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音楽で拡がる輪

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2018年11月

2018年11月29日 (木)

叙情歌のような… 『Summer's Gone / Giovanni Mirabassi Trio』

Summers_gone


イタリア出身でフランス在住のピアニスト、ジョヴァンニ・ミラバッシが、レギュラー・トリオで新作を出しました。トリオ作の前作は、ジブリが大好きな彼の願いが叶った『Animessi』は、ジャズファンからは賛否両論でした。続けてでた『No Way Out』は、このアルバムと同じトリオにヴィブラフォン奏者を迎えたもの。
さてはて、このアルバムは?? まず、ピアソラ曲「Ausencias」以外は、オリジナル。そして、4曲は、ピアノ・ソロです。トリオとピアノ・ソロが一緒に楽しめちゃうわけですね!

オープナーは、艶やかなピアノにうっとりする「Requiem For N. F.」。ドラムとベースが入ってくるとドラマチックに展開。「筆が立つ」って、言葉がありますが、なんだろうなぁ、ピアノの巧さがそういう感じ、流麗で艶やか。ベースとユニゾンで始まる「A Dirty Job」、ベースのソロも素敵だけど、ミラバッシのピアノは躍動感に溢れてる。透明感ある音で疾走する「Le Voyage De Yui 」。ロマンチシズムいっぱい、優しいメロディ「Quasi Quasi」。
ピアソラ曲「Ausencias」は、ピアノ・ソロで。次から次に押し寄せる流麗なピアノのフレーズにドキドキ!8分超えで、アルバムのハイライトでもあると思う。
息のあった3人の楽しい演奏「La Mélodie Du Désastre」。ピアノ・ソロで耽美的な即興「Impro 1 」。タイトル曲「Summer’s Gone」、メロディアスで叙情豊かにピアノを鳴らす。
ビターテイストで緊張感のある「My Corean Heart 」。ドラムとベースの采配が素晴らしい。
ピアノ・ソロで饒舌に語る「Impro 2 」。日本語のタイトル「Nana Nana Nana (777) 」は、スリル感たっぷりに。
終演は、ピアノ・ソロで「Valentina」、美しく切なくイタリア叙情が詰まっている。

美しいメロディと流麗なピアニズム。イタリア叙情が詰まってます。
詩情豊かで まるで叙情歌のよう。

1. Requiem For N. F.
2. A Dirty Job
3. Le Voyage De Yui
4. Quasi Quasi
5. Ausencias
6. La Mélodie Du Désastre
7. Impro 1
8. Summer’s Gone
9. My Corean Heart
10. Impro 2
11. Nana Nana Nana (777)
12. Valentina

Giovanni Mirabassi (p)
Gianluca Renzi (b) except #5,#7,#10,#12
Lukmil Perez (ds) except #5,#7,#10,#12

ちょうどいい音源がみつけられませんでした。。

んじゃ、退散♪

2018年11月25日 (日)

幻想的な絵巻物語 『Little Big / Aaron Parks』

Little_big


神童と言われたアーロン・パークス。マイク・モレノが参加した『Invisible Cinema』の路線上だとのことで、楽しみにしてました。
アメリカのSF作家の幻想小説「Little Big 」からのタイトルで、ジャズにロックを融合させたサウンドを奏でるこのバンド名も同じ。
残念ながら、この小説を読んでいないので、、各曲が小説の小節にあてはまって進行しているのかは、、わかりません。m(_ _)m

オープナーは、尖ったギターとパークスのキーボードが対当する「Kid 」。哀愁のメロディが印象的な「Small Planet 」。ドラムのアクセント、畝るベースが推進する、、ダークでミステリアスな「The Trickster」。ベースとドラムに押されて、ギターとキーボードが美しくはじける「Professor Strangeweather」。短い中にもドラマチックな展開をみせるピアノ・ソロ「Lilac」。音の響き・歪みを美ししく重ねて「Aquarium」。ギターとキーボードの丁々発止「Digital Society」。
透徹な響き、ビターテイストな美しさ「Siren」。東洋的な雰囲気の「Mandala」。朴訥とした温かさ感じる「Hearth」。穏やかな「The Fool」、ピアノで美しいバラッドが聞ける。
ギターの歪み・響きが美しい「Bells」。様々な要素が入り込んだスリリングで浮遊感ある「Rising Mind」。
ギターとピアノが爽やかに会話する「Good Mornin」。終演は、音の重なりが美しい「Doors Open」。

