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音楽で拡がる輪

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2019年3月

2019年3月31日 (日)

ジャンルも時代も超えて名曲揃い♪ 『Joni 75: A Birthday Celebration

Joni_mitchell

ジョニ・ミッチェルを初めて聴いたのは、今はなきあるジャズ・バー。
かかっていたのは、『Mingus」。そう、チャールズ・ミンガスに捧げたアルバムだけど、強烈に印象にのこったのは、ジャコ・パストリアス。そして、彼を筆頭にジャズ・ミュージシャンたちと自由にやりとりするジョニ・ミッチェルのかっこよさ。レコード買ったねっ。
その後、彼女がジャンルを超え素晴らしい曲を送り出すシンガー・ソングライターだと知り、極東の1ファンとなりました。
 
このアルバムが出ることを知っておりながら、、中年音楽狂さまこと閣下が記事にするまで、忘れてましたよ。m(_ _)m  慌てて、ぽちりましたぞ。
過去に様々な病気と闘ってきたジョニ・ミッチェルだが、現在は「モルジェロンズ病」と闘っている。そんな彼女の75歳のお誕生日を彼女と彼女の音楽を愛する人たちが集まって行われたトリビュート・コンサート。プロデュースしたのは、長年のお付き合いのあるブライアン・ブレイドとジョン・カウハード。もちろん、2人は演奏もしている。
 
そして、参加した豪華なミュージシャンと曲目は以下のとおり。
沢山の名曲を持つ彼女、コアなファンたちは、あれもない、これもない、と思うかもしれない。でも、全曲にミュージシャンたちのジョニ・ミッチェルへの尊敬の念を深く感じ、素晴らしい時間を一緒に重ねられる!!
えっとね、、個人的なお気に入りは、ジェイムス・テイラーとグラハム・ナッシュかなぁ。
ズルすぎるぐらい、ハマってる。もう、心にぐっときちゃいますねぇ。
 
改めて、彼女の曲は、、ジャンル、時代、性別、国を超えて、心で分かり合える曲ばかりだと思った。
彼女は、このコンサートでは、歌わなかったわけだけど、最後の曲でステージに登場したそう。終演後には、ケーキの蝋燭も吹き消したんですって。75歳なんて、まだまだ、若いぞ。どうか、いつまでもお元気でいてくださいね。
 
 
1. Dreamland / Los Lobos
2. Help Me / Chaka Khan
3. Amelia / Diana Krall
4. All I Want / Rufus Wainwright
5. Coyote / Glen Hansard
6. River / James Taylor
7. Both Sides Now / Seal
8. Our House / Graham Nash
9. A Case Of You / Kris Kristofferson & Brandi Carlile
10. Down to You / Brandi Carlile
11. Blue / Rufus Wainwright
12. Court And Spark / Norah Jones
13. Nothing Can Be Done / Los Lobos
14. The Magdalene Laundries / Emmylou Harris
15. Woodstock / James Taylor
16. Big Yellow Taxi / La Marisoul, James Taylor, Chaka Khan, and Brandi Carlile 
 
今日のおまけは、「JONI 75 FULL TRAILER」。
 

 
桜が美しい横浜で、中学、高校からの友だちとランチ!
楽しみです!!
 
んじゃ、退散♪
 

 

2019年3月30日 (土)

クインテットでコントラストを強調 『Avec Le Temps / Giovanni Guidi』

Avec_le_temps

 
ECMからすでに3枚のアルバムをだしているイタリアの次世代ピアニスト、ジョヴァンニ・グイディ。1月にあったイタリア会館でのソロ・ライブは、素晴らしい集中力で、全曲繋げたステージは、優雅で柔らかな光に包まれており、ほのかに甘い香りを楽しめました…。
今回は、彼のレギュラー・トリオに、イタリア人のサックス、ギターの加わったクインティット。タイトル曲以外は、彼のオリジナル。
 
オープナー、タイトル曲「Avec le temps」はトリオ。フランスのシャンソンの名手レオ・フェレの虚無感に満ちた美しい旋律を流れる水のごとく弾き続けます。空間を大きく使うギターの入った「15th of August」。追いかけるように重なるようにゆったりしたサックスの登場。一気に密度の濃い空間に。サックスが空間を切り裂くフリーキーな雄叫びを続ける「Postludium and a Kiss」。よーいドンで即興「No Taxi」。
サックスの奏でる憂鬱な調べ、不穏な雰囲気「Caino」。ピアノトリオで創り出す暗く不穏な空間「Johnny the Liar」の美しさ。長閑なギターの音色が美しい「Ti stimo」、サックスも朴訥に加わりゆったりと。
終演は、ポーランドを代表するトランペッターで、去年の7月に鬼籍に入ったECMの大先輩のトマシュ・スタンコに捧げた「Tomasz」。美しく、甘く切ないピアノ・トリオの演奏で。
 
アルペジオを多用した不思議な美しさを持ったグイディのピアノ。
オリジナルも多彩。いつもの安定のメンバーに、イタリアの俊英サックス奏者、フランセスコ・ベアルザッティと、イタリアの重鎮ギタリスト、ロベルト・セチェートが加わってコントラストをつけています。
 
1. Avec le temps
2. 15th of August
3. Postludium and a Kiss
4. No Taxi
5. Caino
6. Johnny the Liar
7. Ti stimo
8. Tomasz
 
Giovanni Guidi (p)  
Francesco Bearzatti  (ts)  
Roberto Cecchetto (g)  
Thomas Morgan (b)  
João Lobo (ds)
 
