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音楽で拡がる輪

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2019年9月

2019年9月30日 (月)

そこにはタウナーの音しかなかった! 『Ralph Towner @ 高崎芸術劇場 (9/29)』

Ralph Towner @ 高崎芸術劇場 (9/29)
Ralph Towner (classical and 12-string guitars)
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ECMを代表するギタリスト、ラルフ・タウナーさま。
当初、ピアノとトランペッターを演奏しており、ギターは22歳から始めたという異色のギタリスト。ウィーンでクラシック・ギターをきっちり学んだ彼の演奏には、クラシック・ギターの技法を多用した高度の技術が詰まったジャンルの枠にとらわれない演奏で人気です。
 
高崎芸術劇場は、群馬音楽センターの流れを継承すし、高崎駅の東口から5分程度の好位置に建設された劇場です。
9月20日がオープンで、こけら落としの華やかなイベントが続いています。
実際、ラルフ・タウナーの出演した「アコースティック・ギターの祭典」の日には、大劇場では「酒井 茜&マルタ・アルゲリッチ ピアノ・デュオ・リサイタル」も開催されていました。凄いとおもいませんか??
この日、当初予定していた「音楽ホール」から「スタジオシアター」に会場が変更されたので、「え!まさか、、入りが悪かったのか??」と、心配したのですが、、情報通の知人のお話だと、ご本人の希望なんだそうです。
タウナーさまが、希望するならそれでいいわ。って、感じですよね。笑
 
なので、開演前のロビーはチケットを交換する列や人々でごちゃごちゃしており、多少げんなり。それでも、黒を基調にした会場内に入るとなんだか、ドキドキしてきました!
でも、ステージに椅子が三つあるので、、ちょっと、不思議な気分だったけど。。
そう、オープニング・アクトのFRET LAND(鬼怒無月、有田純弘、竹中俊二)が、ファースト・ステージを約40分くらい演奏したのでした。
オリジナルを中心に、3本のアコギで超絶技巧の演奏は素晴らしかったです。
休憩が20分あって、ロビーから戻ってくると、、なんと、ステージに12弦ギターが置いてあるではないですか! なので、皆んなが写真とりまくり。笑
いよいよ、タウナーさまのおでましでっす!
 
クラシック・ギターを抱えて、ニコニコと入ってきたタウナーさま。
椅子にすわるとちょっとセッティングや音の確認をして、演奏が始まりました。
FRET LANDの人たちが、MCで言っていたように、1音だしたその音が「ラルフ・タウナー!」って感じなのですよ。笑
クラシック・ギターの音をマイクで拾って、その音をエフェクターを通して出してるので、クラシック・ギターを使っていても、クラシック・ギターの演奏とはやっぱり違いますよね。
ECMの音、空間系の音、高い天井に響いて降り注いでくる感じ、なんとも言えない心地よさ。
 
オープナーは、「Saunter」だったのでは、、ないかなぁ。
で、なんと、2曲めはお得意の「My Foolish Heart 」ですよ。もう、ギター一本の演奏とは思えません。
ポケットから出したメモ用紙を?床に置いて、それをみながら、、最新作のソロアルバムに入ってる曲や即興、「Anthem」などを演奏。(と、思う)
深い奥行きのある響きは宇宙を感じる。78歳に思えない流麗で高速な指さの動き…。
1曲5分くらいで10曲くらい続けて演奏、、「Dolomiti Dance」を弾いた後に、12弦のギルドのギターに持ち替えた。(お飾りじゃなかったんだね!)
ドラマチックに大胆に12弦を響かせる。ものすごく、低音の効いた迫力ある演奏。
 
拍手喝采!
 
お疲れだろうに、アンコールに応えてくれた。
なんと、、お得意の「Nardis」をクラシック・ギターで。
まるでピアニストになったようにギターを操る、リリカルで心に届く演奏。
後半は想うがままの即興に次ぐ即興…その集中力にも驚く。
最後の1音が消えると、再び大拍手。
流石に、ダブルアンコールはなかったけど、もう一度、挨拶に出てきてくれたので、スタンディングしちゃいました!
 