前作は、ECMからの 『Find the Way』から、一転、ロックテイストの入った現在進行形ジャズのエレクトリック路線。
デヴィッド・ギニャールの力強く畝るベース、トミー・クレーンのタイトでスパイスの効いたドラムのサポートで、グレッグ・トゥーヒーのロックテイストをたっぷりふくんだ尖鋭的な美しいギターと、相変わらず神秘的で繊細で知的なパークスが織りなす幻想的な絵巻物語。

本、読んでみたくなりますね。

1.Kid
2.Small Planet
3.The Trickster
4.Professor Strangeweather
5.Lilac
6.Aquarium
7.Digital Society
8.Siren
9.Mandala
10.Hearth
11.The Fool
12.Bells
13.Rising Mind
14.Good Morning
15.Doors Open

aaron parks (p, key)
greg tuohey (g)
david ginyard (b)
tommy crane (ds)

今日のおまけは、「Small Planet 」。

3連休でしたね。
1日くらいは、ゆっくりと、音楽三昧もいいとおもうんですが。。
紅葉狩りに京都にお出かけ中。お天気がいいといいのですけどね。

んじゃ、退散♪

2018年11月21日 (水)

天からの贈り物 『Long Ago and Far Away / Charlie Haden & Brad Mehldau』

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2014年に鬼籍に入ったチャーリー・ヘイデン。言わずもがな、デュオの名手。
そして、現代ジャズ・ピアニストの鬼才ブラッド・メルドー。2人のデュオのアルバムが発売されると聞いて、何を今更、とか思いながらも、、心待ちにして待っていた。笑
ヘイデンとメルドーといえば、わたし的には、2002年にでた『American Dreams』、マイケル・ブレッカーが入った、、このとろけるような甘美な世界が好き。
このデュオは、2007年のジャズ・フェスの一環として行われた教会でのライブ録音から6曲。メルドーとヘイデンの奥様ルース・キャメロンの2人がプロデューサーとして名を連ねている。

オープナーは、意表をついたパーカー曲「Au Privave」。速さは追求しない代わりに、硬質で抽象的なメルドーのピアノで始まる。互いにバラバラにされたテーマで遊んで小手調べ。フリーにはならないけれど、ちょっと難解な雰囲気も。いや、知的なお遊びと呼びましょ。
一転、明るくシャイな青年になったメルドーのピアノと優しく包み込むようなヘイデンの甘く優しい「My Old Flame」。フレッシュな感覚で、美しく心踊る「What'll I Do」。
あの名曲「Long Ago and Far Away」は、テーマをモチーフとして崩して拡げていく2人のルーツがでるような演奏。耽美的で透明感あるピアノの音に胸が締め付けられる「My Love and I」。心に染みる。。
終演は、ゆったりと優しさいっぱいの「Everything Happens to Me」、音の数を絞っていて私たちが気持ちを投影できる演奏。最後の小さな小さな一音まで優しい響に溢れている…。拍手!

