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音楽で拡がる輪

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2019年7月 2日 (火)

ベースに耳がゆく 『Arvoles / Avishai Cohen

Arvoles
 
イスラエルのジャズの牽引者、鬼才アヴィシャイ・コーエン。力強く高速でグイグイ引っ張って行くベースは驚異的。
新譜は、アゼルヴァイジャンのピアニスト、エルチン・シリノフと16歳の時からの演奏仲間のドラマー、ノーム・ダウのトリオ。
曲によってトロンボーンとフルートが入る。
1曲がトラッドで、他は彼のオリジナル。
タイトルの「Arvoles」は、スペイン系のユダヤ教徒の言葉で「木」を意味するとか。
今までと、ちょっと違った路線のジャケットは、アヴィシャイのお母さまの作品。
 
オープナーは、トラッド「Simonero」。フルートとトロンボーンもフィチャーし、力強いリズム。一転、優しくフォーキーな「Arvoles」。ピアノとベースのインティメイトな感覚が心地よい。
アルコの歪んだ音も効果的につかって、イスラエルのリズムが前面に押し出された「Face Me」。ゆったりした曲調の中に、淀みなくあふれるでるベース・ソロ「Gesture #2」。
跳ねるようなミニマルなフレーズを繰り返す「Elchinov」。
「Childhood (for Carmel)」、哀愁ある曲調、優雅なアンサンブル、美しいフ管楽器のやりとり。
パーカーション的リズムと変拍子の融合、気魄あふれる「Gesture #1」。
水の流れのように次々と変化していく「Nostalgia」。
「New York 90's」、踊りだすようなリズムの中一瞬見えるニューヨークの景色。
終演は、モダンにスイングする感覚で「Wings」。
 
誰もが認める実力派。
フルートとトロンボーンの変則のフロントは、良いアクセントに。
ベースの渾身のプレイに応えるピアノとドラムとの三位一体。
前回の全曲歌っているアルバムからの舵の切り替え?
やっぱり、ベースに耳がゆく。
そして、彼が持っているイスラエルのリズムとメロディの強烈な印象は、彼から常に離れることはない。
そこが魅力で、そこが鬼門? 様々な工夫の効果のほどは?
 
 
1.Simonero
2.Arvoles
3.Face Me
4.Gesture #2
5.Elchinov
6.Childhood (for Carmel)
7.Gesture #1
8.Nostalgia
9.New York 90's
10.Wings
 
Avishai Cohen (b)
Elchin Shirinov (p)
Noam David (ds)
Anders Hagberg (fl) #1,4,6,9,10
Björn Samuelsson (tb) #1,4,6,9,10
 
今日のおまけは、ご本人があげていた「Simonero」
 
 
んじゃ、退散♪

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コメント

Suzuckさんの評価を楽しみにしていました。
私はこのAvishai Cohenには、イスラエルのムードはあっても、もう少し彼の美学を期待したんですが、少々期待を裏切った感を持ってます。
ホーンセクションも1曲ぐらいで十分です。私の好みからあまり成功とも思っておらずというところですかね。やっぱりトリオがいいですね、個人的には。
 ひとそれぞれでいいのですが・・・これってそんなに愛されて広く聴かれるアルバムになるでしょうか・・・・・?。まあ良くわからない歌よりはいいかも。
と言うことで・・・・すみませんがTBです(↓)。
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2019/07/post-34e34e.html

風呂井戸さま、評価、、難しいですよね。
二本、管楽器が入って、、変化がつけられたか?
って、いうと、、おもったより普通の感じで、、少し悩みました。
でも、悪くはないとおもったんですが、、その感情をなんと表現していいのか。。

個人的には、イスラエル・ジャズしてて、、2、3曲歌う、、
って、感じがいいかな。
まぁ、ファンなんて、、勝手なものですね。笑

今日の9時のコメントにて、申し訳ありません・・・TBが間違っていました。
訂正させてください。↓
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-e1df05.html

おひさしぶりです。
お邪魔します。

これ、2曲目が美しすぎます。
なんでしょう、天に向かってゆっくり登っていくような。

聴くたびに涙出そうです。

たしかに、全体はなんてことないんですが、
この一曲だけで、私にとっては名盤です。
お世話になったジャズ喫茶のマスターの奥さんが
絶対に好きな感じなんです。
二年前に急に亡くなってしまったのですが。

今また聴いていると、星の瞬きにも聞こえます。
ありがとうございます。

じゃずねこさま、コメントをありがとうございます。
「おひさしぶり」と書いてくださっているのに、、、前回が、思い出せません。。
ごめんなさい。検索きのうとかも、使い勝手がわかっていなくて、、m(_ _)m

「Arvoles」がお好きなのですね!
たしかに、この和やかさと、優しさは天上のものですよね。
途中のベース・ソロもピアノ・ソロも会話のように思えます。

この曲で、想い出される方がいらっしゃるなんて、、
とても素敵なことですね。
亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。

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