宇宙を感じる桃源郷のような夢心地の世界でしたよ。
そこにはラルフ・タウナーさまの音しかなかった!
 
新幹線の時間が迫ってましたが、、サイン会の長い列に並びましたよ。
お疲れだろうに、一人ひとりの要望にきちんと応えてくれます。
サイン、写真、握手、、もう、感激!!
この丁寧な優しさが、演奏にも表れてるよな、と思いました。
ラルフ・タウナーさま、素晴らしい演奏会をありがとうございました。m(_ _)m
お元気で、また、来日してくださいね。
 
んじゃ、退散♪

2019年9月29日 (日)

情熱と哀愁の 『トリオ・リベルタ コンサート2019 @ 三条市中央公民館ホール (9/28)』

『トリオ・リベルタ コンサート2019 @ 三条市中央公民館ホール (9/28)』
石田泰尚 (vin)  中岡太志 (p , vo)  松原孝政 (sax) 

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去年、りゅうとぴあで、、初めて聴いた気鋭のヴァイオリニスト石田泰尚 さま!
クラシック奏者ではありますが、風貌からして型に収まることのできないお方です。
三条の知人が、彼がヴァイオリンを演奏している「トリオ・リベルタ」のコンサートを主催するとのことで、チケット買って行ってきました。
三条市までは、新潟市から、、私でも車で一時間弱。

さて、車をやっとこさ、、駐車して、、公民館にいくと、整理券が配られてました。「36」だって。どうかな。。
以前、矢野のあっこさまが、ここでコンサートしたときは、五十番代だったけど、結構いい席だったのですね。

今回も、前から4列目で3人全てがきちんと見える席が確保できました!

あらかじめ、プログラムが配られていて、、前半は、比較的幅広くピアソラから離れた感じ。

後半は、新旧のタンゴを中心に最後に「ブエノスアイレスの四季」全4曲が!きゃあ!!

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開演すると、トリオ・リベルタ用にアレンジされた様々な曲が、情熱と哀愁、光と影を浮き彫りにしたドラマチックな演奏で。
圧倒的なテクニックを持った3人の演奏は圧巻!痺れました〜♪

まぁ、お目目でもヴァイオリニストを追いかけていると、、ふと、、最近、似たような人を観たとおもいました。
え?前の日にフラッシュで聴いたアダム・バウディヒ?
いえいえ、違いますね。地元で聴いたイタリアのトランペッター、ファブリッツィオ・ボッソです。
2人とも、演奏の音だけでなく、演奏する姿で周りを高揚させる。
意識してやっているわけではないかもしれないけど、高揚したときの演奏姿自体がとても音楽的。

才能ある人間は、どこまでも人を惹きつけるようにできているのですねぇ。。

と、圧巻の「ブエノスアイレスの四季」全4曲が終わると、、

なんと、トリプル・アンコール!に応えてくれた。

しかも、最後は、ピアソラの「Libertango」ですよ。やっぱり、嬉しい、、ただ感動。
そして、最後にメンバー紹介があって、、もう、1曲、演奏してくださいました。
なんと、童謡「この道」。ちょいとハプニングはあったけど、胸に染み入る演奏でした。
感激して、、終演。

と、せっかく、、三条まできたので、、カレーラーメンを食べて帰りましたよ。


んじゃ、退散♪

2019年9月28日 (土)

感情の増幅が半端ない 『Adam Bałdych & Krzysztof Dy @ Jazz FLASH (9/27)』

Adam Bałdych & Krzysztof Dy @ Jazz FLASH (9/27)

Adam Bałdych (vin)  Krzysztof Dy (p)

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ポーランドの至宝、天才ヴァイオリニスト、アダム・バウディヒ。最新作『Sacrum Profanum』で共演している同郷のピアニスト、クシュストフ・ディスとのデュオで来日。去年のヘルゲ・リエンとのデュオに、続いて、、再び、新潟で演奏をしてくれました。再び、フラッシュの最前で聴いてきましたよ!
オープナーは、新譜と一緒で、ルネッサンスの作曲家の「Spem in alium」を厳かに、そして、中世のドイツの作曲家の「O virga ac diadema 」は神秘的に。アダム・バウディヒの変幻自在は書くまでもないが、初聴きのクシュストフ・ディスも、美しいタッチ、エモーショナルで素晴らしい。

