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音楽で拡がる輪

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2018年7月

2018年7月28日 (土)

これぞ、丁々発止! 『 Blue Waltz - Live At Gustavs / Enrico Pieranunzi Thomas Fonnesbaek』

Blue_walts

少し前に、ソロ・ピアノのアルバム『Wine & Waltzes』を出したばかりのイタリアの重鎮エンリコ・ピエラヌンツィ。今回は、デュオのアルバム。
お相手は、ベース大国デンマークの稼ぎ頭、トマス・フォネスベク。そう、現在のラーシュ・ヤンソン・トリオのベーシストです。大好きなシーネ・エイともデュオのアルバムがあります! 私的なイメージは、とても力強く、素晴らしいテクニックのベーシスト。
どうやら、2017年のコペンハーゲン・ジャズ・フェスティヴァル期間中に、行った地元のレストランでのライブのようです。
ピエラヌンツィの曲が7曲、フォネスベクの曲が1曲、スタンダード2曲で計10曲。

拍手で始まるオープナーは、「Everything I Love 」。静かに始まる冒頭のピアノ・ソロで一気に別世界へ。ベースが入って、テンポアップすると流麗で躍動感あるピアノが踊り出す。ベースの高速ソロもはいっていきなり熱い。
ドラマチックで、哀愁のあるピエラヌンツィの「Blue Waltz 」。次から次に繰り出すベースの高速パッセージ、でも、忙しさわない。ピアノと裏に表に圧巻。同じくピエラヌンツィの曲でキャッチーなテーマな「Come Rose dai Muri 」。もう1曲ピエラヌンツィの曲で優しく優雅な「Molto ancora」、イタリアのピアニス、トルカ・フローレスに捧げた曲。2人の阿吽の演奏に聴き入って。
ヴァースの部分からミステリアスな「All the Things You Are」。本編にはいると2人だけの演奏を忘れさせる丁々発止。
ベースソロから始まる「First Impression Last 」は、フォネスベクの曲。一瞬「Impression」も聴こえる緊張感ある演奏が続く。
この後、4曲ピラヌンツィの曲が続きます。
まずは、甘すぎないバラッド「Miradas」。決して音数が少ないわけではないのに、心にしんみり沁みる。
力強く躍動感溢れる息をつかせぬ怒涛の展開「Si peu de temps」。緊張感を保ったまま「Tales from the unexpected」、時折、耳に入る哀愁のフレーズに萌え。
終演「WIMP」、最後まで体力勝負のようなアスレチックな展開に、観客もやんや。

歯切れよく、流暢で躍動感あるピアノと、重厚でいながら俊敏で機動性のあるベース。
これを丁々発止といわずなんとする!


1. Everything I Love
2. Blue Waltz
3. Come Rose dai Muri
4. Molto ancora [per Luca Flores]
5. All the Things You Are
6. First Impression Last
7. Miradas
8. Si peu de temps
9. Tales from the unexpected
10. WIMP

Enrico Pieranunzi (p)
Thomas Fonnesbaek (b)

今日のおまけは、ピエラヌンツィご本人のあげていたローマでのデュオライブの動画。

くつろぎの一枚、、っていうのとは、ちょっと違うとおもうんだけど、
「さすが!」と、唸ることは請け合い。
この時、レストランでは、食事をすることは難しかっただろう、、と、思います。はい。

台風、、新潟はそれましたが、、皆さんのところはいかがでしょ?
重大なことにならないといいですよね。くれぐれも、お気をつけて!!