今日のおまけは「Avec le temps」。
 

 
そちらは、桜が咲いていますか?
この週末は横浜です。満開の桜が観れるかしら。。
 
んじゃ、退散♪

2019年3月24日 (日)

夕暮れかふぇは『Distant Storm / Sara Gazarek』で、決まり♪

『Distant Storm / Sara Gazarek』
Distant_storm
米国の実力派歌手、サラ・ガザレク。
本人単独名義のアルバムは『Blossom & Bee / Sara Gazarek』以来。
様々な出来事を経て、一皮も二皮もむけたガザレクが、楽曲、アレンジ、メンバー、演奏に気合を入れたターニング・ポイント的な作品。
オープナー、ローズも美しい軽快なリズムで意味深な歌詞をさらりと歌あげる「Never Will I Marry」。スキャットもクール。鼻にかかったハミングが素敵、バックコーラスが効果的「Not The Only One」、アルトサックのソロも情感たっぷり。ラリー・ゴールディングスのオルガンが小粋「Easy Love」。
スティービー・ワンダーの「I Believe When I Fall In Love」、洗練された大人の雰囲気に。
ニック・ドレイクの「The River / Riverman」は、心に染み渡る歌唱力に脱帽。ベース・ソロから始まるビヨークの「Cocoon」もローズの響とともに胸に迫る。カントリー・ソング「Jolene」の大迫力。
日本盤ボーナス・トラック「I’m A Fool To Want You」は淡々と丁寧に。
3曲め同様にラリー・ゴールディングスとの共作「Gaslight District」、アンサンブルも美しい。日本盤ボーナス・トラックの「Spinning Round」、ピアノ・トリオをバックにスキャットで踊りまくり。サックスとスキャットの絡みがかっこいい「The Lonely Hours」。
終演は、ブラッド・メルルドーの曲!「The Lonely Hours(When It Rains)」、カート・エリングがゲストヴォーカル!ストーリーが見える素晴らしい演奏。
囁くような、、ため息のような繊細な表現から、ダイナミックな歌声まで、天性のジャズ・ヴォーカリスト。素晴らしかったですよ。
1.Never Will I Marry (Lesser Samuels/Frank Loesser)
2.Not The Only One (Sam Smith/James Napier)
3.Easy Love (Sara Gazarek/Larry Goldings)
4.I Believe When I Fall In Love (Stevie Wonder-Yvonne Wright)
5.The River / Riverman (Poem;Sara Teasdale, Music;Josh Nelson / Nick Drake)
6.Cocoon (Bjork-Thomas Knak)
7.Jolene (Dolly Parton)
8.I’m A Fool To Want You (Frank Sinatra/Jack Wolf) *JPN bonus track 
9.Gaslight District (Sara Gazarek/Larry Goldings)
10.Spinning Round (Jessie Palter-Mike Jellick) *JPN bonus track 
11.The Lonely Hours (Jerry Solomon/Hy Glaser)
12.Distant Storm (When It Rains) (Sara Gazarek/Brad Mehldau)
Sara Gazarek  (vo)
Stu Mindeman  (p, el-p)
Alex Boneham  (b)
Christian Euman  (ds)
Josh Johnson  (as)
Larry Goldings  (org)
Ido Meshulam  (tb)
Danny Janklow  (as)
Brian Walsh  (b-cl)
Keita Ogawa 小川 慶太 (perc)
Aaron Serfaty  (perc)
Erin Bentlage (background vocal)
Michael Mayo (background vocal)
Kurt Elling (vo) #12
今日のおまけは ご本人があげていた「The River / Riverman
」。

なんと、、今朝は雪景色になった新潟です。。
んじゃ、退散♪

2019年3月23日 (土)

縦横無尽な吹きっぷり 『Come What May / Joshua Redman Quartet』

Come_what_may_3


去年の6月は、『Still Dreaming / Joshua Redman』は、父、デューイ・レッドマンへのオマージュ作。なかなか、腰の据わった作品でした。

今回は、このカルテェットでの20年ぶりの作品。朋友たちとの自在な1枚。

前作、ジョシュアのオリジナル。

オープナーは、ベースの低音に誘われて始まる「Circle of Life」。ブランクなど感じさせず、息もピッタリ、スリリングに展開。

ピアノの不穏な和音が印象的、ピアノ・ソロも攻撃的、サックス・ソロはタイトでスリリング「I'll Go Mine」。

タイトル曲「Come What May」は、優雅で洗練されたバラッド。

一丸となってアップテンポで疾走する「How We Do」、正確無比に高速フレーズを連続!

冒頭のドラムと対峙する場面がかっこいい、最後までキレキレ「Dgaf」。重心の低い「Stagger Bear」、自由自在!

終演は、ミステリアスな曲調の「Vast」、大きく広がる演奏。

気心のしれたメンバーで、一心不乱に吹きまくるジョシュア・レッドマン。

がっちりと支えるリズム隊、そして、流麗でスリリングなアーロン・ゴールドバーグのピアノが最高です♪

 


1. Circle of Life

2. I'll Go Mine

3. Come What May

4. How We Do

5. Dgaf

6. Stagger Bear

7. Vast

 



Joshua Redman (ts)

Aaron Goldberg (p)

Reuben Rogers (b)

Gregory Hutchinson (ds)

 



今日のおまけは、レーベルがあげていた「How We Do」。


春のお中日が過ぎましたね。

日に日に、日が長くなるのが嬉しい今日この頃です。

んじゃ、退散♪

2019年3月17日 (日)

色彩色豊か、アジアを感じる 『Streams / Nguyên Lê (Nguyen le) Quartet』

Streams


寒の戻りとでもいうのでしょうか?寒いっ!
でも、オーバーコートからスプリングコートに変えました。
だって、陽射しが春めいてきましたからね。やせ我慢してでも明るい色が欲しくなりますよね。
音楽も 動きだした季節にぴったりのアルバムが良いですよね!