一体感を越して、まるで一心同体のような感情の増幅がすごい!高速フレージングをやり取りする即興の醍醐味を強調した曲では、ピアニストはずっと「歌って」いた。

ルネッサンス・ヴァイオリンに持ち替え、1曲弾いて(爪弾いて)くれたのは、「Love」。優しいメロディだけど、ドラマチックな展開。ピアノが重なったとき、あまりの美しいピアノ音色に胸がキュンとしてしまった…。ハーモニーが美しい「Faith」も息がぴったり。クラシカルなピアノのソロにうっとり。新譜の曲に戻って、プログレッシブに攻める難曲「Repetition」。違いの反応に酔いしれるように突っ走る姿に惚れ惚れ。

一転、バラッド「Longing」、ヴァイオリンの高音で泣かせます。なんとも、牧歌的なメロディを、ゆっくりゆっくり、合わせていく…。最後にアンコール?に、情感豊かなメロディが素敵な「Bridges」を演奏したとき、ピアニストが楽譜をガン見していたのが印象的でした。


去年のヘルゲ・リエンも、とても良かった。

けれど、今回は、2人の根っこの部分が、、もっと繋がっている感じの濃密な一体感が半端なかったですよ。

ピアニスト、クラシックのしっかりしたテクニックを元に、即興にかける集中力が物凄い。

アダム・バウディヒは、ヴァイオリンの化身ですね!

そして、、2人の一心同体的な感情の増幅!が、本当に素晴らしい自由自在な演奏。

最新作からの曲を中心に、ポリッシュ・ジャズの奥の深さを思い知った日でした。
新譜にお2人のサインをいただき、帰宅。

フラッシュのマスター、女将さん、そして、樋口さま、、いつも、本当にありがとうございます!


んじゃ、退散♪

2019年9月25日 (水)

奇跡のような存在 『Toninho Horta feat. Diana Horta Popoff @ ブルーノート東京 (9/24 1st)』

『Toninho Horta feat. Diana Horta Popoff @ ブルーノート東京 (9/24 1st)』
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Toninho Horta (g,vo)
Diana Horta Popoff (p,vo)  Mathias Allamane (b)  Yoichi Okabe (ds)

ミナスの奇跡に会いにいってきました…。

最初は、トニーニョ・オルタは独りででてきて、お気に入りの「Echizenギター」を抱えて弾き始めた。
ヴォーカルからスキャットへ、かき鳴らすギターとの一体感に心惹かれる。
オープナーは、人気の「Durango Kid」だ! MCを挟みながら、次々に演奏。
例のスキャットを会場の観客と一緒に強要?するも、もうひとつ付いていけない観客に「きみたちシャイだね」みたいな。笑
どんどん、トニーニョ・オルタの世界が広がっていく。
高速フレージング、力強いカッティング、美しいハーモニー、独特の浮遊感、切れ味よいスキャット、歌もギター・プレイも何一つとっても、CDで聴いていたトニーニョ・オルタその人以外の何ものでもない。
一生懸命な演奏の汗と、、音楽への愛情がたっぷりの「ハート」がバンバン飛んでくる感じ。
今年鬼籍に入ったジョアン・ジルベルトへのリスペクトを沢山話した後に「Desafinado」を演奏。
会場からも優しい歌声が流れると、それにハーモニーをつけたりして、、本当に、身も心も音楽でできている人なんだな、、って、感動しちゃった。
 