んじゃ、退散♪

2018年7月24日 (火)

アメリカの心 『Vanished Gardens / Charles Lloyd & the Marvels + Lucinda Williams』

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80歳を超えても、勢力的に活動しているテナー・サックス奏者、チャールズ・ロイド。
一昨年でた、『I Long to See You』は、メッセージ性をもった素晴らしい作品で、去年のお正月のロイドはジェット・ラグだったらしいブルーノートのライブも、聴きにいってしまったのだ。

前作同様ビル・フリゼールのギターとグレッグ・リーズのペダル・スティール・ギターが主体のザ・マーヴェルスと組み、フォーク・ロック・カントリー・ブルーズ系のグラミー賞シンガー・ソングライター、ルシンダ・ウィリアムズが、半数曲に参加。
大きくアメリカーナへ舵取りをきったロイドにとって、彼女のいぶし銀の歌声は効果絶大。
ロイドのオリジナル3曲、ウィリアムズのオリジナル4曲、スタンダード、モンク曲、ジミヘン曲で、10曲。偶数番曲にウィリアムズのヴォーカルがはいります。

オープナーは、伸びやかなテナーに聴き惚れるロイド曲「Defiant 」。ウィリアムズ曲「Dust」、ゆったりと大らかなヴォーカルが溶け込む。
ギターとスティール・ギターの創り出すミステリアスなサウンド「Vanished Gardens」は、ロイド曲。ウィリアムズ曲「Ventura」は、少し退廃的な雰囲気、ヴォーカルに寄り添うメンバーが優しい。
「Ballad Of The Sad Young Men」、哀愁とロマンが満載、物憂げにメロディアスなテナーに酔いしれる。
ウィリアムズ曲「We've Come Too Far To Turn Around」、ロイドのサックスに導かれ、語るがごとくオリジナルを切々と歌う、最高だ。
アルト・フルートが踊るオシャレなブルーズ「Blues For Langston And LaRue」がかっこいい。ロック魂みたいな、ウィリアムズ曲「Unsuffer Me」、ロイドの唸り?が聴こえます。これか、ghost vocalって。
「Monk's Mood」は、ロイドとフリゼールのデュオ。ライブでも2人のデュオは超絶よかったのですよ!フリゼールの創り出す絶品の空間で、枯淡の味わいをみせるロイド、うっとりするしかない…。
終演は、このデュオにウィリアムズが加わったジミヘンの「Angel 」。終演曲に相応しいハートウォーミングで、心の奥底から滲みでてくるような悲哀に満ちた演奏。

全体にメロディアスで、大自然を感じる悠然と雄々しいテナー・サックス。
ザ・マーヴェルスは、ギターとスティール・ギターの適度な歪みが阿吽で、控えめながら完璧なサポートのベースとドラムが光ってる。そして、いぶし銀のヴォーカルと見つめる方向は一緒。
まさに、アメリカの心。

1. Defiant
2. Dust
3. Vanished Gardens
4. Ventura
5. Ballad Of The Sad Young Men
6. We've Come Too Far To Turn Around
7. Blues For Langston And LaRue
8. Unsuffer Me
9. Monk's Mood
10. Angel

Charles Lloyd (ts, fl, ghost vocal)
Lucinda Williams (vo) #2,4,6,8,10
Bill Frisell (g)
Greg Leisz (pedal steel guitar, dobro) except #9,10
Reuben Rogers (b) except #9,10
Eric Harland (ds) #except 9,10

今日のおまけは、ご本人があげていたアルバムの試聴動画。

暑いですねぇ。
おかげで、日曜日は、、熱がでてしまいましたよ。

んじゃ、退散♪

2018年7月21日 (土)

今年も、旅する音楽がやって来た 「Ky @ JAZZ Flash (7/20)」

Ky @ JAZZ Flash (7/20)

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仲野 麻紀 (as, metal-clarinet, vo) ヤン・ピタール (el-oud, el-g)

「旅する音楽」のKyのお2人。
居ながらにして、世界を感じる音風景です。
去年、器で彼らが中心となって開催されたライブを聴いて、その濃い感情の坩堝にノックアウトされてしまったのだ。今回は、Kyのお2人の ライブ。
彼らの演奏の中心の一つに、エリック・サティの楽曲というのがあるのだけれど、、
会場のJAZZ Flashのご自慢の大きなスピーカーの一つに「サティの写真」が飾られてるのだ。
新潟に来る途中に、ライブのセットリストをあれこれ考えて居た2人は、この写真をみて「やっぱり、サティをやろう!」って、なったとのこと。最高のシュチュエーションだね。

