参りましたっ! 『TRILOGY 2 / Chick Corea Trio』
77歳にして、バリバリの現役、レジェンド・ピアニストのチック・コリア。
彼のスペシャルなユニットでの第二弾が、日本先行発売で年末にリリースされました。
年内の投稿は間に合わなくて、ちょっと残念。
今回も世界各国で行ったライブからの抜粋盤の2枚組。(前回は3枚組)
ベースにクリスチャン・マクブライド、ドラムにブライアン・ブレイドというジャズ・ファンなら必聴のメンバー。
1枚目のオープナーの「How Deep Is the Ocean」トラックには、冒頭にメンバー紹介が入っている。
まるで、自分が本当にそのライブに参加しているように拍手したくなる。手垢のついたスタンダードの名曲が、とても新鮮。テーマを大切にしながらインタープレイもたっぷり。
チック・コリアの人気曲「 500 Miles High」。聴き慣れたキャッチーなフレーズが、記憶を呼び起こす。超絶ベースのソロ、韋駄天のようなドラミング、コリアのピアノを中心にスリリングなやりとり、11分があっという間の大拍手。
セロニアス・モンクの「Crepuscule with Nellie」。モンクの曲は、現代のピアニストにもとても人気だけれど、やはり、一味違う。続いてもモンクの「Work」、いっときも休むことない音のシャワーが続く、インプロの嵐!
スタンダード「But Beautiful」、硬質で透明な音、華やかなピアノ・ソロからはじまり、ゆったりとしながらも 音数は多い彼らしい演奏。
1枚目の終演は、これもコリアの人気曲「La Fiesta」。クールで熱い演奏が続きます。
いやぁ、、もう、思ったように、瞬時のインタープレイ、怒涛のインプロ、燃えますねぇ。
2枚目のオープナーは、スティーブ・スワローの名曲「Eiderdown」。ラテンフレーバーの少し入った映画の幕開けのようなドラマチックな展開。マイルスの「All Blues」、冒頭からシリアスでスリリングでドキドキ、ワクワクする。スティックが刻む音がかっこよすぎ!やんや!!
スティービー・ワンダーの「Pastime Paradise」。独特のリズム、神秘的なメロディがコリアの曲のように踊り出す。
マーチング・ドラムを彷彿させるドラム・ソロの迫力、次々とフレーズが湧き上がるように弾きまくるピアノと3者で超絶な演奏を繰り広げるコリアの名曲「Now He Sings, Now He Sobs」。
ジョー・ヘンダーソンの「Serenity」、哀愁ただようグルービイな曲で疾走、時折見せるリリシズム。
終演は、ケニー・ドーハムの「Lotus Blossom」。あのテーマから、超発展して超絶で高速のインタープレイを展開。凄い!!としか言いようがない高揚感。
ご想像通りの、ハイスペックな演奏。
3者は、3様に超絶に弾きまくっていて、その疾走感とテンションの高さは圧巻です。
いわゆる時代の最先端の音楽ではないのですが、ジャズの最先端をゆく演奏です。
そして、世界のあちこちの演奏が入っているのですが、音圧などとても均整がとれていて違和感なく通して聴けます。
ディスク1
1. How Deep Is the Ocean
2. 500 Miles High
3. Crepuscule with Nellie
4. Work
5. But Beautiful
6. La Fiesta
ディスク2
1. Eiderdown
2. All Blues
3. Pastime Paradise
4. Now He Sings, Now He Sobs
5. Serenity
6. Lotus Blossom
Chick Corea (p)
Christian McBride (b)
Brian Blade (ds)
今日のおまけは、アルバムの「500 Miles High」
このメンバーで、4月の頭にブルーノートに来ますよね。
目の前で聴きたいですよね。。
んじゃ、退散♪
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チック・コリアの演奏は毎回良いのですが、もう高齢なのに、それを微塵も感じさせずにここまでの演奏をやってしまうこと自体驚異的ですよね。去年のベスト3の締め切りをのばせば良かったかなあ、と思うことしきりです。このアルバムは次回の楽しみの一つとして取っておきます。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2019年1月 6日 (日) 20時07分
910さま、トラバをありがとうございます。
おじいちゃんとは、とても思えない演奏でしたね。
2018年で、、聴き残してしまったものがいくつかあって、、
これは、その1枚です。
1月は懺悔月間かなぁ。。
投稿: Suzuck | 2019年1月 7日 (月) 08時34分
Suzuckさん,こんばんは。本年もよろしくお願いします。
皆さんが高く評価されている本作ですが,私にはおぉっ!となる瞬間と,イマイチだなぁと思う瞬間が混在していたというのが正直なところです。聞き方が足りないのかもしれませんし,これぐらいは出来ちゃうだろうなぁって思い込みもあるのかもしれません。
優れた演奏と認めつつ,ちょっとアンビバレントな私です。でもライブは行くかなぁ。ちょっと高いですけどね(苦笑)。
ということで,TBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2019年1月10日 (木) 22時54分
閣下、正直すぎる。笑
私は、ブライアン・ブレイド教の信者なので、おっという瞬間でまとまっています。
あえていうなら、ショーターの作品のほうが好きですけど。爆
ライブは、いけないかもな。。
3月くらいにならないと、、なんともいえません。。
トラバをありがとうございました。
投稿: Suzuck | 2019年1月11日 (金) 17時39分