5、6曲演奏した後に、姪っ子のヂアナ・オルタ・ポポフ、ベースのマチアス・アラマン、パーカッション&ドラムの岡部洋一が加わる。
エレベとドラムが入って賑やかな中、ヂアナの可愛らしい歌声で雰囲気はがらりとかわる。
で、いったん、トニーニョが舞台からいなくなる。(心の中は「え〜〜!!!」笑)
入れ替わりに、なんと、あのファンキーでグレイトなトランペッター黒田卓也が登場。
ヂアナのピアノ・トリオと「Ponta de Areia」や彼女のオリジナルを演奏。
1吹きで空気が変わる、流石。コンテポラリーなブラジリアン・ジャズ。(心の中は『おぉぉ!」単純)
 
再び、トニーニョ・オルタが戻ってきて、ギターをセミアコに変えて弾き始めると、、これまた、がらりと雰囲気が一転。
そうだ、黒田卓也はすごかったけど、ヂアナも素敵だけど、会場の皆んなは貴方を聴きにきてるんですよぉ。
今更に、思うわけです。笑
ヂアナの歌にぴったりはまるギター・プレイ。やっぱり、血の繋がりは争えない。
幼い頃から周りにトニーニョ・オルタの音楽でいっぱいの素敵な人生をすごしているヂアナとのハーモニーも幸せな音。
2.3曲演奏し、、最後は、新譜『Belo Horizonte』の宣伝をしておしまい。
最後の最後まで、アンコールを期待する拍手がいっぱいでしたよ。
 
つくづくおもいました。彼は、彼が存在するだけで奇跡。
その声、ギター、曲、全てが奇跡です!
 
と、予定の新幹線に乗れなくなったけど、余韻にひたりながらホームでぼんやりできてよかったかのかも。
CDの中の憧れのスターが、さっきまで目のまで演奏していた幸せって中毒になりますよね。

んじゃ、退散♪

 

追記(ブルーノートのHPにセット・リストが発表されてました)

1st
1. DURANGO KID
2. AOUI,0H!
3. PILAR
4. VIVER DE AMOR
5. DESAFINADO
6. MADI
7. PONTA DE AREIA ~ TODA MENINA
8. NA RODA
9. VÉU DO OCEANO
10. MEU CANÁRIO
11. FRANCISCA
12. MANUEL

 

2019年9月21日 (土)

再度、夢のような出来事…… 『Rosario Giuliani Quintet feat. Fabrizio Bosso @ 新潟市江南区文化会館 (9/20)』