1セット目は3曲続けてサティの曲を演奏してくれたし、2セットめにも。
有名なピアノ曲から歌曲、シャンソンと選曲してくれました。
仲野氏は、アルト・サックスとメタル・クラリネット、そして、歌。
ヤン氏は、エレキのウード(11弦)と7弦のソリッドギター、サンプリング音も巧みに使い、独自の高揚感をだす。音色も演奏も、エキゾチックでどこか物憂げ、バックコーラスつうか合いの手?もいれるし、ボディーパーカッションもするし、フランス語の発音の先生もするし、観ていて面白かった。
管楽器奏者は、とても叙情的な高揚感あるフレーズの連続。アルトとメタル・クラリネットを使い分け、歌も情感たっぷりに歌う。人の生活や感情と切り離せない音楽。
アラビア音楽が色濃く入ったと思えば、シャンソンを歌い、ジャズの曲はアラブ風プログレみたいに変貌したりと、多国籍?いや無国籍?な音風景に酔いしれました。
即興が即興を呼び、イメージがどんどん世界が膨らむ、音の密度がどんどん濃くなっていく様は圧巻。強さと優しさを兼ね備えた音。
気がつくと、自分も見知らぬ風景の中を彷徨っている。

アンコールのブルゴーニュ地方の民謡を演奏してくれたのだけど、魂の叫びのようだった。

去年のライブで感動しすぎて、たくさんCDを買ったので、、今回は一緒に写真を撮ってもらうだけ。
やっぱり、サイン会ないと寂しいな。笑

22日の日曜日は佐渡の長谷寺でライブを開催するそうです。

14時からです。無料です。お近くの方、ぜひ!

んじゃ、退散♪

2018年7月20日 (金)

猛暑はクラクラ♪ 『Double Rift / CRCK/LCKS』

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衝撃のデヴュー作『CRCK/LCKS』、前作『Lighter』と絶好調のCRCK/LCKS。
誰もが納得のハイテクな演奏、今を生きてる楽曲、ポップス最先端を走るユニット。

友だちを車に乗せた時に、「ヴォーカルですか?珍しいですね。」って、言われたのは、『Lighter』ですね♪
「パパパ!」に骨抜きにされてた頃ですね。笑
おばちゃんなので、「サディスティック・ミカ・バンド」を初めて聴いた時と同じような衝撃でしたよ。

やっほ、新作がでたのですよ。この3作目も期待を裏切らない。
キレッキレの演奏が気持ちが良い、アレンジが斬新、よりポップでキャッチーなヴォーカルが心地よい。

旅立ちの「Introduction」から、どこまでもいけちゃいそな「O.K.」、最高だな。
ぐぐっとエモーショナルな「No Goodbye」、ガシガシなインストソング「Skit」タイトルそのままかな。笑
「窓」一緒に窓をあけて飛び立てる気分満載。フルートが軽やかに背中を押す!
心に語りかけてくる「たとえ・ばさ」は、ちょっと、言葉遊び風。
アンビエントな空間で響くギターとヴォイスがカッコ良い「zero」。無重力空間ですねぇ。
次第に不思議な重さを感じる「病室でハミング」。
終演は、男性ヴォーカルがいい感じにとぼける「Shower」は、デュオで〜す♪

このユニットの素敵なのは、超絶テクニシャンたちが集まってできた洗練された音なんだけど、
すげぇ、かっこいい、だけじゃなくて、、一緒に歌えるってことですね。笑
歌は、世界を救う! この夏の猛暑もクラクラでのりきりませう。

1.Introduction
2.O.K.
3.No Goodbye
4.Skit
5. 窓
6. たとえ・ばさ
7.zero
8. 病室でハミング
9.Shower

小西 遼 (sax, synth, vo, vocoder,fl )
小田 朋美 (vo, key, synth)
井上 銘 (g)
越智 俊介 (b)
石若 駿 (ds)

平岡 千代 (chorus #2)
森島 玲 (chorus #2)
オオツカ マナミ (chorus #2)

今日のおまけは、オフィシャルな新譜トレーラー。
この夏はクラクラしてみてくださいね。

んじゃ、退散♪

2018年7月18日 (水)

北欧を代表するビッグバンド『Bohuslan Big Band( ボーヒュースレンビッグバンド)』が新潟に来る!

