★ すずっく2018 ジャズ・インスト 編 ★
★ すずっく2018 ジャズ・インスト 編 ★
年末になって、ヤン・エリク・コングスハウク氏が、あのレインボー・スタジオを売却しようとしている、というニュースが入ってきた。そのせいか?今年は、ECMレーベルのリリース&秀作が多く、それだけでベスト10ができそうな怒涛の勢いだった。
一度、頭の中を掃除して、、出てきたベストです。キーポイントは「邦人」ってことになった気がしま〜す。
1.Live / Marcin Wasilewski Trio
ポーランドのトップ・ピアニスト、マルチン・ボシレフスキのトリオ。ライブならではの躍動感があふれ、激しく情熱がほとばしる三位一体のプレイ。4000人の観客の興奮は半端なく、彼らも観客からエネルギーをもらい、演奏に拍車がかかる。ダイナミズムと、美麗で静謐な部分を併せ持つピアニズムが堪能できるライブ盤。全編、強い高揚感を感じる満足度の高い内容で、ジャズ・ピアノ・トリオの真髄だ!
2.Shades of Sounds / Alessandro Galati Trio
今年、日本での作品を2枚リリースした、イタリアの人気ピアニスト、アレッサンドロ・ガラティ。全編ロマンチシズム満載、しかも、インタープレイのスリリングな場面も楽しめちゃう、お得盤。美音で情感豊かに歌い上げるピアノ、太くしっかりしたベースが活躍し、ドラムの音の美しさにも感動。ガラティの選曲のお目利きにも感涙。メロディに長けた人は良い曲しってますね。ガラティ流浪漫にどっぷり浸れます。
新譜がでるたびに、話題になる現代ジャズ・ピアニストの最高峰、ブラッド・メルドー。今回の題材は、バッハ、そして、ソロ・ピアノ演奏。交互にくるバッハの曲とメルドーの即興に全く違和感はなく、バッハの曲は楽譜通りでも、メルドーの姿が浮かび、その後のメルドーの即興曲はバッハの面影をもちつつメルドーの世界。孤高の人が、また、新しい世界の扉を開けたとうことです。
4.ICTUS / Tamaya Honda ICTUS Trio
内外で評価の高いドラマー、本田珠也。カーラ・ブレイの曲が並んだ選曲は、元妻カーラ・ブレイの曲を愛奏していたポール・ブレイへのオマージュ。メンバーのつくりだす緊張感と高揚感が絶妙で、本田の描き出すダークで混沌した色合いに心奪われる。男性的な強さと繊細で知的な感覚が組み合わさったヒリヒリするような感覚が好き。
5.Benign Strangers / Davy Mooney & Ko Omur
ドラマー&タブラ奏者、大村亘と米国のギタリスト、デイビー・ムーニーの双頭のアルバム。ムーニーは、温和な柔らかな語り口。必要とあらば、流麗で浮遊感あるフレーズが淀みなく溢れでる。大村は、時に爆発し聴衆を高揚させ、時に繊細に音に拘る。NYの精鋭たちが参加した「現代進行形のジャズ」は、穏やかなメロディ溢れる心安らかな音風景。
6.For 2 Akis / Shinya Fukumori Trio
ECMからドラマーの福森進也が、リーダー作をリリース。リリカルで美麗なピアノ、穏やかにさりげなく自らを主張するサックス、そして、非常に美しいメロディを奏でるドラムワークで、演奏も「The ECM」って、感じの美しい会話。全編、郷愁を誘う美音三昧。
ルクセンブルグ出身のピアニスト、ミッシェル・ルイスの日本人の俊英奏者たちと組んだフリー・ジャズの要素の強いユニット。彼の持ち味である、エレガントでメロディアスな演奏もありつつ、西口、須川、石若の即興と四つに組んで、爆発。可能性を大きく秘めたユニット。
8.Ciao...Amore / Fratello Joseph Bassi with Domenico Sannna, Max Ionata
イタリアのベーシスト、フラテッロ・ジョセフ・バッシが、同郷のピアニスト、ドメーニコ・サンナと人気サックス奏者マックス・イオナータを交えたトリオ作。重厚なベースを中心に、ドラムレスの密度高い演奏。まさに、芳醇な時間!