Rosario Giuliani Quintet feat. Fabrizio Bosso@新潟市江南区文化会館 (9/20)
Rosario Giuliani (as) Fabrizio Bosso (tp)
Alessandro Lanzoni (p) Darryl Hall (b) 江藤 良人 (ds)
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(演奏中の写真は、NGで、懇親会のときは、私が写っているのでポスターで。)
去年、阿賀野市にロザリオ・ジュリアーニが来るということで、半信半疑ででかけていて、、かなり、、美味しいおもいをした私。
今年は、なんと、ファブリッツィオ・ボッソとの双頭クインテットで市内の江南文化会館に来るとのこと、、行く前から涎がでそうでしたよ。笑
拍手喝采オリジナルから始まったオープナーは、ボッソが目も覚めるようなソロで先行。巧い巧いと思っていたんだけど、まじ、巧かった。笑
追随するジュリアーニも、対抗するような長く難解なフレーズ。
びっくりしたのが、ダリル・ホールのベース。手堅いベーシストだと勝手に思い込んでいたのだけど、すげー攻める。
そして、ランツォーニのピアノのタッチの美しいこと、でも、即興はかなりひねっていてさすが神童と呼ばれたピアニスト。
唯一、日本人のドラマーの江藤良人のパワフルで大胆なドラム・ソロも会場を沸かせました!
テーマに戻っての高速ユニゾンが、キレッキレで感動。終わった瞬間にやんやの拍手。
たからかでメロディアスなボッソのトランペットで始まった「ニューシネマ・パラダイス 愛のテーマ」、ボッソの叙情豊かな演奏の後の、ピアノの美しい演奏は白眉。哀愁あるジュリアーニ、歌心あるベース、繊細なドラムと、イケイケの演奏とはまた一味違う面。
テーマに戻ってからのハーモニーの美しさに感激。
と、ここからは、ごちゃまぜな感想で。。
ピアノ・トリオでの演奏もすごい、ちょっとモンクの影が見える縦横無尽に鍵盤を動くピアノが熱い、常に攻めの体制のベースがひっぱって、ドラムはエキサイティングにまとめ上げる。これだけのテンションでバックから煽られたら、吹きまくりますよね。笑
そうだ、ボッソのワウを使った熱いソロがすごかった。煽る、煽る。観ているだけでも、気分が高揚し、吹きながらどんどんテンションが高くなっていくボッソから目が離せない。
1曲、短いけどミュートも使ったのだけど、これも巧い!
ジュリアーニも負けちゃいない、超高速で長い長いソロで呼応。極限まで挑戦する演奏は会場をわかせる。情熱的な人ですね。
ベースのソロも含めて大興奮だったベースの前にたってのコール&レスポンスでも吠えてたな。
フロント2人のコール&レスポンスもあった。俊速速攻の高速のやりとりは、ちょっとユーモアも入って場内からも掛け声が! 
阿吽とかじゃない、スリリングな即興感が超かっこいい!
会場内の全員が「やられた!」って感じですよ。笑
スタンダードも演奏してて、「Body & Soul」は、リラクゼーションたっぷりな色気のある演奏。
ダブル・アンコールだった、スタンダード2曲も哀愁たっぷりの「In a Sentimental Mood」と、エキゾチックでちょっと変わった出だしの「Caravan」で大満足。
ボッソとジュリアーニの2フロント、最強。
息つぐ間も無く、聴かせる魅せる! 2人のやり取り、ソロもすごいけど、高速のユニゾンがキレッキレで、、もう、快感でしたよ。
バンドとしても超充実していました♪
この後、江南区の人たちが用意した交流会が素敵だった。
江南区づくしのおもてなし、もちろん、、その中には越乃寒梅で有名な「石本酒造」さんもあるわけで。。
素晴らしい宴だったのですが、、なんせ、車で来ちゃったので……涙。
「Melody! Harmony! Rhythm! Colors! Forms!」
これは、去年、ジュリアーニに教わった、ジャズが上手になるおまじないです。笑
今年は、全員にサインと写真もお願いしました!
んじゃ、退散♪

2019年9月16日 (月)

夕暮れの空気、静粛で美しい 『spectrum / akiko × masaki hayashi 』

Spectrum
 
去年のクリスマス・アルバムで、はじめて知ったヴォーカリストのakikoさま。
なんと、今年のアルバムは、このブログでも沢山でてくる大好きなピアニストの1人、林 正樹さまとのデュオ。もう、、やるなぁ、、としか、、いえませんね。
2人のオリジナル7曲(6曲は作詞 akiko 作曲 林 正樹、1曲は作詞作曲 akiko)に、ガーシュイン、ジョビンの曲と八重山民謡で全10曲。
 
オープナーは、ミニマルなピアノの響きと漂うようなヴォーカルが一体化した「Bluegray Road」。優しく、ふんわりと日差しが差し込むイメージが素敵な「Humming」。後半のピアノのソロの柔らかな響きにうっとり。ヴァイヴの音が効果的に重ねられピアノの演奏を存分に楽しめる「The Flower of Life」。
名曲「I Loves You, Porgy」、その深く叙情的な歌と音数を抑えたピアノが溶け合って心の襞を揺さぶる…白眉。
ピアノ演奏と詩の朗読が合体して不思議なエネルギーを巻起こす「Teal」。
唯一作詞作曲akikoの「Music Elevation」は、もともとあった曲をヴァイヴをフィーチャーしてアレンジしなおしたかなりミニマルな曲。
ささやくような歌と美しいメロディ、歌詞の世界にぴったりな雰囲気が素敵「If」。
私はいつもこの方のピアノのこの間に泣かされる、ポルトガル語で歌う愛の歌「Corcovado」。明るく可愛い空気が流れる歌詞をArvin Homa Ayaと共作した「Phantasien」。
終演は、八重山民謡「月ぬ美しゃ」、八重山の美しい自然の中で育む人の道…ピアノの音が月の光のように綺麗。八重山訛りの琉球語の響きとピアノが天上の音楽のよう。
 
