ノルウェーの色彩 『The Other Side / Tord Gustavsen Trio』
大好きなノルウェーのピアニスト、トルド・グスタフセンがオーソドックスなピアノ・トリオのフォーマットで新譜を出しました。『Being There』以来ということで、約10年ぶり。
ドラムは、ずっと一緒に演奏してきた天才ヤーレ・ヴェスぺシュタ、新加入のスィッグァード・ホール。彼は、アルバムでの録音は始めてですが、2014年からマッツ・アイレットセンに変わってトリオのベーシストを務めています。
前回の『What Was Said 』も、私にはどツボでした。今回も楽しみにしてました!
オープナーは、北欧の空気感が満載のゆったりグレイな雰囲気「The Tunnel」。柔らかなメロディが心に沁みます。ベースもゆったりとした空気にぴったり。
静かなベースソロの向こうでやんわり電子音が響き、哀愁あるメロディがしっとり奏でられる「Kirken, deen er et Gammelt Hus」。
「Re-Melt」、暗くスリリングな音風景。残響のように遠くから聴こえるボーイングの音と電子音?がミステリアスな「Duality」、環境音楽のよう。ゆったりした時間の中にドラマチックな高まりを感じる「Ingen Vinner Frem Til den Evige Ro」。柔らかで静寂時間「Taste and See」。
バッハの曲もエキゾチックな世界へ「Schafes Bruder」。バッハのモテット「Jesu, Meine Freude」、ノルウェーのトラッド「Jesus, det Eneste」音は少なくとも敬虔で荘厳な雰囲気。
タイトル曲「The Other Side」は、深まりゆく秋の風景をみるような美しさ。
強い感情の起伏をみる「O Traurigkeit」、3人の気持ちの一体感がすごい。
透明でひんやりとした空気「Left Over Lullaby No. 4」。終演も静かに夜が更けていくような「Curves」。
ノルウェーのひんやりした空気が流れ込んでくるような静けさ。
秋の夜長にぴったりな夜更かし盤。ノルウェーの色彩をストレートに感じ、3人の相性がとても良いと感じました…。
1.The Tunnel
2.Kirken, deen er et Gammelt Hus
3.Re-Melt
4.Duality
5.Ingen Vinner Frem Til den Evige Ro
6.Taste and See
7.Schafes Bruder
8.Jesu, Meine Freude
Jesus, det Eneste
9.The Other Side
10.O Traurigkeit
11.Left Over Lullaby No. 4
12.Curves
Tord Gustavsen (p , electronics)
Sigurd Hole (b)
Jarle Vespestad (ds)
今日のおまけは、レーベルサイトがだしていたもので。
大阪、北海道と大きな災害が続きました。
心から、お見舞いを申し上げます。
早く、日常を取り戻せますように…。
んじゃ、退散♪
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Tord Gustavsen のトリオ盤は待ちに待っていました。
納得の一枚です。
Suzuckさんにも一応の評価を頂いたようで(笑い)、喜んでおります。
これで、又次のアルバムが何年か後と言うことになって・・・むしろ寂しく感じています。やっぱり秋ですね。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2018年9月10日 (月) 12時37分
風呂井戸さま、、トラバをありがとうございました。
やっぱり、この空気、、大好きです!
願わくば、いつかクリスマス・アルバムを出して欲しい!!
ヴォーカルと演奏しているのはあるので、、宗教的にダメとかなさそうなので。。
ぜひとも、お願いしたい。悶絶しそうだ。。
投稿: Suzuck | 2018年9月11日 (火) 12時12分
バッハやトラディショナルなどもあっても、彼らの空気にしてしまうんですね。ゆったり構えているように見せて、なかなかスゴい人たちです。すんなり聴けてしまうんですが、奥深いというか何と言うか。いいものを聴きました。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2018年9月15日 (土) 21時45分
910さま、トラバをありがとうございます。m(_ _)m
静かな重みとでもいうのでしょうか…。
自分たちの世界を持っている人の強みですよね。
久しぶりのピアノトリオ盤だったのですが、
ベーシストも彼の世界にはまっているとおもいました。
こちらからもトラバしますね!
投稿: Suzuck | 2018年9月19日 (水) 08時47分
Suzuckさん,こんにちは。TBありがとうございました。
納得の音,という表現が適切と思えるアルバムでした。まさに北欧の音と言える清冽な響きが素晴らしいですね。さすが,この人はずしません。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2018年9月22日 (土) 14時51分
閣下、お返事がおそくなりました。m(_ _)m
透明感があって、深みもある。。
この人の音も、演奏も好きです。
トリオでクリマス・アルバムをださないかなぁ。。
って、私の願いです。笑
トラバをありがとうございました!
投稿: Suzuck | 2018年9月25日 (火) 17時46分