ダイナミズムと静謐 『Marcin Wasilewski Trio @ 丸の内コットンクラブ (1/24 1st)』
Marcin Wasilewski Trio @ 丸の内コットンクラブ (1/24 1st)
「ECM Artist in concert 2019 vol.1 」
Marcin Wasilewski (p) Sławomir Kurkiewicz (b) Michał Miśkiewicz (ds)
新譜の『Live』は、私の去年のベスト1です。
本来なら、全セット行きたいところだけど、、まぁ、1月は物入りだし、、
昼のピットインのスケジュールを観て、初日24日に決めました。
コットンクラブさんの太っ腹企画に乗ったので、チャージは半額!
ECM Artist in concert 2019のトップバッターですね。(ワクワク)
盛り上がったピットインからの移動で、5時半過ぎくらいに到着。
ピアノの周りは、ほぼ埋まった感じだったのですが、ピアノのすぐ後ろに空いてた最前線の席に。
そういえば、白寿ホールの時も最前列だったなぁ…。と、独りジュースで乾杯。
ほぼ定刻、始まりました。
オープナーは、「これぞECMの音!」みたいな美音を内なる宇宙に向かって繊細にひきつめる感じ。後から、マルチンに詳しい友人に、鬼籍に入ったトマス・シュタンコの「Song for sarah」だったと教えてもらった。シームレスに、マルチンのオリジナル「Sudovian Dance」。独特のメロディを反復しながら、どんどん熱くなっていく。マルチンは、演奏時は足をあげたり、リズムをとったり、じっとしてる時間はない。繊細な音を紡ぐ時も、体から音を絞り出すように弾く。溢れ出る、と、いうより、絞り出すように、、最善の音を探し当てる感じ。3人の息のあった演奏は、まるで一個の人格のよう。もう、なにもかも目が離せない。
少し間があって、再びオリジナルで「Austin」。美旋律、美音、3人で繊細に創り上げていく深い深い世界。自曲は、始まってすぐに「やったっ!」って、心の中で叫んだ。彼のオリジナル曲の中でも人気曲「Night Train To You 」。叙情ゆたかなメロディ、熱く燃え上がる演奏。気分が高揚する1曲だ!ドラムとピアノの一騎打ちのような場面が続き、席にじっとしているのが難しかったですよ。笑 いやぁ、密度の濃い音のやりとりが15分?くらい続いた。これ、圧巻!!もう、舞い上がってしまって、テーマに戻ってきて我に帰る。遠くに来てしまった気分。私って、単純!
やんや、で、初めてMCが入る。「わたしはマルチン・ヴァシレフスキです」と、自分の名前を日本語風に紹介してた。曲も。鬼籍に入ってしまったトマシュ・スタンコに敬意を持っていると言う気持ちが伝わってきました。ジョークも入って、親しみやすい感じ。
なんと、クシュタフ・コメダの「Sleep Safe And Warm」。シンプル・アコースティック時代には、ポーランド人のレジェンド、クシュタフ・コメダの作品集を作ってるし、ECMに移ってからも、この曲を収録してますよね。ベースがフィーチャーされ、情感漂う演奏にうっとり。
ハービー・ハンコックの「Actual Proof」、冒頭は、ベース・ソロを中心に、手拍子、内部演奏、パーカッションなどで、場を温めてからピアノを弾き始める。あの、独特のテーマがときおり顔お出す。3人でリズム遊びをしながら盛り上がる盛り上がる!
拍手、拍手でアンコール。アンコールは、プリンスの「Diamonds and pearls 」。タイトルそのままの美しいピアノからの、、ノリノリの演奏で終了!
やっぱり、主役はピアニストのマルチンなのだけど、ベースもドラムもとても巧い。それだけでなく、彼の全てを理解し、これしかない音で彼らの世界を創り上げる。
躍動感があって、情熱がほとばしる三位一体の演奏。ダイナミズムと、静謐を併せ持つピアニズム!もう、最高です。
新譜の『Live』を聴いたときに、そこに居た4000人の観客に嫉妬したんですよ…。
でも、その感動をこの日に体感!アグレッシブに動き回るトリオ、ぐいぐい引き込まれる。高揚感で胸がいっぱいになってしまいました。。
今回は、新譜の収録曲を中心に、自分たちのキャリアも織り込んだようなセットになっていて、幅広い人たちが満足したのではないかと思いました。つうか、私は、大満足でした!
あ、、ついでの情報、どうやら、この日は2セット同じセットリストだったようです。笑
持っていったアルバムにサインをいただいて、握手して帰ってきましたよん。
またの来日をお待ちしております!
んじゃ、退散♪
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» Marcin Wasilewski Trio@Cotton Club,マジで感動した! [中年音楽狂日記:Toshiya's Music Bar]
Marcin Wasilewskiは,あのECMレーベルにおいても,今や最も信頼に値する人だと言ってよい。彼が自身のトリオで出すアルバムにも,客演したアルバムにも,悪いものはないのだ。そんなMarci [続きを読む]
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Suzuckさん,おはようございます。
いやいや,素晴らしいライブでした。私は出張先から戻っての参戦で,1stはギリギリの到着でしたが,1stから私は大いに楽しませてもらいました。2ndも同じ曲の演奏でしたが,休憩中のサイン会で,「曲変えないの?」って聞いたら,「考える」と言ってましたが,実現せずでしたが,クォリティの高い演奏を聞かせてくれたのでまぁいいや。ブログにも書きましたが,3人ともうまいです。さすがショパンの国のミュージシャンだ。
私はECMのリーダー作全部と,Simple Acoustic Trio時代のライブ盤を持って行ったのでした。Stankoも持って行きゃよかった(爆)。
ってことで,TBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2019年1月26日 (土) 10時18分
閣下、トラバをありがとうございました。
全セットを聴いた友人によれば、二日目の2ndが最高だったということです。
でも、どのセットも感動の嵐が渦巻いて居たとおもいますよ。
私、以前にコメダ集にサインをいただいているので、、
今回は、ECMの他に、ハバネラ、と、サイドのアルバムを持って行きました。
まぁ、、サインをいただきながら、こんなすごい人たちがニコニコサインをくれるなんて、、
って、飛び上がりそうでしたよ。笑
投稿: Suzuck | 2019年1月27日 (日) 14時10分