全体に心の襞を震わすしっとりした空気がながれる。
夕暮れ時の少し寂しい色合いを感じながら、、独り静かに聴く時間。
自然体なピアノと歌の一体感が、たまりません…。
 
1. Bluegray Road
2. Humming
3. The Flower of Life
4. I Loves You, Porgy
5. Teal
6. Music Elevation
7. If
8. Corcovado
9. Phantasien
10.月ぬ美しゃ
 
akiko (vo) 
Masaki Hayashi (p, arr, add-vo #1) 
Fumitake Tamura (electronics)  #2,7
Hitomi Aikawa(vib)#3,6 
 
今日のおまけは、新譜の紹介動画から。
 
 

 

なんだか9月はばたばたしてて、、こういう時間がとても貴重におもっちゃいます。
んじゃ、退散♪

2019年9月15日 (日)

いつだって心踊る 『Harvest Moon』

今年のハーベストムーンは、昨日9月14日だったらしいのですね。
新潟は、比較的お天気にめぐまれていたので、お月さまの写真をあげている方が多かったです。

私も、何枚か写真をとりましたが、、いまいち、風情のある写真になりませんでした。
まぁ、、私の中で「Harvest Moon」といえば、偉大なる兄貴(Neil Young)が、1992年にリリースしたアルバム『Harvest Moon』に収録されている「Harvest Moon」ですね。

こんなロマンチックな歌詞とメロディがこの世にあるのだろうか!
と、大変お気に入りです。笑

ご存知の方も多いとおもいますが、、今日は兄貴の傑作をはりつけておきますね。

 

この曲を聴くと、いつだって心踊る気分!

んじゃ、退散♪

2019年9月11日 (水)

天は二物を与えまくり 『Camila Meza & The Nectar Orchestra @ ブルーノート東京 (9/10 1st)』

Camila Meza & The Nectar Orchestra @ ブルーノート東京 (9/10 1st)
Camila Meza (g,vo)  
Eden Ladin (key,p)  Noam Wiesenberg (b)  Keita Ogawa (per,ds)
Yuka Matsumoto (vln)  Eyuko Suzuki (vln)  Ayu Eto (vla)  Ayumi Hashimoto (vc)
 
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『Traces』『Ambar』とお気に入りのアルバムになったカミラ・メサさま。
なんと、The Nectar Orchestraの主要メンバーも引き連れての来日とのことで、馳せ参じました。
 
まずは、来日メンバーで。インストのイントロを聴いて「!!」って飛び上がる。
アルバム(前作)でも動画でもよく聴いていた「Para Volar」。声がでた一瞬に目の前に大自然がひろがる、そして、それに合わせて飛翔するようなギター・ソロ。バックの演奏もかっこいい。カラフルだけど重厚なドラムが凄い。
2曲めから、ストリングスが加わりました。ストリングスの音が効果的に響くエリオット・スミスの「Waltz #1」。いろいろな音が溶け合い、その真ん中に彼女の影が揺れる。
ミルトン・ナシメントの「Milagre dos Peixes」、美しいピアノ・ソロが印象的。その後ろでベースとドラムが良いお仕事。ギター、雄大、大きな演奏。歌、ミステリアスな雰囲気。
曲の背景を説明してから「Olha Maria」。ギターでの弾き語りを大切にしたシンプルな演奏に、ストリングスが切なく絡んでいく。すばらしい感情の発露…引きこまれて涙が滲む。
しっとりした曲調だけど、ドラマチックで高揚感ある「Fall」。本当に歌が巧い。
またまた、曲の背景をしっかり話してくれた。貧しく小さな子どもに対する優しい目で「Luchín」。素朴な歌声が気持ちを揺さぶる。
一転、コンテンポラリー・ジャズ、って感じの「Traces」では、スリリングに弾きたおし、楽器とのやりとりを楽しませてくれた。全身を使ってギターを弾くさまは圧巻。
最後の曲は、アルバムと一緒で「 Interlude 」からはじまって、「 Ambar 」に繋がる流れ。  彼女の持っているいろいろなものが凝縮されてるような素敵な時間。拍手、喝采!
 