今日は、時々このブログにあがってくる、ベトナム系のフランス人ギタリスト、グエン・レの新譜です。最初は読み方が怪しくて、グエン・リと呼んでいたのですが、いつの頃からかグエン・レに定着。ヌエン・レ、とか、ニュエン・レとかありますが、しばらく、グエン・レで行こうかとおもってま〜す。
彼は、フランス育ちなのですが、その魅惑的なギターの音色には、心の故郷ベトナムを始め遠くアジアの民族音楽の調べが重なります。そして、ロック・ギターのように歪んだ音、自由奔放な超絶技巧。
私が、彼を知った1990年代のおしまい頃から、ずっと、ジャズとワールドミュージックの融合に挑戦し続けています。なんて、書くと硬いのですがキワモノ扱いされがちなのですが、常にジャズの核心を追求しています。
そのジャンルとかボーダーとか感じさせない自由な音創りは唯一無二。なかでも、『Songs of Freedom』は、いまでも飽きずに愛聴盤。

今回は、付き合いも長く、アジアの民族音楽にも精通している若手の3人のミュージシャンと、彼のエレキとエレクトロニクス、そして、ヴィブラフォン、ウッド・ベース、ドラム&パーカッションのカルテット。9曲のうち7曲が彼のオリジナル、2曲はメンバーのオリジナル。

ヴィブラフォンに誘われて始まる「Hippocampus」、メンバーの作り出すグルーヴにのって流麗なギター・ソロ。エキゾチックなメロディに心惹かれる「Bamiyan」。
エレベのようなベースのノリでうねうね進む「Swing A Ming」。複雑さを感じさせない流麗さ、スムースさ「Subtle Body」。ベーシストの美しい曲「6h55」、後半の早弾きも超絶。
ポーランドのマズルカをベースにした「Mazurka」、ヴィブラフォンとギターの美しい重なり。メロディアスな「Sawira」、後半は複雑なリズムが刻まれる中、高速フレーズが繰り返される。エレクトリニクス感が全開な危険で美しい音楽「The Single Orange 」は、ヴィブラフォン奏者の曲。終演は、ゆったりと大きな空間が広がる「Coromandel」。

複雑で難しい曲の奥深くに、民族音楽の要素を感じ、美しいメロディが奏でられている。
即興的な場面が非常に多く、超絶な演奏だけれども、どこか懐かしい気分になります。
色彩色豊かなで、アジアを感じる世界が広がってきますね♪


1. Hippocampus
2. Bamiyan
3. Swing A Ming
4. Subtle Body
5. 6h55
6. Mazurka
7. Sawira
8. The Single Orange
9. Coromandel

Nguyên Lê ( el-g, electronics)
Illya Amar (vib)
Chris Jennings ( ac-b)
John Hadfield (ds, perc.)

今日のおまけは、、ご本人があげていた「6h55」。

んじゃ、退散♪

2019年3月16日 (土)

最強伝説更新!! 『Circuits / Chris Potter』

Circuits


デビュー以来、20年以上にわたって、サックス、コンテポラリー・ジャズのファンを湧かせてきた、米国のマルチ奏者、クリポタ、こと、クリス・ポッターの新作がでています!
新作は、 前作のECMのアルバムと変わって、強力なエレクトリックなファンク路線。
キーボード奏者、ジェイムス・フランシーズは、パット・メセニーの起用で話題になった時代の寵児。ここでも、器用に左右で別次元同時走行。ドラマーは、なんでもございのエリック・ハーランド。そして、4曲で超絶ベーシスト、リンレイ・マルトが参加の役者揃い。4曲めの「Koutomé」を除いて、クリポタのオリジナル。

オープナーは、管楽器を多重録音した美しいアンサンブルから。短いので、まさにオープナー的な感じ。
ハーランドのエキサイティングなドラミングに、クリポタ節全開、多重録音の他にサンプリングもありそうな「Hold It」。キーボード、ドラム、サックスの絡みを中心にに、ベースも入って、なお音を重ねる「The Nerve」。素朴なメロディを真ん中に不思議な音風景「Koutomé」は、アフリカの風を感じる。
タイトル曲「Circuits」、エレクトリック・サウンド爆発で、クリポタの世界全開!いやいや、ECMの知的な世界も好きだけど、力でねじ伏せるマッチョなクリポタも大好き!!メンバーの超絶ソロもオンパレード、一丸ですぜ。
吹くは吹くは、叩くは叩くは、、超テンション高い「Green Pastures」、圧倒的な存在感。
様ざまな音が重なる少し暗めの静かめな曲「Queens of Brooklyn」。アルバム的には良いアクセント。
冒頭から高速フレーズのユニゾンで飛ばす「Exclamation」。タイトル曲もかっこよかたけど、この曲も密度もテンションも高くて飛ばしまくりだぜ!懐かし愛しのブレッカー・ブラザーズを思い出しますねっ。
終演は、近未来的な響きを持った「Pressed for Time」、ハーランドの刻む細かいリズムが前々と引っ張り、瞬発力、判断力の勝負、全員で着地点を目指す!驚愕!!

