Brad Mehldau Solo @ よみうり大手町ホール(6/3)
Brad Mehldau (p)
ブラッド・メルドーのソロ・コンサートを聴いて来た。
よみうり大手町ホールのキャパは500人だそうで、こじんまりとした良いホールだと思った。
なので、もちろん、生ですよ、生!!
最前列があたったんだけど、ステージが低いので、全てがよく見える。
真横に向いてピアノが置かれ、反響板が客席に向かって正面に開けられていた。
私の位置からだと、鍵盤はまったくみえない。
けど、ピアノを弾くお友達に、「反響板の真正面じゃないですか、音をあびてください!」って、言われて、「そうだな」、って。笑
拍手で登場、今日は、金ボタン?のついたジャケット着ていてとてもお似合い♪
そして、、例のめちゃ低いポジションの椅子に座ってコンサートがはじまりました。
で、、FB上にセットリストが発表されていたので、一気に書いてしましますぞ。笑
オープナーから3曲は、メルドー名義だけどタイトルなし。即興曲。
まずは、クラシカルな響きをふんだんに持たせた曲。
時折入る左手の低音がアクセントに、降り注ぐように美音を降らせた演奏。
目の前にいるピアニストは、一心不乱にピアノを弾いている。
時々、眉間にシワを寄せつつ心の中にある音を現実世界にひきだしていく。
拍手がやむとすぐに次の曲へ。
メルドー・フリークでコンプリーターの閣下が、聴いたことない曲と書いていたのですが、これも即興のよう。
美しい響きを持たせながら、次から次に場面が変化していく約20分。
もう、鍵盤を全て使っての大迫力、しかも、走馬灯のように次々と場面が立ち上がる。
そして、改めて感じる左手と右手のせめぎ合い!この方の頭の中はどうなってるんだろう。
そして、この強烈なグルーブはどこから来るんだろう。踊りたくなるのをぐっと我慢。
最後、まるで拳で叩くような激しい音、いやぁ…凄かった、拍手時に歓声が上がりましたね。
一転、静かに静かにゆっくと音を紡ぐ演奏、これも即興のよう。
この穏やかさは、どこから来るのだろう、ゆったりと混じる左右の二色。
次第にアブストラクトな色合いになり、やがて、アヴァンギャルドな色合いも滲んでくる。
ただただ、音に身を任せて音を浴びる。
メルードーのオリジナル「Waltz for J.B.」、繊細で叙情的なメロディを静かに静かに。
演奏中、タイトルがわからなくて、「聴いたことあるんだけどなぁ」って、タイトルがわかってすっきり。笑
メロディが流れた瞬間に、「おぉ」って思った人はたくさんいただろうな「Blackbird」。
まるで歌っているように、原曲をほぼ忠実に。静かでシンプルな演奏のときほど、左右の語り合いがよくわかって面白いですよね。
続けて、、これも「おぉ」だろうな「And I Love Her」。まるで、レクイエムが始まるようなダークなイントロからテーマに。そして、先ほどと違って、テーマからどんどん変化していく。心の中を渦巻く感情の嵐、大きなウネリとなってホールを埋め尽くす。
これって、奥様に対する想いのたけなのだろうか。激しい!
高音部でガラスを叩くような繊細でいて力強い音が印象的。神がかった時間が次第にワルツタイムになって消えた…。
拍手はなりやみませぬ。
丁寧にお辞儀をして、アンコールにはいりました。
スタンダード「I Fall in Love Too Easily」をしっとり甘く切なく。ゆっくりした演奏の時の即興は興味深い。
あくまで、「I Fall in Love Too Easily」なのですが、一つのストーリーを仕上げてしまう。
拍手は、再び、なりやみませぬ。
丁寧にお辞儀をして、アンコール2にはいりました。
今度は、アップテンポで、「Get happy」、高速フレーズを弾く時でも1音1音が超クリア。
鍵盤を上から下までつかって、強烈な疾走感と躍動感!
拍手は、三度、なりやみませぬ。
丁寧にお辞儀をして、アンコール3にはいりました。
今日一番のびっくりポイント!なんと、クリスマス・フリークの私には、超嬉しい「Linus and Lucy」。そう、チャーリー・ブラウン(ピーナッツ)のクリスマスに入っているヴィンス・ガルディの曲!
なんだ、このグルーブは。子供向けのTVの番組中の曲が、こんなにグルーブしちゃうなんて!
拍手は、四度、なりやみませぬ。大歓声、口笛も聞こえるぞ!
丁寧にお辞儀をして、アンコール4にはいりました。
今日3回目の「おぉ」が、会場から聞こえるような「Mother Nature’s Son」、3曲めのビートルズ曲。
静のイメージの強いこの曲が、、どんどんアグレッシブになって体が揺れる。
大歓声! 同時に全員でスタンディングオベーション!!
ブラッド・メルドーは、常に進化し続けているのですが、今回も多種多様の曲を昇華させており(バッハなかったですね)、
私が想像していた以上に、、素晴らしい演奏で魂をすっかり持って行かれ、もぬけの殻状態。
あの集中力と、あの独特のサウンド、叙情と躍動感が交差する濃密な世界、、
力強さと繊細さが同居し、それがそのまま人間の心の強さと弱さに象徴されてしまうような孤高の演奏。
そのままの自分、心の中を、、表現することの素晴らしさと、、孤独を教えてくれた。
彼の心の中にあるものを、現実世界で表現してくれようと努力をおしまぬ魅力的な表現者。
充分に充分に拍手を送ったあとは、一気にホールを駆け上がりロビーへ。
会場で、サイン会の参加券を入手していたので、サインの列にならばなくちゃならん!
「お買い上げいただいたCD1枚だけのサインとなります」
どさくさに、握手もいただく。手はね、意外とごつい感じの印象。
周りのピリピリした嫌味な対応と違って、ご本人は笑顔でジェントル♪
お疲れのところ、本当にありがとうございます。
そして、生涯忘れられそうにない時間をありがとうございました。m(_ _)m
また、絶対にコンサートを開いてください。お願いします。m(_ _)m
と、言うわけで、、ロビーから追い出されて下で待っていてくれた閣下と東京駅へ。
閣下、ありがとうございました。m(_ _)m
FB上にセットリストがでていましたので、コピペしておきます。
写真もFBから拝借いたしました。
Brad Mehldau Solo @ よみうり大手町ホール SET LIST
Untitled (B. Mehldau)
Untitled (B. Mehldau)
Untitled (B. Mehldau)
Waltz for J.B. (B. Mehldau)
Blackbird (J. Lennon/P. McCartney)
And I love her (J. Lennon/P. McCartney)
I fall in love too easily (J. Kern)
Get happy (H. Arlin)
Linus and Lucy (V. Guaraldi)
Mother nature son (J. Lennon/P. McCartney)
んじゃ、退散♪
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