そして、アンコールには独りででてきて。弾き語りで「Cucurrucucu Paloma 」。
カエターノ・ヴェローゾで有名な曲だけど、メサさまの歌も静かなる悲哀を感じる…
 
新作『アンバー』の世界をそのまま実体験した感じ。前作も含め彼女の代表的な曲が聴けて幸せ。
めちゃ可愛いくてフレンドリーな感じでした。
でも、ギターめちゃ巧い、ヴォーカルめちゃ巧い、メンバーとの絡みも凄い!
何より何より魅力的なのは、いろいろなボーダーを溶かしてしまう自由な発想…
そして、サウダージ…。
 
なんとうか、年齢層が少し高めで驚きました。敬老の日企画で、70歳以上が半額だったみたい。いいなぁ。
帰り道に急いで、早歩きで追い越した、ご婦人2人組が、「しっとりと感情のこもった歌も素敵よね〜」って、言ってました。相槌打ちたかったです。笑
 
んじゃ、退散♪

2019年9月10日 (火)

迫力満点! 『三木 俊雄トリオ @ Jazz FLASH (9/9)』

三木 俊雄トリオ @ Jazz FLASH
三木 俊雄 (ts)   西川 直人 (org)  海野 俊輔 (ds)
 
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三木 俊雄トリオ、待ってました〜♪
私が、新潟でこのトリオを聴いたのが2015年なので、、4年ぶりでした!
その前年にも、聴いているので。。きっと、この間にもいらしているのだろうけど、私が行けなかったのだと思う。。
なので、夏の前から楽しみにしてました。
 
サックス・カデンツァから始まった「Hey, It's Me You're Talking To」、ドラムとオルガンが入って、それぞれソロを、のっけから盛り上がりますね!
三木さま主催の10人編成のFrontpage Orchestraで演奏している「Papillon」。元ネタもエレガントだけど、オルガンの美音が響く演奏もエレガントで美しかった。
またまた、サックス・カデンツァで始まった明るく楽しい「Nobody Else But Me」(って、言った気がする)。古いスタンダード。オルガンとドラムの息もぴったり、そこに乗っかるサックスもめちゃ楽しそ。
きた〜、映画「Round Midnight」で主人公の娘に捧げられた「Chan's Song」をダンディに情感たっぷりに。痺れた〜。
1stセット最後は、ショーターの「Yes or No」。高速のあのテーマが流れるとハードボイルでスリリングな演奏が続く。自分を自分自身で煽るオルガン、全身でキレッキレの音を叩き続けるドラム、ドラム・ソロが大迫力で心の中で飛び上がった!そして、2人のパワーを全身に感じながら、ひたすら突っ走るサックス。やった〜♪ 会場やんやの大拍手!
 
休憩時間は、おとなりの方と海外旅行のお話で盛りあっがったですね♪
 
オルガンの西川さま待ちで始まった、、2ndセットのオープナーは、ちょっとダークな色合いの「 Blue Man」。心踊る高速ソロ。セカンドも凄いことになりそ。
メセニー&ジョンスコのアルバムから「Say the Brother's Name」、メロディアスなソロはなんとなくブレッカーが頭を過ぎる。でも、とても温かな音色。
続いて、西川さまのオリジナル「郭公」、以前に、郭公の鳴き声から来ているって聞いたきがするのですが、、メロディは全然そんなかんじないのですが、そう思って聞くと、、時々「かっこー」って鳴く気がするから面白い。笑  またまた、みんなで大爆発!
続いては、三木さまの新譜にもはいってるかもしれない三木さまオリジナル「Saudade」。そのままブラジルの郷愁を感じるゆったりしっとりした演奏で。
終演は、海野さまオリジナル「Tainish」! 「Mirage」に入ってる、ジェフ・テイン・ワッツに捧げた曲。
本家は、サックスとトランペットが入った超ハードボイルドな演奏。もちろん、ワンホーンだって、この曲で、演奏が盛り上がらないわけがない。
ブロウ&ブロウのサックスを容赦なく攻めあげるオルガンとドラム。ドラムの躍動感、破壊力が半端なく、会場内、全員揺れてたと思うな。やんややんやで、終演。
 