マルチ奏者、作曲者としての力強い魅力を遺憾無く発揮。
瞬発力と即興重視で、凄まじいまでのグルーヴ。最強伝説を更新!
わ〜い、、わい、すげぇ…ぜひ、このバンドで来日してくださいね♪

1. Invocation
2. Hold It
3. The Nerve
4. Koutomé
5. Circuits
6. Green Pastures
7. Queens of Brooklyn
8. Exclamation
9. Pressed for Time

Chris Potter(ts, ss, cl, b-cl, fl, sample, g, key, perc.)
Eric Harland (ds)
James Francies (keys)
Linley Marthe (el-b) #3,4,5,8

今日のおまけは、たぶん、、ご本人があげていた「Circuits」。

んじゃ、退散♪

2019年3月10日 (日)

やっぱり、今回も思索的 『Étoilée / Joe Martin 』

Etoilee


米国のベーシスト、ジョー・マーティン。リーダー作『Not by Chance』は、クリポタさま、メルドー、ギルモア、という豪華なメンバーで、内容も知的で青い炎って感じでとてもお気に入りだったのですが、、
今回も、マーク・ターナー、ケヴィン・ヘイズ、ナシート・ウェイツと言う豪華なメンバー。
名脇役とでも言おうか、、ターナー、クリポタ、カート・ローゼンウィンケル、ギラッド・ヘクセルマン、、などなど、、とあちこちで活躍。眉目秀麗だった若者も、実力派の中堅どころになりましたよね。お姿もかっこいいのだよぉ。
今回も、全曲8曲が彼のオリジナル。

オープナーは、ターナーが優雅に踊る「A World Beyond」。フェンダーの美しさ、綿密な4人の連携、、どれをとってもセンス良い。
知的なベース・ソロから始まる「Malida」、タイトルは奥さまと2人息子さんの名前を連携させたものらしい。力強いドラミングにのって3人のシリアスでクールなソロが長めにフィーチャーされた長尺な演奏。
軽快で動きのある「Prospecting」。音楽家の両親に捧げられたバラッド「Two Birds」。ゆったりと優雅な時間。探るようなパートと高速で疾走するパートの行き来が面白い「Safe」。
物語を読むような流れ「Long Winter」、メロディアスに歌うターナー、、そして、最後のボーイングの美しさは、春の目覚めのよう。
「Étoile」は、お嬢さまの名前から。ターナーのソプラノが叙情的、ヘインズのピアノもエキゾチック。
終演は、マーティンらしい思索的でクールな「5X3」。知的なベース・ソロ、抽象的なターナー、ヘインズのソロ、、最後まで淡々とした感じ。

前作のリーダー作のように、メロディや演奏にインテリジェンスをバシバシ感じる。
長年の友である、マーク・ターナーやケビン・ヘインズとの息はぴったり。ナシート・ウェイツも良いお仕事。
密度は濃いけど、重さはなくて、彼の音楽への美学と家族への愛情が詰まった1枚。


1. A World Beyond
2. Malida
3. Prospecting
4. Two Birds
5. Safe
6. Long Winter
7. Étoile
8. 5X3

Joe Martin (b)
Mark Turner (ts, ss)
Kevin Hays (p, fender rhodes)
Nasheet Waits (ds)

ちょうどいい動画がみつかりませんでした。
Sunnyside RecorのHPで、「A World Beyond 」が聴けます。

この春は、、わたし的サックス祭りとなっています。。
クリポタ、ブランフォード・マルサリス、ジョシュア・レッドマンとリーダー作をリリース。
マーク・ターナーは出さないのかな?って思っていたら、ここに居ましたね。

んじゃ、退散♪

2019年3月 9日 (土)

味わい深いウェス・トリュビュート 『Bumpin' / Claire Martin & Jim Mullen』

Bumpin' : Celebrating Wes Montgomery / Claire Martin & Jim Mullen

Bumpin

クレア・マーティンはイングランドのベテラン歌手。ケニー・バロンのトリオとの『Too Much In Love To Care』を持って居るだけなのですが、今回はウェス・モンゴメリーのトリュビュートってあったので、、ついポチりました。2018年は、ウェスの没後50周年だったのですね。
もう1人の主役は、スコットランドのベテランのギタリスト、ジム・ミューレン。彼女とは30年以上の付き合いで、ウェスのように親指の腹で弾くそうです。ピアノ、ベース、ドラムはデンマークのミュージシャン。

オープニングは、「Road Song」、洒落たアレンジにのって、マーティンの少しだけハスキー、でも、重たくないナチュラルな歌声が弾む。ピアノ、ギターのソロもかっこいい。親しみやすい肩の力の抜けた「Polka Dots And Moonbeams」。姉御肌の風格「Willow Weep For Me」。
ロマンティックなギターに誘われて、しっとり歌い込む「'Round Midnight」。軽快なバッキング、グルーヴィーな「If You Could See Me Now」。
溌剌と、、そしてエモーショナルにピアノと一緒に歌い上げる「Goin' Out Of My Head」。
ブルージーに各楽器とともに渋い演奏を聴かせるタイトル曲「I Could Get Used To This(Bumpin')」。テンポよく歌い上げる「West Coast Blues」。歯切れよく「Back In The Room (Bock To Bock) 」、ギターとピアノのソロがクール!気合の入ったギター・ソロが聴ける「Born To Blue (Born to Be Blue)」、気怠く、味わい深く。
終演は、ギターとデュオで、ゆったりしっとり「The End Of A Love Affair 」。インティメイトなギターの寄り添いでうっとり。