全編、甘さに満ちているわけではなく、1曲め、4曲めは、、スパイスがばっちり効いている。でも、どしゃめしゃになることはなく、全編、揺るぎなき優しさに満ちている。
メルドーは、この時期パット・メセニーとデュオのアルバムを出していて、ツアーもこなしてるはず。あちらのデュオに比べると「寄り添い、相手をいたわる」という、気持ちに溢れていると思います。

1. Au Privave
2. My Old Flame
3. What'll I Do
4. Long Ago and Far Away
5. My Love and I
6. Everything Happens to Me

Charlie Haden (b)
Brad Mehldau (p)

今日のおまけは、「My Love and I」。癒されてくださいね。

んじゃ、退散♪

2018年11月18日 (日)

すでに夢か幻か…「Shai Maestro Trio @ 丸の内コットンクラブ(11/11 1st)」

Shai Maestro Trio @ 丸の内コットンクラブ(11/11 1st)

Shai Maestro (p) Noam Wiesenburg (b) Arthur Hnatek (ds)

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すでに、一週間がたってしまいました。
記憶は朧げになってしまいましたが、備忘録のために。
ECM初リーダー作『The Dream Thief』が、ドツボだったのでメンバーは違うけど期待してました。

オープナーは、ピアノ・ソロからだったとおもう。もう、その繊細でさざ波が押し寄せるような美しさに、会場の全員が息を呑んで聴いていたはず…。ベースとドラムがシットインしてからも、万華鏡のように美しい世界は変わらず、メンバー全員で創り上げていく厚みのある音に聴き惚れていた。
繊細さはもちろん、短いリフを繰り返し自ら声をあげ鼓舞し、バンドの高揚感を高め大きなうねりにさせ、、一気に爆発させる、三位一体のスリリングな演奏の凄まじさ!思わず、腰が浮いた。
鍵盤の上から下まで使い、なぜか不穏な雰囲気も交えたミステリアスでスピリチュアルな世界までみせてくれる。

先日、惜しくも亡くなったロイハ・グローブの想い出を語り、そして彼に捧げる為に弾いたバラッド「Guilty」の 硬質で抒情豊かな美しさは比類なきものだった。

熱く弾きまくっても詩的な世界が次々とあらわれ、流麗な指さばきの向こうに、時折みえるイスラエルの光景…全てが至福!
新作と違うトリオでしたが、ベースもドラムも彼のことがよくわかっていて、まったく心配なく聴けました。

ファーストセットだったけど、3人でサイン会を開いてくれ、しかも、写真もオッケ!
沢山の作品にサインをいただきましたよ。笑
もう、嬉しすぎる! 幸せな気持ちいっぱいで新潟に帰ってきました。
ありがとうございました。m(_ _)m

んじゃ、退散♪

2018年11月17日 (土)

双頭テナーで快進撃! 『Tenors of Our Time / Dave O'Higgins Trio + Max Ionata』

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英国のサックス奏者、デイヴ・オ・ヒギンズのオルガン・トリオに、イタリアのサックス奏者、マックス・イオナータが参加した2テナー作品。2人のオリジナルの他にジェイムス・ウイリアムス、ゴルニ・クラーメル、ソニー・スティットたちの3曲を加え全10曲。

オープナーの「Fourplay」から、煽るドラムに乗せられてテナーのユニゾン、ヒギンス、イオナータがソロを取り、続くオルガン、ドラムでヒートアップ、一気にテンションあがるっ。
メロディアスでスムースなイオナータ作「Satosong」、息のあったオルガンとドラムの密度の濃いサポート、テナーのユニゾンで痺れ、ソロでときめく。
スリリングな予感ヒギンズ作「Lady Face」、モダンでスタイリッシュなヒギンズとソウルフルでバップテイストたっぷりのイオナータ。二色のテナーの超愉しいやりとりは、痛快!オルガンも巧いっ。ラテンのリズムに乗って舞い踊る「Donna」。行ったり来たりの軽快な会話。
スタイリッシュなヒギンズ作「Medication」、優劣なく対等に渡り合い、朗々と歌いまくる二本のテナー。
ハードボイルドな面持ちヒギンズ作「Song for Cape Town」、2人のコンビネーションや連携プレイも素晴らしく、完全燃焼系の凄みに惚れ惚れ。高速ユニゾンから始まる「The Eternal Triangle」、互いの手の内を楽しみながら、バトルを繰り広げる熱く熱く燃え上がる2人、いやぁ、走る走る!!おぉ、ドラムだって負けられませんわ。笑
メロディアスでブルージーな「The Enigma of The Day」、ミステリアスな雰囲気たっぷりの息のあった演奏。ヒギンズ作「You're Nicked」、メロディアスで腰の据わったブロウの連続。
終演は、イオナータの「Rainy Day」、最後まで朗々と歌いあげる二本のテナーに拍手喝采!