今年の秋、新潟県十日町市に、北欧を代表する『Bohuslan Big Band( ボーヒュースレンビッグバンド)』来る!

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「団十ろう」のHPからの抜粋

日本・スウェーデン国交150周年記念の一環として行われる日本ツアーで、同国を代表する国際レベルのジャズオーケストラが「段十ろう」に登場します。今回は、国内ゲストにジャズピアニストの木住野佳子さん、「大地の芸術祭」で小林武史氏プロデュースによるコンサートにも参加するTOKUさんを迎えての公演です。


スウェーデンの至宝、いえいえ、北欧の至宝、『Bohuslan Big Band( ボーヒュースレンビッグバンド)』!
レギュラーメンバーには、スウェーデン在住のベーシスト森 泰人氏がおります。

スウェーデンの国と地方自治体が出資する音楽振興財団によって運営されているビッグバンド。
国内、外(来日もあり)で演奏活動を行っているハイレベルなビッグバンドです。

バンド全体のサウンド、アンサンブルはもちろん、個々のソロ演奏も素晴らしい!
毎年のように、多彩なコラボでテーマに沿った素晴らしいアルバムをたくさんリリースしています。

そのビッグバンドが、新潟県の十日町市の越後我妻文化ホール「団十ろう」に来るのです!

一般公演は、10月13日(土曜日)19:00〜

すでに、チケットペイ(ファミリーマート)で指定席を売り出しているそうです。
急げ!!


全国でも演奏をいたしますよ。
日本人ゲストも素晴らしい♪

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と、まずはご報告まで。

んじゃ、退散♪

2018年7月16日 (月)

心の中が薄曇りなる 『Komeda Recomposed / Slawek Jaskulke Sextet』

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ポーランドのピアニスト、スワヴェク・ヤスクウケ。
祖国が誇るクシュトフ・コメダの作品を、ヤスクウケの感性で再構築するという大胆な発想の作品。3管セクステット。

このブログでも、『Sea』『夢の中へ』の、2枚の穏やかでアンビエントな音風景を取り上げました。
今回は、静寂な部分も持ちつつ、かなりアグレッシヴで躍動的なバンド・サウンドがかっこいい。ライナーのオラシオ氏の書いているとおり、
「独特の短いリフ使用して、複雑で繊細な曲を創りあげて行く」まさに、その手法にのっとって、彼の想いのはいった、自身の曲として再構築されている。なので、コメダの曲のカヴァー集と思わない方がいいと思う。

オープナーの「KATO」は、このアルバムのコンセプトがぎゅっと詰まった感じ。
不安が漣のように、押し寄せてくる「OXIS」、「NASTIC」。
やっぱり、スリリングな展開「CRAZY」。
静と動が集約されたような「SVANTE」、「ETIC」が好き。
「Szara Koleda」のメロディにうっとりする「SZARO」。
終演はアンビエントな空間が、時の流れをとめる「EPILOG」。まるで、映画のエンドロールだった…。

私のようにコメダの作品に疎くても、とても楽しめます。
演奏のうまさは、もちろんですが、、薄暗さ、不安を静かに煽る感じがとても好き。
心の中が、薄曇りになる感じ…。

1. KATO (65年名作「Astigmatic」収録Kattoma、その他より)
2. OXIS
3. NASTIC
4. CRAZY (映画「水の中のナイフ」収録曲Crazy Girl、その他より)
5. SVANTE (65年名作「Astigmatic」収録Svantetic、その他より)
6. ETIC (同上:SVANTEのPart2的な作品)
7. SZARO (Szara Koledaより)
8. EPILOG