肩の力の抜けた、でも、歌のツボを押さえたヴォーカルは嫌味がなくて素敵。
ギターはもちろんピアノのサポートも光ってます♪


1. Road Song
2. Polka Dots And Moonbeams
3. Willow Weep For Me
4. 'Round Midnight
5. If You Could See Me Now
6. Goin' Out Of My Head
7. I Could Get Used To This (Bumpin')
8. West Coast Blues
9. Back In The Room (Bock To Bock)
10. Born To Blue
11. The End Of A Love Affair (vocal & guitar duo)

Claire Martin (vo)
Jim Mullen (g)
Mads Bærentzen (p) except #11
Thomas Ovesen (b) except #11
Kristian Leth (ds) except #11

今日のおまけは、レーベルがあげていた「Goin' Out Of My Head 」。

庭のパンジーやビオラが元気になってきました。
彼女たちは、雪の下で春をまってたのですよ。秋に植えた株はとても強いし元気があります♪

んじゃ、退散♪

2019年3月 8日 (金)

「究極の」は冠は伊達じゃない! 「Miroslav Vitouš Trio @ Cotton Club Tokyo ( 3/7 1st )」

Miroslav Vitouš Trio @ Cotton Club Tokyo ( 3/7 1st )

Miroslav

Miroslav Vitouš (b) Emil Viklický (p) Roberto Gatto (ds)

チェコの伝説のベーシスト、ミロスラフ・ヴィトウスが25年ぶりに来日とのことで、、
あのウェーザー・リポートの結成当時のメンバー、その後もECMを中心に精力的に活躍してきたベーシストのお姿を拝見いたしたく初日に行ってきました。
メンバーは、同郷チェコのピアニスト、エミル・ヴィクリッキーとイタリアのドラマー、ロベルト・ガット。余談ではありますが、まさか、ロベルト・ガットをイタリア人以外のユニットで聴くことになるとは思ってもいませんでした。フレスとボラーニという私的スターを揃えた『The Music Next Door』ってアルバムを持ってます。チェコ勢と来日したんだね。

先日、ドミニク・ミラーのライブで座った席が、思いの外、観やすく聴きやすくて気いっていたので、、今回も同じ席に。空いててラッキー!
で、見渡すと、、ステージにおいてあるベースは、チェロと同じくらい小さい。どうやら、トラベルベースのようでお隣のご夫婦がベースやアンプの話題で盛り上がってました。椅子が用意されていて、座って弾きましたよ。

と、時間となりました。とても、、ゆっくりとそろそろと歩かれてて、、ちょっっと、、心配になってしまった。(大丈夫か?)
ところが、演奏が始まるとその心配はすぐに払拭されちゃいましたよ。
一聴に、絶対的な迫力とか威圧感とかはないのですが、、全てにレベルが違いすぎる。
オープナーからスラブ系の哀愁のあるフレーズを交えながら、ピアノと絡んでいくのだけど、最初に感じたのはソロでのスピード感がすごすぎる。体も大きくて手も大きいのだろうけど、、指もとても長い気がした。その長い10本の指が、まるでそれぞれ意思をもって動いているようなスピード!
そして、バッキングでもグイグイくる。力強くて躍動感あるベースに耳が釘付けになってしまう!

彼がギアを1段階あげると、我々の感覚の2段階も3段階もスピードが上がってしまう感じ。
ベース・ソロを含めて、ピアノとフレーズのやり取りや、高速のユニゾンなど、、想像の次元と違うところに居る人、その演奏を目に前で聴けて幸せ。
そして、1曲ソロ・ベースで演奏した「When You Wish Upon a Star」あちこちに見え隠れする可愛らしいメロディと裏腹の超絶テクニックが驚愕。いやいや、無理してきてよかった。。
即興で自在にやり取りする場面なども沢山あって、70分がぎゅっと詰まった時間。

肩を揺らしながら楽しそうに弾くピアニスト、とても音が綺麗で歌心がある。どうやら、エキゾチックな曲は彼のオリジナルらしい。絶大な信頼を寄せられているのがよくわかる。ピアノ・ソロで「Caravan」を演奏したが、個性的でリズミカルで面白かった。
そして、ブラシ、スティック、マレット、手を使った多彩で繊細なドラミングでサポート、、職人肌のムード・メーカー。笑顔が素敵なドラマー、今度はイタリアのミュージシャン主体のユニットにも行きたい。

アンコールは、会場が大喜びの「My Romance」!
ジャズは楽しくなくちゃね!って、感じのヴィトウスさまのウォーキング・ベース最高!
超ノリノリの演奏に、会場からは笑い声もちらほら、当然、各自の演奏はハイレベルでしたぜぇ。

とても、良い経験をさせてもらいました。
やっぱり、伊達に「究極」がついて居るのではないですね。
あんな風に、ベースと彼が一体となってでてくるフレーズは、凄いと思った。
欲を言えば、ボーイングの入った曲も聴いてみたかったな。。
サイン会はなかったけれど、お歳を考えれば、、満足満足!