想像していた以上に、オルガンとドラムの息のあった連携プレイが効果的。(失礼ですね…)
引き締まった音質でスタイリッシュに吹きまくるヒギンズ、そして、力強く野太いおおらかさを持ちつつ、、やっぱり吹きまくるイオナータ。2人のコントラストも、連携含めてバトルも全てが愉しめる。
スカッと痛快、快進撃。録音も素晴らしく、もう、全曲ご機嫌以外のなにものでもありませぬ。
寒さに負けない超熱演をご期待くださいっ!

1. Fourplay
2. Satosong
3. Lady Face
4. Donna
5. Medication
6. Song for Cape Town
7. The Eternal Triangle
8. The Enigma of The Day
9. You're Nicked
10. Rainy Day

Dave O'Higgins (ts, right side)
Max Ionata (ts, left side)
Ross Stanley (hammond organ)
Luca Santaniello (ds)

今日のおまけは、ヒギンズご本人があげていた「Satosong 」。

めっきり寒くなりましたね。
風邪などひかないように!

んじゃ、退散♪

2018年11月16日 (金)

ざ・正統派! 「佐津間 純&若林 美佐デュオツアー@Jazz Flash(11/15)」

佐津間 純&若林 美佐デュオツアー@Jazz Flash(11/15)

佐津間 純(g) 若林 美佐(b)

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私の大好きな「糸ものデュオ」!!
10月の初めに、ピアニストのたなかかつこさまとデュオでいらしていた、ベーシストの美佐さま。
私との地元のジャズ友の間では、和製ハンナ(『BLUE GIANT』に登場するベーシスト)で通ってます。イメージは「バッチコイ」笑
この時、糸ものデュオのアルバム『Weaver of Dreams』を購入したにですが、これがもう秋の夕暮れにぴったりな秀作。リリース以来?毎年、新潟にいらしてるようですが、なかなか、参戦できず、今回がはじめて。

オープナーは「I've Never Been In Love Before」。スイングするギターが始まると、心が踊る。ベースがタイミングを見合わせて入ってくる。時々、アイコンタクトをしながら楽しそうに演奏が進む。グルーヴィな丁々発止の演奏、相手の意図を読み取り、瞬時に返答。1曲めからがっつり心を掴まれちゃいました。高速「Funji Mama」、ハードアクション、スリリングだったなっ!

ケニー・バレルを敬愛するギタリストは、バップギタリストの鏡のような正統派のギター、グルーブ感が強烈で素晴らしい!! そして、ご自慢のフルアコGibson Super 400で、奏でられる美しい音色にうっとり。


「But Beautiful」、「My Ship」、「Moon and Sand」など、、比較的ゆったり、しっとりした演奏にみせる叙情豊かソフトでジェントルな語り口。典型的な女性が腰砕けになる甘いトーン♪ロマンチックなレーズでメロメロですな。笑
ベーシストが、ビートを刻むのはもちろん、テーマもピチカートでバンバンいけるので、裏に表に双頭のデュオ。
ギターとベースの高速ユニゾンもなんのその♪
互いを尊重し、慈しむ包容力の高い阿吽の演奏。聴いていて、とても心地よくなる。
1セットだけでも、8曲くらい次から次と演奏が続き、休憩をはさんで、2セット、アンコールまで楽しくすごしましたよ。

2人は、演奏時はセットリストは決めてないのだそうです。レパートリーの中からギタリストがチョイスして弾きだす、そして、2人の音風景を創り出して行く。
奇をてらった演奏はないけど、知ってるスタンダードも、知らないスタンダードもとても楽しい。
久しぶりに、ジャズの原点を見つめなおすような、素敵な時間でした。
それにしても、この度の美佐さま、、しっとり艶っぽかったな……

ゆったりと、流れるセピア色の時間。心に染みるスタンダードの数々、、遠い想い出に浸りましたよ。。
『Weaver of Dreams』もとてもよかったのですが、いやあ、生もすっごく、よかったぁ!!

