鳥の目〜〜 『Ambar / Camila Meza』
2016年にでた、『Traces』は、今に煌めく人たちが参加した、キャッチーなメロディに溢れる忘れられない1枚。
今回は、カミラ・メサと「The Nectar Orchestra」とのコラボ。彼女は、弦楽四重奏を含む室内楽の実験的なユニット、ネクター・オーケストラを持ち、表現の領域を広げているようです。
「Ambar」は、スペイン語(メサはチリ出身)で「琥珀」を意味するそうで、樹木の再生機能になぞらえた、、「癒やしのプロセス」が作品のテーマとのこと。
12曲中6曲がオリジナル、他ブラジル関係の名曲が並ぶ。
オープナーは、オリジナル「Kallfu」、スリリングなストリングとヴォーカルから始まる躍動感ある演奏。カラフルに変化していく歌はもちろん、エレキ・ギターのプレイが素敵。
夭折したシンガー・ソング・ライター、エリオット・スミスの「Waltz #1」、しっとりした哀愁にぴったりハマるストリングスの音色。
牧歌的で開放感満載のオリジナル「Awaken」。パット・メセニーとデビッド・ボウイのコラボで知られる「This Is Not America 」のダークで沈痛な…そして、壮大な演奏。
トム・ジョビンとシコ・ブアルキとヴィニシウス・ヂ・モライスの共作「Olha Maria」の叙情的なアコギの弾き語り、美しいスキャット…言うことなし。
鮮やかに心象風景を描く、オリジナル「Atardecer」、ギタリストとしても抜群のセンス。
色彩色豊かで清涼感あるオリジナル「All Your Colors」。
ウエイン・ショーターもとりあげたミルトン・ナシメントの「Milagre dos Peixes」、雄大、広大、ファンタスティック。
アレンジも担当しているベーシスト、ノーム・ウィーゼンバーグの「Interlude」は、ストリングスだけでシームレスに時曲に。
オリジナルでタイトル曲「Ambar」、穏やかで柔らか、でも、力強い演奏。しっとり豊かな響きが重なり合う「Fall」。
終演は、カエターノ・ヴェローゾで有名な「Cucurrucucu Paloma」を、独りでアコギを使った弾き語り。これは、反則ワザですよねぇ。終演にふさわしい情感たっぷりな演奏…。
しっかりとヴォイス・コントロールされた歌、スキャット、飛翔感あるエレキ・ギター、情感豊かなアコースティック・ギター、全てが自由な発想で圧倒される。
ネクター・オーケストラとのコラボは、予想以上に想像力を刺激します!
大空を舞う鳥になった気分が満載。
朝には朝にふさわしい風景、夕には夕にふさわしい風景が浮かび上がるお得盤。
1. Kallfu
2. Waltz #1
3. Awaken
4. This Is Not America
5. Olha Maria
6. Atardecer
7. All Your Colors
8. Milagre dos Peixes
9. Interlude
10. Ambar
11. Fall
12. Cucurrucucu Paloma
Camila Meza (vo , el-g, ac-g) exc.#9
The Nectar Orchestra
Eden Ladin (p, celeste, key, el-p, synth, org) exc. #9, 12
Noam Wiesenberg (b) exc.#9, 12
小川 慶太 Keita Ogawa (ds, perc.) exc.#9, 12
大村 朋子 Tomoko Omura (vin) exc.#12
Fung Chem Hwei (vin) exc.#12
Benjamin von Gutzeit (viola) exc.#12
Brian Sanders (cello) exc.#12
今日のおまけは、ご本人があげていた「Kallfu」。
押さえておきたい1枚かな。
んじゃ、退散♪
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コメント
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Suzuckさん,おはようございます。
これ,実にいいですね。ストリングスが完璧に効いています。9月のライブもストリングスが入るようなので,無茶苦茶楽しみになってきました。
ってことで,リンクを貼り付けるさせて頂きます。
http://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2019/06/post-77e4ce.html
投稿: 中年音楽狂 | 2019年7月 1日 (月) 08時32分
閣下、これは爽快ですね。
9月のライブに行きたいと願っている私なのですが、、
お仕事が、、やばい季節なんですよねぇ。。
って、予約はしちゃおう!!
リンク、ありがとうございました。
投稿: Suzuck | 2019年7月 1日 (月) 13時01分