魅力的な演奏が並ぶ 『CASINO / Carrefour Saxophone Quartet』
広島在住のクラシックとジャズのサックス奏者で構成されているサクソフォン・カルテット、カルフール・サクソフォン・カルテット。
前作『Have You Heard ?』は、パット・メセニー集でしたね。
今回は、クラシックに焦点をあてたアルバムです!
トラックは、8つありますが、2〜6は、賛美歌のメロディをモチーフに5つの曲から成り立つ「Recitation Book」なので、4つの作品からですね。
と、クラシックは超超門外漢なので、HPにあった文章を参考にしながら、簡単に…。
オープナーは、オランダの作曲家J. フランセンスの「The Straight Line」。4本のサックスの一糸乱れぬ演奏に一気に引き込まれてしまう。同時には、たった4つの音なはずなのだが、その色彩力みたいなものに心奪われる。
2曲めは、賛美歌をモチーフにした5つのパートからなる「Recitation Book」は、アメリカの 作曲家D.マスランカの作品。
レシテーション・ブックとは、キリスト教の典礼で唱えられる文章を集めたもの。いや、私は元ネタを一切しらないわけですが、全体を支配する厳かな空気を感じる。それぞれの独奏が美しくも哀ししさ讃えており教会で高い天井を見つめる時の気分に静粛な面持ちに。最後10分近い「アダムの罪によりて」の得体のしれぬ不安感が、次第に達成感のような気持ちに置き換えられる不思議は圧巻。
アメリカの作曲家M.トークの「May」。ポップでカラフル、躍動感ある演奏。まるで、新緑の季節の植物の勢い。
終演は、イギリスの作曲家R. パウエルの「Bow 0ut 」。どうやら、マイルス・デイヴィスの死によって作曲された曲らしい。そう思って聴くからでもないだろうけど、スタイリッシュでミステリアスな感じがする。メンバーの独奏の間に入る、ピアノがめちゃくちゃクールで美しい、印象的なソロの演奏。
フランス語で「交差点」を意味するカルフールらしい互いの音楽性を交差させた素晴らしい作品だと思いました♪
1. The Straight Line / Joep Franssens
Recitation Book / David Maslanka
2. Ⅰ)Broken Heart: Meditation on the chorale melody “Der du bist drei in Einigkeit”(You who are three in one)
3. Ⅱ)Prelude/Chorale: Meditation on the chorale melody “Jesu meine Freude” (Jesus my joy)
4. Ⅲ) Ecco, morirò dunque (Look! My Death is Near!) – Gesualdo di Venosa, 1596
5. Ⅳ)Meditation on the Gregorian Chant “O Salutaris Hostia” (O Salvation’s Victim)
6. Ⅴ)Fanfare/Variations on the chorale melody “Durch Adams Fall” (Through Adam’s fall)
7. May / Michael Torke
8. Bow 0ut / Roy Powell
Carrefour Saxophone Quartet
宮田麻美(ss)
久保田麻里(as)
前田悠貴(bs)
藤井政美(ts)#7 , 8
加藤和也(ts)#2, 3, 4, 5, 6
清田朝子(ts)#1
鳥岡香里 (p) #8
今日のおまけは、HPにあった『CASINO』の視聴ヴァージョン。
お買い上げは、HPのショップからどうぞ!
新潟も夏になってしまいました……やばい。
んじゃ、退散♪
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