帰りに、佐津間さまの参加している『At Home / Yoshimitsu Okada &Friend』を購入してみました。
サックス、ギター、ベースという変則トリオ。これまた、息がぴったり。バップテナーを中心に味わい豊かな世界が広がっていました。

んじゃ、退散♪

2018年11月13日 (火)

やみつきだぜっ! 『Bungalow Japan Tour 2018 @ Jazz FLASH (11/12)』

Bungalow Japan Tour 2018 @ Jazz FLASH (11/12)
マイク・リヴェット (ts, electronics) 佐藤 浩一 (p)
池尻 洋史 (b, ukulele-b) 大村 亘 (ds, tabla)

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軽快に始まった新曲大村作「825」、一気にBungalowの世界にトリップ。
ベーシストのカウントともに奏でられる池尻作「Yellow and Green」しっとりとしたサブトーンで奏でられるバッラド。硬質で美しいフレージング満載のピアノ、低音を支える安定したベース、さりげなく隙間を彩るドラム。もうメロメロです。
4つの音がいっぺんに聴こえてくる展開の中に、ふと湧き上がるあの懐かしい不思議なメロディ、大村作「Dancing Elephant」。このアレンジめちゃかっこよくて、たくさんの音に溢れているのに一体になって私に向かってくる!バンドのボルテージも、私たちの高揚感も一気にヒートアップ。
大村作「DAY 29」、タブラとエレクトリニクスが交差して、いきなり違う場所に瞬間移動。タブラと他の楽器、エレクトロニクスとアコースティックの絡みが深化している。トリップにつぐトリップで気がつくと。。宇宙の果てか。
太いベースのパターンから始まる新曲池尻作「Sulfur」、コンテンポラリージャズの極みみたいな、ちょっとダークで挑戦的な力強い演奏。次も新曲佐藤曲「(タイトル失念)」、タブラの音のマジックのか、遠い異国の民族音楽のように感じる。ファーストセット終了!

20分弱の休憩は、それぞれどよめきながら(笑)。

セカンドセットのオープニングは、トレーンのオリジナルのよう幽玄でスピリチュアルな雰囲気の新曲マイク作「Big Ending」、絞り出されるフレージングは、ぎゅっとしまった現代サックスの雄って感じ。他のメンバーも仕掛けてくる。
ピアノの低音が不気味に響くオープニングと、ウクレレベースのソロ、ドラムの要所要所のアクセントが超気持ち良い「Suzumushi’s Confession」。
タブラとエレクトロニクス、ピアノの内部奏法が入っても、何故か日本情緒を深く感じる新曲大村作「Abstract Message」、本当に世界は全部繋がっているのだな、と実感。
力強いベースのパターンが低層部からずっと鼓舞しつづける新曲大村作「(?)」、メンバーのソロも佳境で胸の鼓動も鳴り止まぬ。美しさと厳しさが同居する大村作「Imagined Winter」。終演は、ベースソロから広大な広野が広がる大村作「Astir」。

アンコールは、豪快にスイングする池尻作「Test」。
Bungalowの曲や演奏は、ちょっと難しいって言う人もいるのだけど、、これは、もう、安心の痛快作。
ライブの終わりは笑顔で、また、今度ね!って、感じかな。

Bungalowの曲や演奏は、異国の知らない光景を呼び起こしたり、宇宙の果てに放り込まれたり、自分の中で眠っていた故郷の光景を呼び覚ましたり、ずっとずっと、想像力を刺激し続けてくれる。あぁ、世界はすべて繋がっている!
 