んじゃ、退散♪

2019年3月 7日 (木)

光と陰が交差する郷愁ある世界 『Absinthe / Dominic Miller』

Absinthe

先日、コットン・クラブのライブに行ってきたギタリスト、ドミニク・ミラー。
この新譜のツアーだったので、会場で買ってサインをいただきました。
前回のアルバム『Silent Light』は、パット・メセニーとジスモンチに捧げた静謐で色彩豊かなアコースティック路線でしたが、今回は印象派のアーティストたちへのオマージュだそうです。
アルゼンチンの若きバンドネオン奏者、サンティアゴ・アリアスを起用、ドラムに古くからの仲間マヌ・カチェが加わっている♪ 全曲、ドミニク・ミラーのオリジナルで〜す。

オープナーはタイトル曲「Absinthe」。彼がつま弾く静かなギターの音色ではじまる。やがて、バンドネオンの哀愁が加わる。ドラムが切れ味のよいドラムを叩き始めると、光と陰のようなコントラストを強く感じる…。穏やかに温かにメロディアスにすすむ「Mixed Blessing」。郷愁を誘うギターとバンドネオン「Verveine」。ドラムとギターの静寂な時間「La Petite Reine」。
情感が豊かに歌い上げる「Christiania」、バンドネオン郷愁満載。ギターの練習のようなスムースな指の動き「Étude」。風になびくような動きのある光景「Ombu」。フレーズを反復しながら少しずつ変えていく「Ténèbres」。
終演は、穏やかな中に光や色彩の移ろいを感じる「Saint Vincent」。

ギターとバンドネオンが効果的に哀愁を誘う抑制の効いた空間。
光と陰が交差する郷愁ある世界。


1.Absinthe
2.Mixed Blessing
3.Verveine
4.La Petite Reine
5.Christiania
6.Étude
7.Bicycle
8.Ombu
9.Ténèbres
10.Saint Vincent

Dominic Miller (g)
Santiago Arias (bandoneon)
Mike Lindup (keys)
Nicholas Fiszman (el-b)
Manu Katche (ds)

今日のおまけは、レーベルがあげていたタイトル曲「Absinthe」。

一雨ごとに春めいてきましたね!

んじゃ、退散♪

2019年3月 4日 (月)

豪華でグルーヴィーな音空間! 「柳 隼一 & 西川 直人 Duo @ イワイスタジオ (3/3)」

「柳 隼一 & 西川 直人 Duo @ イワイスタジオ (3/3)」

Yanagi_nishikawa

柳 隼一 (p) 西川 直人 (org)

興味深いライブを続けるイワイスタジオ。
すでに、7回目のライブだそうですが、日曜日の昼の時間設定とういうこともあり、、
新潟に居る時には参加させていただいてる。
今回は、グランドピアノとハモンドオルガン&レスリースピーカーのデュオでした。

鍵盤楽器同士の華麗なる対決!
と、言っても、、ピアノは打弦楽器でアコースティックな楽器、オルガンは電磁ピックアップにより磁界変化の波を音源にしているエレクトリックな楽器。私が一番違うと思うのは、弾く時のイメージとして、、鍵盤を叩くと押すの大きな違いかな、って。いわゆるロングトーンが可能なのがオルガン。エレキに弱いので、オルガンのロングトーンの滅法弱いです。。
ついでに、ハモンド奏者は、左手でベースラインを弾き、右手でメロディ、、ドローバーの操作など、、、足でベース・ペダルやエクスプレッション・ペダルの操作とハード・ワークです。
なんで、こんな面倒な楽器が存在するか、、それは、ひとえに、その音の素晴らしさの由縁かと……。

オープナーは、スタンダード(タイトル失念)で、オルガンから始まった。オルガン特有のビブラートの効いた音に「わぁ」って思っていると、ピアノがシットイン。最初、ちょっとぎこちない?固い?って一瞬おもったのだけど、すぐに払拭。続いて、演奏した「Emily」は、少しゆったり目で、2人のアイディアに溢れているリリカルな感じ。「O Grande Amor」が、またまた、痺れた!冒頭、オルガンで始まって、ピアノが小さな音で奏でたイントロが素晴らしい、かっこいい、ってゾクゾク。裏に表にスムースに変わりながら、音がぶつかることもなく、エモーショナルに演奏していく。
ロングトーン主体の美しくも夢見るようなバラッド「My One And Only Love」、間に入るバビッシュなピアノ、、揺れて滲むオルガンの空間に切れ味のよいクリアなピアノ。独特な世界。
1セット目の最後は、軽快にアップテンポでグルービーな「The Song Is You」。高速で動くオルガンの右手は迫力ありますね。自分で弾いているベースラインで煽ってた?あっとうまの1時間!

15分くらいの休憩後、、出血大サービスで、レスリース・ピーカーのパネルを開けてくれました。笑
2セット目のオープナーは、リラックスした感じで軽快に「I've Never Been In Love Before」、美しく柔らか自然なメロディ「予定がかわちゃってヤバイ、みたいなタイトルの曲(すみません、タイトルわからなかった)」全編ロングトーンで超ゴージャスな音空間。イヴァン・リンスの「Setembro」、明るくハッピーに!
2人の掛け合い、阿吽が素晴らしかった「The Nearness of You」、途中、完全なピアノ・ソロも入って音風景の変化も。終演は力強く高速な「Donna Lee」、いやぁ。2人とも圧巻です!

アンコールは、男同士の「Feel Like Makin' Love」♪ 美しくセクシーでした。笑

それぞれの楽器の特徴をいかして、そして、各自の特徴をふる活動して、、
音がぶつからないように工夫し、相手に合わせ、相手と掛け合い、シームレスに裏に表に、、
お二人ともかっこいいフレーズの応酬で、我々は完全にノックアウト!
なかなか、聴けないエキサイティングで豪華でグルーヴィーな音空間になっていました。
あぁ。最後の最後まで、楽しかった!
岩井 美子さま、ありがとうございました♪
柳さま、西川さま また 新潟にいらしてくださいね!