9.Summerwind / Lars Danielsson Paolo Fres
スウェーデンを代表するベーシスト、ラーシュ・ダニエルソンとイタリアを代表するトランペッターのパオロ・フレスのデュオ作。最小限の音数で、哀愁溢れる叙情豊かな世界。互いの心に響き合う息のあった演奏。
10.Seeking Higher Ground / Maguire Twins
マグワイア・ツインズは、日本人の母を持つ米国在住の双子の兄弟。プロデューサー、ドナルド・ブラウンが厳選したメンバーは、アローン・ゴールドバーグをはじめ、ジャズファン垂涎のメンバー。濃いジャズ・スピリットに溢れている、エネルギッシュな白熱の演奏。
次点は、
Live In Healdsburg / Anat Cohen & Fred Hersch
一言、悩ましい!
んじゃ、退散♪
« ★ すずっく2018 ジャズ・ヴォーカル 編 ★ | トップページ | ♪ 2018年もお世話になりました ♪ »
「JAZZ」カテゴリの記事
- 美しく哀愁あふれた世界 『Mare Nostrum IV / Paolo Fresu Richard Galliano Jan Lundgren』(2025.04.06)
- 繊細で透明感溢れる音風景 『Tides of Blue / 栗林 すみれ 藤本 一馬 須川 崇志』(2025.03.22)
- 洗練された3人のロマンチックな会話 『Safe Place / Julian & Roman Wasserfuhr with Jörg Brinkmann』(2025.03.16)
- 随分まえに、、『ジャズ批評 244号』がでました〜 汗(2025.03.02)
- 「Days of Delight」レーベルの『Tides of Blue』が面白そう…(2025.02.08)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: ★ すずっく2018 ジャズ・インスト 編 ★:
» 2018年の回顧:音楽編(その2:ジャズ) [中年音楽狂日記:Toshiya's Music Bar]
今年を回顧するのも今回が最後。最後はジャズのアルバムに関する回顧で締めよう。今年もジャズに関してはそこそこ新譜も購入したし,相応の枚数を記事にした。もちろん,聞いても記事にしていないものもあるが,それ... [続きを読む]
Suzuckさん こんばんわ。
やはりボシレフスキは上位にきましたね。
私も今年聴いた回数でも上位の愛聴盤となりました。
他の作品でもこれから聴こうと思っているアルバムや気になるアルバムもあり大変参考になります。
それにしても、いつもリアルタイムで新譜中心に幅広く追っかけておられるのには感心しております。
ライブレポートも凄い方が登場したり興味津々です。
来年も記事楽しみに拝見させていただきたいと思います。
それでは、来年も何かと情報交換宜しくお願い致します。
良いお年をお迎えください。
投稿: baikinnmann | 2018年12月30日 (日) 02時27分
今年も楽しませて頂いて有り難うございました。
今年のジャズ・インスト編10点は四点は一致しました ^^)
当ブログ、雑誌でのご示唆有り難うございます。
来る平成最後の年においても、御活躍頂けますよう祈念いたします。
良いお年をお迎えください。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2018年12月30日 (日) 09時34分
Suzuckさん,おはようございます。
結構かぶってますねぇ。Marcin Wasileuskiはブログのお知り合いの皆さんの評価も高く,ご同慶の至りって感じです。私の場合,Suzuckさんとかぶっていないのは,福盛達也以外未聴盤でした。
ということで,TBさせて頂きます。
ともあれ,本年もありがとうございました。よいお年をお迎え下さい。
投稿: 中年音楽狂 | 2018年12月30日 (日) 09時44分
baikinnmannさま、
baikinnmannの推しのポーランドの女性のピアニスト、素敵だとおもいます。
私は、どうしても新譜を買い求めてるので、後から拾うのが大変で。。
なかなか、タイムリーに気がつくのは難しいですよね。
たくさん聴かれているbaikinnmannさまの情報はとても素晴らしいです。
最近は、ギターにも興味をよせられているので、こちらも期待しますね!
来年もよろしくお願いいたします。
投稿: Suzuck | 2018年12月31日 (月) 11時16分
風呂井戸さま、、
4点、、なんだろうな、、気になります!
ジャズ批評もお読みいただき、本当にありがとうございます。
ぜひ、マイ・ベストにご参加ください。
って、すでにご参加されてましたら、、すみません。m(_ _)m
来年もよろしくお願いいたします。m(_ _)m
投稿: Suzuck | 2018年12月31日 (月) 11時19分
閣下、、
ECMは、秀作だらけで、悩みましたよ。
いろいろと考えて、番外にしていったのですが、、番外ECMだらけ。。
通年だったら、ベストに絶対はいってくるアルバムばかりでした。
でも、マルチン・ボシレフスキのトリオは、絶対的でした。
やっぱり、好みなんだろうなぁ。。
来年もよろしくお願いいたします。m(_ _)m
投稿: Suzuck | 2018年12月31日 (月) 11時22分