2013年に新潟に来てくれて、その後くる度に進化、深化しており、、今日も、前回にましてのエレクトロニクスとアコースティックサウンドの絡みがカッコ良すぎて。。
腰痛から解放され体調万全となったマイクの怒涛の攻めが最高ですわ。エレクトロニクス使いもセンス抜群。
時折棘のある思わぬ音が散りばめられている、美しいピアノにも吸い寄せられる。
安定感はもちろん、意外な攻めが萌え、力強さは信頼感の証のベース。
切れ味の良い一音、一音で、ダイナミクスを制したドラム、そして、唯一無二の世界観に必要不可欠なタブラ。
この四位一体の演奏が大好き! 何が、どうって、、全くわからない私ですが、あちこちにめちゃ放り投げられました。

新曲ラッシュなのですが、今年はレコーディングはしないそうです。
できたら、来年あたりにニューヨークでレコーディングしたいんだそうです。がんばれ!
旧曲の新アレンジもやばいっ。って、ことで、今聴いておかないと損しますよ。笑

お越しいただいたみなさま、そして、フラッシュのマスター、あっこ女将、そして、岩井さま、、本当にありがとうございました。m(_ _)m

メンバーの皆さま、今日は新宿PIT INNだぜ!ご健闘を!
と、この後もツアーは続きます。

11/13(火)
新宿 PIT INN
http://www.pit-inn.com
03-3354-2024
open 19:30 start 20:00
¥3,500

11/14(水)
桐生 Village
http://villagejazz.jp
0277-43-2770
start 19:30
一般¥3,000 学割¥1,500

11/15(木)
仙台 Jazz Me Blues noLa
https://jmb.at.webry.info
022-398-6088
start 19:30
一般¥4,000 当日¥4,500 学割¥3,000

11/17(土)
松崎 J Square
start 19:00
¥4,000

11/18(日)
伊豆高原 Butter Note
0557-33-1122
open 18:00 start 19:00
前売¥4,000 当日¥4,500

んじゃ、退散♪

2018年11月 6日 (火)

一筋縄ではいかぬ 「金澤 英明 & 石井 彰 DUO @ Jazz Flash (11/5)」

金澤 英明 & 石井 彰 DUO @ Jazz Flash (11/5)
金澤 英明(b)石井 彰(p)

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以前に、「二重奏」で、フラッシュにいらしてくださった、ベースの金澤さまが、石井彰ピアニストと「裏?二重奏」でフラッシュにいらしてくださいました!

オープニングのバラッド「For All We Know」は、しっとり、しなやかに。ベースソロも歌心たっぷりと哀愁をひき出す。シームレスにはじまった「Secret Love」、先ほどとはうってかわって、力強く、時にパーカッシヴに大胆にピアノを鳴らしていく。ベースとの絡みも 瞬間瞬間の互いのイマジネーションをすっごく大切にしているのがよくわかる。揺れる、唸る! こっちも体が揺れる、歌いたくなる!
皆んなが大好き「Waltz for Debby」も、遊び心も刺激もたっぷり。どんなに大胆に曲想を広げても、原曲の持つ可愛らしさを保ってましたよね?

と、二人は何を演奏するか順番とかきめてないのだそうです。
見合わせた顔、仕草、その時の気分で決まるらしい。。

フリーの佇まいから、ベースがボーイングで奏で始めたのがまるで二胡の演奏のようで異国情緒にあふれていた。ユニゾンなどもあったけど、かなり自在に遊んで、少し、フリーやアヴァンギャルドな空気もはいった気合の入った演奏に。ピアノに乗っていたタンバリンも 満を持して出動。ベースソロの間、タンバリン叩きながら踊ってましたよ。内部奏法もはいり、緊張感ある空気。次のスタンダードでも、長尺でアグレッシヴな即興の醍醐味を思いっきり堪能。あぁ……自由すぎる!