んじゃ、退散♪

2019年3月 3日 (日)

まさに、百花繚乱 『Sisters In Jazz / Caecilie Norby』

Sisters_in_jazz

ACTレーベルの重鎮でデンマークの歌姫、セシリア・ノービー。
私は、前作『Just The Two Of Us』、ラーシュ・ダニエルソンとのデュオが大すきです♪
ノービーの新譜は、メンバーが全員女性です。プロデューサーの提案で、「ジャズで女性を祝う女性だけのバンド」のコンセプトで集結したメンバーでの録音。
プロデューサーの提案に、日頃の女性のジャズ・ミュージシャンへの不遇?を感じていたノービーは、この提案を喜んでうけたそうです。って、個人的には、女性のジャズ・ミュージシャンの活躍も目覚ましいとおもってますけど…。
選曲も彼女たちのオリジナルの他にも、女性の作曲者やアーティストの曲を選ぶ拘りよう!

オープナーは、大姉御リッキー・リー・ジョーンズの「Easy Money」。サックスとトランペットのユニゾンから始まる思いっきり、ジャジーなアレンジ。ノービーのハスに構えた歌がかっこいい。スタンダード「Willow Weep For Me 」の作曲者も女性だったんですね。ノービーのバックに流れるバンドサウンドが素敵。ベティ・カーターの「Droppin' Things」、ノービーを始めメンバー全員でバピッシュに駆け抜ける!
ジョニ・ミッチェルの「Man From Mars」には、パーカッショニスト、マリリン・マズールが参加しており、奥行きのある空間に。リタ・マルコチュリのピアノがメランコリック。ノービーのオリジナル「Naked In The Dark」、ベースの低音が効いたセクシーでブルージーな1曲。
続く「First Conversation」もノービーのオリジナル。赤ちゃんとの最初出会いの感動を歌にした美しいバラッド。トランペットを高らかにフィーチャーして気合がはいってますよ。
ノービーとリタの2人の名義「Puzzled」、アップテンポで全編スキャット、さすが!
一転、アビー・リンカーンの「Love Has Gone Away 」、ゆっくり、情感たっぷりに…。
ジョニ・ミッチェル「Big Yellow Taxi 」、軽快にポップに、でも力強く。ボニー・レイットの「All At Once」、切々と。キャロル・キングの「Will You Still Love Me Tomorrow」、感情豊かに。リタのピアノがリリカルで素敵。
終演は、ニーナ・シモンの「Do I Move You」、おもいっきりソウルフルに。バンドとの絡みも聴きどころ!

レジェンドに敬意を表しながら、自分たちの音楽を思いっきり楽しんでいる。
特に、ノービーの活きいきとした歌と、リタのピアノは軽快、快調♪
全曲2管でアレンジで、様々な曲調を柔軟にカバー。4曲に入っていたパーカッションも効果的。
歌は、もちろん、バンドサウンドも彼女たちの意気込みが溢れており、粋でいなせな1枚。ノービーさま、巧いな!

1. Easy Money
2. Willow Weep For Me
3. Droppin' Things
4. Man From Mars
5. Naked In The Dark
6. First Conversation
7. Puzzled
8. Love Has Gone Away
9. Big Yellow Taxi
10. All At Once
11. Will You Still Love Me Tomorrow
12. Do I Move You

Cæcilie Norby (vo, per)
Rita Marcotulli (p)
Nicole Johänntgen (sax)
Hildegunn Øiseth (tp)
Lisa Wulff (b)
Dorota Piotrowska (ds)
Marilyn Mazur (per 4,6,7,9)

今日のおまけは、ご本人があげていた「Droppin' Things 」。

三寒四温の今日この頃。でも、気持ちは春へ。

んじゃ、退散♪

2019年3月 2日 (土)

まさに、春到来 『Carpe Diem / Paolo Fresu Devil Quartet』

Carpe_diem

パオロ・フレスのデヴィル・カルティット。
『Stanley Music!』『Desertico』、と、2枚投稿していますが、、
このユニットの1枚目のアルバムは、2006年リリースの「すべての道はローマに通ず。(戯言編)」にあるように、Jazzitaliano Live2006の02番です。
投稿に、なんども「私的オールスター」と書いていながら、、去年の春にリリースされたこのアルバムを見逃していました…。つうことで、一年遅れての投稿。
最後の「Un posto al sole」をのぞいて、メンバーのオリジナル。

オープナーはギターのベボ・フェラの「Home 」、暗くひんやりした空間にフレスの美しいトランペットの音色が響き渡る。繊細にドラム、ベース、ギターが寄り添う。タイトル曲「Carpe diem」も、ベボ・フェラのオリジナル。フリューゲルとトランペットの多重録音、後ろに流れるカッティング、ドラムさばきがイカしてる。
フレス曲「In minore」、同じくトランペットとフリューゲルの多重録音がおいかけっこになっており、ベースソロも哀愁をただよわせる。哀愁の権化のような「Enero」、作曲者ベボ・フェラのギターが泣ける。
抽象的で実験的な音が続き緊張感ある「Dum loquimur, fugerit invida aetas 」。「Lines」は、ベースのダラ・ポルタの曲。ウォーキングベースにのって軽快なフレス。ダラ・ポルタのバラッド「Secret love」は、思いっきりスィートに。ドラムのステファノ・バニョーリの「Ballata per Rimbaud」、トランペットとギターの2つのラインが美しい。ダラ・ポルタの「Ottobre」、ブラシ中心のドラミングが活躍する穏やかな曲。アップテンポで疾走感のある「Un tema per Roma」は、フレス曲、一転、静かで穏やかにギターソロからはじまる「Human requiem」もフレス曲、朗々と歌い上げます。4人名義の「Quam minimum credula postero 」は、短いけれど即興の緊張感に満ちている。ステファノ曲「Giulio Libano」は、ラテンの哀愁たっぷり。
終演は、「Un posto al sole」、イタリアのドラマの主題歌らしい。ポジティブな感じの良い曲。ゆったりと肩の力の抜けた感じの演奏が素敵。

