まさに、春到来 『Carpe Diem / Paolo Fresu Devil Quartet』
パオロ・フレスのデヴィル・カルティット。
『Stanley Music!』、『Desertico』、と、2枚投稿していますが、、
このユニットの1枚目のアルバムは、2006年リリースの「すべての道はローマに通ず。(戯言編)」にあるように、Jazzitaliano Live2006の02番です。
投稿に、なんども「私的オールスター」と書いていながら、、去年の春にリリースされたこのアルバムを見逃していました…。つうことで、一年遅れての投稿。
最後の「Un posto al sole」をのぞいて、メンバーのオリジナル。
オープナーはギターのベボ・フェラの「Home 」、暗くひんやりした空間にフレスの美しいトランペットの音色が響き渡る。繊細にドラム、ベース、ギターが寄り添う。タイトル曲「Carpe diem」も、ベボ・フェラのオリジナル。フリューゲルとトランペットの多重録音、後ろに流れるカッティング、ドラムさばきがイカしてる。
フレス曲「In minore」、同じくトランペットとフリューゲルの多重録音がおいかけっこになっており、ベースソロも哀愁をただよわせる。哀愁の権化のような「Enero」、作曲者ベボ・フェラのギターが泣ける。
抽象的で実験的な音が続き緊張感ある「Dum loquimur, fugerit invida aetas 」。「Lines」は、ベースのダラ・ポルタの曲。ウォーキングベースにのって軽快なフレス。ダラ・ポルタのバラッド「Secret love」は、思いっきりスィートに。ドラムのステファノ・バニョーリの「Ballata per Rimbaud」、トランペットとギターの2つのラインが美しい。ダラ・ポルタの「Ottobre」、ブラシ中心のドラミングが活躍する穏やかな曲。アップテンポで疾走感のある「Un tema per Roma」は、フレス曲、一転、静かで穏やかにギターソロからはじまる「Human requiem」もフレス曲、朗々と歌い上げます。4人名義の「Quam minimum credula postero 」は、短いけれど即興の緊張感に満ちている。ステファノ曲「Giulio Libano」は、ラテンの哀愁たっぷり。
終演は、「Un posto al sole」、イタリアのドラマの主題歌らしい。ポジティブな感じの良い曲。ゆったりと肩の力の抜けた感じの演奏が素敵。
デヴィルの名前は、エンジェルとの比較ででてきたのだと思うのだけれど、、エレクトリック・サウンドとアコースティック・サウンドの塩梅がよくかっこよかったのです。
今回は、完全にアコースティック路線になっており、ちょっと寂しい気もします。
でも、ここから聴く人にとっては、、哀愁と郷愁の溢れる素敵な音楽だと思いま〜す。
そして、録音はあのステファノ・アメリオ、素晴らしい音源となっています♪
なので、このメンバーで来日してくださいな。
1. Home
2. Carpe diem
3. In minore
4. Enero
5. Dum loquimur, fugerit invida aetas
6. Lines
7. Secret love
8. Ballata per Rimbaud
9. Ottobre
10. Un tema per Roma
11. Human requiem
12. Quam minimum credula postero
13. Giulio Libano
14. Un posto al sole
Paolo Fresu (tp, flh)
Bebo Ferra (g)
Paolino Dalla Porta b)
Stefano Bagnoli (ds)
今日のおまけは、ご本人があげていた「Ballata per Rimbaud」。
んじゃ、退散♪
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Suzuckさん,こんにちは。TBありがとうございました。
やはりDevil Quartetの魅力はエレクトリックとアコースティックのいい塩梅のブレンド具合にあったと思っているので,私にとってもDevil Quartetとしてはちょっと微妙だなぁって気がします。
しかし,ここに捉えられたバンドとしての音が実に生々しく,これは別物として聞けばいいかなぁと思うようにしています。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2019年3月 2日 (土) 15時35分
閣下、トラバ返しをありがとうございます。
まぁ、もともとフレスは多作だし、実験的なことが好きなので、、
次回は、また、違う感じになるかもしれませんね。
いづれにしても、結構、ツボにはまった作品だったです。
教えてくださって、ありがとうございました。m(_ _)m
投稿: Suzuck | 2019年3月 2日 (土) 16時27分