811399_1548887585252752_47312735373340
 
写真は、FB上からおかりしました。(近すぎて、3人がとれなかったので)
 
昨夜は、新潟は台風で大荒れでした。
風がすごかったせいか、バスが遅れ、夕方の駅周辺の渋滞にもはまり、、
開始時間に5分弱、、遅刻。m(_ _)m
はるばるノルウェーから来てくれてるのに、、申し訳ない…。
なので、皆さんが遠慮して?空いていた最前列に座りましたよ。笑
 
ええと、、演奏していたのは、アップテンポで、3人で駆け抜ける感じの力強い曲。
どうも、MCから新譜のアルバムからの曲のよう。
なかなか哀愁のある曲で、ベースのカールヨアキム・ウィスロフのソロも歌心あって素敵、オッドガイ・バルグのピアノはかなり流暢。
ドラムのラーシュ・バンツェンのカウントがノルウェー語?なのが新鮮!切れ味よい攻めのドラミング。
三位一体の緊張感ある演奏が続くが、曲がキャッチーなので難解な感じにならずとても楽しい。
1曲ごとに拍手喝采。
途中、何曲かにピアノとベースにエフェクターをかけ、歪みやディレイをかけて、、
ちょっと派手な盛りだくさんな感じで、プログレシッヴロックのような演奏も。
どうなんでしょ、一般的なジャズ・ピアノ・トリオのフォロワーは?って思うかもしれないけど、
E.S.T.が世界を圧巻したあと、このくらいで疑問符を投げる人もすくなくなったのでは?
で、面白いのは、最近はコンピュータでエレクトロニクス多用する傾向が多いとおもうのですが、彼らは超アナログだったですね。
かと思うと、息子さんのための子守唄は、素朴な演奏だったりと振り幅大きいな。
 
10分の休憩中に、彼らのセカンド・アルバムを買って曲をみると、
1セット目は、すべての曲がこのアルバムから演奏されていた。
 
セカンドは、彼らの1枚目のアルバムからの曲も演奏。
娘さんへの子守唄が、曲も演奏もとてもロマンチックでリリカルだった。素朴な感じもとてもいい。
2枚のアルバムから選曲してたとおもうんだけど、一緒に聴いていた友だちと同意見だったのが、
少し重めの曲の後に演奏した「Travellers」って、新譜からの曲がよかったということ。
明るく前向きな曲調と、ピアニストの冒険心があって親密感あふれる演奏があってました。
ベースのボーイングからはじまった曲では、背の高い彼の指がすごく長くて、
「ベーシストならあの指の長さを羨ましがるだろうなぁ」と、思いながら聴いてた。
音が何重にもかさなった荘厳な感じで始まり、最後まで重厚な感じ。こういうのも、いいな。
カヴァーだと言って、、始めた曲は、ニルヴェーナの「Heart Shaped Box」だった。独特のヒネられた暗い感じがよかったです。
終演は、彼らのセカンド・アルバムのタイトル曲「In The End Of The Night」。
音数は抑えめで、ゆったりとしたロマンチックなメロディと演奏でした。
 
ノルウェーのトラッドでアンコールに応えてくれました!
たぶん「Springdans」。youtubeで検索してみたんだけど、確信はもてませんが。。
素朴なメロディではじまり、即興部分では三位一体のジャズへ。
 
終演後に、サインをいただいて帰りましたよ。
寄り道したので、呟やき損なったけど。笑
 
世界は広い、素晴らしいミュージシャンが沢山いる!
北欧らしいリリカルでクリアな空気と、切れ味良い攻めのドラムに煽られながら全員で超絶テクニックで駆け抜けるプログレッシヴな側面をもった爽快なトリオでした。
しかも、曲がかなりキャッチーで、ベースがとてもメロディアスなので、難解さもなく聴きやすさ満点♪
先日、ポーランドのピアニスト、クシュストフ・ディスを聴いたばかりだったせいか、、
オッドガイ・バルグのピアノにクラシックを感じることは、私はほとんどなかったですね。
明朗で快活、フレンドリーな感じのピアノの演奏でした。
 
まさに、嵐を呼ぶトリオ!
 
10/5 土 上越ラ・ソネ
10/6 日 14:30 横浜Airegin、19:30 柏Nardis
 
ですよ。
 
樋口さま、フラッシュのマスター、女将、いつもありがとうございます!
 
んじゃ、退散♪

« 2019年9月 | トップページ | 2019年11月 »

無料ブログはココログ