拍手喝采!お疲れのところスタンダードをアンコールに演奏していただき、大変幸せな気分でございました。
 
左手でベースラインをひきながらのテクニカルなフレージングのオルガン、素敵な音だった…。
要所要所にアクセントが効いていて、躍動感満載、スティックワークにも惚れ惚れするドラム。
この2人に乗っかって、重厚さと繊細さ、豪放さとエレガントをを兼ね合わせたサックス!
紳士な口調でいて、現代テナーの技巧をばっちり盛り合わせているところが大好きです!
バンドがヒートアップ時の一体感、高揚感も半端ありません!
各自の音のコントロールが絶妙なので 絶頂感も半端ないのですね。
しかし、、小さな編成でオルガンって、最強な武器ですね。
 
岩井美子さま、マスター&女将! 素晴らしいライブをありがとうございます!
ちょっと、打ち上げにも参加させていただき、とても幸せな夜でした!
 
んじゃ、退散♪

2019年9月 5日 (木)

素晴らしすぎる世代間交流 『チャールス・ロイド Kindred Spirits @ ブルーノート東京 (9/4 1st)』

チャールス・ロイド Kindred Spirits @ ブルーノート東京 (9/4 1st)
Charles Lloyd ( ts, a-fl)
Julian Lage (g) Gerald Clayton (p) Ruben Rogers (b) Eric Harand (ds)
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スーパー凄腕の若者たちをひきつれたチャールス・ロイド。
昔から、時代の寵児になるミュージシャンをメンバーにひっぱってくるのが得意なんだけど、今回はダントツ凄い。
以前から、バンドにいるリズム隊はそのままで、ピアノに知的で美しいジェラルド・クレイトン、ギターは、近年アメリカーナの路線を強める鬼才ジュリアン・レイジ。
最強のメンバーで来日したので、約二ヶ月ぶりの上京。長い夏休みだったね。笑
 
ふぅっとテナーサックスを吹くと、それはまさにロイドさまだった。
「Defiant」かな。彼が、吹いている時のバックのバランスがとても良かった。
スター・メンバーだけど、全員がロイドさまをリスペクトしていて、彼のやろうとしていることを理解してる。
盛り上がっても音が被らずぶつからず、さすが超一流の集団。
アルトフルートに持ち替えての「Of Course, Of Course」は、超ハッピーなロイドワールド。
レイジのギターのソロが、超ど迫力もので何度も何度も絶頂を迎えた感じで興奮しました。
その後の曲と最後の曲で、クレイトンの、音の美しさ、知的でセンスの良いフレージングで心奪われた。
さすが、血統証つきの素晴らしいピアニストですね。
以前に、彼のライブで聴いたことがあるんだけど、今回はかなり心に響き残りましたね。
 
そういう間に、ロイドはふらふらとメンバーに近寄って、じっと聴き入ったり、ちょい煽ったり、それはおじいちゃんの顔。笑
でも、いったん楽器を持てば、フリーからロマンチックなバラッドまで、自由で奔放、そして、多幸感満載な世界。
みんなが知ってるあのふかふかな、空気ざっくりのロイドの音色で、どこを切ってもロイド節。ハッピーだぁ。
 
もちろん、強靭なバネをもった弾むようなベースと、カルフルでメロディアスまるで歌うようなタイトなドラムも超良いお仕事。
ソロでも会場を沸かせてましたが、アンサンブルの中でとても良い音を提供していたと思います!
このメンバーで、レジェンドがどこまで極めるかみてみたい。いや、聴いてみたい。
なんて、元気な81歳、レジェンド恐るべし。
感動で、帰りの新幹線でビールで祝杯! ちょっと、飲み過ぎ〜。m(_ _)m
 
んじゃ、退散♪

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