贅沢すぎる時間 『二重奏』ツアー @ JAZZ Flash (6/21)
『二重奏』ツアー @ JAZZ Flash (6/21)」
金澤英明 (b) 栗林すみれ (p)
そのふわふわとした小さな可愛ぃピアニストは、ピアノを弾き始めると、圧倒的な存在感を示した。
優しさ、温かさ、そして、強さを秘めたピアノの音。一気に視線を釘付けに。
1曲めの「I Loves You Porgy」のメロディの向こう側にあるポギーの慈悲深さがシンシンと伝わって来るようでした。なんか、この1曲でここに来れてよかったとしみじみ思う。
人生を積み重ねた味わい深く太いベースの音と2人で創り上げる至福の世界。
滔々とピアノを弾きながら、湧き上がる気持ちも声で歌う。
それが、また、良い。一緒にその世界に入り込む。
たぶん3曲め「Children’s Play Song」と時折ベーシストの方を嬉しそうに見つめながら演奏を進めていく。「Children’s Play Song」は、内部演奏も入ったアグレッシヴな演奏。
ベースとの阿吽としか言いようのないやり取りは圧巻。スケールの大きな演奏。
アルバムの演奏とは、まったく、違うヴァージョンに思えた。きっと互いの信頼度がずっと高まっているのだろうなぁ。
同じ曲でも、その時その場にしかない世界を毎回毎回創り上げていくのだろうな。
演奏は、その都度違うものは常識だよ、って、言われそうだけど、そういうレベルじゃない。
常に新世界!
じゃなくちゃ、あんなに楽しそうな「期待の眼差し」でベーシストを見つめることはできないと思う。
1曲、15分前後、そのテーマで遊びつくした感じ。大自然の中で転げ回って遊んでいる子どもよう。
1セットめの最後は、何を演奏するか、、ちょっともめて、、渋〜いベースソロから始まったスタンダードで休憩。
アルバムを聴いて、期待していた以上の世界で、気持ちが高ぶっている…私。
30分の休憩中は、手持ちになかった金澤氏の「Boys 10」を買う。
2セットめも緩急つけた魅力的な「すみれワンダーランド」が続き、高揚感が高まっているところに、ヘイデンの「Our Spanish Love Song」がきた!胸が締め付けられる。歌声が効果的すぎる。
このリリシズム、豊かな感性、、全身で彼らの音を浴びる。
なんと最後の曲は、先日のロンドン公演で演奏した日本の曲、唱歌「この道」。
この2人で、この選曲は泣けるに決まってる。ゆっくりと、噛みしめるようにテーマを奏でる。
ベースのボーイングも味わい深くぴったりだ。
すみれさまは、「おかあさんと一緒にお風呂で歌った」って、おっしゃっていたけど、亡くなった両親と田舎の道を歩いてる自分が浮かんできてしまって、不覚にも涙がにじむ。いやだな、年寄りは…。素敵な演奏でした。
そして、アンコールは、新しい曲で、『二重奏』を演奏した「蘭越」の「蘭越のうた」。
おぉ、越後の一文字が!笑 きっと、再来してくれるのだろうな。
ゆったりとした、音と音の間(はざま)にも2人の想いが込められた演奏。
2人の世界が重なり合い、そして、大きく広がる世界。
小さな木のぬくもりを感じる響の良い箱と2人の演奏が一体化した 至福のときでした…
いやあ 贅沢な時間でした…。
できることなら、今日の新発田のbirdのライブにも聴きにいきたかったですね…。
また、来てくださいね。
というわけで、持っていたCDにお2人の丁寧なサインをいただき、一緒に写真もとっていただき、、嬉しい夜となりました!
んじゃ、退散♪
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