Sławek Jaskułke ( p grand , upright)
Emil Miszk (tp,flh)
Piotr Chęcki (ts)
Michał Jan Ciesielski (as)
Piotr Kułakowski (b)
Roman Ślefarski (ds)


今日のおまけは、ご本人があげていた「Epilog」。


スワヴェク・ヤスクウケは、もうすぐ『夢の中へ』の続きがリリースされます。
楽しみですよね。

三連休は、猛暑の中出歩いていて音楽に触れてません。
明日から、家で静かに音楽に浸りたい…。

んじゃ、退散♪

2018年7月14日 (土)

7月14日、15日は、『第32回新潟ジャズストリート』です!!

夏の新潟ジャズストリート♪
1日千円で音楽の旅にでかけられます!!

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★第32回新潟ジャズストリート~デューク・エリントン・メモリアル~(7月14、15)★

両日、それぞれ一日フリーパス共通券 ¥1,000
中学生以下は無料

この一枚で一日楽しめます!

タイムスケジュール・地図・諸々セットになったパンフレットを入手すると便利です。

新潟ジャズストリートHP

タイムスケジュール

お問い合わせ 事務局 ジャズ喫茶スワン ☎025-223-4349


私は、冬に続き、夏も私用で新潟にいません…。
チケットは、早々に手に入れたのですけどね。

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会場によっては、ドリンクの販売のあるところもありますが、水分補給は必須!!
暑い夏、熱い演奏をお楽しみくださいね。

んじゃ、退散♪


2018年7月 8日 (日)

何処にもない世界 『Flowing out / 大柴 拓カルテット 』

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ギタリストの大柴 拓氏は、新潟市で「TrioMono」の演奏を聴いて以来、大ファンです。
クラシックで培った技術を中心に、南米音楽、ロックなどジャンルを超えた独特の感覚が好き。そんな、実力派のギタリストがリーダーとなって、これまた、独特の感性をもったピアノの伊藤 志宏氏、マルチ奏者の鈴木 広志氏、バンドネオンの北村 聡氏という豪華な3人とともに創り上げたリーダー作4枚目。クオリティ高く、どこにも無い世界。
全てがオリジナル曲で、7曲が大柴曲、2曲が伊藤曲。

オープナーの「陶器のワルツ」から、個々の演奏とアンサブルの素晴らしさにうっとり。
バンドネオンとサックスの2本の美しい流れが素晴らしい「枝」。まるで、男と女。
哀愁のタンゴを思い起こす「静かな東京」。おおらかな自然の光景をながめるような「瀧紫」。ノスタルジックな気持ちになる「風茜」。
ショーロのスタイルと取り上げた「黒塗りのショーロ」。どこか悲しみの込められた「白い足跡」。厳かな時間「明日」。
終演は、キメキメも多く各自の技術の高さが爆発する「水鏡」。

ワールドミュージック的な自由奔放さに、日本的叙情が加わった摩訶不思議な世界。
即興性と緻密に計算された部分のバランスがよく、美しさの中にも少し毒のある感じがたまらない。すっごく、洗練された音楽なのに、どこか昭和レトロを感じてしまう不思議さが癖になる。

最後に、この秀逸なジャケットは、ご本人がデザインしたもの。
不思議な大柴ワールドを表現した素敵なジャケットですよね。


1. 陶器のワルツ
2. 枝
3. 静かな東京
4. 瀧紫
5. 風茜
6. 黒塗りのショーロ
7. 白い足跡
8. 明日
9. 水鏡

大柴 拓(g) 
伊藤志宏(p)
鈴木広志(sax) 
北村 聡(bandoneon)

今日のおまけは、レーベルからの視聴動画。

西日本の大雨の被害のすごさに唖然。
心からお見舞い申し上げます。
新潟は、「潟」がつくように、水に囲まれた低い土地が多いところです。
とても、人ごととはおもえません。
どうか、くれぐれもお気をつけてくださいね。

んじゃ、退散♪

2018年7月 7日 (土)