デヴィルの名前は、エンジェルとの比較ででてきたのだと思うのだけれど、、エレクトリック・サウンドとアコースティック・サウンドの塩梅がよくかっこよかったのです。
今回は、完全にアコースティック路線になっており、ちょっと寂しい気もします。
でも、ここから聴く人にとっては、、哀愁と郷愁の溢れる素敵な音楽だと思いま〜す。
そして、録音はあのステファノ・アメリオ、素晴らしい音源となっています♪
なので、このメンバーで来日してくださいな。

1. Home
2. Carpe diem
3. In minore
4. Enero
5. Dum loquimur, fugerit invida aetas
6. Lines
7. Secret love
8. Ballata per Rimbaud
9. Ottobre
10. Un tema per Roma
11. Human requiem
12. Quam minimum credula postero
13. Giulio Libano
14. Un posto al sole

Paolo Fresu (tp, flh)
Bebo Ferra (g)
Paolino Dalla Porta b)
Stefano Bagnoli (ds)

今日のおまけは、ご本人があげていた「Ballata per Rimbaud」。

んじゃ、退散♪

2019年3月 1日 (金)

胸がキュン… 『Dominic Miller「The Absinthe Tour」@ Cotton Club Tokyo (2/28 1st)』

Dominic Miller「The Absinthe Tour」@ Cotton Club Tokyo (2/28 1st)

Dominic_miller


Dominic Miller (g) Mike Lindup (key,p) Nicolas Fiszman (b)
Ziv Ravitz (ds) Santiago Arias (bandoneon)

ドミニク・ミラーは、アルゼンチン生まれ、その後、米国、イギリスと住み、現在はフランスに在住しているギタリスト。様々な要人たちに愛されギタリストとしてバンド・サウンドを盛り上げてきた。現在は、スティングのバンドのギタリストを長くつとめ、スティングからも絶大な信頼を得ている。
2年前にスティングのライブを聴きに行ったのだけど、息子さんもギタリストとして参加しており、親子ツインギターが超かっこよかったですよ。ロックは、見せるも重要な要素がありますよね。
ご自身でもソロ活動を行なっており、2年前にリリースされた『Silent Light』は、ECMからリリースされ、デュオで静寂なECM空間でした。蒸し暑い夏の夜にバッチリな感じ。
今回は、ECM第二弾の新譜『Absinthe』のリリースに合わせての来日。なんと、、バンドネオンも入ったクインテット。来日メンバーは、ドラマーを除いて新譜と一緒。そのドラマーも、イスラエルのジブ・ラヴィッツならば、文句はでまい!新譜は、3月1日発売だったので、「どんなサウンドなんだろう??」と、頭の中妄想だらけで出かけて行きました。

最前列は逃したものの、運良くギターも全体もよく見える席につきました。
ギタリストのライブは、、基本、前線をギター小僧たちが占めるのですが、、いつもとちょっと様子が違います。女性の比率が非常に高い!しかも、何気にディープなファンが、多い。いわゆる、、「追っかけ」って感じ。
スティングのライブでは、豆みたいな大きさのギタリストも、コットンクラブなら等身大で、間近に見れますものね。もちろん、握手もサインも可能!

オープナーは、ニコラス・フィッツマンのエレベの低音が効いたリズミカルな曲。時折、アクセントをバシッと効かせたスリリングなサウンド。エレベとドラムがノリノリ。ドミニクといば、真ん中でソロを取っている人の音を全身全霊で聴きながら、ギターをつま弾く。バンドサウンドと一体となったり、ふわぁ、っと、メロディが沸き立ったりと自然にチェンジしてゆき、、本当にギターが巧い。

哀愁のあるメロディを静かに奏でるギターの音色は、指腹でつま弾くせいかとても柔らかで美しい。他のメンバーも繊細に絡んでいき、サンティアゴ・アリアスのバンドネオンとの相性もばっちり。ギターとバンドネオンのやり取り、重なり合いはとても興味深い。
一つのパターンを繰り返しながら、バンドサウンドの変化を楽しむような曲が多かった。
ギターを真ん中に置きながら、各楽器にスポットがあたるように選曲、アレンジされている。
メンバーのソロでは、拍手を求める姿があり、優しいひとだなぁ、と、感じた。

選曲は、たぶん、、新譜からと彼の昔の曲だったのではないだろうか?
後半で、『Silent Light』の「Water」を、まさに水面がキラキラと反射するような光景を演奏してくれた。
まさかのスティング曲「Shape of My Heart」も演奏してくれて、会場が盛り上がったこと。
アンコールでは、ずっと座って弾いていたドミニクが立ち上がって、エレベとヘッドとヘッドを合わせて演奏するロック・パフォーマンス!鍵盤奏者のマイク・リンダップの歌声も重なって大盛り上がり!熱狂的な終演でした。

心に生まれ故郷アルゼンチンの郷愁を持ち、ジャズを始め、クラシック、ブラジル、ロックなどの様々な要素をもっている。なので、ジャズ度は高くないのですが、ギターの聴かせ方を熟知していてメロディが沸き立ちます。
メロディアスでギター巧いですよ。そして、指腹でつま弾く柔らかで美しい音…胸がキュンとする。。

良いお歳なのだろうけど、スタイルもよく身のこなしがクール♪
新譜にサインをいただき、握手をしていただき帰りました。
んじゃ、退散♪

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