長い拍手と歓声の中、休憩へ。
買いましたよ、石井さまのアルバム、2枚!
『Silencio / Chamber Music Trio』『Endless Flow / 石井彰』
素晴らしい仲間と、素敵な音楽です。

2セットめも、いい意味で観客を裏切るエキサイティングでトリッキーな演奏。
一筋縄ではいかない!

生で、はじめて聴くピアノは、とても知的で、力強く、、溢れ出る感情が渦を巻いてました。
そして、バラッドなどでみせる、、1つの音の響きを最後まで大事にするしなやかで繊細な演奏も。
心が大きく揺さぶられて、家に帰ってもその余韻が鳴り続けていました。素晴らしかったです。
そして、一音一音が魂のこもった低音を響かせ、グイグイとひっぱるベースと本当に本当に阿吽、豊かで、表現力、想像力がいっぱいの世界。
凄腕の音楽家たちは、一瞬一瞬、相手との反応も勝負なのだけれど、自分との勝負でもあるのだな、と、改めて強く感じました。今出した、自分の音にいかに反応できるか、彼らの腕の見せ所なのですね。

晩秋の深い色彩、心に残る味わい深い音風景。迫力満点、男組デュオでした!

今日から、新発田のBirdさんですよ。
6日は、セッション! 7日は、再びデュオライブ!!
お近くの方、ぜひ!!

んじゃ、退散♪

2018年11月 3日 (土)

穏やかな晩秋に 『Last Things / Siril Malmedal Hauge / Jacob Young 』

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ノルウェーのベテラン・ギタリスト(に、なりましたよねぇ。。)ヤコブ・ヤング。
私を北欧ジャズの虜にしたミュージシャンの一人です。
今回のお相手は、ノルウェーのヴォーカリスト、シーリル・マルメダール・ハウゲ。
彼が、「若手の中で際立った才能を持つシンガー」と絶賛している女性です。

スタンダード、ポップス、ロック、ヤコブ・ヤングのオリジナルと幅広い選曲。
好きな曲がならんでいて、とても嬉しい。

オープナーは、オリジナル「Bounce With Me」。フォーキーでナチュラルな歌声が素敵。アコースティックギターで寄り添うギターとしっくり、ぴったり。語りかけるように歌う「 I Will」。ギターもシンプルなフレーズで応える温かな時間。躍動感あるカッティングで歌い上げる、ジミ・ヘンドリックスの「 Little Wing」では、スキャットも披露。柔らかで伸びやかな歌声でしっとり歌う「Skylark」。
ヤコブ・ヤングの優しい歌声から始まる、オリジナル「Last Things」。多重録音での自然な響が美しい。声の相性もぴったりかな。
ギターとのユニゾンが印象的な、ノルウェーのサックス奏者の曲「Deep River」。スタンダード「So In Love」、ギターの繊細な響と歌の繊細な感情表現にうっとり。可憐。
ギターと丁々発止、スキャットでキメる「No Moon At All」。
ギターの響も余韻をひく、ジェームズ・シェルトンの「Lilac Wine」は、情感たっぷりに。
終演は、囁き呟くような「Ballad of The Sad Young Men」。ギターも最小限の音で寄り添う。

日本盤、ボーナストラック「Still Crazy After All These Year」、温かで穏やかな空気をそのまま、この名曲にのせて。ノルウェーからふわりと風を感じる。

優しく柔らかな声、ナチュラルな歌い方で、澄んだ空気を運んでくるヴォーカル。
そして、温かく寄り添うギター。穏やかなで静かな静かな時間が流れます。
大懐メロ大会みたいになったけど、やっぱり、いい曲はいいな。

1. Bounce With Me
2. I Will
3. Little Wing
4. Skylark
5. Last Things
6. Deep River
7. So In Love
8. No Moon At All
9. Lilac Wine
10. Ballad of The Sad Young Men
11. Still Crazy After All These Years (Bonus track)

Siril Malmedal Hauge (vo)
Jacob Young (g , vo)

今日のおまけは「I Will」。

穏やかな秋の休日をお過ごしください。
んじゃ、退散♪

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