ひんやりと幻想的 『Absence / Kristjan Randalu』

Absence


随分前に、リリースされてるんですが、、ブログ投稿が追っつかなかった。
でも、新潟にいらっしゃるんですよ。ソロ・ピアノで。(震える)

エストニア出身のピアニスト、クリスチャン・ランダルのECMデビュー作。
メンバーが、ベン・モンダーとマルク・オウナスカリという変則トリオ。

オープナーの冒頭の仄暗さを持つメロディを弾く端麗なピアノに引き込まれる「Forecast」。モンダーの残響系の美しいギターと、繊細なドラムで三色の層が渾然とならず、美しい。3色の空気の芸術。
宇宙の間にでも落ちたような超然としたフリーの世界「Lumi I 」。時間の間に落ちていくような幻想的な「Sisu」。宇宙から降り注ぐ沢山の粒子をあびているような「Lumi II」。
静と動を切り替えながらギターの響で異次元に連れていく「Escapism」。
ブラックホールのようなギター歪みを活用した「Adaption I 」。左手のミニマルフレーズと右手の繊細で美しいフレーズ、そして、ギターの優しいフレーズが溶け合った「Adaption II 」。
強面な一面を見せる「Partly Clouded」、ギターのビターなフレーズが素敵。
終演は、タイトル曲「Absence」。夢遊病者の夢ような静寂さと幻想的な雰囲気。

硬質で透明感あるピアノ、心に響くギター、2人の繊細な結びつきをより効果的にするドラム。全体にひっそりとした秘密の空間のよう。暑い季節に活躍しますね。

1. Forecast
2. Lumi I
3. Sisu
4. Lumi II
5. Escapism
6. Adaption I
7. Adaption II
8. Partly Clouded
9. Absence

Kristjan Randalu (p)
Ben Monder (g)
Markku Ounaskari (ds)

今日のおまけは、レーベルがだしていた「Absence 」。

来日の予定です。

9/5(水) 19:00 開場 19:30 開演 - 新潟 Jazz Flash
9/6(木) 19:00 開場 19:30 開演 - 上越 ラ・ソネ菓寮春日山店

9/7(金) 19:30 開場 20:00 開演 - 横浜 Airegin 
9/8(土) 19:00 開場 19:30 開演 - 柏 Nardis
9/9(日) 14:30 開場 15:00 開演 - 新宿 Pit Inn  


今日は、七夕、、宇宙を感じる1枚でした…。
んじゃ、退散♪

2018年7月 4日 (水)

アーシーな夜 『Get Happy !! 』 発売記念ライブ @ 柏崎うたげ堂(7/3)

南雲麻美『Get Happy!!』発売記念ライブ @ うたげ堂

南雲 麻美 あさみ(as)鈴木 大輔(g)西川 直人(org)横山 和明(ds)
ゲスト 南雲 麻美 まみ(as)

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アルトサックス奏者、南雲(あさみ)麻美さんが、去年でた新譜『Get Happy !!』ツアーで、柏崎のうたげ堂でライブ開催。
ゲストは、ご存知ご当地のアルトサックス奏者、南雲(まみ)麻美ちゃん!!
ご機嫌な、オルガン・トリオでGO♪

1セット目は、新譜の『Get Happy!』からの選曲をオリジナルバンドだけで。
オルガン・トリオにのって気持ちよく吹き上げるアルトに酔いしれます!
オープナーは、オリバー・ネルソンの「The Drive」、車から眺める景色のように軽快な風景が流れます。
2曲めは、オルガン・トリオのヴァージョンってことで、めちゃファンキーに「Save Your Love For Me」。ドラムとオルガンのコンビも最高。かっこいい!!
オリジナルの「Chill with Till」。愛犬にささげたバラッド。情感込めて。
新譜のタイトルになっている「Get Happy」をスリリングにガンガン燃え上がる!
ドラムソロ、すげかったです!!しかし、メンバーだなぁ。

サックス奏者には、良いドラムがまず必要といつも思っているので、素晴らしくグルーブするドラムにもめっちゃ大満足。
でで、やっぱ、古今東西オルガンとギターはお友だち!
手ベースもかっこいいけど、レスリースピーカーで聴くロングトーンの響きは至福です。
心の中で、「来い、来い、来い、もっと来〜〜い」って、叫ぶ私です…。

2セット目は、柏崎の南雲(まみ)麻美ちゃんが入って、因縁の麻美&麻美対決!笑
まみちゃん1人のマイワンもあったりコンファメ バトルがあったりと最後の最後まで 観客を沸かせてくれました。

グルーヴ泥棒、ファンキー三銃士みたいなバックを引き連れ、麻美(あさみ)さまも、麻美(まみ)さまも、大奮闘♪

すげぇ、ファンキー、アーシー夜となりました。
サインもいただき、無事帰宅。

んじゃ、退散♪

2018年7月 3日 (火)

神様万歳! 『Both Dirctions At Once: The Lost Album / John Coltrane Quartet 』

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すごいものが発掘されてしまった。
ジョン・コルトレーンは、ご存知のように常に前へ前へと突き進んでいった人です。
したがって、トレーンが好き、といっても、その幅はわりと広く人の好き好きはまちまちだとおもいます。
で、私はインパルス時代が好きで、「Live at Birdland(1963録音)」、「Crescent(1964録音)」、「A Love Supreme(1964録音)」あたりが大好き。
特に、「Crescent」は、、大大大好きで〜す。

今回、発掘されたアルバムは、ハートマンとの吹き込みの1日前に録音されたもの。
そう、1963年の3月6日にスタジオで録音されたもの。
今まで、一度も世に出たことがありません、
1963年って、そりゃ、いろいろな噂はあるものの、、バンドは絶頂期を迎えてたわけです。
買うしか、、ないっ。そして、インパルス、って、文字に踊らせれて買ってしまいました…。
CDは、別テイク集がくっついたものを。そして、何年かぶりでLPも買ってしました。。
大人買い。でも、いいのですよ。この時期のインパルスのアルバムは、LPで持ってるんですもの。
ブルーノートで、黄金カルテェットがライブしたと思えば安いものだ……。


タイトルのないオープナー「Untitled Original 11383」の引き締まったソプラノに、顔がニヤつく。いかにも、トレーン、って感じ。
ピアノレスの「Nature Boy」もどこか神がかっていて神聖な雰囲気。
エルビンに鼓舞されて、ソプラノで飛翔する「Untitled Original 11386」、かっこぇぇ。
ちょっと、面食らう(笑)「Vilia」、陽の部分ですね。マッコイが可愛いピアノを。
ソプラノで鋭く切り込む、風をきって走る疾走感が気持ちいい「Impressions」。
圧巻としかいいようのない「Slow Blues」。すげぇぇ。
終演は、聴く側にも息つく間も与えぬ「One Up, One Down」。

買ってよかった。生きててよかった。神様万歳!

今回、私の最高傑作と思う1枚は変わらなかったけど、、これは予想に違わぬ素晴らしい内容と思いました。
少なくとも、トレーン好きは買わないとバカだと思う。エルビン大好き元少年たちも買わないと怒られると思う。

でも、ディスク2は、、まただな。何時聴こう……かな……


ディスク 1
1. Untitled Original 11383
2. Nature Boy
3. Untitled Original 11386 (Take 1)
4. Vilia
5. Impressions (Take 3)
6. Slow Blues
07. One Up, One Down (Take 3)
ディスク 2
1. Vilia (Take 5)
2. Impressions (Take 1)
3. Impressions (Take 2)
4. Impressions (Take 4)
5. Untitled Original 11386 (Take 2)
6. Untitled Original 11386 (Take 5)
7. One Up, One Down (Take 6)

John Coltrane (ts, ss)
McCoy Tyner (p)
Jimmy Garrison (b)
Elvin Jones (ds)

今日のおまけは、痺れまくった「Slow Blues 」。

んじゃ、退散♪

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